前回の記事では、『訂正する力』(東浩紀著)の前半内容(第1~2章)の中から私の心に深く刻まれたことをまとめ、それに対する私なりの所感を簡潔に綴ってみた。そして、次回は後半内容(第3~4章)についても綴ってみたいと書き添えておいたが、今回の記事はそれに応えるものである。ただし、中心は第4章の内容になりそうなので、読者の皆さんにはこの点ご容赦をお願いしたい。 <「喧噪のある国」を取り戻す>というタイトルの第4章は、「訂正する力」を使って日本の思想や文化を批判的に継承し、戦後日本の自画像をアップデートするための考え方や方法等について提案している。つまり、第1~3章までの「時事」と「理論」と「実存」の…