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- 2008/09/17 14:06TOP
- § お知らせ掲示板 §◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◆【ご連絡】>ワイツ君 神田の古本屋街の一角にあるオーガニックレストランで君を紹介されて以来、「リュウイチ君」と呼ぶ癖がついているので、新しいペンネームになると違和感がありますね。メイル、受け取りました。こうして君のブログへこの私が記事を書くのも何かの縁なのでしょうね。 さて、未だこのブロ... [続きを読む]
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- 2008/09/16 07:16朝霧牛乳物語Vol.9
- § 朝霧牛乳物語 § 「怪我やのうて、こりゃ発情や」 関口さんは、熱を帯びて腫れあがったように見える牛の外陰部を触診して、そう言うと、一度、家に戻り、精子が納められたアルミの冷凍ボックスを下げて再び、戻ってきた。 そのなかには、マイナス一四〇度の窒素ガスで冷却され、活動を停止している精子が、二〇センチほどの青いストローの先に収められていた。種牛の血統により値段は大きく違うが、使ったのはニュージーラン... [続きを読む]
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- 2008/09/16 07:08朝霧牛乳物語Vol.8
- § 朝霧牛乳物語 § 森から戻ると、富士山からはすでに陽が昇り、家畜たちが騒いでいた。餌の時間だ。いつものように牛舎にまわり、鍍金《メッキ》のうえから錆の浮き出た脚を切って低くした丸い座卓の椅子に腰掛け、さきに二頭の牛の搾乳からはじめた。餌はその後だ。 パンパンに腫れて、はち切れそうなおっぱいの先を扱いてやると、牛は気持ちよさそうに薄く眼を閉じる。乳は、その下に置いたステンレス製のバケツに勢いよ... [続きを読む]
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- 2008/09/16 07:02TOP
- § お知らせ掲示板 §◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◆【緊急連絡】>TM様 わがままな僕の申し出をも受け入れて頂いて感謝しております。 しかし、せっかくブログを再開したばかりだというのに、残念なお知らせをしないといけません。じつは、今日、掛かり付けの病院にいくことになっているのですが、どうやら、僕の症状は自分で思うよりも酷くまわりを苦しめてい... [続きを読む]
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- 2008/09/15 20:55朝霧牛乳物語Vol.7(3)
- § 朝霧牛乳物語 § 結局、朝霧に引っ越してきたのは、私が二十歳のときで、せっかく入学した大学を中退までした。私はそのことを残念だと思いもしなかった。それよりも、むしろ、叔父さんのレポートで彼の存在を知ってからは、引っ越しをするまでにママがしようとしていた新築する家の内外装のデザイン、設計、それらに纏わる建材や家具の調達などを手伝うようになったのだ。 あれから、もう一二年も経ったんだ、と思うと色ん... [続きを読む]
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- 2008/09/15 20:43朝霧牛乳物語Vol.7(2)
- § 朝霧牛乳物語 § 結構、昔のこと。 そのレポートに資料として添付された登記簿謄本の写しを見ると名義の変更がされ土地所有者がおじいちゃまへと移転したのは、一九七四年とあるから、それよりも前。 日本の経済が、オイルショックで落ち込んだ一九七三年だと思う。おじいちゃまは、ある信者から、自分の親類は燃料費やエサ代の高騰が原因で牧場経営に行き詰まり、債権者からの必要以上の取り立てに自殺をも覚悟した日々を... [続きを読む]
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- 2008/09/15 15:32朝霧牛乳物語Vol.7(1)
- § 朝霧牛乳物語 § ある日突然、日本に行くと告げられても驚きはしなかった。唯一、ママのなかにある二つの人格で共通する点は、飽き性ということだから。 ママは、日本行きのこの話を決めるよりも先に、あるベンチャーキャピタルから持ちかけられた投資の話を逆手にとって、まだIPOもしていない自社の株式の約三割を保有したまま売却することを他の創業者二人の意見も聞かずに決めてしまっていた。 ママは後からその理... [続きを読む]
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- 2008/09/15 15:27朝霧牛乳物語Vol.6
- § 朝霧牛乳物語 § ママは私が嫌いになった古典文学で例えるなら、「ジーギル博士とハイド」だ。 こんなことは、今にはじまったことじゃない。手のひらを返したように、何かを切欠にして性格が一変するママに、私たちは翻弄され続けた。普通は、生まれた時から母子は向き合い、曝け出し、他から入り込むことができない信頼関係を築くのだろうが、こんなことがおよその原因で、私はそんなふうには育てられなかった。しかし、だ... [続きを読む]
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- 2008/09/15 08:16朝霧牛乳物語Vol.5
