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- 2008/07/19 02:35第262球
- グラブを外して、軽く屈伸した。それから、ユニホームを脱ぎ、アンダーシャツを脱いだ。バッグからタオルを取り出し、汗を軽くふき取った。左手で右ひじを触った。右肩をなでた。深呼吸して、新しいアンダーシャツを着た。もう一度ユニホームに袖を通した。帽子をかぶりなおした。グラブを持った。ベンチに向かった。... [続きを読む]
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- 2008/07/12 04:15第261球
- 雨足が強くなった。グラウンドにも水がたまりそうだ。審判が試合を中断してもおかしくない勢い。だが、そのコールはない。銀傘の下のアンドロメダの面々も「ちょっと続行は厳しいんじゃないの」と話していた。白熱の決勝戦。その空模様も両チームに影響を与えるのか。... [続きを読む]
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- 2008/07/05 04:06第260球
- センターの瑞泉(西東京)GSコンビの「S」早瀬将吾も走った。全速力ではない。流した感じで走った。足の状態からして、それしかできなかった。マウンドのGSコンビの「G」剣源氏はそれを余裕の表情で見つめていた。満足そうな表情といった方が正解か。「勝った…」。そう確信していたようだ。... [続きを読む]
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- 2008/06/28 01:47第259球
- どうしても気になった。同じ高校1年生。正直、自分の方が力は上だろう、って思ってはいた。向こうはすごい人気だけど、顔だって、とさえ思った。だからだろうか。いざ対決すると、意識した分、何となく…。「負けたくない」。そう思った。力んでいた。しかし、それが不思議と…。... [続きを読む]
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- 2008/06/21 02:27第258球
- マンモス決勝戦。KOSMOS放送の塁沢高次アナは入れ込んでいく自分をわかっていた。「オーバートークは控えよう」と考えていたものの、だんだんと本来の…。すでに何度も絶叫はしていた。だが、まだまだ序の口のつもりだったようだ。試合は中盤。全国のお茶の間に、本格的な塁沢節もいよいよ炸裂しようとしていた。... [続きを読む]
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- 2008/06/14 03:06第257球
- 海斗マニアの団長・香村瞳は「今こそ、私たちの出番よ!」とアルプス席で「団員」たちに声をかけた。守野台(兵庫)の1年生投手・飛浦海斗が苦しんでいる。「私たちの声で彼に元気を与えたい」。そう思った。これまでだって、声を張り上げてきたのに、この時はさらにそう思えてならなかった、という。... [続きを読む]
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- 2008/06/07 01:46第256球
- マンモスのブルペンで守野台(兵庫)のエース・太薙原紘一は、しゃがみこんでいた。「大丈夫ですか」。遠くから、そんな声が聞こえてきたが、これには返事はせずに、右手を上げて微笑み返した。下を向いて、上を向いた。これを3回、繰り返した。自然にこんな動きになった。いつのまにかクセになっていたようだ。... [続きを読む]
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- 2008/05/31 02:20第255球
- 気持ちがこもっていた。腕を思いっきり振った。振れたのがうれしかった。まったく痛くなかった。なんともなかった。むしろ、以前よりも軽かった。指のかかりも、よくなっていたと思う。いい球がいったな。確かにそう感じた。なぜ、こんなに…。わからなかった。自分の体のことなのに…。急に、できた。... [続きを読む]
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- 2008/05/24 04:22第254球
- 瑞泉(西東京)アルプス席で、GSコンビの「S」早瀬将吾の妹・瑠未が立ち上がって、声をからしていた。彼女だけではない。隣の父・達将も母・愛子も、1球、1球、興奮していた。1球、1球、声をあげた。そんな3人もちょっとびっくりした。それは守野台(兵庫)応援団も同じ反応だった。... [続きを読む]
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- 2008/05/17 03:44第253球
- 瑞泉(西東京)アルプス席からも再び黄色い声が響き渡った。「ゲンジ! ゲンジ! ゲンジ!…」。打席に向かうGSコンビの「G」剣源氏もその声がはっきり聞き取れた。ピッチングでなえていた心が、この時は再び高ぶっていた。イメージもできていた。自分が取られた分は自分で取り返す! 燃えていた。... [続きを読む]
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- 2008/05/10 01:48第252球
- 力があふれてきたような気がした。そうなんだ、と一生懸命、自分に言い聞かせた。肩は重い。でも、まだまだ自分の方がマシなんだから…と。全力で投げることができる。全力で走ることができる。あいつらに比べれば、恵まれているんだ、と考えた。そう思えば、楽になったような気もした。... [続きを読む]
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- 2008/05/03 03:31第251球
- 初体験だった。珍しく興奮したという。歓声に感謝した。何とか対応してくれた限界に近い体にも感謝した。さらに自分にはこう言い聞かせた。「戦いはまだまだ続く。これで気を緩めるな!これからが勝負だ!」。そう思わないとやっていけないような気がした、という。... [続きを読む]
