笑葉 さん

笑葉さん: 昼下がりの石
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プロフィール

ハンドル名笑葉 さん
ブログタイトル昼下がりの石
サイト紹介文鎌倉近郊の写真を下にしたファンタジーを鎌倉の古い石の語りによって展開します。
参加カテゴリー
更新頻度情報提供218回 / 461日(平均3.3回/週) - 参加 2007/04/29 16:03

笑葉 さんのブログ記事

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  • 2008/07/05 04:50佇む
  •  呆然と佇むばかりあまりに罪な美しさ日々の暮らしを放棄したくなるではありませんか自然の美には時間を止める力があるって本当ですね過ぎた時間もこれから迎える時間も遥かに凌駕し深淵な祝福だけが菖蒲の花から溢れ流れる     [続きを読む]
  • 2008/07/03 09:51仰ぎ見る
  •  「お姉さん、あのお堂にはどなたがお住まいなのかしら?」と上を見上げていた妹が姉の紫陽花に訊きました。姉はにっこり微笑むと「わたしも去年お父さまに訊いたものよ、あのお堂には人ではなくて教えが籠もられているんですって」「教え?」妹の紫陽花はよくわかりません。「教えって何?」「人が人として生きるには分をわきまえて、足るを知るってことだって、お父さまが答えてくださったの」。「ああ、人間用の戒めなのね [続きを読む]
  • 2008/07/01 10:22月の光のもとで
  • 青い月の光のせいで、お寺の庭がまるで深い海の底のように見えます。今しも月は真ん中に置いてある石のお盆の真上に昇るところです。石に刻まれた仏さま方は今か今かと待ちながらまばらに周りを囲んでおいでです。ほどなく月が石のお盆をまっすぐに照らすと、石のお盆は目も眩む明るさで応答しました。 その明るさは1キロ四方に及んであたりは真昼よりも明るく冴え渡ります。ややたつと、それぞれの石の中から仏さま方が庭に出て [続きを読む]
  • 2008/06/28 06:40夢色
  • 少女の頃の夢の色した蒼い花誰にも内緒の秘密の夢はいつも綺麗な蒼い色昔の友に出逢ったように懐かしさだけが迸る叶わぬ夢でよかったと何故か思える不思議色叶わなかったからこそかしら色褪せもせず昔のままに瑞々しくも魅惑するのは   [続きを読む]
  • 2008/06/26 12:39雨灯り
  • 世にも可愛いこの花は雨ふる日だけ灯ります沈んだ心に灯りますねずみ色した空気の中にパッと煌く紅と白よどんだ眼(まなこ)を洗います見逃しそうに小さな花が仮死した心に息吹きかけて再び歩く力をくれます可憐な姿は仮の姿かいずこのどなたが宿り咲く雨の日だけの贈り物 [続きを読む]
  • 2008/06/24 09:06洞窟の観音さま
  • 野原で激しい雨嵐に会った兎が飛び込んだ洞穴には奥に向って細い道が続いていました。薄暗い道を耳探りで進んでいくとやがて仄かな明かりが見えてきました。そのとき「道に迷ったのかい?」と透き通った明るい声が響いてきました。声のする方を見ると兎と同じくらい小さな観音さまが座っておられました。「いいえ嵐に会って飛び込んだのですがこんな洞穴にこんな道があるとは知らなかったものですから・・・ここで観音さまは何をし [続きを読む]
  • 2008/06/21 07:00未完の妙
  • 外側から咲くのがこの花の法則なのか満開を目指す過程の形の妙にしばし足を留めて観入るこんな形は人間の世界には見当たらない空間を唐突に遮断するかのように変則美の粒子がふりしきる明日を待たずとも今日で充溢する有り様がこれほどまでに美しいのか  [続きを読む]
  •   関連キーワード
  • 粒子
  • 2008/06/19 09:58沈黙
  • 情報ではないものからしか安息も沈黙も得られない。この国では朝から晩まで情報のシャワーの中でしか人が生きられなくなって久しいからか、こんな小さな滝に出逢うだけで異次元の旅に出たかのような深い蘇生を実感する。不思議なものだが情報は常に新たな情報を求めて作動し続けるというベクトルを帯びているようだ。それは一種の業に似ている。そこには寸暇の静止もない代りに、心身の消耗と定まらない自己の喪失を両輪にした無明 [続きを読む]