- § 朝霧牛乳物語 § 四月の末に植えたキタアカリが紫の花を咲かすと、ママは私を連れて森に入る。毎年、七月上旬の梅雨が明ける少し前だ。ママはこの時期が来るのを心待ちにしていて、お気に入りのフランス製のゴム長靴を履いて歩く姿は軽やかだが、私は微妙。森が十分な水分を得て、鬱陶しいほどの緑で私に覆いかぶさってくるからだ。 手に下げた籠は、摘んだ木苺を入れるため。ママと私がそれぞれ、ひとつ持っていて、どちら... [続きを読む]
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- 2008/09/14 21:41朝霧牛乳物語Vol.4(3)
- § 朝霧牛乳物語 § 「わぁ」 突然、タロヲが私の手を強く引き、後ずさった。眼前に膝上のアンティークドレスを着た女の子が二人、微笑みながら立っていた。「私はビル」 見かけとは異なる太い声だ。向かって右側の女の子が膝を軽く曲げ、バレリーナのように挨拶した。「私はレイ」 すぐに左側の女の子が同じ動きを繰り返した。顔も、少しカールした肩までの金色の髪型も、何もかもが同じだ。私もタロヲも、返事ができない。き... [続きを読む]
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- 2008/09/14 21:36朝霧牛乳物語Vol.4(2)
- § 朝霧牛乳物語 § 遊園地は四方が煉瓦造りの倉庫に囲まれた場所にあった。正面の倉庫の切妻屋根の両端の山形になった壁に、真鍮か、なにかの金属で作られた四桁の数字が並んでいた。おそらく、それは、倉庫を識別するための番号ではなく、一八〇〇年代に建てられたことを示していたのだと思う。あるいは、風雨に晒されてくすんでしまった煉瓦の色が、落ち込んだ気分の私にそうだと思わせただけかも知れない。とにかく、遊園地 [続きを読む]
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- 2008/09/14 21:03朝霧牛乳物語Vol.4(1)
- § 朝霧牛乳物語 § せっかくだからヘビの話もしておこうかな。 さっきの話と同じころ、私たちは、サンフランシスコのダウンタウンの外れにある港の空き地で開かれていた遊園地へ遊びに行くことになった。街から街を旅する遊園地。クラスメートの誰もがすでにそこに行って楽しかった、と話すのを聞いて羨ましく思っていた。朝食の時間、私はその話をママに振ってみた。ママはこの前に同じ遊園地が来たのは、私を人工授精した直 [続きを読む]
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- 2008/09/14 20:45TOP
- § お知らせ掲示板 §◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◆【業務連絡】>TM様(早速のメイル、ありがとうございました) どうやら、ご心配をお掛けしていたようですね。お察しのとおり、僕の病状は未だ、はっきりと言って躁鬱を繰り返しています。しかしながら、以前のようにはなっていません。何より、最近の薬は非常に良いですから。昔、まだ、僕が幼かった頃に飲ま [続きを読む]
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- 2008/09/14 11:50朝霧牛乳物語Vol.3(2)
- § 朝霧牛乳物語 § タロヲはその後、防衛大学に進学したが、そこを一年で中退し、ある日突然、スタンフォードで情報通信工学を勉強したいと言って渡米した。でも、それはママへの建て前で、嘘だ。本当は、自衛隊では中東での戦争に銃を持って参戦できないというのが理由だった。そのためだけにアメリカの大学を卒業して、マリーンの士官学校に入るための資格を得たかったのだ。今の時代、自ら志願して軍隊に入りたがるのは、学 [続きを読む]
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- 2008/09/14 11:36朝霧牛乳物語Vol.3(1)
- § 朝霧牛乳物語 § 「やっと、咲いたわね」 ママは窓の外に目を向けてそう言うと、器を両手で持ち上げ、底に残った牛乳を口をつけて飲み干した。私はママの目線と同じ方に顔を向け、途中まで持ち上げていた器を慌てて栗の古木で作られたテーブルのうえに戻す。コツン、と乾いた音と「あっ、さッ、さくら」と私が発した言葉とが同時に部屋中に響いた。 私は、自分と同じ名前のこの木に咲く淡い色の花が好きだ。ただし、私たちの [続きを読む]
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- 2008/09/14 11:06朝霧牛乳物語Vol.2(2)
- § 朝霧牛乳物語 § 在る日。 マッチを擦った後の部屋中に充満した燐の匂いが消えるか、消えないかのタイミングでママの手から私に渡されたのが、ヘンリー・ミラーの北回帰線だった。当時の私には退屈で、つまらない物語。それなのにママは、蝋燭で私の本を持った手元を照らしながら、それを声にして朗読するように命じた。いい加減、私はそれらの文学に嫌気がさしていて、どうせならテグジュペリの星の王子とまでいわないけれど [続きを読む]
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- 2008/09/14 11:03朝霧牛乳物語Vol.2(1)
- § 朝霧牛乳物語 § 「ママは、毎朝、瞑想しているの?」 その日の朝、私はママに一週間で読むようにと、突然渡された英文の旧約聖書と、難解な日本語の文章で書かれた古事記を読み終えたばかりだった。確か、小学校の三年だったと思う。アメリカのサンフランシスコ郊外にあるミルブレーという町に住んでいた頃だ。私はそこに登場するそれぞれの神様が、この地球を創造したとはとても思えず、なんだか宇宙人の書いた文章のように... [続きを読む]