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- 2008/04/26 02:17第250球
- 「大丈夫か」。そんな声に振り返り、オーバーアクションで「ハイ、大丈夫です!」と答えた。本当は大丈夫、ではなかった。痛みもあった。しかし、これを敵に悟られてはいけない、と思った。普通に、普通に。それを言い聞かせながら、いつもよりもゆっくり歩いた。... [続きを読む]
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- 2008/04/19 03:55第249球
- 肩が一段と重く感じた。「落ち着け! 落ち着け!」。いろんな人が、きっとそう言っているんだろうなぁって、なぜか人ごとのように思えたという。こんな大舞台で、どうしたんだ、どうなったんだ、オレは…。わかっているけど、体がこの時は動かなかった。... [続きを読む]
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- 2008/04/12 23:07第248球
- ちょっとの間、何も考えられなかった。頭の中が一瞬、真っ白になったような…。スタンドの大歓声も耳に残らない。無音の世界の中に、たった一人だけ、いるような、そんな気さえした。それから、我に帰った。現実の世界に戻ってきた、というべきか。足が自然と震えた…。... [続きを読む]
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- 2008/04/05 03:54第247球
- マンモスには本当に「魔物」がいるのだろうか。瑞泉(西東京)対守野台(兵庫)の決勝戦。両軍ベンチ、ともに、それを痛感するゲーム展開になった。壮絶な戦い。この後、どんなドラマが待っているのか、もちろん、誰もわからない。だが何かが起きそうなムードだった…。... [続きを読む]
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- 2008/03/29 04:41第246球
- 乱れた心を正常に戻すことがなかなかできなかった。普通が普通でなくなっていた。体は元気なはずなのに、相手投手より、ずい分、楽なはずだったのに…。キャッチャーのミットが遠く感じた。そして、軽すぎた肩が突然、重く感じ始めた。... [続きを読む]
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- 2008/03/21 03:39第245球
- アンダーシャツを着替えた。右手で何度もグー、パーを繰り返した。指先の感触があまりなかった。肩もヒジも痛くなかった。もうわからなかった。自分の状態が…。ただ声を出した。味方打線を元気づけるために、大きな声で…。気合は負けていなかった。... [続きを読む]
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- 2008/03/15 03:23第244球
- 隣の父兄から「やったぁ」と声をかけられた。「すごい、すごい」と何度も言われた。娘も妻も最高の顔をしていた。グラウンドでは投げ終わった息子が落とした帽子を拾って、かぶり直していた。顔はよく見えない。でも間違いなく最高の顔をしていた…。... [続きを読む]
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- 2008/03/07 16:00第243球
- わからなかった。自分の中に何が起きたのか、どうなってしまったのか…。一生懸命考えた。考えれば、考えるほど、うまくいかないような気もした。一生懸命、リラックスしようと思った。そう思えば、思うほど、かたくなっているような気がした。... [続きを読む]
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- 2008/03/06 02:57第242球
- 1球投げるたびに、指先がしびれた。握力がなくなってきたような気もした。ナックルを投げ続けているのが不思議だった。「変化してくれ!」って祈るようにもなった。前向きに、前向きに…。1球、1球、プラス思考の思いもボールに乗せた。... [続きを読む]
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- 2008/02/29 03:31第241球
- 思い出の品だった。勝手に記念の品にしていた。お守りにもしていた。あの人のことも、これが守ってくれるはず、と思い込んだ。目と目があった、あの日のことが忘れられない。そこから始まった。熱い、熱い夏が…。... [続きを読む]
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- 2008/02/22 00:34第240球
- 兵庫・守野台の1年生・飛浦海斗は猛然と走った。足はそんなに速くない。それが大舞台でものすごく速くなったように見えた。ベンチから、応援団から歓声が上がる中、二塁を蹴った。、三塁も蹴った。目指すはホームベースのみ、だった。... [続きを読む]
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- 2008/02/14 03:23第239球
- オーラが出ていたのかもしれない。気対気なら、両者には大きな差があったような…。応援は互角に盛り上がっていた。点差はくっきりだった。それでも、結果は…。マウンド上とバッターボックス内から漂うムードが、その答えを表していたようだ。... [続きを読む]
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- 2008/02/08 03:35第238球
- ちょっと気持ちが悪かった。うまくいきすぎのような気がして…。体がいつもより軽くなってきたような気にもなった。プレーボールの頃はあれほど、重かったのに…。すいすい、投げた。ホームランも2発放ったのだから、気分が乗って当然だろう。でも、何かが…。... [続きを読む]
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