|
- 2008/05/23 19:17「タルト・タタンの夢」近藤史恵
- 「タルト・タタンの夢」は、下町の小さなフレンチの店が舞台のミステリー連作短編集。店で話題にのぼった謎を、無口なオーナー・シェフが料理を手がかりに鮮やかに解き明かしていく。7編が収録されている。 常連である西田さんは、なぜ体調を崩したのか? 甲子園出場をめざしていた高校野球部で起こった不祥事の真相は? お客の恋人は、なぜ最低のフランス料理をつくったのか? 従業員たった4人という小さな店で出される料理... [続きを読む]
|
- 2008/05/16 18:23「私は日本のここが好き!」加藤恭子編
- この「私は日本のここが好き!―外国人54人が語る」では、副題にもある通り、54人の外国人が、自分が日本を好きな理由や体験を語っている。 例えば中国から日本に来て20年という姚南さんは、電車の中で後ろの女性の靴先を踏んでしまった時のエピソードを。すぐ謝ると、その女性はほほ笑んで「靴先は空いているから大丈夫ですよ」と。 また、オーストラリアのスコチッチさんは、ある春、モノレールを利用した。同じ年の秋にまた... [続きを読む]
|
- 2008/04/06 11:28「ママ、笑っていてね」猿渡瞳/猿渡直美
- 家族の愛に包まれ、力強く生きた娘の姿を母が綴った闘病記。 11歳で骨肉腫を患い、2年後、平成16年9月に他界した猿渡瞳さん。 病名を告知されても、たくましい生命力と過酷な治療にめげない精神力で、3度も転移を乗り越えた。 周囲への気配りと感謝の絶えない少女は、病魔にさえ“命の尊さを教えてくれた。ありがとう”と。その思いを込めた作文「命を見つめて」は死後、全国作文コンクール優秀賞に輝いた。 幼い命の... [続きを読む]
|
- 2008/04/05 14:11「田んぼで出会う花・虫・鳥」久野公啓
- これから、だんだんと水が温んでいく季節。早いところでは、4月中旬から、水田への水入れが始まる。 本書「田んぼで出会う花・虫・鳥―農のある風景と生き物たちのフォトミュージアム」を片手に郊外へ行き、水田の周りを散歩するなんて、かなり贅沢な時間かもしれない。 「田んぼ」には、さまざまな生き物が住んでいる。 カエル、シギ、カメムシ、トンボ、ゲンゴロウ、ホタル、ガン、さらには、可憐な花を咲かせる植物たち…... [続きを読む]
|
- 2008/04/02 18:02「ぶらりあるき ミュンヘンの博物館」中村浩
- 本書「ぶらりあるきミュンヘンの博物館」を読んで、初めて知ったが、ドイツにはユニークな博物館が多いらしい。 例えば「白バラ記念館」――反ナチ運動の青年グループ「白バラ」を記念する展示施設。 また「中世犯罪博物館」――パンの目方をごまかしたパン屋を処罰する檻や、不貞の女性を罰する道具など3000点以上を展示しているらしい。 活版印刷術の発明者にちなむ「グーテンベルグ博物館」には彼の印刷工房が復元され... [続きを読む]
|
|
|
- 2008/03/22 19:49『歴史にみる「日本の色」』中江克己
- 本書『歴史にみる「日本の色」』は、卑弥呼の古代から江戸期まで、日本人と色とのかかわりを、興味深いエピソードとともに紹介する。 例えば源平合戦で、源氏は白、平氏は赤の旗を掲げていた。 当時、武士は布を白地のまま使うのが普通だった。何かを書くにも便利だからだ。 その「白」に対して、平氏は敵味方の峻別のため分かりやすい「赤」を用いたらしい。 また、黄色は古代には、中国の影響で、尊い色とされたが、持統天... [続きを読む]
|
- 2008/02/15 18:27「キメラの繭」高野裕美子
