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2018/07/07

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  • 生存報告&本の紹介

    お久しぶりです。プライベートでも仕事でも色々とありすぎて、ブログの更新がすっかり止まっていました。せめて生存報告だけでもと思い、パパッと更新しちゃいます。 ひとまず近況報告から。ずっと地方大学病院救急科医局所属で、時折市中の2次医療機関配属になりつつも働いてきましたが、家庭の事情により転出することになりました。4月から全く別の地域で働きます。あんま詳細を書きすぎると身バレするんで、これくらいしか書けません。申し訳ありません。 日々のニュースを見たり, 日々の診療の中で色々な課題に直面したりして思うことは色々あるんですけど、今回は手短に済ませたいので、またまた最近読んだ本の紹介でもさせて下さい。…

  • 最近読んだ書籍を紹介 − 『金正恩の核兵器 北朝鮮のミサイル戦略と日本』(井上智太郎, ちくま新書)

    みなさんこんにちは。昼休みにパパッとブログを更新中の現役救急医です。このブログでは以前より、医療関連の話題以外にも、私が読んだ色々な書籍の紹介をして来ました。医療や医学がテーマの書籍も紹介して来ましたが、私の興味の範囲は自然科学や歴史, 国内外の情勢など多岐にわたるので、時折マニアック?なテーマの本もあったと思います。 今回紹介するのは、最近もミサイルを発射したり, プーチンと金正恩が会談する等してロシアと接近したりして、相変わらず世間を騒がせている北朝鮮の軍事 − 特に核兵器について一般向けに解説した、専門家の著書です。 『金正恩の核兵器 北朝鮮のミサイル戦略と日本』(井上智太郎 著, ちく…

  • 体外循環に関する論文まとめ Part 2

    読者の皆様お疲れ様です。現役救急医です。間が空いてしまいましたが、今日は前回に続いて、体外循環に関する英語論文をざっくり紹介していこうと思います。前回の記事は以下のリンクから閲覧可能です。 voiceofer.hatenablog.com その2: 'ECLS-SHOCK' trial (Thiele H, Zeymer U. et al., N Engl J Med 2023;389:1286-97) (1) Method ドイツ・スロベニア2ヶ国で実施された研究者主導・多施設参加のランダム化open-label臨床試験。血行再建治療を予定され, 心原性ショックを合併した急性心筋梗塞患者にお…

  • 体外循環に関する論文まとめ Part 1

    皆様お久しぶりです。久々にブログを更新します。ここ最近も色々と忙しかったです。仕事が忙しいというのもあるんですが、色々あって今いる地域から来年度辺りに転出・転職することになり、その手続きやら挨拶回り?やらで、まだまだ振り回されそうです。 今回と次回の2回に分けて、救急医もしばしば関与する体外循環装置(或いは人工心肺)に関する論文をちょっと紹介してみようと思います。 その1:'INCEPTION' trial (Siverein MM., Delnoij TSR. et al. N Engl J Med 2023;388:299-309) (1) Method オランダで実施された多施設参加型の…

  • 最近読んだ本の紹介 − 『諜報国家ロシア ソ連KGBからプーチンのFSB体制まで』(保坂三四郎 著, 中公新書)

    お久しぶりです。昼休みに生存報告も兼ねてブログを更新します。身バレするので詳細は書けませんが、自分のキャリアや, 今の勤務先での仕事, 肉親との軋轢(?)の間で色々と悩んでおり、そのせいか最近診療業務の中で、なんと言えば良いんでしょうか、キレが切れがなくなって来ているような気がしています。 まあそんな現実から目を背ける為に(?)、YouTubeを見たり, 読書したりしている訳ですが、今回は最近読んだ本で特に印象に残った一冊を紹介しようと思います。 『諜報国家ロシア ソ連KGBからプーチンのFSB体制まで』(保坂三四郎 著, 中公新書) ロシア軍のウクライナ本格軍事侵攻以降、報道でロシアのプーチ…

  • 【久々の更新】心房細動&脳梗塞の患者への抗凝固薬開始時期 − New England Journal of Medicineより −

    メチャクチャお久しぶりです。色々と忙しくて、気が付いたらブログ更新が止まっていました。生存報告と, 自分の勉強も兼ねてブログをぼちぼち再開します。(YouTubeに関しては、動画編集の手間もあるのでできる時にやります) 以前からこのブログでは脳卒中関連の論文を時折紹介してきました。実際に救急医療の現場でも脳出血・脳梗塞・くも膜下出血等の患者さんを診察し、脳外科医・脳神経内科医との共同作業を求められる機会も少なくありません。今回もそれに関連した文献(Fischer U, Koga M. et al. Early versus later anticoagulation for stroke wi…

  • 広島G7サミット・ウクライナ情勢について思ったこと

    皆様こんばんは。現役救急医です。相変わらずメチャクソ忙しくて、正直なところ悠長にブログを更新している余裕なんてないんですが、ここ数日、TVやネット等で国内外の情勢が目まぐるしく?動くので、更新せずにはいられません。 まず、広島のG7サミットについて。色々な意見が見られますが、私は少なくとも、これについてはポジティヴな評価を与えても良いと思います。G7首脳が広島の平和記念公園に一緒に献花して黙祷を捧げ, 資料館を見学し, 日韓首脳が原爆で犠牲になった韓国人慰霊碑前で一緒に献花して黙祷を捧げ, そしてウクライナのゼレンスキー大統領が電撃来日して、岸田首相と一緒に慰霊碑や資料館を訪問して黙祷を捧げる…

  • 【久々の更新】SNS上で話題になっている医療系漫画のことについて。

    メチャクチャお久しぶりです。現役救急医のカ医ロ・レンです。一応Twitterには顔を出していましたが、仕事がクソ忙しくてYouTubeもブログも更新できていませんでした。(そして今後も更新が停滞しまくると思います) 今日久々に記事を書いている理由は、最近Twitter上で非常に気になる話題を見かけたからです。曰く、「某外科系診療科のある医師が関与した患者が次々と死亡したり、重篤な合併症を生じてしまい、同僚らも対処に困った」という概要の漫画がネット上に無料で公開されているというのです。私も当初目を通し、「え?これフィクションだよね?」と思っていましたが、SNS上に流れている『情報』を見る限り、違…

  • 職場で頭に来ていること

    お久しぶりです。現役救急医です。色々忙しくて、ブログ放置していました。YouTubeチャンネルも同様です。COVID-19感染拡大の波は今のところ一旦落ち着いていますけれども、最近も最近とて、病院で働いていて色々と頭にくることが続いたので、ここでぶっちゃけてやります。なお私の身分がバレちゃ色々まずいので、一部情報をぼかしたりしてます。 最初に断っておきますが、私の周囲には、患者の希望や尊厳・苦痛等に配慮して、「最善の治療方針を皆で考えよう」という、所謂『意識の高い(?)』職員が何人も居ます。私に助言を下さり, 専門的な治療の為の転科を快く承諾して下さる他科の先生方や, 私に助言を仰ぎに来て、そ…

  • 【海外メディア記事より】増え続けるワグネルの戦死者

    皆さんこんにちは、現役救急医です。数日ぶりの更新です。寒波のせいか、急病になる人が増えてしまい、てんてこ舞いでした。それに加え、担当患者の病状説明やら, 今後の方針(長期的なものを含む)の相談やらで忙殺され、心の余裕もすり減っていました。 今日は久々に、海外メディアのネット記事をざっと紹介してみます。今年1/24公開・1/26訂正がされたNew York Timesの記事"Imagery shows how a cemetary for Russian mercenaries is expanding"を参考にしています。 www.nytimes.com ウクライナ情勢の報道で既に何度も言及さ…

  • COVID-19「2類相当から5類へ移行」の方針に思うこと。

    皆様こんばんは。現役救急医です。最近ニュースでは、かのCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)に関して、「現在『新型インフルエンザ等感染症』と同じ扱い, 即ち2類感染症とほぼ同等から、5類感染症へと『段階的に』変えていく」といった政府発表が話題になっています。 2類相当から5類相当に変更することで、具体的に法制度上の扱いはどうなるのか等について、自分で調べてまとめようと思いましたが、忙しいのでそんな余裕がありません。しかしNHKの公式サイトで割と分かりやすい記事があったので、以下に掲示しておきます。 www3.nhk.or.jp 他に、宮城県の公式Twitterアカウントも分かりやすくまと…

  • たまには自分の煩悩を暴露しよう

    こんばんは。現役救急医です。最近ずっと医療関連やロシア-ウクライナ情勢ばっか呟いてきましたけど、たまには別の話題を語ってみたいと思います。 実は私、これまで一度も『パートナー』という存在ができたことがありません。性的嗜好は異性愛(女性が好き)ですが、定期的にデートに行ったり, キスやセックスといった濃厚な接触を持ったりするような関係になった女性は皆無です。初恋は中学生時代でしたが、中学・高校時代に関しては、私が片想いしている間に、その相手は私よりも容姿が良く, 運動が得意で, 他の男子にもウケが良い男(皆私なんかより学力は下ですけどね)と付き合ってしまいました。大学時代には2回ほどそれぞれ別の…

