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- 2007/08/05 23:59白い紅茶より、第202番 くすぶられる恋心
- すると「自分の名前、分からないの?」子供でも即答できる質問なのに無言な私にしびれを切らしたのか・・・返事を迫ってくる佐々木さん。何て嫌みなヤツ。私の名字なんて知ってるくせに「まさか・・・」ん?若葉?何「まさか」って?「なに?」「あ・・・早く返事したら?」「うん。・・・でも」「でも?何かあるの?」何で若葉にも急かされるかなぁ・・・ワケ分からないよ。「ん、ちょっと・・・」この言葉と雰囲気で察してよ?黙... [続きを読む]
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- 2007/08/04 23:59白い紅茶より、第201番 悲しい色
- 今まで拓也先輩との会話で沈黙の時間が長い時大抵は先輩から話しかけてくれたのに今日は・・・「じゃあ、検温からしますね」何も知らなくて門倉というネームプレートを付けている看護師さんからだった。私ははっとした。現実に戻った気がした。「あ、はい・・・」「体温計はこれですね」「はい・・・」体温を測り始めてから先輩をちょっと見たら唇をきゅっとつぐんでいてただただ白いお布団を眺めてる目は悲しそうな色をしてた。そ... [続きを読む]
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- 2007/08/03 23:59白い紅茶より、第200番 サイン
- だけど私の「挨拶をされたら、挨拶を返す」という癖のお陰で「こん・・・にちは」戸惑いを隠せなかったけれど呆然としたままで何とか口が勝手に動いてくれてた。対して、私の声を聞いたそのヒトは何かを確認したかのように小さく頷いて「あなたのコトを知ってるよ」っていう鋭い目つきをした。彼女は仕事をてきぱきとこなしそうな印象を持っている佐々木さんという看護師さんで彼女と私は、先週の金曜日に会った。その時、先輩が入... [続きを読む]
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- 2007/08/02 23:59白い紅茶より、第199番 会ってはいけない人
- 「わか・・・」私が若葉に聞こうとした時誰かがドアを叩いてるような音がした。で、若葉のヤツは「はい。どうぞ~♪」なあんてまだ見ぬ相手に対して家ではまず聞けない、素直で明るい声で調子よく返事してた。それ見て、思ったんだけど・・・若葉って、超感じ悪くない?だいたいねぇ・・・「はい、どうぞ」くらい素でいったっていいだろうに!最後に♪も付けちゃってさ「失礼しまーす」「高瀬さん、具合はどうですか?」ドアが開く... [続きを読む]
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- 2007/08/01 23:59白い紅茶より、第198番 原因不明
- 目を開けた。白い天井と蛍光灯が目に入ってきた。電気はついていないのに光にあふれていて結構まぶしい。横たわっている私の上には薄い毛布と白い掛け布団。首だけをゆっくり左右に動かすと拓也先輩の病室と全く同じ部屋なのにベッドの左側には透明な袋がいくつかぶら下がってて中には水みたいな液体や薄い黄色に染まった液体が入っていて私の名前が書いてあった。各袋の下には1本の細い管がついていて真ん中より上くらいが少し太... [続きを読む]
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- 2007/07/31 23:59白い紅茶より、第197番 一触即発
- 滅多なコトでは怒らない人だった。高校時代、普段のパート練習や合奏で磁石のプラスとプラスを合わせるかのように音程同士が逃げて合わない時とかピンキングばさみで切ってるかのように縦の線がジグザクと揃わない時その人は、みるみる顔が険しくなって相当怒っているのが手に取るように分かるのに一切、態度や言葉に出さなかった人だった。極めつけは私が入部してから名前しか知らない市の、辺鄙な場所にあるホールで定期演奏会の... [続きを読む]
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- 2007/07/30 23:59白い紅茶より、第196番 レント
- 「はにーっ?」急いで携帯を拾ったようなかずの声。反して私はああ、かずだぁ・・・なんて、自分の部屋にやっと帰ってきて一息ついたような・・・そんな居心地の良さを感じてた。「うん・・・」「通じなかったから、どうしたのかと思ったよ」かずの口調はまだ落ち着いてない「・・・ごめん。遅くなって」「いいけどさ・・・今、家?」「え・・・っと」かず・・・家にいるって言った方が、安心する?でも、繋がった時に聞こえるコイ... [続きを読む]
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- 2007/07/29 23:59白い紅茶より、第195番 午後11時
- 時々、看護師さんらしい足音がする度に意識が少し戻って私、ついに見つかっちゃう?なんて、ちょっと緊張した。それは、見つけたヒトからの大目玉なんて食らいたくなかったからなんだけどどこかで逆に・・・私から、ここに私がいるのを教えてどんなに叱られたって構わないからとにかく・・・お布団に寝かせてくれないかなそんなコト、考えてた。はあ、おっかしいね。こんなコト考えてるだなんて。でも誰かに見つかる前に家とかずに... [続きを読む]
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- 2007/07/28 23:59白い紅茶より、第194番 待合室