  • 2008/06/17 10:12封印
  • わたしが封印されてもう五十年以上は経ったかしら・・・。たっぷりとは云えないけれどまだ水は枯れてはいないのに・・・。水道という便利な設備ができてから、ほとんどの人間がわたしに見向きもしなくなって敷地の隅で忘れられていったの・・・。でもね、人の顔はよく憶えているわ。冷たい冬の朝に若い女の人が凍える手で釣瓶を垂らしてわたしから水を汲んだ時の安堵した表情や、暑い夏の日に冷やした西瓜を汲み上げる時の子供たち [続きを読む]
  • 2008/06/14 07:21おすまし松の木
  • おすまし松の云うことにゃたとえこの世が壊れてもわたしゃ独りでも生きてゆくご覧になればおわかりの筈この均整のとれた粋な姿は伊達や酔狂じゃ保てませんよ強固て深ーい意志の賜形こそすべてそう云えることが嬉しいのさ形にこだわり精進してこそ自ずと開けた世界に出会えてまー日々の清々しいこと!おすまし松の云うことにゃたとえ明日世界が消えてもわたしにゃ別の明日があるのさ [続きを読む]
  • 2008/06/12 08:38自覚の薔薇
  • まだ蕾の頃は自分が何なのかも知らず少しの不安とそれを上回る極彩色の夢のなかで明日をひたすら待つ日々でした少しずつ花びらが開いていく都度明確な輪郭を帯びていく世界にちょっとだけ怯む自分がおりましたわたしはどうやら薔薇という名の花らしいけれどこの広い空の下で・・・ちゃんとやっていけるのかしらある朝いつもと違う素敵な風の匂いに目を覚ますと自分のからだをひとまわり大きく感じました花びらが全部開いていたので... [続きを読む]
  •   関連キーワード
  • 薔薇
  • 2008/06/10 08:42踊るお不動さま
  •  腰に両手をかけてそんな眼をしないであなたこそわたしの最後の恋人・・・と歌が聞こえてきそうなお不動さまがいましもステップを踏んで踊りださんばかりのリズミカルな姿勢で立っていらっしゃいます旧い旧い時代にお生まれになったらしく素朴でユーモラスなお貌が温かです  ... [続きを読む]
  • 2008/06/07 08:11影紫ー2
  • 水辺のほとりに佇む影紫の女王はしきりに呪文を唱えています。このところ影を拉致して閉じ込める悪い影闇の女王が現れて多くの影から助けを求められているのです。影闇の女王は美しい影の風景を自分の宮殿に集めては独りでその景色を楽しむけしからぬ暴挙に及んでいるのです。「ピカプルピカプルカシケンピカヤ」と九度唱えると影の景色はダイヤよりも硬い透明なバリヤー幕で覆われました。この幕は如何なるエネルギーでも破ること... [続きを読む]
  • 2008/06/05 08:45惑い
  • 普段は 多分からだのどこかに巧妙に隠れているに違いない惑いが雨が降り続くと顔を出す理由のない惑いいまさらこれで良かったのかと訊く年でもなかろうに過ぎ去った時間の痛みが時折 矢のように突き刺さって取り返しのつかない茫漠とした想いで世界が凍りつく百歳の老婆と化した視線の先に端然と咲く紫色の花が頷くように幾度もゆれる... [続きを読む]
  • 2008/06/03 09:51招くもの
  • 荒波に押し流されそうになりながらも、亀が必死に泳いで向っているものは、何千年と亀が求めていた宝ものです。朽ちた筒に収められている巻物にしたためられていると伝えられてきた秘文こそ、存在を終わらせていただける有り難いお言葉なのです。この巻物を求めて世界中を永い永い旅をしてきた亀は今やっとすぐそこまで近づくことができました。 万年生きる亀にとって、長寿は決して幸せなものではありませんでした。千年を超えた... [続きを読む]
  • 2008/05/31 07:47黄色黄光
  •  中国古代の伝説の炎帝はことの他黄色を好み、衣服は元より、髪も黄色に染め、住まいも屋根から壁、床にいたるまで黄色に塗り、もっぱら黄色い花を食したと云う。炎帝は領土の隅々まで黄色い花を探させて収集栽培し、塩漬けにしたりして保存に勤めたそうである。 更に不思議なことに、炎帝の身体は脳と四肢以外は透明であったから、常に内臓が透けて見えていたそうで、長年の食習慣のせいで黄色い内臓をしていたが、ある日家臣が... [続きを読む]
  • 2008/05/29 14:27埋木舎(うもれぎのや)