  • 【海外メディアより】ロシア軍の虐殺の証拠

    最初に注意事項を提示します。 この記事で紹介する海外メディアのリンク先には、流血を含んだ実際の映像もあります。外傷や熱傷によって重症に陥った, ないし 亡くなられた患者さんの診療を経験している医療従事者である私でもショックを受けました。どうかご注意下さい。 こんばんは。現役救急医です。今日は前々回や前回同様、ロシアのウクライナ侵攻に関する海外メディアの記事を紹介してみます。今回参照した記事は、'New York Times'が昨年(2022年)12/22に公表(そして23日に更新)した記事"Caught on Camera, Traced by the Phone: The Russian M…

  • 【海外メディア記事より】ウクライナ首都防衛戦の内情

    こんばんは。現役救急医です。今日も前回に引き続き、ロシアのウクライナ侵攻に関する海外メディアの記事を紹介してみます。今日参考にするのは、英国の新聞'Guardian'が昨年12/28に発表した記事"The battle for KYic revisited: the litany of mistakes that cost Russia aquick win"です。 www.theguardian.com 今回も、記事の中で重要そうな部分を抜粋し, 自己流で翻訳(多分雑で不正確)してまとめてみます。 (1) ロシア侵攻までの流れ 2021年3月からロシア軍はウクライナ-ロシア国境やウクライナ-…

  • 【海外メディア記事より】ロシアは何故ウクライナ侵攻でしくじりまくっているのか

    読者の皆様こんにちは。現役救急医です。COVID-19第8波の影響はまだまだ続いています。死者が増え続けているとのことですが、主に高齢者が亡くなっており(加齢によって、免疫だけでなく循環器・腎臓等の全身機能が衰えているため)、ワクチン接種やマスク装着, 多人数と同じ空間で一緒になる行動を避ける, 体調不良時は人との接触を極力減らす 等の基本的な感染対策が必要なことは変わりません。中にはコロナワクチン副作用を気にして接種を見合わせる・延期する人も居るようですが、COVID-19罹患による症状・合併症・後遺症はワクチン副作用よりも明らかに重く, 長引くので、そこらへんを冷静に考えて頂きたいものです…

  • 2023年、今更だけど新年の抱負を。

    こんばんは。現役救急医です。今年も宜しくお願い申し上げます。昨年末に散々YouTubeやこのブログで愚痴っていましたが、あまり新年を祝う気になりませんでした。大晦日と元旦は非番だったので、ちょっと早い時間帯から酒を飲んで気分を紛らわそうとしていました。まあ、友人や同僚らから、ポジティブな励ましの言葉をLINE等で受け取ったので、少しは前向きな気分になれた訳ですが。 まあそんな訳で、今年の抱負を幾つかここで宣言してみます。 ① 今の勤務先のスタッフへの助言・フィードバック等を強化する 救急専門医は、個々の患者の診療(と本人や家族との意思疎通・合意形成)のみならず, 院内の診療態勢や地域のメディカ…

  • 小泉悠 氏の『ウクライナ戦争』を読んでみた。

    みなさんこんにちは。現役救急医です。ちょっと今日は医療から離れて、最近読んだ本の話をします。今年になってよくテレビに出演されている専門家 小泉悠 氏の著書『ウクライナ戦争』です。この本は2022年12月初頭に発刊されており、結構最近までの戦争の経過をフォローしつつ、プーチンがウクライナ侵攻に至った要因を考察したり, ウクライナ侵攻に至る前の時系列も解説していたりと、色々勉強になりました。 そこで今日は、この本を通して私が学んだ、ウクライナ侵攻の時系列をざっくりまとめてみました。 (1) ロシアの侵攻開始 ロシアのウクライナ侵攻は2022年2/24に始まりました。ロシア軍は南部・北部・東部からの…

  • 最悪の大晦日

    こんばんは。現役救急医です。残念ながら、まだまだ私の苦しい心境や負の感情をここに綴らねばなりません。あんまニュースでも大きく扱われなくなりましたけど、COVID-19感染拡大によって全国各地で医療が危機的状況に陥っています。感染者がここまで増えると、医療スタッフも感染します。欠勤して病棟や外来業務がまた回らなくなり、患者もCOVID-19以外の疾病や外傷に加え, COVID-19患者(院内感染した患者を含む)も増えるので、色々な病院の診療機能が低下しています。患者の転院・退院も上手く回りません。当然、入院が必要な患者が入院できず、救急車も受け入れ先が見つかりません。 その要因については過日、当…

  • 今年ももう少しだけど毒を吐いてやる

    こんにちは。現役救急医です。COVID-19の感染拡大、全然落ち着いていません。それどころか、今私の居る地域でもまたまた拡大し、色々な所(老健施設や病院を含む)でクラスターを起こしています。こんな状況で冷静でいろ、という方がおかしい。 国民皆保険制度を持ち, 良くも悪くも世界的に国民が長寿を誇り, 医療機関受診の閾値が低い我が国で、COVID-19の感染拡大の度に救急搬送先が見つからない, 自宅療養中のCOVID-19患者へのフォローアップが追いつかない等の問題が続々と噴出した要因については、先日このブログで大雑把ながら紹介した通りです。 voiceofer.hatenablog.com 私が…

  • 先日に引き続き、日本のCOVID-19対応について愚痴を垂れ流す

    こんばんは。現役救急医です。過日、COVID-19パンデミックを引き合いに出し、現在の医療体制の欠陥について色々と愚痴を垂れ流していましたけど、今日もまた色々とものを申します! voiceofer.hatenablog.com 過日も申し上げましたが、2022年10月の第50回日本救急医学会総会・学術総会で、阿南英明先生の講演を拝聴する機会がありました。前回の記事では『神奈川モデル』を紹介しましたが、この講演の中では日本の医療が以前から抱えていた問題点も紹介していました。以下へ列挙していきます。 危機的状況下で、国・都道府県・市町村・医療機関では次元が異なり, 従って本来担うべき役割は異なる。…

  • 紹介状・地域連携室不要論?

    こんばんは。現役救急医です。全国的に寒波が到来し、降雪の影響で道路交通網に影響が出たり, 積雪量が凄まじいので注意報が出た地域もあったようですね。 そんなご時世ですが、COVID-19の方も依然流行中です。高齢者施設等でクラスターが発生したり, 急性期医療機関や回復期リハビリ病棟でも患者・スタッフのクラスターが発生したり, クラスターに至らずとも、医療スタッフが家族から感染する等して欠員が生じたりして、依然医療現場は混乱しています。詳しい話は今回は割愛しますが(私より詳しい医療従事者は何人も居ると思いますし)、パンデミック前から日本の医療態勢は様々な課題を抱えており, 誰もそれらの抜本的解決を…

  • サッカー男子日本代表、無念。

    皆様こんにちは。昼休み時間にパパっとブログを更新している現役救急医です。今朝ニュースやTwitterを見て、サッカー日本代表がクロアチア代表に負けたことを知りました。試合は録画し忘れて、まだ全貌を把握しておらず、ハイライトしか知りません。まあ流れとしては、 1. 日本が先制 ↓ 2. クロアチアが同点ゴール ↓ 3. PK戦にもつれ込んで負けた という感じなんですよね?実は私、2018年後半〜2020年初頭までDAZNでJリーグのライブ配信とか海外サッカーの試合のオンデマンド配信とかちょくちょく見ていたんですが、COVID-19パンデミックで中断された経緯もあって、見る習慣が無くなってしまい、…

  • 天然資源とかについて色々思ったこと。

    こんばんは。現役救急医です。最近、ニュースのヘッドラインが「やれサッカーW杯だ、やれ日本が16強に入ったぞ」だのと賑やかですね。私はガチなサッカーファンではないですが、予想外の結果に驚くとともに、嬉しいと思っています。 ですが、頭の片隅ではやはり、国内外で苦境に立たされている人々や, 様々な不正行為のことも憂慮しています。今回W杯開催地となったカタールでの人権問題(LGBTQ+への抑圧, 外国人労働者の酷使など), シリア内戦, 中国国内での人権問題(強引なロックダウンやチベット・ウイグル・モンゴル人への迫害など), 日本国内での貧富の格差・政治資金問題なども憂慮すべき課題ですが、やはりウクラ…

  • Appleに物申す

    皆様、お久しぶりです。色々忙しくて、ブログもYouTubeも更新が止まり、気が付いたら11月も下旬です。既にCOVID-19第8波が始まり、老健施設や回復期・急性期病院でのクラスターの噂も飛び交って、心穏やかではありませんね。 ちょっと今日は、昼休みの時間を借りて、Appleへの愚痴を書こうと思います。 私は数年前からiPhone, iPad, MacBook Proを使用するAppleユーザーなんですが、Appleのカスタマーサービスに連絡するたびになんというか、イライラしてしまうんですよね(日本企業のカスタマーサービスも、企業や業種によってはついついカチンと来る対応をされることもありますけ…

