|
- 2008/08/16 11:48プッチーニ 三部作 @東京文化会館 8/10 〓 【A-part 外套】
- 今回の公演は、これをやりたいと思って集まった者ばかりであることもあろう、チームワークの良さというのが際立っていた。演出を軸にして、歌役者たちがともかく自分たちにできるベストを尽くし、小崎雅弘率いる東京フィルの管弦楽が濃密なサポートで舞台全体を支える。そして、彼らに統一された意思は、プッチーニの作品の良さを作曲家の想いに沿って、忠実に表現することだった。まず、一本目の「外套」は、ヴェリズモ的な作品の [続きを読む]
|
- 2008/08/11 01:53プッチーニ 三部作 @東京文化会館 8/10 〓
- プッチーニ生誕150年フェスティバルと銘打たれた特別公演については、プレビュー記事を出しておいた。一挙上演されるように組まれて作曲された「三部作」だが、実際には、なかなかトリプル・ビルで組まれるのは難しいものを、今回、常設カンパニーではないグループが、演出・オケ伴付きで上演した。予想以上に・・・予想をはるかに上回る質のいい公演で、びっくりした。さて、「三部作」が「三部作」であるゆえんについて、ご覧 [続きを読む]
|
- 2008/08/11 00:06小森輝彦 & 服部容子 デュオ・リサイタル @津田ホール 8/9
- バリトンの小森輝彦は二期会の公演にも出ている(ワルキューレでは主神・ヴォータンを歌った)が、ドイツのアルテンブルク・ゲラ市立劇場でもバリバリ主役級を張っている。そこで専属第1バリトンとして歌っている彼の声は、さすがに芯がつよいのだが、それだけではなく、きりっと締まった甘みがあり、表現力も抜群だ。ちなみに、ゲラ市は、エアフルトを州都とするテューリンゲン州で第2の都市となっている。その彼が毎年8月ごろ [続きを読む]
|
- 2008/08/07 00:36原爆投下の日に・・・
- そろそろ時計が0時を回りそうですが、まだ、このエントリーを書き出した頃には、ギリギリ8月6日が過ぎていません。そうです。原爆投下の日なのです。実はどういうことを書こうかと考えながら、「平和への誓い」を読んでいるのですが、こんな文句がありました。私たちは、大きくなった時、平和な世界にできるよう、ヒロシマで起きた事実に学び、知り、考え、そして、そのことをたくさんの人に伝えていくことから始めます。この一 [続きを読む]
|
- 2008/08/05 01:55ホルスト・シュタイン氏、逝く
- 情報が遅くなってしまったが、去る7月27日、スイスの自宅で、指揮者のホルスト・シュタイン氏が亡くなった。まだまだ存命ではあるが、ほとんど指揮活動ができなくなっているサヴァリッシュ氏、また、2004年に亡くなられたワルベルク氏とともに、できれば、もっと聴いておきたかった指揮者である。いま「もっと」と書いたが、私がクラシック音楽に親しむようになったときには、既にシュタイン氏は日本に来られるような状態で [続きを読む]
|
|
|
- 2008/07/20 23:18ラ・スコーラ & 並河寿美 トスカ 都響スペシャル @サントリーホール 7/20
- 世界的な(?)テノール歌手のヴィンチェンツォ・ラ・スコーラを迎えての豪華企画、都響スペシャルがサントリーホールで開催された。内容は、この日の指揮者も務めたマルコ・ボエーミの特別エディションによる、プッチーニの歌劇「トスカ」の抜粋上演であり、ラ・スコーラのカヴァラドッシのほか、題名役は並河寿美、スカルピアに直野資、ほかという布陣である。ステージ後方のせり上がりを舞台として使ったセミ・ステージ形式で、 [続きを読む]
|
- 2008/07/19 19:44ゲルト・アルブレヒト 「グレート」交響曲 読響 芸劇マチネ 7/19