- 拓也先輩の病室から、この待合室までの距離はそんなに遠いワケじゃないし私は走って来てもいない。なのに、息が苦しかった。混乱してないのに頭がしびれて考えるコトを拒否して私にただただ、安らぎを求めてた。だから何も考えずしばらくの間じっとしてたらソファーの感触がふかふかで心地良かったお陰か、だいぶ楽になった。大きなため息が1つ出たらちょっとずつ考えられるようになった。今、何時・・・?早く、公衆電話見つけて... [続きを読む]
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- 2007/07/27 23:59白い紅茶より、第193番 ごめんね
- ここは最新設備が整った有名な病院なのに・・・エアコンが壊れたのかな、と疑問が出てくる位の寒さ。で、廊下がどろどろした液体かのようにゆらゆらと激しく揺れるもんだからたたでさえ、すごく歩きづらいのに一歩足を動かす度に何とも言えない脱力感が体を駆けめぐる。頭はぐわんぐわんと回りっぱなし。こんなんだったら、廊下に突っ伏してほふく前進しながら前に進んだ方が早いよ。だけど・・・私、今日ミニスカートなんだよね。... [続きを読む]
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- 2007/07/26 23:59白い紅茶より、第192番 午後10時
- どこ行ったんだろう?拓也先輩。私は、先輩の病室で1人横になったまま考えてた。体温計を見たあとに焦って外に出るっていうのは・・・私、もしかして平熱じゃないのかな?にしても、自分的には普通っぽいんだけどな。それを考えるとさ実は私の熱とは全然関係なくって単純に・・・トイレとか?んーでも、この病室はトイレ付きなはず。ちょっと無理があるかな?・・・いやー、分からないよ?ホテル仕様な病室でもさすがに音姫は無か... [続きを読む]
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- 2007/07/25 23:59白い紅茶より、第191番 熱
- 急にクリーム色の明かりが見えてきてまぶしく感じた。「う・・・ん・・・」暗闇に慣れたせいか、光は辛い。こう書いてると、ドラキュラになったの?って思えるね。あと、頭がガンガンする。体の節々も痛い気がする。「さくら?気がついたか?」変な角度から拓也先輩の顔が出てきたんで驚き・・・それで、自分が寝ているコトに気がついた。「先輩、ここは・・・?」首をゆっくり動かして辺りを見回したら頭の上からタオルがベッドに... [続きを読む]
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- 2007/07/24 23:59白い紅茶より、第190番 深海
- 「よ、そっちも雨だろ?」「残念♪晴れてるよ」「へー、天気予報では今日、関東全域で雨だって言ってたんだけどな」「えーじゃ、私の家の近くだけなのかな?こんなに天気がいいのは。もうねぇ聞いて?星達が降ってきそうな位、快晴なんだよ」私の家から見る景色とは思えないほどの沢山の星達が静かに、綺麗に光ってた。私は空を見ながら、うっとりしてた。ここにかずがいればいいのにって思ったらこの前、夜景を見に行った時のよう... [続きを読む]
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- 2007/07/23 13:51白い紅茶より、第189番 悪寒
- そして、いつも使っていたエレベータの反対側を歩いた先にある非常階段を使って拓也先輩がいる病室に行ったんだ。だって・・・覚えてる?昨日の午前中に、一般の人の面会時間よりも少し早く来た木崎先輩と、よりによって会ったら大変なコトになる留美に危うく顔を合わせそうになったじゃない。本来、あの時ってのは家族しか来ない“安全な”時間帯なのに一度でもあーいうコトがあったんなら可能性として、一般の人が面会に来る時間... [続きを読む]
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- 2007/07/22 23:59白い紅茶より、第188番 雨
- ね、月曜日って好き?私は子供の時から好きじゃないと思ってたけど今は吉浜くんと同じ位嫌いになった。だから「もう、むかつきすぎ!ああー休日よカムバーック!」そう叫びながら大学に行く今日この頃。そう、何てこと無い普通の日でも。今一番心配している拓也先輩に会える始めの曜日だとしたって。その代償が・・・愛しいかずとはプチ遠距離恋愛のスタート曜日なんだから。ああ、月曜日・・・何と苦痛極まりない言葉だろう。聞く... [続きを読む]
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- 2007/07/21 23:59白い紅茶より、第187番 仲良くなる度好きになる度
- 「ふーん・・・」私は、元気のない消えるような声で返事した。なのにかずは、そんな私に構わずに独り言なのか、私に話しているのかどちらとも取れるような感じで当時の話をし始めた。その間の私、相槌を打ちながらも悪いけど、聞き流してた。だってそうでしょ?「大人の階段のーぼる、君はまだ、シンデレラさ」って所を大声で歌ったってコトは・・・当時のかずが「君」って呼びたくなるような親しくなりたいコか、仲が良くて呼んで [続きを読む]
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- 2007/07/20 23:59白い紅茶より、第186番 思い出がいっぱい
- だけど私、簡単にあきらめなかった。「もう、スープのコトはマジで気にするな」と言われ・・・「ほら、部長のソロだよ、すげぇよな?」と気になっていた春コンの豪快な演奏を満喫してかずんちを出て・・・帰りの車の中で、どんな話をしていても話が一度とぎれたら「ねぇねぇ、なんでだったの?」って、ちょっと強引に話を戻してた。ん?なんで、そんなに気にするのかって?考えようによっては「ただ純粋に見せたかったからなのかな... [続きを読む]
