- 2008/05/02 03:33流れる山田
- また夜の海へ行った。今度は潜らずに、散歩。夜の海に舟を浮かべ、散歩。舟の中に横たわり、胸の上で両手を組んだ。カスミとタマミを脇に添えた。遠くに漁火。舟は勝手に、流れてゆく。流し雛のように。気が [...] [続きを読む]
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- 2008/02/22 03:33裏と表のタマミとカスミ
- 私が飼っている二体の木偶、タマミとカスミのお話です。タマミは、目立つ場所にさらされて、愛されて、飽きられて、批判されて、賞讃されて、そして、 [続きを読む]
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- 2008/02/04 03:33ポエムる山田/凍る花火
- キッカリと凍った氷曇りガラスのように おもてはキッシリ その奥に光る 丸い虹色 氷の中に打ち上げられた 小さな花火 [続きを読む]
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- 2008/01/23 03:33赤白黒と山田
- ポストに手紙が3通入っていました。同じ素材、同じ大きさの、3色の封筒。それぞれ、赤・白・黒の封筒。表にも裏にも、何も書いてありません。ただ、それぞれに切手が貼られていて、うっすらと消印も押されています。 [続きを読む]
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- 2007/12/19 03:33後ろにいる山田
- カスミが、ものすごい勢いで、キャベツを千切りしている。 カスミが、美しいオートバイに乗り、夜の街をスラロームしている。 [続きを読む]
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- 2007/12/09 03:33馬と女と山田
- はだかの女が、はだかの馬に乗る。女の髪は風になびき、馬のたてがみも風に揺れる。 * * * 女のひとが馬に乗っていた。とても速く走る馬。 [続きを読む]
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- 2007/11/12 03:33月と山田
- 月が私の部屋にやってきた。私の部屋というより、私の中にやってきたのかもしれません。 それ以来、空から月は消えた。 異常気象をはるかに超える天変地異として、毎日のように世界中のニュースで取りざたされて [...] [続きを読む]
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- 2007/10/18 03:33山田333山田
- 山田のラッキーナンバーは、3。3が3つ重なった333は、ラッキー中の超ラッキー。ラッキー&ハッピーでホッピーをあおろう。 3は、つまり、天・地・人。左・中・右。過去・現在・未来。経験・体得・観念 [...] [続きを読む]
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- 2007/10/06 03:33受け流す歌を受け流す歌
- 受け流すのは、右から左だけではなく、上から下へ、前から後へ、 左から後へ、後から上へ、上から下へ、下から右へ、右から前へ、前から左へ、 あらゆるものを受け流して、そして、私の中心は決してぶ [...] [続きを読む]
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- 2007/09/23 03:33お姫様ダイアル
- 「もしもし? 私、お姫様。今日はお電話ありがとう。」で、始まる、お姫様ダイアル。 リカちゃん電話みたいに、お話を聞かせてくれるの。 もちろん、王子様ダイアルもあります。 王子様もお姫様も、一方的にお話しします。 それはもう甚だしく一方的に。 質問なんて、一切受け付け不可。 だけど、それも仕方ないと思います。 お姫様や王子様のお話を直々に聞けるのですもの。 その上、ものすごい特典も付いているん... [続きを読む]
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- 2007/08/29 03:33タマミの木、カスミの木
- 猛暑が続いていたので、 タマミとカスミを、庭の土の中に埋めました。 いいえ、今度は首だけ出して埋めたのです。 ちゃんと息が出来るようにと。 外より、まだ地中の方が涼しそうだったから。 だけれど、やがて、 身体や足から根が張って、抜けなくなってしまうかも。 そしたら、毎日お水をあげる。 じょうろでシャワーを浴びせてあげる。 そうして、いつかタマミの木、カスミの木が生えるかな? タマミの木... [続きを読む]
