|
- 2008/08/27 21:18偶発的な出来事
- あなたのうるんだ眼ざしがぼくにはどうにも耐えきれなくてその薄いまぶたをそっとふさいでみたのですやさしく軽やかにゆっくり唇を押しあてて★絵:ダイアン・エティエ★↓ポチッっとね ... [続きを読む]
|
- 2008/08/16 11:36とるにたりないことだけど
- たいせつなものをいっぱい失くしてそのかわり といってはなんですがかけがえのない想い出をたくさん たくさん手に入れることができました時はこちらの都合なんておかまいなしにさっさと過ぎ去ってしまうものなんてことはミツバチの赤ちゃんだって知っている自由に空を舞うために生まれてきた愛らしい小鳥たちがたとえ狭い籠にとじこめられても美しく歌うことを忘れないのはどうしてかってことを考えてみたことあるかしらモグラは... [続きを読む]
|
- 2008/08/10 17:02Bonnie&Clydeのように
- どこまでも落ちてゆこう生きることも死ぬことさえも叶わぬのなら朽ち果ててしまったささやかな夢声にならない孤独な叫び明日を見失った寄る辺なき魂どこまでも落ちてゆこう愛することも憎むことさえ許されないならこの世のつまらぬしがらみをすべて残らず断ち切って美しく汚れた底なしの沼にからみあうように身を沈めよう深く深くひそやかにふるえる嗚咽哀しい抱擁かりそめの愛月の満ち欠けにうねり狂う波のように激しく静かに身も... [続きを読む]
|
- 2008/08/07 22:14遠まわり
- 家路についた道すがらいっしょに過ごした一日をやさしい気持ちでふり返りながらつい頬が緩んでしまいますまだできたての想い出がひとつ ふたつ またひとつぴちッ ぱちッ ぷちッとまるでぽっかり宙に浮かんでははじけて消えるシャボン玉かなにかのようにつぎからつぎへと生まれては消えまた浮かんでははじけて消えてそうしてつい小さな笑みがこぼれてしまうのですだからおねがいこのままさよならするのはつらいからほんのも少し... [続きを読む]
|
- 2008/07/26 15:24やさしい日々はほんの束の間
- ふと指先がふれてしまったときめきの瞬間口唇をかさねるまでのとまどいの距離ささやかな喜びをさりげなく分ちあったやさしい日々はほんの束の間愛はいっしょに過ごした時間の長さではかるのではなくその深さこそがたいせつなのだということをそっと教えてくれたのはあなたでした★絵:マルク・シャガール★↓ポチッっとね ... [続きを読む]
|
|
|
- 2008/07/19 22:12奇跡から軌跡へ
- ややもするとこうして出逢うことすらなかったかもしれないのに得てしてこんなものかもしれませんねなにかが終わるときなんて数十億年もの時を経てようやく出逢えたというのに幾千光年もかかってやっと地上にたどりついた星の光をいまは語りかける言葉もみつからずただじっと見つめ続けているだけなのですから★絵:ワリシー・カンデンスキー★↓ポチッっとね ... [続きを読む]
|
- 2008/07/14 21:33ことほど左様に世界は・・・
- どこまでも続く真っ白な平原を 青い馬が駆けていきます 白い砂煙をあげて 青いたて髪をなびかせながら 果てしなく広がる紺碧の空を 黄色いカモメが飛んでいきます 軽やかに翼をひろげ その瞳に空の静寂をうつしながら 銀色に輝く大海原を 真っ赤なクジラが泳いでいきます ときおり空に向かって潮を噴きあげ 大きなからだを宙に躍らせながら 青い馬と黄色いカモメと真っ赤なクジラは もう何百年も何千年も何万年ものあいだ 地の果て... [続きを読む]
|
- 2008/07/05 15:26サラ
- サラきみはきみのやるせない生い立ちをなげいていたねそしてサラきみはきみの身にまとわりつく不運をことのほか悲しんでいたよねけれどサラきみは深い苦悩に満たされたやさしさでやわらかな笑みを浮べていたっけそしてサラきみはその微笑みでもってぼくの胸に小さなあかりを灯してくれただからサラせめてぼくはぼくの祈りを風にのせてきみに贈ろうサラ サラひっそり野に揺れる花のような サラ★絵:ウラジーミル・トレチコフ★↓... [続きを読む]
|
- 2008/07/01 21:15そこにあるもの
