あき あゆむ さん

あき あゆむさん: 探偵・佐崎勘久郎シリーズ「ひとくきの蘆(あし)」
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プロフィール

ハンドル名あき あゆむ さん
ブログタイトル探偵・佐崎勘久郎シリーズ「ひとくきの蘆(あし)」
サイト紹介文探偵・佐崎勘久郎シリーズ第三弾
「ひとくきの蘆」をお楽しみ下さい!
自由文愛とは非情なものと知ったときに
あなただったら、どうしますか?
多重人格者の勘久郎が、殺人事件の謎を解く!
参加カテゴリー
更新頻度情報提供114回 / 510日(平均1.6回/週) - 参加 2007/03/08 09:44

あき あゆむ さんのブログ記事

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  • 2008/07/04 10:15#5−5最終章「ひとくきの葦」
  • 「外科手術の際に使う全身麻酔薬よ。筋運動が止まれば、肺を膨張、収縮できなくなるので放置すれば呼吸が停止する。だから手術の時は人工呼吸を行なうけど、それをしなければいい。初め狭い部屋に注射器である程度麻酔薬を注入し杉本さんを眠らせてから中に入り、今度は口元に麻酔薬を押し付けて大量に吸わせたというわけ。 でも私はそれをやってないわよ。さっきも言ったように死亡推定時刻には会社にいたの。 伊集院は医者で腹黒 [続きを読む]
  • 2008/07/03 11:01#5−4「新聞記者の執念」
  • 「アリバイは完璧という訳だ。だけど君は、君らしいミスを犯してしまった。杉本のデジカメから盗撮された接待ゴルフのスクープ写真のデータを抜き取ってしまった。 新聞記者としての執念がそうさせたんだ。特ダネになるからね。指紋を付けまいと手袋をしていたのだろうけど、データを抜き取る時に手袋を嵌めていては取り出しにくい。だから手袋を脱ぎ、爪先で引っ張り出した。そのときに、君の赤いマニキュアがデータを差し込む入 [続きを読む]
  • 2008/07/01 12:10#5−3「意外な誘導尋問」
  •  邑木麻美が私のマンションを訪れたのは、夜の7時ごろだった。 玄関に入ると、前髪で半ば隠れた彼女のダサ黒フレームメガネが白く曇った。「まただいぶ冷え込んできたわね。今夜雪になるんじゃないかしら。」と邑木は淡いピンク色のコートを俯きながら脱いだ。 彼女は玄関先にあった男物の靴が目に入ったらしい。「あら、お客さん?」 「ええ、後で紹介するわ。まず上がって。」 邑木はリビングに顔を出すと、真っ先に玄関で [続きを読む]
  • 2008/06/30 16:29#5−2「勘久郎が私に味方するわけ。」
  • 「ということで、あなたがシャネルの5番を使っていたことを知っていて、あなたに罪をきせようとした人が犯人なのよ。」 私は勘久郎のその言葉で、背筋を冷たい風が吹き抜けたような気がした。一人の意外な人物が思い浮かんだのだ。私にシャネルの5番をプレゼントしてくれた新聞社の友人。  邑木麻美v そう、杉本さんにラーメンを一緒にご馳走になった時の友人である。でも何故彼女が・・・。 身を硬くし何度か瞬きする私の表 [続きを読む]
  • 2008/06/27 09:19#5−1「私の善人としての勇気」
  • 「まあ、これで親子の再会が出来た訳だし、僕たちはおいとましようと思いますが、どうしますか?親子水いらず募るお話しでもします?」 勘久郎は私を家から連れ出したことを気にしているようだった。  私としても突然の再会劇で、心の準備など出来ていない。何を話して良いものか、二人きりにされても困るというものだ。 「私、一旦帰ります。日を改めてまた来ます。突然のことで頭の中が混乱しているし、少し気持ちを落ち着かせ [続きを読む]
  • 2008/06/17 17:59#4−8「心臓発作に見せかけた殺人か!?」
