|
- 2008/10/11 22:47仮名手本忠臣蔵の衣裳 その1
- いよいよ忠臣蔵の季節ですね。浅草寺境内の仮設劇場で平成中村座「通し狂言 仮名手本忠臣蔵」が上演されています。私の会社にある資料をもとに「仮名手本忠臣蔵」の衣裳に注目していきたいと思います。〈大序〉鶴岡八幡の場仮名手本忠臣蔵の原作は人形浄瑠璃だったことから、幕が開くと人形のように下を向いている登場人物が浄瑠璃を語り進められていくに従い一人づつ顔を上げ息を吹き込まれていくという演出がなされています。こ... [続きを読む]
|
- 2008/10/04 20:56松王ができるまで 3
- 松王丸の着付けの刺繍も順調に進んでいます。先日、海老蔵さんの担当の方が衣裳の進行具合を見に来て、蔦に朱色を増やしたり、濃い緑色を入れたり、何箇所か修正するところを指摘されていきました。上前です。鷹が入るスペースを空けてあります。木綿の生地に刺繍してあった鷹の台付けを切り抜きます。空いたスペースに胴体のパーツを置きます。尾と足のパーツを重ね合わせます。見本を参考にバランスをとり、位置が決まったらテー... [続きを読む]
|
- 2008/09/28 11:10冷し処
- タイムカードをカチャ!「あー!仕事が終わった」帰りの地下鉄、乗換駅の新御茶ノ水あたりに来るとだんだん気持ちは染色からイラストモードに切り替わってきます。「今日は、アレとコレを描いて・・・・」などと考えつつ帰宅。風呂と夕食を済ませ、仕事を開始。私の部屋は仕事場兼用、「げんくろう工房」と呼んでいます。イラストを描くのにパソコンとペンタブレットは必需品。(まだXPなのだ・・・)今、制作中の仕事は「冷し処」... [続きを読む]
|
- 2008/09/21 08:55虎を描く
- 江戸時代の画家 片山楊谷(ようこく)の「猛虎図」です。水墨による毛並みの筆致は荒々しく、瞳の彩色、目じりや耳、口中に見える赤が効果的に猛獣の生々しさを表しています。この絵をモチーフに大衆演劇の衣裳を作ります。下絵を描き、糸目糊を置いてもらいました。できるだけ絵に忠実に表現したいので、糸目は輪郭など最小限にとどめ、虎の縞は薄墨で描いておきます。濃く見える所は糸目糊が置いてあります。まずは印象的な瞳か... [続きを読む]
|
- 2008/09/13 10:35藤娘の衣裳
- 藤娘の着付け。黒地の刺繍の帯は“ふじ”という文字を藤の房でかたどった藤文字模様です。藤色地の着付けを脱ぐと、下着の赤地襦袢が現われます。上の写真と比べると藤の柄が細かくなっています。役者さんの芸質、年齢、好みに応じて多少のバリエーションがあります。通常は総刺繍ですが、衣裳が重たくなるので今回は友禅染で作りました。「藤娘」は襖に描かれた大津絵が次々抜け出して踊りあうという趣向の舞踊から独立したもので... [続きを読む]
|
|
|
- 2008/09/07 07:58香の図
- 「積恋雪関扉」の関兵衛の衣裳に描かれている模様を源氏香といいます。この日本の伝統模様は、歌舞伎衣裳に限らず小袖や蒔絵などの工芸品でもよく見かけます。5本の香の組み合わせで出来る54種類の型を“香の図”として、香をたき香りの違いをかぎ分けその名をあてる香合わせの一種で、源氏物語五十四帖ににちなんで源氏香としたものです。着付けの袖の部分です、ちょうど友禅が挿し終わりました。“須磨”と“胡蝶”の2種類の源氏... [続きを読む]
|
- 2008/08/30 21:38阿弥陀如来
- ぜひ一度訪れてみたいお寺に兵庫県にある浄土寺浄土堂があります。阿弥陀三尊像 (快慶/鎌倉時代)私たちは仏像を見るとき、蛍光灯の照明で見ていますが、昔の人たちは、昼間は太陽の光で夜はろうそくの明かりで見ていました。光の位置や明るさは時間と共にどんどん変化するので、仏師はそれを計算して仏像やお堂を作りました。その光の効果を最大限に生かして設計されたのが浄土寺浄土堂の阿弥陀三尊像です。堂内は朱色の柱や梁... [続きを読む]
|
- 2008/08/03 09:17松王ができるまで 2
- 見本の松王丸の衣裳の模様をよく見てみると、松葉の緑色も枝の茶色も何色かの色糸を交ぜて使い色に深みを出しています。染の職人さんに使われている色に合わせて糸を染めてもらい、糸の太さも様々なので撚って太さを合わせます。見本を参考に試し縫いをしますが、なかなか思うようにいかず苦労していました。何種類かの試し縫いを松王丸の衣裳担当の方に見ていただき了解を得て、ようやく着付けの刺繍に取り掛かることができました... [続きを読む]