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- 2007/08/26 03:33純白色の卵
- 床に仰向けになっているカスミの口から、糸が出てきた。 高級な絹糸みたいに、とても細くて、光沢のある糸。 やがて、それが、どんどん出てくる。 綿菓子機のように、とめどなく。 そして、それは、繭を作る。 卵の形の、白い綺麗なものが、カスミを囲む。 お姫様の、お嫁入りの着物のように、 ついに真っ白い絹で覆われました。 誰にも気付かれないように。 誰にも触られないように。 大切に、大切に。 ... [続きを読む]
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- 2007/08/19 03:33黄金色の卵
- タマミの頭の中には、 脳みその代わりに、黄金色(こがねいろ)の卵が、 ぷるんと浮かんでいます。 羊水に守られている胎児のように、 ぽってりと黄金色の黄身がたゆたっています。 誰にも気付かれないように。 誰にも触られないように。 大切に、大切に。 私が、タマミを逆さ吊りにしようとも、 ゲートボールのスティック代わりにしようとも、 足首を握ってぐるんぐるんに振り回そうとも、 黄金色の卵は、... [続きを読む]
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- 2007/08/04 03:03工場地帯の山田
- 巨大なブリキで出来た、本気のオモチャみたいな町。煙突からは、真っ白い煙が、ゆっくりと吐き出される。真夏の雲みたいに、少しずつポッカリ動いていくような煙。清潔な真っ白さ。工業に伴う汚染物質を感じさせないぐらいの、白さ。カーンカーンと工場のどこかから鳴り響く音が聴こえる。遠くまで響く音。ヨーロッパの教会の鐘の音よりも装飾のない、懐かしい音。その音が鳴り響いている間に、何かが生産されているのでしょうか。... [続きを読む]
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- 2007/07/22 03:33とげ抜き山田
- 柔らかいふところにいだかれて、私の背中や腹や、手足から出ているトゲが、1本1本抜けてゆく。もしかすると、このままあの世へ行ってしまうのではないかと思えるぐらい、眠くなる。この安寧の場所で、やっと深く眠ることを許され、私の身体中から生えている細かなトゲが抜けてゆく。ハリネズミ、ヌレネズミああ、物置部屋に押し込んでいたタマミとカスミが、ドアの向こうから覗いている。ククク…と笑っているかもしれない。二人... [続きを読む]
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- 2007/07/07 07:07777の山田
- 今日は七夕。そして、それだけじゃない日。7のゾロ目の日。2007年7月7日。東北地方にある、小さな神社。それは、標高777メートルのお山の上にあるの。もうすぐ、そこへ行くよ。きっと、行くよ。笹の葉へ願いを込めた短冊を吊るさなくても、最初から私の血の中に、その望みは流れています。願うことなく望んでいる、その当たり前のような宝物。変えられないものを変えようとする力。美しさで満たされる世界。汚れた血が流れたままで... [続きを読む]
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- 2007/06/30 18:33夏の子供と山田
- 夏の始まりに生まれた、夏童子。太陽に負けない肌と髪と瞳を持つ子供。夏童子が、スコップを持って砂浜を駆ける。一目散に潮干狩りをする、その背中。砂の中の貝を探す。貝を探す。そして、貝を探す。密教僧が護摩を焚いているような、その背中。夏童子の汗は、冷たい滝のしぶきのよう。陽射しに輝く虹がかかる、激しい滝の匂い。澄み渡る透明な水。喉が渇いて、両手ですくう。夏童子がゴクリゴクリと水を飲む。頭の中は潮干狩りに... [続きを読む]
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- 2007/06/23 18:33どうぶつの森の山田
- 小さい森へお散歩しました。そしたら、子グマと色っぽい白ウサギの密会シーンを見てしまいました。あれ、違うか。熊が兎を襲うところだったかな。そうじゃない。二人は、コソコソお話ししていたもの。やっぱり密会。きっとありのままの気持ちで、向き合って、素直な心で、楽しくお話ししていたんだと思う。ありえない関係なんて、ありえないもの。そして、誰かの心の中に、永遠の宝石を残すの。土を掘って隠すように。いいえ、ちゃ... [続きを読む]