  • ウクライナのインフラ等を空爆したロシア軍関係者が身バレ

    みなさんこんばんは。お久しぶりです。忙しすぎて、またまたブログ更新が止まってしまいました。YouTubeなんて8月以来全然更新してません。今回は、Twitter等を見ていて気になったニュースを紹介してみます。 以前もこのブログで紹介していますが、欧米には'Bellingcat'と呼ばれるジャーナリストや専門家らからなる有志の調査報道集団が居ます。そのグループが10/24に、非常に興味深い記事を発表したので紹介してみます。 www.bellingcat.com 今年(2022年)10/10にロシア軍はウクライナ各地をミサイルで攻撃し、120名以上の死傷者が出ました。この攻撃では公園や住宅地などが…

  • 気になったガイドラインをテキトーに紹介してみる:Part 1

    こんばんは。現役救急医です。プライベートでは特に進展はない(e.g., 彼女出来たとかもなし)けど仕事はめちゃクソ忙しく、ブログとYouTubeの更新が停滞していますが、ここ最近はちょっとだけ余裕が出てきたので取り敢えずブログを更新します。 時々、様々な疾患・病態の治療や診断が良くわからず、ネット上でガイドライン等を探すんですが、今回からはそうやって見つけたガイドラインのうち、自分的に興味のある部分だけ抜粋して紹介してみます。初回(?)の今日は、『2020年改訂版 大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン』(日本循環器学会・日本心臓血管外科学会・日本胸部外科学会・日本血管外科学会)の中から、定義と…

  • 世間は国葬だと騒いでいるが

    こんばんは。現役救急医です。昨日(2022/9/27)、安倍晋三元首相の国葬が東京都内で挙行されました。メディアでは、誰々が参列したとか, 反対派がデモをやったとか色々言っていますが、正直私は殆ど関心を持てませんでした。ぶっちゃけ私も安倍氏の国葬には懐疑的だったんで、そんな話題には興味を持てないのです(ましてや、「国葬をしないと沢山人が死ぬ!」という訳じゃないですし)。 そもそも、国葬に値する為政者なんてこの数十年、日本国内に居たと私は思っていません。以前からメディアでは時折、バブル崩壊以降の日本国内の経済や雇用等を指して『失われたX年』と言っていましたが、これが10年, 20年, そして30…

  • プーチン(ロシア)に継戦を断念させるにはどうすべきか

    読者の皆様、こんにちは。現役救急医です。今年2月末に発生したロシアのウクライナ侵攻が、また新たな段階に入ったようです。9月中旬になって、ウクライナ軍は自国東部でロシアに対する大攻勢を成功させました。 graphics.reuters.com www.afpbb.com これに対し、ロシアは軍の予備役30万人程度を動員する命令を下し, 核兵器の使用をちらつかせた他, ウクライナの被占領地域での『住民投票』の準備を進めているそうです。要は、ウクライナからの撤退を一切拒否し、侵略を継続するつもりなのです。 www.afpbb.com jp.reuters.com www.afpbb.com ウラジー…

  • ここ1年間くらいに読んだ本の紹介

    こんにちは。現役救急医です。今日は医療からちょっと脱線した話題で記事を書こうと思います。私の興味の範囲は当然ながら医学・医療だけでなく、歴史とか世界情勢とか自然科学も含まれます。そんな私がこの約1年の間に読んだ様々な分野の本を雑に(笑)紹介してみようと思います。 (1) 医療関連の本 「興味の範囲は医学・医療だけじゃない」と言っときながら何だ!と突っ込まれそうですが、まず看護師の木村映里さんの著書『医療の外れで 看護師のわたしが考えたマイノリティと差別のこと』(晶文社, 2020年)を紹介します。 医療現場に居ると様々な患者さんに出くわします。アルコール依存症で酒が止められない, 実家とほぼ絶…

  • 東京女子医大の混乱から日本の現状を憂う

    皆さんこんばんは。現役救急医です。最近色々と忙しく、ブログもYouTubeも全然更新できていません。頑張ればネタの一つや二つは思いつく筈ですし, 実際色々興味のあるトピックは存在するのですが、いかんせん纏めてからブログやYouTubeに上げる時間的・体力的・精神的余裕が明らかに減じています。 言うまでもなく、COVID-19の第7波が影響しています。政府は『まん延防止措置』や『緊急事態宣言』などの発出を見送ったまま来ていますが、そのせいもあってか感染拡大は一向に落ち着く気配がないように思われます。私個人としてはコロナワクチン接種を遍く国民に実施できている(或いはその素地が揃っている)のであれば…

  • マジで◯ソな国家・社会。

    こんばんは。現役救急医です。 私は今、物凄くイライラしています。もう言うまでもないですよね? またCOVID-19が拡大しているんですよ!!これで7回目!!!! ニュース等で散々報道されているし, 現に私も臨床現場で実感しているのでもう言うまでもないかと思いますが、「救急車を呼んでも受け入れ先がない」・「医療スタッフが感染or濃厚接触者になって病棟や外来が回らない」・「薬の供給が間に合わず出荷調整中」等という事象がまた全国で発生中です。 私の周囲でも、「スタッフの家族が感染し、スタッフ自身も濃厚接触者になったor感染した」, 「発熱等を主訴に受診した患者の殆どがPCRでSARS-CoV-2陽性…

  • 【今現場にいる医療従事者より】東医体に出場する皆さんへのお願い

    皆さんこんばんは。現役救急医です。今日は当直で、短い空き時間を利用して少しずつ記事を書いていたら、最終的にこんな夜更け(23時近く)にアップロードするハメになりました。断じて暇な訳ではないので、ご了承ください。 さて、過日も触れたように、2022年において東医体は種目ごとに開催の可否を判断し, 西医体は中止の方針となりました。2020年以降、西/東医体はずっと中止となっており、「今年こそはやろう!」という強い意向が(全員でないにせよ)医学生の間で働いていたようです。 voiceofer.hatenablog.com 今日は、そのような経緯で東医体の開催に踏み切った種目の関係者(主管校の学生や出…

  • 2022年の西医体は中止で、東医体は開催するらしいけど

    読者の皆様こんにちは。現役救急医です。仕事やらその他雑務やらで、ブログとYouTubeの更新がまた止まっていました。一応、Twitterは見ていましたけど。 さて、我々医療従事者のみならず, 医学生にとって気になる情報がTwitter上で流れ続けています。東日本の大学医学部医学科学生が参加する大会『東日本医科学生総合体育大会(東医体)』と, その西日本版である『西医体』というものが以前から存在しており(高校で言えば高校総体やインターハイのようなもの)、私も学生時代に出場したことがあるのですが、2020年以来、COVID-19パンデミックのせいで開催が見送られてきました。ですが、今年(2022年…

  • 言葉が見つからない(※2022年7/8午後6時25分ごろ追記)

    こんばんは。現役救急医です。 とても衝撃的なニュースが飛び込んで来ました。皆さんはもうご存じと思うので、ニュース記事へのリンクを貼る等は敢えてやりません。 本日昼頃(2022年7月8日)、選挙戦のため奈良で演説していた安倍晋三元首相が、銃器(一部報道によると自作のようです)で攻撃され、救急搬送されました。突然のこんな重大な事件ですから、ご本人様の状態に関する情報は錯綜している感が否めませんでした。少なくとも、ドクターヘリを利用して奈良医大付属病院救命センターまで搬送されたことは間違いありません。報道によっては、現場で胸骨圧迫をしていたとの話もあります。 正直な話、外来や病棟業務で忙しい中で、私…

  • 2019年のボリビアでのChapare出血熱アウトブレイク

    こんばんは。現役救急医です。2019年末から我々人類はCOVID-19 (SARS-CoV-2) に振り回されっぱなしですが、新興感染症なるものは他にも色々出現しているようです。そこで今回は、今年6/16に発表された論文を紹介してみます。 ※参考文献:Mafayle RL, Morales-Betoulle ME. et al. Capare Hemorrhagic Fever and Virus Detection in Rodents in Bolivia in 2019. N Engl J Med 2022;386:2283-94. (1) 背景 Mammarenavirus属, Are…

  • 喉元過ぎれば熱さも忘れる

    みなさんこんばんは。現役救急医です。最近ブログとYouTubeをメチャクソサボりがちで申し訳ありません。年度が変わった途端、そこそこ責任のある地位に就いたこともあり、尚更忙しくなってネタも切れて…という有り様でした。しかし、少しは記事を書いてみないと…と思ってとりまブログを更新します。 今年2月末からニュースはずーっとロシアのウクライナ侵攻の話題ばかりで、最近はもうすぐ行われる参院選関連の話題や酷暑・節電の話題で持ちきりですね。プーチンら強権的な指導者/ジェノサイドの加害者の暴虐は糾弾されて然るべきですし, 核兵器等CBRNE兵器は存在自体言語道断ですが、自国防衛のためのリソースや法制度の議論…

  • 敗血症にビタミンCって実際どうなの?