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- 2007/07/19 23:59白い紅茶より、第185番 トライアウト
- そのあとに、カーペットは大丈夫だよね?と見るとなあんと既に2-3滴、カーペットに落ちているのを発見!「あ!下にも落ちてる!」私は速攻で、かずに教えたのに「まぁーそんなもんだろ。あんだけ叩けば・・・」なんてかずは、特に驚くことじゃないような口調で急ぐ様子もなかった。そんなゆっくりしているかずに、私はとってもびっくりした。だって、そうやってのんびりしている間にもどんどんスープがカーペットに染みこんでいっ [続きを読む]
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- 2007/07/18 23:59白い紅茶より、第184番 ダブルリード
- かといって、なにを頑張ればいいのか漠然としか分からないけど私が出来る、いろんなコト。演奏はもちろんのコト・・・パートリーダーとして楽団の運営に携わっている久保さんのお手伝いとか。外見はイケメンだけど、中身はパソコンの配線の様にぐちゃぐちゃして、さっぱり意味不明な思考回路&納豆みたいな粘着質の吉浜くん。私、死ぬほど大っ嫌いだけど・・・同じパートの仲間として、久保さんと同じ様に接していこうかなって思っ [続きを読む]
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- 2007/07/17 23:59白い紅茶より、第183番 見送り
- 「うわ、やっぱり美味しい!」「そか?」「うん。ホンッとに」ブイヨンとこしょうの味が、しっかりついて。煮くずれ手前のじゃがいもやスープと同化して見つけにくいタマネギ・・・ほくほくのにんじん達はとっても野菜らしい甘さを持ってて何もかもが柔らかくって、あったかかった。これまでも、かずとお食事したコトは何回もあるし「美味しいね」とも、何度も言った。その時々だって、ホントにそう思った。でも、こんなに美味しい... [続きを読む]
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- 2007/07/16 23:59白い紅茶より、第182番 ダイヤモンドダスト
- 「おまちっ♪」勢いよく、寿司屋さんのヒトのようなセリフを言いながらかずはお盆を持って、料理のいい匂いと共に部屋に戻ってきた。「おかえ・・・わ、美味しそうな匂いがするね」「匂いはな・・・」私が話している間、真っ白くてまあるいスーププレートに入ったポトフは、私の目の前に置かれた。「え、匂いはって言うけど・・・こんなに見た目も美味しそうなんだから、美味しいって」温かそうな湯気を出してる、うすい茶色で透き... [続きを読む]
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- 2007/07/15 23:59白い紅茶より、第181番 支え
- 最初の印象は「濃い色が多いな」だった。かずの部屋に通じるこげ茶のドアを開けた。そしたら、壁も同じ色で。左側にある背の高い本棚も、ドアと同じ色。続いて唯一赤いテレビがあるけど隣にはパソコンが置いてあって、またまたこげ茶色の机。正面真ん中に小さくて透明なガラス台向かいには窓と黒のオーディオ一式とクリーム色の空気清浄機みたいなものが見えて右側隣はクローゼットで右端には黒いパイプのベッドがあったのだけど・... [続きを読む]
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- 2007/07/14 23:59白い紅茶より、第180番 表札
- ところが・・・「そこの右側の道を真っ直ぐ行くと、うちだよ」と、一つ前の角をようやく曲がってきたかずにそう言われたら私は、立ち止まって・・・セダンが一台やっと通れる位の舗装されていない道を瞬きもせずに眺めてた。周りの家の窓から洩れる、暖かそうな黄色い光と私がいる曲がり角と門の周りを照らす外灯の白いあかりによって確かに、少し遠くに門があるのが見えて・・・横に白い長方形の中に水無瀬という、毛筆の表札があ [続きを読む]
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- 2007/07/13 23:59白い紅茶より、第179番 指標
- そして・・・「お袋、俺の後輩の高瀬さくらさん」ふと、頭に響いた、拓也先輩の声。部活の先輩と同期達で、初めて先輩の家に遊びに行った日。先輩は私を紹介してくれた。その時の私は、先輩の言葉を気にして「やっぱり私は後輩だよね・・・」なんて1人で落込んでしまっていたけれど恋人なのに、ご家族にだけ会わせないかずを通じて今更になって先輩の行動が、痛いほど身にしみてきた。で、コトもあろうに・・・あの時、菜穂達から [続きを読む]
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- 2007/07/12 23:59白い紅茶より、第178番 交差点
- 「てっきり、行きたくないのかと思ったよ・・・」「どうして?」「前に「呼び方を、楽団の皆と一緒にして」と、はにーが言ったから楽団の人達と話す様に話し始めたのに、はにー、いきなり泣き出して「またさくらって呼べ」って撤回したコトがあったからさ、はにーって「嫌だ」と思ったら、まずは態度に出るのかと」うっわー!超思い出したくない話を言われちゃった!やばい。穴があったら入ってうずくまりたい。そしてたっくさん眠... [続きを読む]
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