|
- 2008/07/26 20:16バドな休日
- 暑い・・・梅雨明けして連日真夏日・・・皆さん海へ山へと涼を求めて出かけているのに私はバドミントン。江戸川区の小学校で毎週日曜日に活動しています。クーラーバッグの中は保冷剤に冷したタオルにスポーツドリンク2本。熱中症予防のために水分補給は欠かせません。気温32度一歩体育館に入ると汗が噴出します。なんたって風と太陽の光は大敵、カーテンを閉め切るのでまるでサウナ。練習が始まりました。70歳のおじいちゃんもが... [続きを読む]
|
- 2008/07/19 11:07衣裳デザイン
- 新しい模様の衣裳を作るときに、衣裳デザインは欠かせません。(模様が決まるまでの流れ)役者さんの衣裳担当の方から連絡が入り、大まかな意向を聞きデザイン画を描きます。私の会社の営業がデザイン画を持って行き、衣裳担当の方と打ち合わせ。打ち合わせでの様々な修正点を聞きデザイン画を描き直します。再び直したデザイン画を持って行き、役者さんも交えて検討して最終デザインが決まります。この時、色見本による地色などの... [続きを読む]
|
- 2008/07/12 09:50花魁道中2
- 先週のつづき。地色が染まってきました。模様のメインである揚巻に金の駒糸で刺繍を入れました。衣裳に豪華さが増します。顔料で顔を描き入れました。美人画の資料を見ていても画家によって表情は様々です。私の好きな歌麿を参考にして描きました、役得ですね。胸、肩、袖はしだれ桜。全ての顔が描き終わりましたので裾を合わせてみました。男衆を従えた揚巻の次には、赤い衣裳を着た“かむろ”が二人。7才〜10才位の奉公に来たば... [続きを読む]
|
- 2008/07/06 10:08花魁道中
- 江戸時代の錦絵で、舞台と観客を描いた「歌舞伎芝居之図」があります。大衆演劇の担当の方から、「歌舞伎芝居之図」で花魁道中を模様にして衣裳を作ってほしいという依頼がありました。花魁道中といえば、ずいぶん前に観た蜷川幸雄さんの「近松心中物語」を思い出します。幕が開き、花魁道中がゆっくり花道を舞台に向かって進み、そのまま私たちも舞台に引き込まれていきました。花道のすぐ横に座っていたので、花魁道中の迫力に圧... [続きを読む]
|
- 2008/06/28 20:14CMの衣裳
- トヨエツこと豊川悦司さんが和服姿で登場する「日産 ティアナ」のCMをご覧になりましたか?今年の4月に豊川悦司さんが着る、瓢箪模様の長襦袢を作りました。そのデザインがこちら。このデザインを監督さんやスタッフの方が検討して、瓢箪の大きさや位置などを手直しして制作開始!上半身をアップで撮るのでていねいに仕上げて下さいとの注文がありました。完成!生地は羽二重です。おもてなしの心をコンセプトにした「日産 ティ... [続きを読む]
|
- 2008/06/21 20:17松王ができるまで 1
- 台付けの鷹がだいぶ出来上がってきました、これから金の駒糸で羽根の輪郭をくくっていきます。刺繍職人さんが台付けを刺繍しているあいだに、雪持ち松の下絵に取り掛かります。仮絵羽ができましたので羽織ってみました。私は身長が167cmですが、袖口から指先が少ししか出ません。海老蔵さんは手足が長いですね。生地はさやがた文様の綸子。写真では分かりませんが、煮染で染めたため繊維の奥までしっかり染まって、こっくりとし... [続きを読む]
|
- 2008/06/14 11:21はしょり色々
- 衣裳の着付は本業ではないのですが、会社に衣裳の端折(はしょり)方の資料が有りましたので紹介します。ご存知 花川戸助六他に五郎蔵、蘭平の引込みなどにする裾の取り方です。小栗判官あずまからげといって衣裳の左右を帯の所でからげ、前裾が開くようにします。四天、武士の紋付着流し、所作事衣裳に用います。渡邊源次綱若党にも用いられる高股立(たかももだち)という袴の着付け方。いがみの権太の七三。切られ与三郎の片ば... [続きを読む]
|
- 2008/06/07 21:21松王再開