  • 「事故の当日は休みで、病院にはいなかったけど、 翌日夕方出勤した時に、面会謝絶の個室の中で、 意識の戻っていない巣鴨さんを看ました。 急変してそのまま亡くなりましたけど、 あの方が私の父親だと言われても信じられません。」 と私は目を泳がせながら、時折唇を噛み締め、 不条理であったことを伝えた。  勘久郎たちに、まだ知られていない殺人者として私の動揺が、 そういう因果な形で父親に巡りあった者の 動揺と思わ [続きを読む]
  • 2008/06/13 23:57#4−7「雪の上に残った女性の足跡」
  • 「今思えば杉本さんが私達の子どものことを知ったのがその時だったのね。 10日位前に、杉本さんから巣鴨に 娘さんに合わせてあげるよという連絡があったらしくて、 あの日、午後三時頃に杉本のところに行くと言って私に連絡があったの。 その帰りに彼は交通事故に遭ってしまったのよ。 そこでどんな話になったかは私も知らないけどね。」 「なぁ〜るほど、杉ちゃん、奈菜ちゃんから聞いた話しと 巣鴨さんから聞いた話しに共通 [続きを読む]
  • 2008/05/21 08:39#4−6「初恋の苦い思い出」
  • 「奈菜の父親、巣鴨乎七です。」と母親は人の気知れず淡々と言った。「彼にも会わせてあげたかったわ。女の子は父親に似るって言うけど目元なんかそっくりよね。」母親はちらりと私の顔を見た。 がぁ〜んというとても大きな鐘の音が私の身体を抉りながら突き抜けた。私は巣鴨乎七を殺しました。その人が私の父親でした。何の巡りあわせでこうなるの。口には出来ない言葉が心の中で発せられ、自分のその言葉で心底私はうろたえた。 [続きを読む]
  • 2008/05/20 10:29#4−5「父は既に亡くなっていた・・・」
  •  杉本さんと巡りあったスナックのママが私の母親? 俄かにはとても信じられなかった。  多恵さんは手短に訪問目的を話し、 私を紹介した。私は取りあえずぴょこんと軽く会釈をした。  母親はテレビのワイドショーのように もっと感動的によよと泣き崩れたりするのかと思っていたが 思ったほど驚きはなくむしろ冷静だった。 「そろそろ来る頃かと思っていました。 久ちゃんも一緒だとはね。 まあ、そうでしょうね、お上がりな [続きを読む]
  • 2008/05/19 13:30#4−4「母をたずねて・・・」
  •  西公園マンションは築30年といった感じの古ぼけた8階建てだった。窓の手すりの鉄格子は水色のペンキが剥げ落ち赤く錆びていて、耐震構造など施されていよう筈のない古さを感じた。もし一緒に暮らすことになったら私のマンションに迎え入れようと思った。  古いだけに無用心だがオートロックはない。一階のエントランスにずらっと郵便受けがあった。803号室用のメールボックスに「加藤まゆみ」と記されてあった。  エレベ [続きを読む]
  • 2008/05/16 09:23#4−3「探偵技は、心のこもったものなのです。」
  • まず、杉本さんが私に関して彼らに話したことは、 名前と病院に勤めているということ。 この辺まで送ってくれたことがあるので、 この辺に住んでいるのだろうということ。 まさか自分が死ぬとは思っていなかった為に、 あとで詳しく話すと言って中途半端なものだったらしい。  それだけの情報で私を探し当てるまで結構大変だったと言う表情には、 やっと見つけたという安堵感が感じられた。 「あなたがこの辺に住んでいるという [続きを読む]
  •   関連キーワード
  • 病院
  • 2008/05/15 09:00#4−2「杉本さんが私に恋していた。」
  •  私の部屋の間取りは3LDKで、 ずっとここで暮らすつもりで購入したものだ。 玄関から北側に向って細い廊下があり その両脇にバス・トイレ、向かい側に一部屋、 普通そこは子ども部屋になるだろう4帖半の洋室があり 廊下の突き当たりはリビングキッチンの扉がある。  北側と言っても正確に言えば東北東に向いていて、 朝日が差し込む。 そしてそこから、ほぼ同じ目線の高さに 佐崎探偵事務所の窓が見えるのだ。 「なんだ、... [続きを読む]