- どうして背中を丸めているのどうしてそんなにふし目がちなのどうしてため息ばかりついてるのあなたのその哀しみのもとを深く辿ってごらんなさいするとほらきっとあなたも気づくはず胸の奥底 暗がりに小さな小さな愛の種がひとつぽつんと落ちているということに★絵:マッケンジー・ソープ★↓ポチッっとね ... [続きを読む]
|
- 2008/06/28 18:22心の染み
- 消そうとしてもけしてぬぐい去ることのできない心の染みそれはぼくが生きた過ちの痕跡このさきもずっとひきずっていかなければならない重たい影消し去ろうとすればするほどかえって滲んで広がるばかりけしてぬぐいきれない心の染みそれはぼくを形作ってきたもの★絵:ジャン・ジャンセン★↓ポチッっとね ... [続きを読む]
|
- 2008/06/25 22:03そのあまりのあっけなさに
- 幕が上がることもなく物語は終演を迎えたそれはどうにもならないことだったからまだなにも始まっていないのになにもかもが終わってしまったそれは許されることではなかったからそのあまりのあっけなさにまるで眠ってもいないのに夢から醒めてしまったような心持がしてぼくの中が虚ろになった★絵:ジョアン・ミロ★ ↓ポチッっとね ... [続きを読む]
|
- 2008/06/19 23:25わがまま
- ご存知でしたかなにげないふうを装って素知らぬふりをしていてもわたしの心はきしみをたてて真っ紅な雫をしたたらせているのですですから せめてもう少しだけ.........★絵:オーギュスト・ルノアール★↓ポチッっとね ... [続きを読む]
|
- 2008/06/10 22:15ぼくという存在の不確かさ
- ぼくはだれかであってだれでもないぼくはなにかであってなにものでもないぼくはただ ここに在るだけぼくはただここにこうして在るだけなのにぼくはここにはいないぼくはここにいるのにどこにもいないぼくはなにか得体の知れない大きな流れの中であらがうことの虚しさを知りただなすがままにここにこうして在るだけ★絵:ジョー・バリー★↓ポチッっとね... [続きを読む]
|
- 2008/06/07 12:09タメイキトイキ
- あなたを想うわたしの心はマシュマロのようにやわらかく杏の花の香りのようにほんのり甘いあなたに恋するわたしの気持ちはウェハースのように頼りなげでココアのようにほろ苦いため息 吐息またひとつ★絵:織田広喜★ ↓ポチッっとね ... [続きを読む]
|
- 2008/05/28 21:33喪失
- ここではないどこか遠くへ行ってしまいたいと思いながらどこへも行けないことには気づいていたとにかく歩みを進めなければと考えながらゆく手になにもないことは知っていたかといって立ちどまることも後戻りすることも許されなかったいっそこのままなにもかも消えてなくなればいいのにと心秘かにつぶやいてはみたものの何も変わらないのはわかっていたいつかどこかでとてもたいせつな何かを失くしてしまったような気がするけれどそ... [続きを読む]
|
- 2008/05/24 17:46小糠雨降る夜のこと
- 静々と日が暮れてそれでもなお降りやまぬ小糠雨閉めきった部屋であかりも灯さずじっと息を殺しているとやがて部屋中が生ぬるい水で満たされていきましたその澱んだ水底にわたしはからだを丸めて横たわり人知れず 密やかにおろおろ泣いてみたのですなんのためらいも恥じらいもなくさめざめとさほど悲しくもないのにですけれどまったく悲しくないかといえばけしてそういうわけでもありませんただ胸にわだかまる悲しみのもとがいった... [続きを読む]
|
- 2008/05/18 13:17いつわりのことば
- どうせならもっと上手な作り話を聴かせてください嘘をつくのにあなたはなんて悲しい顔するのわたしはいつも微笑んでいられる自分のために流す涙はとうのむかしに枯れ果ててしまったからやさしい言葉もなぐさめもそんなものは必要ありませんとるにたりない戯言なのだと知っているからわたしのことならだいじょうぶ傷つくことには慣れっこなのですだからどうかそんな見え透いた嘘で終わらせないでわたしのことならご心配には及びませ... [続きを読む]
|
- 2008/05/07 22:22だから なおさら