- 見本にお借りした松王丸の着付。松王丸の羽織。去年の9月より打ち合わせや下準備が進められていた、海老蔵さん着用の松王丸の着付羽織の制作が再開されました。まずは鷹の台付けから制作開始!着付の鷹です。木綿の生地に描かれた下絵にそって羽根の1枚1枚に綿を置き立体感を出します。ズームアップしてみると綿を糸で固定しているのが分かります。見本にお借りした衣裳の鷹の色に糸を染めて綿の上を刺繍していきます。こちらは羽... [続きを読む]
|
|
|
- 2008/05/25 09:34江戸文字で半纏
- 粋でいなせな兄さん姉さん達が待ちに待った祭りの季節がスタートしました。祭半纏の背中大紋や衿文字で見かけた事が有ると思いますが、粋という文化が生み出した江戸文字はとても個性的です。それでは、「源九郎」という文字を使って半纏をデザインしてみます。篭字という江戸文字です。いっきに筆で書いていく書と違って、細い線で輪郭を書いて中を塗りつぶすというつくり文字です。神社やお寺に貼られている千社札もこの文字のバ... [続きを読む]
|
- 2008/05/18 09:29火焔
- 歌舞伎衣裳の火焔といえば鳴神ですね。ぶっ返りの衣裳の解説はHP「絵本カブキッズ」の鳴神のキャラクターをご覧になってください。こちらは(義経千本桜)四の切 忠信の衣裳。宝珠を狐火に見立てています。(籠釣瓶花街酔醒)兵庫屋縁切の場 八つ橋の火焔太鼓に御幕の衣裳そして先月制作したのが火焔の打掛衣裳デザイン友禅を終え仕上げに金泥を入れています。地には蛇体を表す銀箔の鱗模様。裾に金の鱗を型箔で置いて出来上がり。... [続きを読む]
|
- 2008/05/10 11:24市川系譜
- 元禄時代には歌舞伎の人気に伴い、贔屓の役者さんの衣裳と同じ文様が流行ったり、芝居絵や役者絵などの出版物が人気を博したり、昔も今もファンの心理は変わりませんね。錦絵「優長市川系譜 ゆうちょういちかわけいふ」 歌川周重初代から九代目までの團十郎代々の似顔絵をそのあたり役で描かれています。この錦絵を参考に大衆演劇の衣裳を作りました。模様の構図上6人に絞りました。元祖 鎌倉権五郎景政二代目 矢の根五郎三代目 ... [続きを読む]
|
|
|
- 2008/04/27 09:40首ぬき
- 「夏祭浪花鑑」の団七や「お祭」の鳶頭などで見かける、首の周りに家紋が染められている衣裳を首ぬきと言います。5月新橋演舞場「勢獅子」で歌昇さんと錦之助さんが着用するお揃いの首ぬきを作ります。模様にする家紋は「桐蝶」原寸大に図案を描いています。お借りした「四つ花菱」の首ぬき、こちらが濃紺の色見本になります。友禅染めをしています。衣裳の友禅染めは細かい模様から大きな模様まで様々です。ぼかしを多様する繊細... [続きを読む]
|
- 2008/04/20 09:53紺屋
- 紺屋(こんや・こうや)とは江戸時代に染め物屋をさした言葉です。私達の会社は、型染・引き染・模様・刺繍・仕立てとそれぞれの分野の職人さんが集まり衣裳制作を行っています。東京にも染色の職人さんはたくさんいらっしゃいますが、皆それぞれ工房を構えていて、一ヶ所に集まり仕事をしているのは全国的にみてもたいへんめずらしいと思います。しかし、昔はこのような形態ではありませんでした。先輩から聞いた話ですが、50年ほ... [続きを読む]
|
- 2008/04/13 10:20芝居絵
- 最近の大衆演劇衣裳では錦絵をモチーフにした模様の依頼が多く、特に歌舞伎の芝居絵が人気があります。伽羅先代萩模様ねずみが嫌いな方は袖を通したくないでしょうね。仁木弾正の不気味な表情。荒獅子男之助こちらは仮名手本忠臣蔵の高師直憎たらしい顔をしていますね〜!桃井若狭之助ご存知!鼠小僧錦絵の資料を参考に顔を描いていますが、何度描いてもムズカシ〜〜〜!... [続きを読む]
|
- 2008/04/06 10:31仁王
- 仁王様は金剛力士とも呼ばれています。私達はお寺をお参りする時に、仁王様にギロッ!と睨まれながら門を通って境内に入ります。向かって右側にいるのがあぎょう、左側がうんぎょうです。互いの呼吸が合うことを「あ・うんの呼吸」と言うのは仁王様の呼び名からきています。この勇ましい仁王様をモチーフに衣裳を作ります。私は仏像が好きなのでワクワク!色々資料を調べてみました。(東大寺南門) 運慶・快慶の最高傑作。ここ... [続きを読む]
|