  • 2008/05/14 11:56#4−1「心の何処かで、あなたを待っていました。」
  •  私は考え倦んでいた。 私が仮にここまでの推理を以って 自分の無実を訴えようと警察に行ったとして、 うまく信じてもらえばいいけど、間違って容疑者扱いされ 冤罪で刑務所に入れられてしまうことだって考えなければいけない。  ここ一週間ほど曇り空が続き太陽は隠れたまま、 しかも何度か雪が降ったせいで、 窓から見える市街の風景は、もの淋しく見えた。  佐崎探偵事務所の窓ガラスはいつものように 外気との気温差で曇... [続きを読む]
  • 2008/05/11 18:51#3−8「私は杉本殺害の容疑者」
  •  私は明らかに動転している。なんて薄情な女なのだろう。杉本さんが亡くなったというのに、故人を呼び捨てにしたり、自分は犯人じゃないないなんて自分のことばかりしか考えなかったり。 彼は私が今まで会った男性の中では、奢らず気取らず野性的な逞しい男らしさを感じ、だからといって野蛮ではなくとても優しく、その優しさは作ったものではなく自然で、肩肘も張らずに話しが出来た。なんだかほのぼのとした感じで思わず気を許... [続きを読む]
  • 2008/04/22 11:12#3−7「タクティクスの香るバンダナ」
  • 第1話〜4話はこちらからhttp://orionthebunko.dokyun.jp/archive/d-200711.html 私はあの日以来、毎日、テレビのニュースや新聞記事から目が離せなくなった。 杉本の死が、いつ殺人事件として報じられるか、その実態がどうなっているのか、知りたくて、気が気ではなかった。 杉本の葬儀はもう行われたのだろうか、行われたたとすれば、きっと大満寺の本堂の裏手にある無縁仏の祭壇に納骨されている筈だ。気になるところだが、... [続きを読む]
  • 2008/04/18 21:43#3−6「悚然たる日々」
  •  巣鴨を死なせてしまったことを、始めのうちは煩悶し 医療の現場ミスとして告白し、罪を償おうとも考えた。 でも、その勇気はなく、 ならば神業的に事件を解決している佐崎勘久郎なら、 私の犯罪を嗅ぎ付け、殺人者の私を見つけて欲しいと 他力本願なことも考えたものの、よく考えて見れば、 私の杉本に対しての感情も一方的なもので、 勿論、杉本にその気持ちが伝わっていた訳でもなく、 俄かに熱を上げ風邪みたいな恋を、愛情... [続きを読む]
  • 2008/04/16 21:31#3−5「巣鴨への殺意」
  •  私は動揺し頭の中は混乱し、気だるい脱力感に襲われた。私を制するもう一人の私と一体化され、もはや、自分を律する自分は存在していなかった。呆然とした私はナースキャップを直すことなく廊下に出ようとした。 そのとき、院内連絡用に持参していたPHSが鳴った。 緊急以外は使用しないことになっていたが、私はショックで、そのことも認識出来ず、長いコールが続き、いったん切れて、再度コールがなったがすぐには電話に出... [続きを読む]
  • 2008/04/14 23:09#3−4「悲しみの電話連絡」
  •  私は、どきどきしながらショルダーバッグの中から携帯電話を出した。携帯を開くと着信履歴があった。しかしそれは杉本からのものではなく、新聞社の友人からのものだった。 どれだけ私はあの人からの連絡を熱望していたのだろう。友人からの着信に落胆し煩わしくさえ思えていた。しかしいつもなら仕事が終わるか、出勤前に寄こす友人がこの時間帯に電話を寄こすのも珍しいと思い電話をかけた。「私、奈菜。どうした、何かあった [続きを読む]
  • 2008/04/11 10:24#3−3「わたしは二重人格者」
  •  あくる日、前日からの雪は仙台の街を覆い尽した。 初雪で道路は朝から渋滞し、 夕方になっても、のろのろと走る車を横目に私は職場に向かった。 その日は夜勤だったので、 昼の間ずっと杉本からの歓喜の電話を待っていた。 しかし携帯の着メロは鳴らなかった。 泊りがけの仕事だったのだろうと思っていた。  病院に着くと、いつものように白衣に着替え、 ナースステーションで日勤の看護師と仕事の申し送りをした。 昨夜、心... [続きを読む]