- 【4曲は見えない絆で繋がっている】読売日本交響楽団(読響)にとっては前の首席指揮者にして、桂冠指揮者となったゲルト・アルブレヒトが、2年に1回のペースで・・・という約束どおり、読響の指揮台に戻ってきてくれた。この形容がいやに似合うが、相変わらず「矍鑠(カクシャク)としている」アルブレヒトが振るのは2プログラム=4曲と少なめだが、その分、完成度の高さは圧倒的だった。また、ヴァレーズ「アメリカ」、ドヴ [続きを読む]
|
- 2008/07/18 03:19プッチーニ『三部作』が国内で上演! 〜二期会=藤原のキャストが結束
- 日本には、二期会と藤原歌劇団というオペラ・カンパニーが存在する。いろいろ問題はあるとしても、これら2つの団体が日本のオペラ文化の軸になっていることは間違いない。でも、しょせんはオペラ後進国の日本で、これら2つの団体がほとんど何の連携も、協力もなく、個々に活動を展開しているのは、いつも勿体ないと思うのだ。それぞれのグループの目指すべきところは、なるほど大きくちがっているように見える。しかし、それにし [続きを読む]
|
- 2008/07/13 02:54広上淳一 ショスタコーヴィチ 交響曲第12番 日フィル 東京定期
- すこし時間をつくることができて、日本フィルの定期を聴くことができた。このオーケストラは実に久しぶりだし、広上の指揮で日フィルを聴くのも初めてだが、このコンビは相性の良い組み合わせのひとつ・・・ということになりそうだ。ただ、それだけに、後述するような弱点が浮き彫りになった部分もあった。ショスタコーヴィチの交響曲第12番は、全奏における響きのクリアーな清潔さが際立っており、非常にいいトレーニングが出来 [続きを読む]
|
- 2008/07/12 12:12クァルテット・エクセルシオ 〓
- さて、前回はクァルテット・エクセルシオ(エク)の音楽の素晴らしさについて、駄筆を走らせてみたが、それだけならば、エクだけを特に取り上げる理由はないのかもしれない。彼らの活動の独自性は、ただ音楽的な成果を追い求め、その代価を得ていくというところに止まらない。そこに、私の言いたいことのポイントがある。現在、エクは自主的に 'NPO' を名乗っている。NPO=ノン・プロフィット・オーガナイゼーション=非営利 [続きを読む]
|
- 2008/07/07 01:00第44回 日伊声楽コンコルソ 本選 7/6
- 日伊声楽コンコルソを聴いてきたが、なかなかレヴェルの高い歌の競演で、ちょっとしたリサイタルよりずっと楽しめた。これでたったの1500円というのだから、リーズナブルとしか言いようがない。これまでの活動実績などからみて・・・ ◎大澤 一彰 ○谷原 めぐみ △小川 里美、小林 沙羅という事前予測を立てていたが、終わってみれば、この格がものを言ったようなところもあった。だが、聴いてみての印象は、必ずしも、こ... [続きを読む]
|
- 2008/07/06 01:09クァルテット・エクセルシオ 〓
- 今回は、わが国では珍しい常設のクァルテット、クァルテット・エクセルシオを紹介する。私たちファンは、彼らのことを「エク」と呼んでいる。ヴァイオリンの西野ゆか(1st)、山田百子(2nd)、ヴィオラの吉田有紀子、チェロの大友肇の4人から成る。クァルテットは桐朋音大在籍時に創設され、もともとのメンバーには山田が含まれず、いまは都響の奏者となっている遠藤香奈子がいた。といっても、私は、その時代を知るわけではない [続きを読む]
|
- 2008/07/01 02:23フェスティバル・カルチエ・デテ @神奈川アートホール 横浜フランス月間 6/29
- 保土ヶ谷の神奈川アートホールで開かれた、フェスティバル・カルチエ・デテ、アンサンブル レ・タン・モデルヌ・リヨンの演奏を聴いてきた。「若き俊才たち」とプレヴュー記事で書いたが、これは勘違いで、中堅以上の脂の乗りきった世代の先生たちが中心だった。ピアノのラチュウミアについては、これからキャリアを伸ばしていく若手という表現は正しい。あと、ハープのベランジェールも若い。さて、なかなかに刺激のあるコンサー... [続きを読む]