    みなさんこんばんは。現役救急医です。久々の更新です。ここ最近、仕事が忙しい上に, ブログやYouTubeに上げたいネタが切れていました。ごめんなさい。今日は、最近New England Jornal of Medicineに掲載された、敗血症患者へのビタミンC投与の臨床試験に関する論文です。 (1) 方法 ① Trial Design LOVIT(Lessening Organ Dysfunction with Vitamin C) trialは第3相の多施設参加型・ランダム化比較対象試験である。LOVITでは、「ICUで血管作動薬投与を受けている敗血症成人患者において、高用量ビタミンC投与が…

  • 欧州のCOVID-19症例における血栓症と死亡率

    みなさんこんばんは。現役救急医です。今日は久しぶりに論文の紹介です。今年5/13にオンライン発表された'Venous or arterial thrombosis and deaths among COVID-19 cases: a European network cohort study.'(Burn E., Duarte-Salles T. et al., Lancet Infect Dis. 2022)が元ネタです。 (1) 導入 COVID-19は、強い炎症, 血小板活性化, 血管内皮障害, 血流の停滞により血栓症を来す可能性がある。入院COVID-19症例における静脈血栓塞栓症のリ…

  • 炎上覚悟で毒と愚痴をぶちまける

    こんばんは。現役救急医です。今日は仕事で色々色々上手くいかないことがあり、夕方までモヤモヤイライラしていました。夕食がてら酒を飲んで, BSで放映されていたコメディーアクション映画(以下リンク参照)を見て笑い転げ, Twitterで下ネタを垂れ流して憂さ晴らしをしていました。そこで、今日は酔った勢いで普段の溜め込んだ不満を一気にぶちまけようと思います。罵詈雑言が苦手な方はブラウザの『戻る』ボタン等で閲覧中止を強く推奨します。 https://amzn.to/3kNa0fJ まず、医者にその都度飽きるほど腐るほど突きつけられる有象無象の書類仕事について。 おい、ク◯医◯課!! てめえは俺ら臨床の…

  • 最近だいぶ更新が止まりがち。

    こんばんは。現役救急医です。ここ最近、色々と忙しくなったり, ブログやYouTube以外に色々とやりたい(orやるべき)ことがあるので、更新が止まっていました。田舎の、人手が少ない病院 − 特に田舎 − ともなると、業務が多忙になりがちです。中には医師や看護師に回すまでもない(本来事務方がやるべき)余計なものがあったりするのですが…とりあえず、どの部署も「それはうちらに関係ない」・「それはうちの仕事じゃない」という無関心をなんとかすべきでしょう。 そんな中でも私は、臨床現場で働く中でふと浮かんだ疑問を解消するために色々と調べ物をして、その中で学んだことを動画などに上げてみてはいます。4/17に…

  • コロナワクチン4回目接種の効果 − イスラエルの全国規模のデータ −

    こんばんは。現役救急医です。最近忙しくて、ブログもYouTubeも放置していました。ちょっと余裕が出てきたので、最近見つけた論文をざっくりと紹介しようと思います。今年4月13日に発表されたイスラエルの論文です(Magen O. et al., Fourth Dose of BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine in a Nationwide Setting. N Eng J Med. DOI:10.1056/NEJMoa2201688)。 (1) 導入 2022年1/3にイスラエル保健省は、≧60歳 or 免疫不全のある人で, 3回目接種後4ヶ月以上経過した人を対象とし…

  • ジゴキシン中毒の治療 − 特に血液浄化療法について −

    こんばんは。現役救急医です。救急科にいると急性中毒患者を診療する機会も多いのですが、元々医師から処方された薬剤(睡眠薬, 抗うつ薬など。なお近年は三・四環系抗うつ薬中毒は稀)や, 市販薬による中毒が多いです。以前、研修医向け勉強会か何かでジゴキシン中毒について学んだ記憶があるのですが、私自身、過去に1名程度しか経験したことがありません。そこで、後学の為にも、色々調べて出てきた文献をまとめてみようと思います。今回の文献は、中毒への体外的治療法(ECTRs; extracorporeal treatments; 『血液浄化療法』とも)の使用に関する推奨を提示している国際的な専門家集団'EXTRIP…

  • Clostridioides difficile感染症の診断と治療

    みなさんこんにちは。現役救急医です。今日は、偽膜性腸炎の治療や診断について、UpToDateを基にまとめてみようと思います。なお、偽膜性腸炎の起炎菌は以前まで、『クロストリジウム・ディフィシル』と呼ばれていましたが、近年になり"Clostridioides difficile"へ変更になったそうです。長ったらしいので、以下"CD"と呼びます。また、『CD感染症』という呼称も長ったらしいので、以下"CDI(Clostridioides difficile infection)"という略称を使用します。 (1) 症状について 典型例では抗菌薬使用下でCDIを発症することが多く, 多くの場合、抗菌薬…

  • 胸水を検査に出す時、何をオーダーすべきか?

    みなさんおはようございます。現役救急医です。今日は、胸水を検査に提出する際に調べる項目などについて, UpToDateを参考にしてまとめてみようと思います。本当は胸腔穿刺やドレナージの手技についてもまとめてよかったのですが、冗長になりそうなので今回は割愛し, 別の機会にやります。 (1) 胸水は漏出性("transudates")か, 滲出性("exudates")か? 胸水を採取したら、まず「漏出性なのか, 或いは 滲出性なのか」を鑑別する必要があります。それぞれの定義等を以下に示します。 漏出性・・・胸部の静水圧と膠質浸透圧の不均衡により生じる。漏出性胸水は、患者の臨床経過から絞り込むこと…

  • チェルノブイリのロシア兵は本当に『被曝』だったのか

    こんばんは。現役救急医です。ロシアのウクライナ侵攻は、ロシアが首都キーウ攻略から手を引き, 2014年以降占領を続けているクリミア・東部(ルガンスク, ドネツク)からの攻撃に重点を置き始めているようです。そんな中、4月1日ごろから気になる情報が出回っています。曰く、ロシア軍は今年2月下旬にチェルノブイリ原発とその周辺地域を占領していましたが、3月31日、同原発から撤退して, ウクライナ側に管理を委ねることにしたそうです。 www.cnn.co.jp また、ロシア軍のチェルノブイリからの撤退に関して、「ロシア軍が原発周辺の最も汚染された地域『赤い森』で塹壕等を掘っていた」, 「そのせいでロシア軍…

  • 痙攣性てんかん重積状態(convulsive status epilepticus)の治療

    みなさんこんばんは。現役救急医です。研修医・医学生向けのものも含め、様々な医学書/参考書には、痙攣の診断/評価や治療に関する記載があります。今日は私の知識整理も兼ねて、UpToDateを参考に、痙攣性てんかん重積状態(convulsive status epilepticus)の治療についてまとめてみます。原因となる疾患/病態や, それらの診断方法の詳細については、色々な参考書に書いてあるので今回は割愛します。 (1) まず、定義について UpToDateによると、全般性痙攣性てんかん重積状態(GCSE; generalized convulsive status epilepticus)の定…

  • 肝シトクロームP450と抗血小板薬

    みなさんおはようございます。現役救急医です。神経内科・脳外科・循環器内科領域では特に、抗凝固薬のみならず, 抗血小板薬が処方される機会が多いのです。この抗血小板薬には抗血小板薬には様々なものがあり、人によっては十分効果が発揮されない場合もあるようです。今日は、抗血小板薬による脳梗塞再発予防に関連した臨床試験の論文(Wang Y. et al. N Engl J Med. 2021;385:2520-30)を紹介してみます。和訳が雑だったり, 面倒and/or難解なので飛ばしている箇所もあると思いますがご了承下さい。 (1) 背景 急性期脳梗塞ないし一過性脳虚血発作(TIA; transient…

  • 核兵器保有の是非(※2022/3/23午後9時台に追記)

    みなさんこんばんは。現役救急医です。今夜(3/23)午後6時にウクライナのゼレンスキー大統領の国会演説が行われました。演説の中でゼレンスキー氏はチェルノブイリ原発のことに言及し, 日本による一早い対露制裁発動とウクライナ支援へ謝意を表明し, 戦後復興への協力を要請した模様です。 ロシアのウクライナ侵攻は依然として止むことがなく、ロシア軍による攻撃で民間人の犠牲が増え続けています。プーチンが主導するこのような戦争犯罪・非人道行為は今に始まったことではない旨は以前このブログなどで紹介した通りです。 【速報】ゼレンスキー大統領が日本の国会で演説「アジアで初めてロシアに対する圧力をかけ始めたのが日本。…

  • 我々はいつ『規制解除』ができるのか

    みなさんこんにちは。現役救急医です。これまで私はCOVID-19に対する国策等について持論を展開し、最近では自ら感じた第6波の影響について綴った上で, それを通して感じたこと・世間に要望したいことを記していたと思います。但し、ずーっと愚痴っていても仕方ないので、「ではどのような条件を満たせば、規制を現状よりだいぶ緩くできるのか(≒規制解除のレベルが上がるのか)」について自分なりに考察してみようと思います。 (1) 意思決定を左右しうる要素 これまで度々問題となってきたのが日本国内のSARS-CoV-2感染者数の推移でしたが、それに加えて、日本国内のコロナワクチン接種率も無視できない要素です。首…