- 高野裕美子氏が今月10日に逝去されました。 謹んでご冥福をお祈りしつつ、著書である「キメラの繭」のレビューを再掲させていただきます。 2009年冬の東京。 大学のウイルス研究室に勤める立科涼子は、不可解なアレルギー症状で急死した弟の死の原因を究明しようとするが、実験用のマウスに同様の症状が現れる。 餌を作った世界最大のバイオ企業に連絡を取った直後、研究室に何者かが侵入した。 一方、街ではカラスが... [続きを読む]
|
- 2008/01/24 18:16「1プードの塩」小林和男
- 元NHKモスクワ支局長として“奥深い”ロシアの魅力を語り続ける著者。 ゴルバチョフ元ソ連大統領、チェリストのロストロポーヴィッチなどの著名人から官僚、知識人、市井の人々まで、ソ連崩壊からロシア誕生という混乱の中で出会った数十人について愛情を込めてつづる。 その人々の喜びや苦しみの背景にある「国家の姿」も見えてくる。 激動期を懸命に生きた人々の貴重な記録としても読めるエッセイだ。 ... [続きを読む]
|
- 2007/12/23 19:35「ブルゴーニュ公国の大公たち」ジョゼフ・カルメット
- 14世紀のフランス東辺はヴァロワ家の支配下、4人の傑出した大公が出た。 フィリップ大胆公、ジャン無怖公、フィリップ善良公――彼らは彫刻・建築など中世文化を花開かせた。 婚姻によりネーデルランドの商業圏に手を伸ばした後、英国と同盟し本国ルイ11世に対抗する。 だが、シャルル突進公に至って王家との争いに敗れ権勢を失う。 ドイツやスペインも巻き込んだ百年戦争の全貌を、克明に描き出す。 歴史書だが、非情... [続きを読む]
|
- 2007/11/14 18:16「夜明けの街で」東野圭吾
- 東野圭吾が描く恋愛物って、どんな感じだろう? そんな疑念を持ちつつ手にしたのが本書「夜明けの街で」。 建設会社の主任・渡部は妻と娘がいるごく普通の、しかし小さな幸福を感じている中年男。 その一方で、会社の部下・仲西秋葉と一線を越え、不倫の恋に落ちる。 だが彼女は、時効間近の殺人事件の容疑者だった。 両親は離婚し、母親は自殺。彼女の横浜の実家では、15年前、父の愛人が殺されたのだ。 ずるずると深ま... [続きを読む]
|
- 2007/10/24 17:51「われらはみな、アイヒマンの息子」ギュンター・アンダース
- ユダヤ人哲学者であり、反核運動家でもある著者ギュンター・アンダースが、アイヒマンの息子に宛てた公開書簡を単行本化したのが本書「われらはみな、アイヒマンの息子」。 ナチスドイツでユダヤ人大虐殺を遂行したアイヒマン。 凡庸とも言える一官吏が、何故あれほど非人間的になり得たのだろうか? 著者は「人間は誰しも、想像力の限界を超えた現実に遭遇すると、思考停止に陥るからだ」と述べている。 振り返って現代、「... [続きを読む]
|
- 2007/10/10 18:26「いっしん虎徹」山本兼一
- 越前で名のある甲冑鍛冶・長曽祢興里は、30代半ばを過ぎて江戸の刀鍛冶に入門。 名を「虎徹」と改め、自ら鍛え上げた当代一の兜を叩き斬る刀、しかも「気品と尊厳」を備えた刀作りに全身全霊を込める。 虎徹と名乗ったのは、虎と見誤って石を射抜いた故事から「石虎将軍」と呼ばれる中国の武人・李広の執念をわがものにしたいとの思いから。 本書「いっしん虎徹」は、鉄と格闘し、日本一の名刀を鍛えた男の波乱と情熱の物語... [続きを読む]
|
- 2007/10/10 18:26「いっしん虎徹」山本兼一