  • 大老職に就いて間もなく二年が過ぎようとする頃、井伊直弼はしきりに懐かしい埋木舎の夢を見た。十一代彦根藩主であった父直中の死後十五年も過ごした慎ましい佇まいの家屋での暮らしは、三百俵の捨扶持を貰い禅、儒学、国学、書に絵画、剣術、居合、茶の湯から狂言創作までありとあらゆる趣味と勉学に勤しんだものであった。大名の子とは云うものの側室から生まれた十四男としての未来など、およそ世に出る事もない埋もれ木と変わ... [続きを読む]
  • 2008/05/27 06:27水の塔
  • 南の国では昔から、水の塔にむかって祈ればその人の罪業を消してもらえると云われているそうです。自然に起きる水の塔なんて人が一生のうちに逢えるかどうかと云うくらい稀な現象ですから奇跡に出逢えた感動が一心に祈る力を神業のレベルに近づけるのでしょうか。南の国の人々の罪業とはこっそり他所の椰子の実を盗んだことや、酋長の何番目かの若い妻に秋波を送ってしまったことなどだそうです。罪の自覚の素朴な恐れに苦しむ、人... [続きを読む]
  • 2008/05/24 07:56大家族
  •  時折聞こえる鳥のさえずりの他には何ひとつ浮世の音が入り込まない静まりかえった竹林で、麗しくも気高い菩薩さまが瞑想をなさっています。左右の観音さまのお貌はなにか微笑をこらえておられるようにお見受けします。深い寂静のなかでしか遭遇できない途方もない歓喜を味わっておられるのでしょうか。四体の天女が慶びに舞い、双龍は今しも天に登る勢いで菩薩さまの功徳を賛嘆しています。おや、あんな高い所で合掌しておら... [続きを読む]
  •   関連キーワード
  • 竹林
  • 2008/05/22 10:19黄色い雪
  • 「何と珍しい・・新緑の中に綺麗な黄色い雪が・・」細いが透き通ってよく通る香り高い声に、庭師の平吉は剪定の手を止めて声の響く方へ顔を上げた。ここは浅野三万石の江戸の下屋敷、築山に面した座敷の縁側にたつ女人は先頃吉原から殿様に落籍された高尾太夫であった。「顔かたちのすぐれているのはいうに及ばず、品格そなわり、歩くさまは満月の雲なき空を行くごとし」と天下を鳴らした女人を平吉はいつまでも息を止めて見詰るの... [続きを読む]
  • 2008/05/20 09:29注がれる
  • 苔むした手水鉢は筧(かけい)から注がれる水が気持ち良くっていつも眠ってばかりいます。一日のうち眠っている時間のほうが多いぐらいですが、とびっきり眼を覚ます瞬間があります。それは何と夢を見ている時に訪れるのです。夢のなかで水が不意に止まってしまうのです。びっくりして眼を覚ますと水は変わらず注いでくれているのですが・・・。ある日手水鉢は悟りました。有り難い水を恐怖の対象にしてしまっている愚かさに・・・... [続きを読む]
  • 2008/05/17 08:05お染めの方
  • 目を閉じてしばらくたってそうっと開けて見てもやっぱり 咲いている夢かとまごう古代紫の名も知らぬ花に出逢い踊る心のままに名をつけてみるそうね お染めの方って気に入ってもらえるかしら... [続きを読む]
  • 2008/05/15 08:37暁の獅子ー2
  •  元旦にこの星の危機を救うために遥か遠い彼方の宇宙から相方の朱璃とやってきた碧慈(へきじ)がいま活動している真っ最中です。この星に台風が起きると必ず碧慈はその地に飛び、強風が産みだす途方もないエネルギーを三次元と四次元の狭間に彼が造ったエネルギーストックシェルターに持ち運ぶのです。風神も適わないこの能力を主として宇宙の安定のために捧げて働いてきた碧慈です。「もったいなや、もったいなや」と口にし... [続きを読む]
  • 2008/05/13 07:26冷えて咲く
  •  季節はずれの冷え々とした空の下にいっそう白さを際立たせて咲くつつじの花ありふれた花だと通り過ぎようとする瞳に花の冷気が心地よく沁みる寒い風に幽かにそよぎ凛として・・・でもなぜか楽しそう足留してくれてありがとう身震いする景色のなかに確かにいまは五月だったと明かしてくれて   ... [続きを読む]
  • 2008/05/10 08:42霧雨の花
  • 霧雨煙る朝の庭大切そうに雫を抱いて幸せにほころぶ白い花が・・・観ているわたしも真似をしてそうっと朝を抱きしめてみるしっかりと逃がさないように     ... [続きを読む]
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