  • 低マグネシウム血症の治療

    みなさんこんにちは。現役救急医です。先日に引き続き、マニアックな(?)電解質異常の治療について、UpToDateを参考にまとめてみようと思います。今回は、低マグネシウム(Mg)血症についてまとめてみました。 (1) 低Mg血症の原因と症状 ① 症状 低Mg血症の症状は主に以下の4つです。 神経筋症状: 振戦, テタニー, 筋力低下, 痙攣, せん妄, 昏睡など 循環器症状: 心電図上、軽症例ではQRS延長・T波増高。重症例ではPR間隔延長・T波平坦化・心室性不整脈。 カルシウム(Ca)代謝異常: 低Ca血症, 副甲状腺機能低下症など 低カリウム(K)血症 ② 原因 主な原因は、1) 消化管から…

  • 低リン血症の治療

    みなさんこんにちは。現役救急医です。先日も少し述べましたが、電解質異常の補正はどの診療科でも直面しうる問題であり, 色々な参考書で原因検索や治療について述べられています。そこで今回は、それらの参考書で(あくまで私の印象論ですが)治療法の詳細が載っていない電解質異常について、UpToDateを基にしてまとめてみようと思います。とりあえず今回は低リン血症についてやります。 (1) 低リン血症の評価 低リン血症の原因には、1) 体内での再分布(e.g. インスリン分泌過剰, 急性の呼吸性アルカローシスなど), 2) 消化管での吸収低下(e.g. 摂取不足, 制酸薬等による吸収抑制, ビタミンD欠乏な…

  • 田舎の2次病院のダメなとこ

    みなさんこんにちは。現役救急医です。私は今、田舎の2次救急病院に勤務中ですが、今回はそんな環境で感じた「何これ!?ダメじゃね!?!?」と思ったことを列挙して自分の感情を整理しようと思います。どうか最後までお付き合い下さいませ。 (1) 早く知りたい検査項目が外注 私が担当する患者には様々な背景を持つ人がおり、罹患した疾病(もしくは外傷)も, 年齢・性別も, 入院前の生活背景も, 既往歴も多様です。その患者の病態・背景に合わせて診断と治療を進める上で重要になるのが、現病歴・主訴・身体所見やバイタル(血圧, 脈拍, 呼吸数, 意識状態など)だけでなく, 検査結果です。例えば、カリウム等の電解質は極…

  • 【第116回医師国試合格おめでとう】初期研修2年間にやっといた方がいいこと

    みなさんこんばんは。現役救急医です。3月16日は第116回医師国家試験の合格発表だったようで、午後になってTwitter上へ「受かった!」と言う報告が続々流れてきました。 改めて申し上げます。本当におめでとうございます。 卒後, 或いは 初期研修終了後にどの進路を選ぶにせよ、これはほんの始まりに過ぎません。そこで今回は、「初期研修医課程でこれをやっといて良かった!」, もしくは「これをやっておくべきだった!」というものを思いつく限り列挙していきます。是非ご参考にして下さい。 (1) 症例レポートはさっさと済ませよう 卒後間もない私は今と比べると、提出物等の期限に非常に敏感でした。初期研修医は指…

  • 急性腎傷害への腎代替療法に関するreview Part 2

    こんばんは。現役救急医です。今日は前回に引き続き、NEJMへ掲載された急性腎傷害(AKI)への腎代替療法に関するreviewの紹介第2部をやります。 (4) 腎代替療法の開始時期・適応や治療内容について ① 開始時期・適応 Table 2: 腎代替療法の適応 重症患者への腎代替療法の適応をTable 2に示す。体液過剰("volume overload")の回避, ないし 治療は、腎代替療法の早期開始の適応としてよくリストアップされている。観察研究では、AKI患者における体液貯留("fluid accumulation")の程度と死亡率の間の強い相関関係が示されている; しかし、循環動態の負荷…

  • 急性腎傷害への腎代替療法に関するreview Part 1

    こんばんは。現役救急医です。今日は、2022年3/10に発表された血液透析等に関するreviewを紹介してみます(Gaudry S. et al. 'Extracorporeal Kidney-Replacement Therapy for Acute Kideny Injury. N Engl J Me. 2022;386:964-75)。和訳してまとめてetc.とやっていたら、すげー長文になりそうなので、2部に分けて書きます。 (1) 導入 急性腎傷害(AKI; acute kidney injury)とは急激な腎機能の低下を指し, 糸球体濾過率によって評価する。系球体濾過率を直接評価する…

  • いち医療従事者として、世間の皆様にお願いしたいこと

    みなさんこんにちは。現役救急医のカ医ロ・レンです。今日は医療関係以外のお仕事に就いておられる皆さんへ、お願いしたいことがあってブログを書いています。私のブログやYouTubeチャンネルを始めて見られた方も居ると思うので改めて自己紹介しますと、私はだいたい2010年代に地方の国公立大学医学部医学科を卒業し, 昨年(2021年)秋に救急専門医を取ったばかりの医師です。大学病院救命センターに勤務していた時期もありますが、現在は大学医局の人事により、田舎の2次病院で働いております。ブログは2018年から, YouTubeチャンネルは2020年からマイペースに更新し、自分の勉強も兼ねて医学的なことや, …

  • 米国の12~20歳における小児他系統炎症症候群の症例に関する研究

    こんばんは。現役救急医です。COVID-19に罹患後の小児でたまに『小児他系統炎症症候群(MIS-C; multisystem inflammatory syndrome in children)』を来すことがあるのですが、コロナワクチン接種後のMIC-C症例に関する論文(Yousaf AR, Taylor AW. et al. Lancet Child Adolesc Health. 2022. https://doi.org/10.1016/S2352-4642(22)00028-1 )をざっと紹介してみます。 (1) 導入 MIS-CはSARS-CoV-2(新型コロナウイルス)感染の2~…

  • 心が晴れない。

    こんばんは。現役救急医です。先日も少しばかりブログやYouTubeでも吐露しましたが、職場の同僚数名がSARS-CoV-2に感染してしまいました。幸い皆既にブースター接種を済ませており、症状が進行して入院するようなこともなく経過して復帰しています。しかし皆口々に、 「まだ倦怠感がある」 「味覚が鈍くなって、レモンや炭酸すら刺激を感じにくい」 「嗅覚が鈍くなった」 「まだ咳が出ている」 と訴えているのです。COVID-19が重症度に関わらず、抑うつ, 咳嗽遷延, 味覚障害, 嗅覚障害, 認知機能低下等様々な後遺症を来しうることは、各種メディアで報道されていることもあり、読者の皆様もご存知であると…

  • NEJMに載っていた類鼻疽アウトブレイクの話

    こんばんは。現役救急医です。New England Journal of Medicineから配信されているメールを見ていたら、興味深い報告が載っていました。米国で類鼻疽が複数発生した事例の報告です(Gee JE, Bower WA. et al., N Engl J Med. 2022;386:861-8)。 (1) 導入 類鼻疽(melioidsis)はBurkholderia pseudomalleiの感染で起こり、B. pseudomalleiは熱帯・亜熱帯地域の土壌や水中に生息している。吸入, (経口)摂取, または 経皮的に人へ感染する。類鼻疽の症状は、発熱を伴わない皮膚膿瘍, 肺…

  • NOAC内服中の人にt-PAを投与しても大丈夫なのか

    こんばんは。今日は面白そうな脳卒中関連の論文を発見してしまいました。米国で、脳梗塞患者の経過を追ったデータベースを解析し, NOACs(Non-vitamin K antagonist oral anticoagulants)を内服中なのに脳梗塞を発症した患者の経過などを追跡したものです(Kam W, Holmes DH. et al. JAMA. doi: 10.1001/jama.2022.0948)。 (1) 背景など NOACsは血栓塞栓イベントを予防する効果が高いものの、NOACs内服中の患者でも毎年約1~2%が脳梗塞を発症する。t-PAは急性期脳梗塞への内科的再灌流療法の標準である…

  • しつこいパンデミックについての思いをひたすら綴る。

    こんばんは。現役救急医です。先日、COVID-19の第6波の影響が私の同僚にまで及んでしまったことについて思ったことをブログに綴りましたが、YouTubeにも動画にして上げることにしました。 youtu.be 2019年末に中国で発生し、瞬く間に世界に広がったSARS-CoV-2は依然、世界中の人々の健康や生活, 精神に負の影響を与え続けています。せっかく開発されたコロナワクチンも、国によっては十分に行き渡らなかったり, 2回接種を終えても数ヶ月経過したら、SARS-CoV-2感染に対する有効性が低下してしまったり(重症化に対する有効性は維持)とまだ先が見えない状態です。先進国の中には規制緩和…

  • 第6波を通して感じたこと。

    みなさんこんばんは。現役救急医のカ医ロ・レンです。今日は久々に?私の近況も交えて、このCOVID-19第6波や, 政府の政策などに対して私が抱いている思いを暴露しようと思います。 私は地方の2次病院勤務ですが、この第6波の影響は患者数増加だけに留まりませんでした。病棟や外来のスタッフの中には、幼稚園〜高校くらいまでのお子さんが居たり, 非医療系の職業に就いているパートナーと同居している人も少なからず居ます。既にメディア等でも話題になっているように、コロナワクチン2回目接種から半年以上経過すると、重症化抑制効果は維持されるものの, 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染に対する効果は減少…