|
- 2008/06/28 23:50河合優子 ピアノ・リサイタル ショパン・ナショナルエディションによる全曲演奏 〓 6/28
- ナショナル・エディション譜に基づく、河合優子によるショパンのピアノ曲全曲演奏会も、今回で第6回を数える。それでも、まだ半分に至っていない。今回はショパンが弱冠7歳で書いたという作品から、20代になるかならないかの初期作品が集められた。WN番号の作品が多く、これらは周知のように、生前に出版されなかった作品で、ナショナル・エディションでエキェル派が独自に分類したものにつけられる番号である。これら前半の... [続きを読む]
|
- 2008/06/28 00:37フランスの若き俊英たちが集う小さな祭典 フェスティバル・カルチエ・デテ
- もう直前だが、なかなか面白い企画を見つけた。フェスティバル・カルチエ・デテというのがそれであるが、要するに、日仏のコンテンポラリー・ミュージックをめぐる祭典だ。小規模の企画で、話題にもなっていないが、出演者、内容ともに期待ができそうだ。フェスティバルは、正確には27日が初日。メインとなる出演者、アンサンブル・レ・タン・モデルヌは、1993年に設立、「音楽家たちの自主的な企図にもとづいて、現代の音楽作品の... [続きを読む]
|
- 2008/06/22 01:13アンチェル ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」 CPO/1961年
- カレル・アンチェルが1961年に、チェコ・フィルと録音したドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」のディスクが、XRCD化されて再発売されている。それを買ったわけではないが、以前から所有していた通常版のCDを聴きなおしてみた。【わたくしごと】これを手にしたのは多分、4−5年ほども前のことだが、当時、私はこの録音にさしたる魅力を感じなかったので、ラックのなかに長く納まっていた。この頃は、私にとって... [続きを読む]
|
- 2008/06/15 23:53ザネッティ ロメオとジュリエット N響 A定期 6/15
- 本当は河合優子&東京ニューシティ管のショパンを聴く予定だったが、個人的な事情で、それが無理となったため、1時間遅れで、原宿にやってきた。N響のA定期である。曲目は2つとも大好きだし、指揮者もピアニストも評判の良い人だったからだ。ただし、好きな曲目だということは、点が辛くなることをも意味する。残念ながら、大満足とはいかなかった。しかし、それなりに楽しめたことだし、不満を並べ立てたくなるほどでもない。好... [続きを読む]
|
- 2008/06/15 12:43ラザレフ ローマの祭り 読響 芸劇マチネー 6/14
- 【ラザレフの特徴について】読売日本交響楽団、6月のシリーズはアレクサンドル・ラザレフの登場だ。日フィルの首席となった彼だが、このオケとも定期的な関係が続いているので、今後の客演がどうなるのかは注目に値する。読響としては、手放したくないところだろう。今回の芸劇マチネーは、ラフマニノフとレスピーギのプログラムを取り上げた。コンマスは、藤原浜雄。最初にまとめておくと、今回のラザレフの演奏は、なかなかに味... [続きを読む]
|
- 2008/06/14 12:35在京オーケストラ三題 日フィル
- 日本フィルは、若いオーケストラを除くと、在京オケの中でも、バランス・シートの悪い楽団であると言われている。N響・読響のような強力なバックボーンがあるわけでもなく、東響=すかいらーくのような固定的な出資者がいるわけでもない。決まったスポンサーを置かず、演奏会ごと、もしくはシーズンごとに、スポンサーを見つけていく形をとっている。そのせいだけではなかろうが、赤字が多く、厳しい運営であることが指摘されてい... [続きを読む]