- 越前で名のある甲冑鍛冶・長曽祢興里は、30代半ばを過ぎて江戸の刀鍛冶に入門。 名を「虎徹」と改め、自ら鍛え上げた当代一の兜を叩き斬る刀、しかも「気品と尊厳」を備えた刀作りに全身全霊を込める。 虎徹と名乗ったのは、虎と見誤って石を射抜いた故事から「石虎将軍」と呼ばれる中国の武人・李広の執念をわがものにしたいとの思いから。 本書「いっしん虎徹」は、鉄と格闘し、日本一の名刀を鍛えた男の波乱と情熱の物語... [続きを読む]
|
- 2007/09/21 18:43「おねだり女房」宮本昌孝
- “縁切り寺”と呼ばれる鎌倉の東慶寺を舞台にした、一風変わった時代小説。 4編の短編時代小説が収録されている。 タイトルにもなっている「おねだり女房」は、義母のいびりに耐えきれず、これまで7度も駆け込んでいる浅草にある銘酒屋の嫁しまのこと。 確かに義母は厳格だが、いびりと言っても、それはお嬢様育ちの嫁しまから見た話で、実際は些細なことで駆け込みを行い、その度に夫や義父から「おねだり」を勝ち取って、... [続きを読む]
|
- 2007/09/21 18:43「おねだり女房」宮本昌孝
- “縁切り寺”と呼ばれる鎌倉の東慶寺を舞台にした、一風変わった時代小説「おねだり女房 影十手活殺帖」。 4編の短編時代小説が収録されている。 タイトルにもなっている「おねだり女房」は、義母のいびりに耐えきれず、これまで7度も駆け込んでいる浅草にある銘酒屋の嫁しまのこと。 確かに義母は厳格だが、いびりと言っても、それはお嬢様育ちの嫁しまから見た話で、実際は些細なことで駆け込みを行い、その度に夫や義父... [続きを読む]
|
- 2007/09/21 18:43「おねだり女房」宮本昌孝
- “縁切り寺”と呼ばれる鎌倉の東慶寺を舞台にした、一風変わった時代小説「おねだり女房 影十手活殺帖」。 4編の短編時代小説が収録されている。 タイトルにもなっている「おねだり女房」は、義母のいびりに耐えきれず、これまで7度も駆け込んでいる浅草にある銘酒屋の嫁しまのこと。 確かに義母は厳格だが、いびりと言っても、それはお嬢様育ちの嫁しまから見た話で、実際は些細なことで駆け込みを行い、その度に夫や義父... [続きを読む]
|
- 2007/09/01 10:11「ハゲタカ」真山仁
- NHKでドラマ化され、再放送までされています。 かく言う自分自身も、ドラマを観てからこの原作「ハゲタカ」を手に取った1人。 ただ、最初に言っておくべきでしょう。ドラマと原作は、まったく違う展開をたどります。 ドラマはドラマで引き込むものがありました。民放には作れないドラマだなと。 登場人物については、実力ある俳優陣が演じただけに、個々については淡々と描かれる原作より魅力的だったかと思います。 現に... [続きを読む]
|
- 2007/09/01 10:11「ハゲタカ」真山仁
- NHKでドラマ化され、再放送までされています。 かく言う自分自身も、ドラマを観てからこの原作を手に取った1人。 ただ、最初に言っておくべきでしょう。ドラマと原作は、まったく違う展開をたどります。 ドラマはドラマで引き込むものがありました。民放には作れないドラマだなと。 登場人物については、実力ある俳優陣が演じただけに、個々については淡々と描かれる原作より魅力的だったかと思います。 現にこうして原作... [続きを読む]
|
- 2007/09/01 10:11「ハゲタカ」真山仁
- NHKでドラマ化され、再放送までされています。 かく言う自分自身も、ドラマを観てからこの原作「ハゲタカ」を手に取った1人。 ただ、最初に言っておくべきでしょう。ドラマと原作は、まったく違う展開をたどります。 ドラマはドラマで引き込むものがありました。民放には作れないドラマだなと。 登場人物については、実力ある俳優陣が演じただけに、個々については淡々と描かれる原作より魅力的だったかと思います。 現に... [続きを読む]