  • ウクライナ情勢に関する雑感など。

    こんばんは。現役救急医です。今日は一応病院に出勤中ですが、COVID-19第6波の影響をまた体感し, 人様の健康や生命を預かっているという事実を再認識し, また国内外の陰鬱となるようなニュースを思い出して心が乱れつつあります。心の整理を付けたいので、ブログを書いています。 2/27夜9時からNHK Gで放映されていたNHKスペシャルを私は視聴し、ウクライナ情勢に関するこれまでの経緯や識者の解説を聞き、色々と私なりに考えていました。その番組曰く(私の記憶なので不鮮明な部分がある可能性をご了承下さい)、ウクライナのゼレンスキー大統領に関してロシア国営放送等は「既にウクライナから脱出した」などと言う…

  • ちょっとだけメンタルが回復したかも知れない

    こんばんは。現役救急医です。金曜日、どうしようもなく気分が落ち込んでいました。一旦、COVID-19だの, ウクライナとロシアの戦争だのといった陰鬱な話題しか提供しないTVや新聞, Twitter等SNSを全て無視しました。幸い、土日は仕事が元々休みの予定だったので、買い物の為の少しの外出時以外、ずっと家で寝そべってYouTubeで怖い話をまとめた動画を眺めたり, COVID-19以外の話題の英語論文を読んでみたり, 少し教科書を読んだりとぼんやり過ごしました。あと、高校時代からの唯一の友人に久々に連絡を取って、普段周囲に漏らせていなかった愚痴を聞いてもらいました。 そうやってメンタルはある程…

  • 心停止後の脳波変化の治療について

    こんばんは。現役救急医です。この領域にいると、心停止への蘇生処置後に自己心拍が再開した患者の診療に携わる機会が多いです。特に救命センターでは、脳波を計測して中枢神経予後判定に活かすということもあります。今日は、関連する話題で書かれた論文をざっくり紹介しようと思います(Ruijter B.J, Keijzer H.M. et al. 'Treating Rhythmic and Periodic EEG Patterns in Comatose Survivors of Cardiac Arrest.' N Engl J Med 2022;386:724-34)。 (1) 背景 律動的・周期的脳…

  • 【ウクライナ侵攻とCOVID-19】もう末法の世なのでしょうか

    こんばんは。現役救急医です。昨日まで、ウクライナ情勢に関してブログやらTwitterやらでキレ散らかしていましたが…正直なところそろそろ精神的に参りそうです。 news.yahoo.co.jp ライブ - Yahoo!ニュース あまり詳細は言えません(身バレ防止+守秘義務のため)が、私の勤務している病院がある地域にも、このCOVID-19第6波の影響が一気に押し寄せたような状況になってきました。報道とか, Twitterで見かけた医療従事者らの呟きで何となく「日本の状況は非常にまずいね」と分かっていたつもりなのですが…目の前に押し寄せたら、やはり心理的に受け入れることが難しいです。パンデミック…

  • 【恥を知れプーチン】マレーシア航空17便撃墜事件を覚えていますか

    こんにちは。現役救急医です。ウクライナ情勢が遂に『最後の一線』を超えてしまったようです。本日(2022年2月24日)、ロシア軍がウクライナ領内へ侵攻作戦を開始。首都キエフにも空爆・砲撃等が加えられているとのことです。ウラジーミル・プーチンは、国際社会の非難の声や牽制を無視し, ウクライナ国民の主権と領土を平然と蹂躙し始めました。私とて、怒りを禁じ得ません。 news.yahoo.co.jp news.yahoo.co.jp これを言ったら各方面から反感を買いそうですが、中国戦線を拡大させて中華民国政府との対話チャンネルを遮断し, 日独伊三国同盟や仏印進駐に踏み切った末に、真珠湾攻撃・マレー半島…

  • これ以上ウラジーミル・プーチンの暴虐を許すな

    こんばんは。現役救急医です。以前このブログで触れたウクライナ-ロシア間の緊張・紛争状態ですが、またもロシア側が挑戦的な行動に出ました。 voiceofer.hatenablog.com 2014年初頭のウクライナでの政権交代やロシアによるクリミア併合に『便乗』(?)して決起し、独立を宣言していたウクライナ東部の『ドネツク人民共和国』, 『ルガンスク人民共和国』について、ロシア政府は独立を正式承認するという大統領令を出したのです。 www.afpbb.com 角が立ちそうな言い回しですが、アジア太平洋戦争(『大東亜戦争』と呼ばれることもあり)の時期に関東軍・日本国が樹立した傀儡国家『満州国』のデ…

  • COVID-19により肺移植した患者の予後

    こんにちは。現役救急医です。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症(COVID-19とも呼ぶ)は様々な合併症や後遺症を来しますが、今日は「重症COVID-19患者へ肺移植をしました」という米国の報告を紹介してみます(2022年1/27発表, doi: 10.1001/jama.2022.0204)。 (1) この研究の背景など COVID-19患者の6~10%は急性呼吸窮迫症候群(ARDS; acute respiratory distress syndrom)へ進行し, 人工呼吸器管理が必要となる。COVID-19は重篤かつ不可逆的な肺間質傷害を起こすこともある。 肺移植は、重症・…

  • 不活化ワクチン2回接種済の人へmRNAワクチンでブースター

    こんばんは。現役救急医です。日本では採用されていませんが、世界中の多くの国では、中国企業'Sinopharm'製のコロナワクチン'CoronaVac'を採用しています。CoronaVacも、mRNAワクチン(ファイザー社製, モデルナ社製)・アデノウイルスベクターワクチン(アストラゼネカ社製など)と同じく2回接種が基本ですが、最近このワクチン2回接種を完了した人へのブースター接種に関する論文を見つけたので紹介してみます(Cerqueira-Silva T et al. Vaccine effectiveness of heterologous CoronaVac plus BNT162b2 i…

  • 毒蛇咬傷に関するreview Part 2

    こんにちは。現役救急医です。今日は前回に引き続き、NEJMヘ1/6に掲載された毒蛇咬傷に関するreview記事の内容を紹介します。前回(下のリンクから閲覧可能)では疫学・病態生理・症状や診断について書いていましたが、今回は治療に関する話です。 voiceofer.hatenablog.com (1) 病院前治療 毒蛇に噛まれた後の優先事項は、 蛇から逃げる。もし可能なら蛇の種類を特定する。 心臓に対して中立な位置を避けつつ("with a default of heart-neutral position")、噛まれた部位を緩く固定する。 浮腫が発生する前に装飾具などを外す。 医療機関への搬送…

  • 毒蛇咬傷に関するreview Part 1

    こんばんは。現役救急医です。今日は、今年1/6にNew England Journal of Medicineへ掲載された毒蛇咬傷に関するreviewを紹介してみようと思います(Seifet SA, Armitage JO. et al., N Engl J Med. 2022;386:68-78)。長文になるので、Part 1とPart 2に分けて綴っていこうと思います。 (1) 導入 毒蛇咬傷は2009年に、WHOにより『顧みられない熱帯病("neglected tropical disease")』として認識され, 2017年には『顧みられない熱帯病』Category Aに格上げされた。…

  • 虚血病変が大きい急性期脳梗塞への血管内治療

    こんばんは。現役救急医です。今日は日本から発表された論文を紹介してみます。筆者は兵庫医科大学の先生方で、論文自体は2022年2/9に発表されています(Yoshimura S, Sakai N. et al. 'Endovascular Therapy for Acute Stroke with a Large Ishcemic Region.' DOI: 10.1056/NEJMoa2118191)。 (1) 背景 現在、急性期脳梗塞に対する血管内治療の適応に関するコンセンサスは、以下の2点である。 中大脳動脈の主幹('M1 segment'と呼称, 近位部) , 或いは 内頸動脈 の閉塞 頭…

  • 欧州におけるオミクロン株の振る舞い

    こんばんは。現役救急医です。今日は、オミクロン株に関する文献を新たに2個見つけたので、ちょっと紹介してみます。和訳が雑だったり, 割愛している部分があったりしますが、どうかご了承ください。 (1) オランダの2021年11月〜今年1月中旬のデータ(Eggink D, Andeweg SP. et al., Euro Surveill. 2022; 27(4):pii=2101196.) ① 目的や方法などについて 未接種でSARS-CoV-2感染既往が無い人, コロナワクチン2回接種が完了した人, ないし 感染既往がある人において、デルタ株(B.1.617.2)とオミクロン株(B.1.1.52…

  • COVID-19に合併したムーコル症のReview

    こんにちは。現役救急医です。今日はLancet Microbiologyへ今年1/25に発表された、COVID-19に合併したムーコル症(真菌感染症の一種)に関するreviewを紹介してみようと思います(https://doi.org/10.1016/S2666-5247(21)00237-8 )。 (1) 背景 COVID-19が重症化した患者へのステロイド投与は死亡率を下げるものの、2次性の真菌感染症の素因となる可能性もある。COVID-19の2次感染症では当初肺アスペルギルス症が注目されていたが、カンジダ, フザリウム感染症(fusariosis), ムーコル症といった他の真菌感染症が十…

