仲睦まじく集団行動をしていた吹奏楽部メンバーだが、日を追うごとに仲違いが発生してくるようになった。グループをかき乱し始めたのは、チューバを担当していた恵美ちゃんだった。彼女は少々太ってはいたが、面白くてみんなの人気者だった。そんな恵美ちゃんはフルート担当の奈々ちゃんの悪口を言うようになった。奈々ちゃんは華奢で服装がいつもオシャレだった。そんな彼女は男子からも人気者で、いつも男子をおちょくっていた。簡単に言えば恵美ちゃんは奈々ちゃんに嫉妬していて、それで悪口を言うようになった。 // 悪口とは初めての経験で、私はどう対応するべきなのか悩んでいた。誰にも嫌われたくないし常に八方美人でいたい私は、恵…
片田舎の普通な家庭で育った私。父親と母親と祖母と妹の5人家族。祖母の代で建てた古い一軒家で幸せに過ごしていた。 小学生ながらそこそこ何でもできた私は、毎月届く進研ゼミが玄関に積もっていても、テストでは常に満点だったし、人間関係も良好だった。父親に瓜二つな私の濃い顔は、ちっぽけな田舎の中では「都会顔」と評判で、まさに才色兼備とはこのことかと、母親の四字熟語辞典を読みながら変な納得をしていた。 // 早くもここまで読んで頂ければわかるように、小学生時代で既に、自信家で、人一倍プライドが高い性格が完成されていた。なぜこうなったのかはわからないが、大人が言う「かわいい」「良い子」という言葉を文字通りに…
「ブログリーダー」を活用して、佐倉さくらさんをフォローしませんか?