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- 2008/09/14 10:46朝霧牛乳物語 Vol.1
- § 朝霧牛乳物語 § 真っ白な器にシリアルを一つかみ。ビッグスプーンで自家製ヨーグルトをトッピング。その白の真ん中をややはずしたあたりに、木苺か、グズベリーのジャムで赤色を。よこっちょへと、小さなミントの葉っぱも添えたいけれど、その季節にはまだ早い。じつは、甘いものが大好きで、ジャムもたっぷりといきたいところ。でも、小さな匙にひとすくいだけでガマン、ガマン。あとは、搾りたてのまだ温かい牛乳をシリア... [続きを読む]
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- 2008/08/21 16:15TOP
- § お知らせ掲示板 §◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◆【業務連絡】>TM様いま、大阪に来ています。僕にとっては久し振りの休暇です。アフリカで出会って以来の数少ない僕の友人宅で過ごしています。兼ねてから、ご連絡頂き、幾度ともなく、ご催促(催促というものに「ご」とつけるのは如何なものかと自分では思いますが、まぁ、厭味です。そう、受けとってください... [続きを読む]
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- 2008/08/10 16:20TOP
- § お知らせ掲示板 §◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◆【フジヤマに真夏の雪】昨日、TSUTAYAで買い物をした帰り道、ぴかぴか、どんどんと、夥しい数の稲妻を眼前にしながら車を走らせていたら、気分が悪くなった。子供のころ、月に一度、病院で脳波の検査をされた、あれと同じ周波数の光だからだ。僕にはそれが、わかる。家に戻って、ベッドで横になり、ジャックジ... [続きを読む]
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- 2008/08/03 12:17TOP
- § お知らせ掲示板 §◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◆【最近読んだ本】久しぶりに、村上春樹先生を読んだ。もちろん、「ノルウェイの森」。まだ、ぼくが「イケイケ、ドンドン」だったころに出版された小説だ。なんだか、これを映画する話があるみたいだけど、どうすんだろ。脚本とか、いろいろ。難しいと思うのは、ぼくだけかな?。(2008/8/3)◆◆━━━━━━━━... [続きを読む]
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- 2008/07/29 16:14TOP
- § お知らせ掲示板 §◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◆'''【音信不通!?】'''突然、ブログをはじめたかと思ったら、急にバックレル。こんなハズじゃなかったのですが、スミマセン。急に、なんだかネットの環境が鬱陶しくなって・・・・・・。じつに、マスターベーションだな、と思ってしまったわけです。まぁ、こそこそ、出しては、... [続きを読む]
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- 2007/07/29 05:18放浪記 【サハラ編】 Vol.5 砂漠に咲く薔薇
- § 放浪記 § '''【 砂漠に咲く薔薇 】'''焼けた砂の香りばかりが充満していた。いくら憧れたサハラ砂漠だからと言っても、限界がある。確かに、あのラクダを連れた遊牧民の姿に、踊る砂に、無機質な世界に、最初は心をふるわせていた。月に居るような錯覚を覚え、それでも呼吸する自分に、昔観たアポロの映像はやはり嘘だったンだ、と。そんな奇妙な夢までも楽しめた。しかし、いつしか、ここで立... [続きを読む]
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- 2007/07/28 10:49放浪記 【サハラ編】 Vol.4 エロティックな告白
- § 放浪記 § '''【 エロティックな告白 】'''砂がね。動くンですよ、ニュロッ、ニョロッと、ヘビかなにかみたい。はじめは、そう思って観ていました。しかし、その次。カエルも出てきて、ヘビがそれを食いやがる。驚きましたね。ボクの眼前にはサハラしかないのにですよ。映像を見ているようでした。風がね、吹くとこうなるンです。サッーサッサーとね。地表すれすれを吹いていくわけですね。する... [続きを読む]
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- 2007/07/27 08:54放浪記 【サハラ編】 Vol.3 ベルベル絨毯
- '''【 ベルベル人たちの刺繍 】'''途方もない手間と時間が掛かっている。綿を手で紡ぎ、機織りをして染める。はじまりはそこからで、さまざまな糸で刺繍を施し、いつ完成するのかは作り手にも解らない。ただし、これは写真にある布の話で、ベルベル人たちが織る絨毯ともなれば、一生を費やして作るモノもあるらしい。イスラムの幾何学模様が施されたその絨毯に、仏教で言うところの「曼荼羅」をボ... [続きを読む]
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