  • ウクライナ情勢について - 日本も他人事ではない -

    こんにちは。現役救急医です。昨年末から、ウクライナとロシアの間での緊張がまた高まっています。最近ではロシア-ウクライナ国境, ベラルーシ-ウクライナ国境, クリミア半島へロシア軍部隊が配備されており、ウクライナ国内はもちろんのこと、米国をはじめとする欧米諸国も警戒を強めています。 news.yahoo.co.jp ウクライナ侵攻に「代償」準備 米仏首脳が電話会談:時事ドットコム 米軍、東欧に3000人規模派遣 ウクライナ緊迫で態勢強化:時事ドットコム ご存知の方もいると思いますが、『ウクライナ vs ロシア』の対立は最近始まったものではありません。私が昨年読んだ書籍『ハイブリッド戦争 ロシアの…

  • 南アフリカからの報告 − オミクロン株の重症度など −

    こんばんは。現役救急医です。昨年末から世界を騒がせているSARS-CoV-2オミクロン株ですが、最初に発見を報告した南アフリカから、臨床経過等に関する報告が出たそです。2022年1/19にLancetへ公表されました(Wolter N, Jassat W. et al., Lancet 2022; 339: 437-46)。それに書かれていることをざっくり紹介してみようかと思います。 (1) 背景 ① オミクロン株の発見について 2021年11/24に、南アフリカゲノムサーベイランス(NGS-SA; the Network for Genomic Surveillance in South A…

  • 視点を切り替え、前を向く - 埼玉県医師殺害事件で私の思ったこと 其の二 -

    こんばんは。現役救急医です。昨日同様、今日も埼玉県の訪問診療医殺害事件について思ったことを綴っていきたいと思います。Twitter上では、医療従事者の様々な感情・意見が飛び交っていました。皆相当な衝撃を受けていることは一目瞭然で、なんというか、負の感情が渦巻いています。私も当初、「こんな奴、どうせまた『死刑になってもいい』と言い出すんだろ?こんな奴に毎回死刑判決を出さねばならないなんて、そろそろ司法制度も見直す頃では?」なんて思っていました。 www.asahi.com 立てこもり11時間、投げ入れられた閃光弾 事件前日には怒鳴り声:朝日新聞デジタル しかし、Twitter上で空き時間に他の医…

  • ただただ痛ましい - 埼玉県の医師殺害・立てこもり事件の報道で思ったこと -

    2022年1/28午前、衝撃的なニュースが日本中を駆け巡りました。40歳代の男が、猟銃を持って, 訪問診療の医師を人質に自宅に立て篭ったというのです。しかも、医師に同伴していた看護師・介護士も銃で撃たれて負傷していたとのこと。警察が出動し事態解決に努めましたが、残念ながら医師は亡くなられたとのことです。本当に、本当に残念です。ご冥福をお祈りします。 【続報】“猟銃”立てこもり事件 人質の医師が死亡 容疑者は66歳の男 埼玉・ふじみ野市(FNNプライムオンライン) - Yahoo!ニュース 報道曰く「容疑者の母親が最近死亡した」・「医師・看護師・介護士は容疑者宅へ弔問に訪れていた」そうです。SN…

  • スコットランドの妊婦におけるSARS-CoV-2感染とコロナワクチン接種

    こんばんは、現役救急医です。YouTube動画のネタにしたいことが思い浮かばない(全くない訳ではないが、構成を考えたり, 編集するのが面倒臭い)のでブログ更新します。この記事の題名通り、興味深い論文を発見しました。2022年1/13にNature Medicneへ発表された論文です(https://doi.org/10.1038/s41591-021-01666-2 )。 (1) 背景 非妊娠女性と比較して、妊婦はSARS-CoV-2感染により高い感受性を有しているように見えないが、COVID-19が重症化するリスクは高い。妊婦はコロナワクチンの市販前臨床試験から除外された。その結果、各国でワ…

  • 英国でのブースター接種の効果

    こんばんは。現役救急医です。COVID-19の患者数増大が止まりませんね。そんなご時世だからこそ、コロナワクチン接種 − 特にブースター接種に関するデータを紹介してみようと思います。今回参考にしたのはNature Medicineに今年1/14に発表されたもの(Andrews, Y. et al. Effectiveness of COVID-19 booster vaccines against covid-19 related symptoms, hospitalizasion and death in England. Nature Medicine https://doi.org/10…

  • 思春期における重症COVID-19に対するファイザー製コロナワクチンの効果

    こんばんは。現役救急医です。ファイザー製mRNAワクチンの効果について、興味深い論文を最近発見しました。今年1/12にNew England Jornal of Medicineに掲載された"Effectiveness of BNT162b2 Vaccine against Critical Covid-19 in Adolescent."(Olson S.M., Newhams M.M. et al., DOI: 10.1056/NEJMoa2117995)です。12~18歳における同ワクチンの効果を検証したものです。 (1) 背景と研究の目的 米国では2021年5月に、食品医薬品局(Foo…

  • 交通事故を起こした運転手の大麻成分血中濃度に関する研究

    こんにちは。現役救急医です。New England Journal of Medicineからのメルマガをチェックしていたら、非常に興味深い論文を見つけました。カナダで大麻合法化後に、交通事故を起こした運転手における大麻成分血中濃度を解析した研究です(N Engl J Med. 2022;386:148-56)。 (1) Introduction ① 大麻の運転に与える影響など 大麻の使用は、認知機能障害・精神運動障害と関連しており, 特にtetrahydrocannabinol(THC; 大麻の主要な精神活性成分)の濃度が高いほど交通事故のリスクが上がると示すevidenceもある。大麻合法…

  • オミクロン株に関する文献まとめ

    みなさんこんばんは。現役救急医です。今日は、最近話題のオミクロン株について自分なりに調べて、文献を3つ発見したのでそれを紹介してみます。 (1) 南アフリカからの入院患者に関する報告(Maslo C., Friedlamd R. et al., JAMA, 2021年12月30日発表, DOI: 10.1001/jama.2021.24868) 南アフリカでは、これまで3回COVID-19の感染拡大が起きている。 第1波: 2020年6~8月。従来型SARS-CoV-2による。 第2波: 同年11~翌年1月。ベータ株による。 第3波: 2021年5~9月。デルタ株による。 2021年11月15…

  • 「◯◯が担当大臣/首相だったから…」は本当ですか?

    皆さんこんにちは。現役救急医です。SARS-CoV-2感染者数がまた急増し、一部地域では蔓延防止措置が適用されました。 news.yahoo.co.jp 「まん延防止等重点措置」広島・山口・沖縄への適用を正式決定 約3カ月ぶり 9日から31日まで(ABEMA TIMES) - Yahoo!ニュース そんな中で、医療従事者の間では「11歳以下へのコロナワクチン接種を前倒しすべきだったのでは」, 「ブースター接種を前倒ししておけばよかったのに」という意見が見られ, また「ワクチン担当大臣が河野太郎氏だったら良かったのに」などと言う意見も聞かれたことは、前回のブログ記事で述べた通りです。 そういえば…

  • また感染者数が増えていますが

    こんばんは。現役救急医です。ワクチン接種拡大により落ち着いていたSARS-CoV-2感染者数が、最近また増え始めています。東京では300名以上で感染が確認され、沖縄に至っては早くも第6波が来たとすら言われています。 【速報】東京都で新たに390人感染 前日(151人)から倍以上、先週水曜日(76人)から約5倍増(TBS系(JNN)) - Yahoo!ニュース 年明け5日で1000人超え 沖縄新たに623人感染(沖縄テレビOTV) - Yahoo!ニュース 以前このブログで触れた通り、mRNAワクチン(やベクターワクチン)の2回目接種から6ヶ月以上経過すると、SARS-CoV-2感染に対する有効…

  • 【妄想シミュレーション】もしゴルゴ13が鬼滅の堕姫の『排除』を依頼されたら Part 2

    皆さんこんばんは。現役救急医です。今日は前回に引き続き、「ゴルゴ13が堕姫を『排除』する依頼を受けたらどうなるのか」ということを極力真面目に考察していきます。 voiceofer.hatenablog.com 前回の考察では、『鬼滅の刃』時代設定が大正時代であることを踏まえた上で、 ゴルゴ13はやはり命中精度と信頼性が高く, また故障時の部品調達や狙撃時の敵襲への対応も容易な銃器を調達するであろうこと 卓越した情報収集網と過去に請け負った仕事のお陰で、鬼の存在はおろか, 鬼の弱点等も把握している可能性があること を指摘しました。今回は、ゴルゴ13が ③ 堕姫『排除』に向けてどのような準備を行う…