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- 2007/06/07 17:40 オレンジを噛む山田
- 農薬が少なそうな産地のオレンジを両手にはさみ、少し頬ずりをし、表面の艶、そして微かな香りを楽しみ、そしてガブリと噛んだ。口が余り大きく開かなかったから、歯形は可愛い感じになった。その歯形の部分から、ニョッキリと目玉が出てきた。また目玉か。もういい加減にして…。目玉部分を下にして、横腹の部分をまた齧った。オレンジの飛沫が、眼の中に入りそうになる。 ... [続きを読む]
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- 2007/06/06 18:33オレンジを噛む山田
- 農薬が少なそうな産地のオレンジを両手にはさみ、少し頬ずりをし、表面の艶、そして微かな香りを楽しみ、そしてガブリと噛んだ。口が余り大きく開かなかったから、歯形は可愛い感じになった。その歯形の部分から、ニョッキリと目玉が出てきた。また目玉か。もういい加減にして…。目玉部分を下にして、横腹の部分をまた齧った。オレンジの飛沫が、眼の中に入りそうになる。オレンジの香りが鼻から後頭部まで、いっぱいに広がる。い... [続きを読む]
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- 2007/05/27 03:33 333メートルの山田
- 全長333メートルの東京タワーの先端に昇って、都会を見渡す。いつもの崖の上から海や町の風景を見るのとは、また違う趣です。背中を反り返して、地球の裏側の風景を見ようとしました。だけど、それは無理でした。後ろの風景が逆さまに見えただけ。それでも、半球のパノラマを一望出来るような視界。それは、世界の半分を見渡しているような気分。気分と気持ち、どっちが大切? ... [続きを読む]
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- 2007/05/26 18:33333メートルの山田
- 全長333メートルの東京タワーの先端に昇って、都会を見渡す。いつもの崖の上から海や町の風景を見るのとは、また違う趣です。背中を反り返して、地球の裏側の風景を見ようとしました。だけど、それは無理でした。後ろの風景が逆さまに見えただけ。それでも、半球のパノラマを一望出来るような視界。それは、世界の半分を見渡しているような気分。気分と気持ち、どっちが大切?気分は気まぐれすぎる?気持ちは気まぐれじゃないの?... [続きを読む]
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- 2007/05/14 03:23 プロ少女=山田
- 素敵な方へ傾くのが、プロの少女らしい。私は、素敵なものしか興味が無いから、すごくプロです。だから素人なのに、裸足のまま、波打ち際でさざ波と戯れる。 (こんな日本語は外国語に翻訳できないわ…。) (否、日本語のままでも暗号みたいな文になってしまってる…。) (それが、山田がいつまでも人間マイノリティーな理由なのかも…。) (自己満足とかじゃないはずなんだけれど…。 ... [続きを読む]
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- 2007/05/13 18:33プロ少女=山田
- 素敵な方へ傾くのが、プロの少女らしい。私は、素敵なものしか興味が無いから、すごくプロです。だから素人なのに、裸足のまま、波打ち際でさざ波と戯れる。 (こんな日本語は外国語に翻訳できないわ…。) (否、日本語のままでも暗号みたいな文になってしまってる…。) (それが、山田がいつまでも人間マイノリティーな理由なのかも…。) (自己満足とかじゃないはずなんだけれど…。) (とっても伝えたい! という意欲... [続きを読む]
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- 2007/05/02 03:33 春の手袋と山田
- 道端に落ちている軍手は、まるで土の中から助けを求めている軍人さんのよう。土の中に埋められたゾンビが、最期の助けを求めているように見える。そんな風に見えるから、足首をつかまれないように、少し離れて歩く。 ... [続きを読む]
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