|
- 2008/06/13 02:04在京オーケストラ三題 NJP/読響
- ここのところ、日本のオーケストラの動向が激しくなっているが、東京圏オーケストラにも動きがあった。といっても、2つは留任の報である。ひとつは、新日本フィルがクリスティアン・アルミンクとの3期目の契約をまとめ、2年延長したこと。もうひとつは、読売日響がスタニスラフ・スクロヴァチェフスキとの2年契約を延長し.1年繰り延べたものだ。アルミンクは定期会員数を増加させ、地元スポンサーの地道な獲得にも成果を挙げ... [続きを読む]
|
- 2008/06/09 02:31ボロメーオSQ メンデルスゾーン 弦楽八重奏曲 SQW〈フェスタ〉 6/8
- ボロメーオ・ストリング・クァルテットを「キュレーター」としての、クァルテット・ウィークエンドのフェスタ・シリーズも、最終日を迎えた。私は日曜の2回だけだが、足繁く通った人もいるらしい。この日は、再びクァルテット・エクセルシオをパートナーに演奏した、メンデルスゾーンの弦楽八重奏曲がメインだ。【シューマンの二面性】前半は、エクがシューベルト得意の未完成曲、弦楽四重奏曲第12番「四重奏断章」で露払いのあ... [続きを読む]
|
- 2008/06/08 03:55飯森範親 ペトルーシュカ 東響 サントリー定期 6/7
- 【ミッコ・フランクが突然の降板】東京交響楽団のサントリー定期は、指揮者のミッコ・フランクが直前で指揮ができなくなり、急遽、飯森範親が駆けつけるという緊急事態となった。お気に入りのコンマス、高木和弘氏のブログによると、心配された脊髄の病気ではなく、椎間板ヘルニアにより、前日午前までの稽古までつけたあと、振れなくなってしまったのだという。それならば、いのちに関わることではないから、すこし安心というもの... [続きを読む]
|
- 2008/06/05 00:43ル・コンセール・スピリテュエル・・・ようやく来日なるか
- すこし前に、大阪センチュリー響の危機の問題を取り上げたが、ドイツやフランスにも、そんな煽りを受けたオーケストラや劇場がある。ドイツでは、ベルリン・ドイツ・オペラ(ドイチェ・オーパー)が助成金の大幅削減により、見る影もない姿になりつつあることは、日本では意外と知られていない。聞くところによれば、2008/09シーズンの新制作は1本だけで、スター歌手を呼んだ「友人フリッツ」などは、なんと演奏会形式・・・。リ... [続きを読む]
|
- 2008/06/02 02:00ボロメーオ・ストリング・クァルテット クァルテット・ウィークエンド 〈フェスタ〉 6/1
- 【TANの新機軸】トリトン・アーツ・ネットワーク(TAN)と第一生命ホールは、国内外から優れた室内楽グループを招き、水曜日に演奏会を催す「クァルテット・ウェンズデイ」を続けてきた。この度、同プロジェクトは週末に移行することなり、同時に、企画をパワーアップさせるべく新機軸を導入した。企画は、「ガレリア」と「フェスタ」にわかれる。ここでリポートするのは、「フェスタ」公演の一コマであるが、これは・・・〓キュレ... [続きを読む]
|
- 2008/05/31 16:45青いサカナ団 マーマレイド・タウンとパールの森 5/25 〓
- さあ、これで「マーマレイド・タウン」の記事も最後だ。1週間にもわたって、レビューを書き続けてきたのだから、自分にも意外な根気があるものだと思う。【仮面が全体のなかで果たす役割】さて、今回の作品を象徴する道具立てとして、仮面があった。製作は南鐘貴とあるが、この方がどういう人物であるのかはわからない。また、仮面自体がどれぐらい素晴らしいものであるのか、判断する力もない。しかし、タウンの一般住民がつける... [続きを読む]
|