  • 【妄想シミュレーション】もしゴルゴ13が鬼滅の堕姫の『排除』を依頼されたら Part 1

    皆さんこんばんは。現役救急医です。幸い私は1/1~3の間、あまり忙しくなかったので1/2夜間に放送されていた『鬼滅の刃 遊郭編』を見ることができました。遊郭編に登場する悪役は堕姫という上弦の鬼です。これまでのストーリーを見るに、堕姫は 江戸期?から花魁になりすまして遊郭への出没を繰り返している 花魁として活動中は、同僚や後輩への暴言・暴力が激しく雇用主すら困らせているが、稼ぎ頭なので追い払いにくい 帯を武器として使い、その中に餌食となる人間を監禁し, 時期を見て犠牲者を地下で食べている 炭治郎のような嗅覚の鋭い鬼殺隊隊員でない限り, ごく近距離に接近しない限り, 或いは 襲撃された瞬間にしかそ…

  • パルパティーンと鬼舞辻無惨が戦ったらどうなるのか妄想してみた。

    こんにちは。現役救急医です。今日は、「鬼滅の刃の悪役とスターウォーズの悪役が対決するとどうなるのか」を妄想するシリーズの第2回です。前回は「猗窩座 vs ダース・ヴェイダー」でしたが、今回は悪の首領同士の対決 − すなわち、鬼舞辻無惨とパルパティーン(ダース・シディアス)の対決を妄想してみます。 voiceofer.hatenablog.com ② パルパティーン vs 鬼舞辻無惨 前回も触れていますが、『鬼滅の刃』の鬼は次のような特徴があります。 人間なら致死的となる損傷も、瞬時に修復して戦闘を継続可能 血鬼術は鬼殺隊の柱ですらも翻弄(≒殺傷)し、まさに『人知を超えている』 弱点は太陽光, …

  • ダース・ヴェイダーと猗窩座が戦ったらどうなるか妄想してみた。

    新年あけましておめでとうございます。現役救急医です。2021年の初記事は、普段とだいぶ趣向を変えてみます。 実は大晦日にYahooニュースを見ていたら、たまたま面白そうな記事を見つけたのです。『空想科学読本』等の著書で有名な柳田理科雄先生による、『鬼滅の刃』に関するガチ考察です。 news.yahoo.co.jp 当該記事では、「『ジョジョの奇妙な冒険』の悪役(私は読んだことすらありません)と, 鬼滅の悪役 鬼舞辻無惨が戦ったらどうなるのか」ということについて色々と推論を立てているのですが、この記事を読んだ私の脳内ではこんな疑問が生まれました。 「パルパティーンと鬼舞辻無惨が対決したら、どっち…

  • 2021年、私のYouTubeチャンネルの総括

    こんばんは。現役救急医です。早いもので2021年もあと2日足らずです。今年もCOVID-19パンデミックに振り回され、その傍では呑気に五輪などやり、ようやくワクチン接種が拡大し落ち着いたと思った矢先に、新規の懸念すべき変異株オミクロンの出現です。ここまでCOVID-19に出しゃばられると、総理大臣の交代や, その他の事件も霞んで見えてしまうのは私の不見識なのでしょうか? そんな1年間でしたが、私個人としては救急専門医試験合格以外にこれといった目新しい, おめでたいニュースはありませんでした。ですがそんな中でも、自分の1年間を曲がりなりにも振り返りたいと思い、2021年初頭〜現在に至るまでの私の…

  • モルヌピラビルの臨床試験

    こんばんは。現役救急医です。去る12/24に、日本でもCOVID-19の新規内服薬『モルヌピラビル』(ラゲブリオ®︎)が承認されました。 「モルヌピラビル」 新型コロナの飲み薬として正式に承認 新型コロナウイルス NHKニュース 飲み薬「モルヌピラビル」を国内初投与…全国5000か所以上で使用登録 : 医療・健康 : ニュース : 読売新聞オンライン 今年12/16にNew England Journal of Medicineに、同薬剤の臨床試験の結果が掲載されていたようなので、今回はそれを紹介してみます(DOI: 10.1056/NEJMoa2116044)。重要そうな部分だけ抜粋…

  • Novavax社製コロナワクチンの有効性と安全性について

    こんにちは。現役救急医です。今日は、2021年12/15にNew England Journalに掲載されたコロナワクチンに関する論文"Efficacy and Safety of NVX-CoV2373 in Adults in the United States and Mexico"(Dunckle L.M., Kotloff K.L. et al.; DOI: 10.1056/NEJMoa2116185)を紹介してみます。 (1) Introduction NVX-CoV2373(Novavax製)は、完全長・安定化・prefusionの組換えスパイクタンパク(Wuhan-Hu-1配列…

  • YouTubeチャンネルを更新しました。

    こんばんは。現役救急医です。最近またブログ(とYouTube)の更新が止まりがちです。仕事が忙しいのはもちろんのこと, ネタもすぐには浮かばないし, 詳細は言えませんがプライベートとキャリアの両立に関する悩みがここ最近益々増えてしまい、気分的にpositiveな方向に行けませんでした。 ですが最近、Twitter上で何やら医学部医学科入試の『地域枠』に関して、特に医療従事者がガヤガヤと騒がしかったので、私も少々思うことがあり、遂にブログとYouTubeの更新を決意した訳です。 youtu.be 今の日本の医療には、急性期病院の集約化, 負担が大きく、なり手も少ない部署・診療科の待遇の見直し, …

  • 肺血栓塞栓症除外アルゴリズムに関する研究

    こんばんは。現役救急医です。今日はJAMAというジャーナルに12/7に発表された論文(Freund Y., Chauvin A. et al. JAMA. 2021;326(21):2141-2149)を紹介してみます。特に統計学的な話がややこしかったので、省略したり雑に訳していたりする部分もありますがご了承下さい。 (1) Introduction 肺塞栓症(PE; pulmonary embolism)が疑われる患者への診断アルゴリズムは依然議論の対象である。従来のアルゴリズムでは、検査前確率, D-dimer値, 閾値を超えるD-dimer値の患者での肺血管造影CT(CTPA; comp…

  • インドでのアストラゼネカ製コロナワクチンの有効性

    こんばんは。現役救急医です。今日は久々に論文を紹介してみます。Lancet Infectious Diseaseというジャーナルへ2021年11/25に発表された論文"Effectiveness of ChAdOx1 nCoV-19 vaccine against SARS-CoV-2 infection during the delta variant surge in India: a test-negative, case control study and a mechanisitic study of post-vaccination immune responses."(Thiru…

  • 【衝撃的事実】『日本版CDC』創設は2009年時点で構想が存在していた

    こんばんは。現役救急医です。私が去る11/21~23の間、第49回日本救急医学会総会に参加していたことは以前述べた通りですが、実はこの学会の講演, ないし セッションで非常に興味深い話がありました。 学会最終日の11/23午前中に、川崎市健康安全研究所所長で政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会委員でもある岡部信彦先生による講演がありました。その講演で私は、感染症法は1999年に初版(?)が発効したことを初めて知りました。しかし最も印象的であったことは、2003年に発生し世界中へ拡大したSARSを受けて感染症対策への国の役割強化が図られたこと, そして2009〜10年にかけてパンデミックとな…

  • 愛知県の中3刺殺事件のニュースで思ったこと。

    こんばんは。現役救急医です。今日は珍しく時事問題について自論を開陳します。去る11/24、愛知県で中学3年生男子生徒が同学年男子生徒を包丁で刺して殺害するという事件が発生し、当該地域はまだしも, 日本中が騒然としています。 凶器の包丁をネットで事前に購入したと供述 中学生の刺殺事件 愛知- 名古屋テレビ【メ~テレ】 報道を信ずる限り、動機は「人を殺してみたかった、それにより快感を得たかった」という社会通念上最も許容され難いものではなく、加害者と被害者間の人間関係のトラブルであるように思われます。 これらの報道を見聞きして私が思い出したのが、歴史学者が中世日本の紛争解決システムについて一般人へ解…

  • 家庭内SARS-CoV-2伝染に対するコロナワクチンの影響

    みなさんこんばんは。現役救急医です。日本では最近、コロナワクチン接種率が7割を超え、感染者数が落ち着いています。但し、ワクチンを接種したからといって感染を100%防げる訳ではないし, 感染した以上、周囲を感染させる可能性もある訳です。今回は、「ワクチン接種後に感染した人は、周囲へどれくらいSARS-CoV-2をうつすのか?」というトピックの論文をたまたま発見したので紹介してみます。元ネタは、今年11/4に"Eurosurveillance"というジャーナルに掲載されたオランダの論文(https://doi.org/10.2807/1560-7917.ES.2021.26.44.2100977 …

  • コロナワクチンと季節性インフルエンザワクチン同時接種

    こんばんは。現役救急医です。今日はお題にあるように、コロナワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種の安全性等を評価した臨床試験の論文を見つけたので、紹介してみます(https://doi.org/10.1016/S0140-6736(21)02329-1 )。 (1) Introduction 現在国際的なガイドラインでは、コロナワクチン接種とインフルエンザワクチン接種の期日は14日間隔を空けるよう推奨されている。コロナワクチン・インフルワクチン同時接種が安全かどうか, そして 同時接種が反応性率("reactogenicity rate")を上昇させるかどうか検証する必要がある。 そこで、…

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