  • 2008/01/08 20:06#3−2「喜んでくれるか、おこわご飯。」
  •  杉本の家は一番奥にあり、障子は閉まっていたが廊下のサッシ戸のカーテンは開けられてあった。 庭は家庭菜園になっていた。ピンっと立ったネギ、青々としたほうれん草の畝と打って変わって、初冬に末枯れた小松菜と春菊がそのまま放置されていた。大根が六本植えてあり、四本抜いた痕があった。趣味というより、生活困窮の自給自足という感があった。 しかし整然と植えられた野菜の生育する姿に、杉本が夢も希望もない暗澹たる暮... [続きを読む]
  • 2007/12/30 17:51#3−1「わたしの大胆な行動」
  •  しばらく杉本のことが頭から抜けなかったある日、私は近所の大手スーパーに出掛け、ふかし釜やふかし布、もち米、椎茸、にんじん、油揚げ、鶏肉、そして乾き物つまみコーナーで小袋入りの胡桃を買った。明日は休みという仕事帰り、ほとんど衝動的な行動だった。 大かた買い物を済ませ地下にある食品売り場からエスカレーターで1階に昇る間に、おこわだけじゃ芸がなさ過ぎると思い直し、階段で再び食品売り場に戻った。普段なら... [続きを読む]
  • 2007/12/26 10:15#2−7「運命を感じてしまった私」
  • 「こう見えても結婚したことはないんだ。オレも女性慣れはしていない。初めてだよ。こんなに長い時間、手を握られたのは・・・」一人で食事するくらいだから独身だとは思っていたが、婚暦がないというのは意外だった。職を失い、女房に逃げられたイメージが微かにあった。でも、その言葉は醇乎たるもので嘘はないと思った。何故なら抱きしめられた時に、息が止まるほどきつく、ぎこちなかったからだ。「でも、もう、歳だし、結婚は [続きを読む]
  • 2007/12/25 11:25#2−6「あの世で結ばれるムカサリ絵馬」
  • 「今夜は誰もいないけど、いつもは若いカップルが何組かいるんだ。このお堂は縁結びの神様なんだ。前に住職が中に入れてくれたことがあったんだけど、ムカサリ絵馬が中に飾られてあった。知ってるかい?」「ムカサリ絵馬ですか。分かりません。」「病気で子どものうちに死んだり、独身のまま戦死したり、この世で結婚出来なかった故人のために、あの世で一人では可愛そうだろうと絵馬の中で結婚式を挙げてやるんだ。そういう親の思... [続きを読む]
  • 2007/12/22 18:54#2−5「人が持つ、光と影。」
  • 「どう?綺麗だと思わないか?場所が場所だけに神聖な気持ちにもなれるし、一人で来ると怖いけど、ここが好きなんだ。」凛とした空気の中で商業ビルのネオンの灯りやマンションの窓の四角い灯りが満ち溢れて静謐さがあった。何よりも私が素敵だと思ったのは、眼下に流れる広瀬川の水面に映った、揺れながら流れる燦光だった。その中に私の職場の灯りも映っていた。「ほんとに綺麗ですね。ここに来て良かったです。でもさすがに一人... [続きを読む]
  • 2007/12/21 13:51#2−4「ずっと手を繋いだたままで・・・」
  • 「なんか君たちの予定を狂わしてしまって申し訳ないな。じゃあ、せっかくだから行ってみるかい。」杉本はラーメン屋の駐車場から車をお寺の駐車場に移動させた。車に乗ったのは、ほんの数分だった。 深い杉木立に囲まれた急な石段には外灯はなく、上り詰めた先にトンネルのような仄かな光の出口が見えた。杉本は足元が暗いからと言って私の手を握った。薄気味の悪い暗闇にどきどきした訳ではない。一回りも歳が違うとはいえ異性に... [続きを読む]
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探偵・佐崎勘久郎シリーズ「ひとくきの蘆(あし)」