- とにもかくにもなにもかにもが曖昧模糊としているのどんなにじっと見つめあってもどれほど深く想っていてもあなたにわたしのすべてがわかるはずもなくわたしもあなたを理解しつくしてあげられはしないやるせなく せつないことではあるけれどとどのつまりそういうことではないかしらひとはみな寄る辺なきものだから なおさらなので なおさら★絵:ウイリアム・アドルフ・ブーグロー★↓ポチッっとね ... [続きを読む]
|
- 2008/04/20 22:10小さなスプーン一杯分の
- そんな小さなスプーンじゃわたしの心はすくえない静かに頬をつたい落ちる悲しみのひと雫をひっそりすくい取ることさへできませんあえなく散った想いのひとひらをそっと受けとめることすら儘ならないのですけれど あぁ どうかわたしに情けをかけてくださいほんの少しでいいんですその小さなスプーン一杯分のささやかな憐れみでよいのですから★絵:S・Francis★ ↓ポチッっとね ... [続きを読む]
|
- 2008/04/12 10:13いっそこのまま
- あなたが忍び泣くのを黙って背中で聴いていたどうせどうにもならないのならあなたの胸に巣食う暗闇にいっそこのまま呑み込まれてしまいたい心ひそかにそう願いながら★絵:陳淑芬★ ↓ポチッっとね ... [続きを読む]
|
- 2008/04/02 22:35je t'aime
- 蜜より甘いささやきそれはいつわり? たわむれ? 勘ちがい?それともただぬぐい去れない寂しさをまぎらわしかっただけなのかしら?もちろん永遠なんて信じちゃいなかったけど倦怠 喪失 孤独そんなことにはもう慣れっこけれど惰性は・・・・ただ流されて生きていくのだけはいや人生は儚いものだと知っているだからせめて美しく流されたいje t'aime je t'aime je t'aime蜜より甘いささやきの中に真実なんてどこにもない★絵:フ... [続きを読む]
|
- 2008/03/16 20:55ひと粒の海 もしくは、配達されることのない手紙
- あなたの瞳から生まれたひと粒の海がからからに乾涸びたぼくの心をうるおしてくれましたあなたはあなたの悲しみでもってぼくにひとときの安らぎをあたえてくれたのですひとはだれしもあたえられたさだめにあらがう術をもちませんだからあなたはあなたの身の上をそんなに悲しまないでほしいのですたとえどんなにつらくても悲嘆にくれたりしないでいてくださいあなたはあなたにあたえられたあなたのさだめにただ素直にしたがっている... [続きを読む]
|
- 2008/03/09 19:22気だるい午後
- 開け放った窓から見える四角い空がなんだか哀しい机の上にはふたの開かなくなった藍いインク壷とエキゾチックなドロップの空き缶ひきだしの中ではいつのまにかつけなくなった日記が書きかけの手紙とともに深い眠りについているはず壁にかかったジャンヌ・エビュテルヌの肖像瞳のないアーモンド形のまなこその眼であなたはいったい何を見つめていたのでしょうね意識の底の暗がりを流れつづける短調のピアノの調べ哀愁をおびた旋律ふ... [続きを読む]
|
- 2008/03/02 18:46もしもぼくが・・・
- もしもぼくがおだやかな陽射しであったならやさしい光で包んであげたい凍えてふるえるきみの躰をそっと温めてあげられるからもしもぼくが清らかな泉であったならその小さな手のひらにすくわれてみたい傷つき渇いたきみの心を静かにうるおしてあげられるからもしもぼくが荒れ野の木立であったならいつもたくさんの葉を茂らせていたい冷たい通り雨からきみを守ってあげられるからもしもぼくがやわらかな風であったなら頬をつたうその... [続きを読む]
|
- 2008/02/24 20:17マーマレードの朝に
- 東の低い空に光が射して不安な夜が終わりをつげようとしていますやがて空の片隅にあざやかなオレンジの色が染み広がってマーマレードの朝が明けていくのですとくになにか良いことが待ち受けているというのではないけれど一日のはじまりがこんなにも美しいからぼくは思わず “Terry’sTheme”を口ずさむいまごろきみはまだきっと優しい夢の中をたゆたっているのでしょうね こうしてぼくらは別々の時を過ごしているけれどこの世の... [続きを読む]
|