|
- 2007/09/01 10:11「ハゲタカ」真山仁
- NHKでドラマ化され、再放送までされています。 かく言う自分自身も、ドラマを観てからこの原作「ハゲタカ」を手に取った1人。 ただ、最初に言っておくべきでしょう。ドラマと原作は、まったく違う展開をたどります。 ドラマはドラマで引き込むものがありました。民放には作れないドラマだなと。 登場人物については、実力ある俳優陣が演じただけに、個々については淡々と描かれる原作より魅力的だったかと思います。 現に... [続きを読む]
|
- 2007/08/27 17:39「UNBOWEDへこたれない〜ワンガリ・マータイ自伝」ワンガリ・マータイ
- まさに「へこたれない女性」――このワンガリ・マータイさんの激動の半世紀を読んで、不屈の精神をもっていることを実感した。 ケニアで部族差別と女性差別に遭い、就職を拒絶される。 政治家だった夫との離婚裁判では、裁判官を批判した罪で投獄された。 木を植えただけで反政府運動家扱いされ、暴漢に殴られ流血。 選挙に立候補すれば、デマと妨害で落選。職も追われ、3人の子供を抱えて路頭に迷うことに。 それでも彼女... [続きを読む]
|
- 2007/07/27 17:39「UNBOWEDへこたれない〜ワンガリ・マータイ自伝」ワンガリ・マータイ
- まさに「へこたれない女性」――このワンガリ・マータイさんの激動の半世紀を読んで、不屈の精神をもっていることを実感した。 ケニアで部族差別と女性差別に遭い、就職を拒絶される。 政治家だった夫との離婚裁判では、裁判官を批判した罪で投獄された。 木を植えただけで反政府運動家扱いされ、暴漢に殴られ流血。 選挙に立候補すれば、デマと妨害で落選。職も追われ、3人の子供を抱えて路頭に迷うことに。 それでも彼女... [続きを読む]
|
- 2007/07/27 17:39「UNBOWEDへこたれない〜ワンガリ・マータイ自伝」ワンガリ・マータイ
- まさに「へこたれない女性」――このワンガリ・マータイさんの激動の半世紀を読んで、不屈の精神をもっていることを実感した。 ケニアで部族差別と女性差別に遭い、就職を拒絶される。 政治家だった夫との離婚裁判では、裁判官を批判した罪で投獄された。 木を植えただけで反政府運動家扱いされ、暴漢に殴られ流血。 選挙に立候補すれば、デマと妨害で落選。職も追われ、3人の子供を抱えて路頭に迷うことに。 それでも彼女... [続きを読む]
|
- 2007/07/27 17:39「UNBOWEDへこたれない〜ワンガリ・マータイ自伝」ワンガリ・マータイ
- まさに「へこたれない女性」――このワンガリ・マータイさんの激動の半世紀を読んで、不屈の精神をもっていることを実感した。 ケニアで部族差別と女性差別に遭い、就職を拒絶される。 政治家だった夫との離婚裁判では、裁判官を批判した罪で投獄された。 木を植えただけで反政府運動家扱いされ、暴漢に殴られ流血。 選挙に立候補すれば、デマと妨害で落選。職も追われ、3人の子供を抱えて路頭に迷うことに。 それでも彼女... [続きを読む]
|
- 2007/07/12 17:44「魔性」渡辺容子
- 分類はミステリー。しかし、本書「魔性」は成長の物語だと思う。 仕事を辞め、引きこもり状態になった珠世。 偶然、高校生のありさと出会い、川崎市のプロ・サッカーチームのサポーターの仲間入りをした。 現実社会との、たった一つのつながりが、サポーターとしての活動だった。 だが、応援を約束していた試合当日に、ありさが殺されてしまう。 しかも、ありさの携帯から仲間たちに、嫌がらせのメールが届く。 犯人捜しを... [続きを読む]
|