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- 2008/04/21 11:45桜の頃に、君と 8
- 四月の風は、まだ冷たく、そして強い。桜の花びらは容赦なく散らされ吹き流されて足元にまといつく。なんで今頃咲くんだろう。もっと穏やかに春めくのを待って咲けばいいじゃないか。まるで わざと散らされるのを望んでいるみたいだ。「ねぇ、どこ行くつもり... [続きを読む]
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- 2008/04/17 01:28桜の頃に、君と 7
- 「イワシロ・マサユキ」彼女の住んでいた街の駅に着いて改札を抜けるなり、女の子の声でフルネームを呼ばれ、情けないけれどオレはかなりビビッた。平静を装いつつ声のした方を向くと、そこに立っていたのはブレザータイプの制服をイマドキっぽく着こな... [続きを読む]
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- 2008/04/11 11:50桜の頃に、君と 6
- 3.彼女が帰ってくると知ってから考えたのは、なんとか気づかれずに姿を見に行けないかということだった。本心を顔に出さないのはオレの数ある特技のひとつだけれど、今回はちょっと自信がない。こっそり一度、今の彼女を見ておけば、どこかでバッタリ会っても、た... [続きを読む]
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- 2008/04/06 22:55桜の頃に、君と 5
- 理由なんて憶えていない。でも、オレは彼女が開けて入った門から中へと足を踏み入れた。飯田雪乃が入って行った門の近くには桜が1本あり、高い塀の向こうから道路側へ枝を滴らせるように咲いていた。オレは近くまで歩み寄り、その見事な枝振りを見上げた。... [続きを読む]
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- 2008/04/03 06:02桜の頃に、君と 4
- 一応、グラウンドから死角になるところまで走ってから、オレはのんびり歩き始めた。顧問も今日は職員室に引っ込んでるし、小言を言う3年生もいない。同級生で新部長の川村は気のいいヤツなので、後輩に示しがつかないなんて煩いことも言わないだろう。とは言っ... [続きを読む]
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- 2008/03/31 20:34桜の頃に、君と 3
- 2.夢を見た。桜の夢だ。桜の下に立つ彼女の夢。オレは複雑な気持ちでベッドから身を起こした。昔からこの夢を見ると、なんだか負けたような気分になる。まぁ、心身ともに、いろいろな意味で。もうだいぶ長いこと見ずに済んでいたんだけどな。やっ... [続きを読む]
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- 2008/03/29 17:38モノクローム・パレット 4
- ◆◆◆玄関の自動ドアを出ると、マンションのすぐ脇の植え込みを囲うコンクリートブロックの縁に座っていた人影が、ふらりと立ち上がって振り返る。背の高いその姿を見ても、さすがにもう驚かなかった。「なんでこんなとこにいるの?」「顔、見たかったから... [続きを読む]
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- 2008/03/28 17:59モノクローム・パレット 3
- 2.3年ぶりに帰国した翌日、朝起きると、キッチンテーブルの上には1枚のメモがあるばかりだった。『おかえりなさい。仕事で今日から福岡です。帰ってきたら食事しましょう』「……ま、こんなとこよね」ぺらり、とメモをテーブルに落として、私は洗... [続きを読む]
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- 2008/03/13 18:21桜の頃に、君と 2
- ◆◆◆夕食をおごってくれると言う言葉につられて、オレはそのまま明美さん行き付けのイタリアンレストランへ連れて行かれた。明美さんの恋人のナオキさんの経営している店でナオキさんとも古い付き合いだ。金曜日ではあるものの、まだ早い時間のせいかテーブル席... [続きを読む]
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- 2008/03/10 22:43桜の頃に、君と 1
- 桜の花は苦手だ。満開の桜並木なんて、華やかで激しくて潔すぎて居たたまれない。ひとつひとつはどちらかというと地味で小さくて、頼りない柔らかな花だというのに。1.オレが彼女の帰国を知ったのは、確かに野坂絡みではあった。どこで聞いたかって事に... [続きを読む]
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- 2008/02/27 02:20だからキミには言わない
- 「雪、けっこう積もってるわよ? 真」すっぴんでもぎゅっと上がっているのがご自慢の睫を瞬かせてパジャマ姿の姉貴が俺を見上げた。「だから何?」「そんなカッコでいいわけ?」信じられないというように大げさに眉を寄せ、姉貴は俺を眺め回す。... [続きを読む]
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- 2008/01/17 07:44モノクローム・パレット 2
- 夏希は結局、出発の朝になっても部屋から出てこなかった。ドア越しに声をかけて手紙を置いてきたけれど、読んでくれたかどうかはわからない。もともと夏希には猫みたいなところがある。無関心な風にして様子を窺い、気に入ると一気に好意を表すけれど何かが気に入... [続きを読む]
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- 2007/11/11 02:47モノクローム・パレット 1
- モノクロームは美術用語では白黒に限らない。「モノ」はひとつ。「クローム」は色。単色であれば、どの色を使ってもモノクロームになる。薄めたり滲ませたり、さまざまな濃淡で描くのは面白い。焦がれて止まない、たった一色だけで。1.私は手を止めて、... [続きを読む]
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- 2007/05/22 22:57彼女な理由 3
- 「……あの女なんて言うなよ」真が唸るように言った。やばい。本気で怒らせたか。「悪い。確かにダチの彼女に言う言葉じゃねーよな」オレは空気を切り替えようとタバコをもみ消して謝った。オンナと揉める以上にオンナのことで男と揉めるのは避けた... [続きを読む]
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- 2007/05/20 23:51彼女な理由 2
- ふーと煙を吐き出しながら空を仰ぐと、すぐ上の踊り場から見下ろしているヤツと目が合った。高校からの友人の池月 真だ。練習に行く途中らしく、陸上部のウィンドブレーカーを着ている。 運動部の場合、高校時代そこそこ熱心にやっていても、大学に上がるとオ... [続きを読む]
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- 2007/05/19 20:26彼女な理由 1
- 何で彼女なんだろう。側にいた時も、いられなくなってからも、ずっと考えているけれどわからない。もともと真面目に考え込むってのはオレの性に合ってない。無闇やたらとケリをつけなくたって、なるようになるし、そのほうが気楽だ。特に人の気持ちなんて、フ... [続きを読む]
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- 2007/05/18 20:20水の中の月 3
- 玄関の辺りから母さんと麻衣の話し声が聞こえる。どうやらお気に入りドラマは終わったらしい。なんとなく先刻の姉貴の言葉が堪えていた俺は、ベッドから起き上がると部屋を出た。玄関で靴を履いていた麻衣は、急に出てきた俺の顔を見てちょっと驚いたように笑った... [続きを読む]
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- 2007/05/17 20:17水の中の月 2
- 「俺の部屋で喫うなよ」 俺はタバコを喫わない。陸上をやっているのもあるけれど、昔から特に喫いたいとも思わない。だからといって、喫う人間に目くじらを立てる方でもないのだが、姉貴ときたら、ところ構わず喫い歩き、人のベッドの上だろうが平気で灰を... [続きを読む]
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- 2007/05/16 20:14水の中の月 1
- 『ねぇ真くん。「Cry For The Moon」って知ってる?』『水に映った月を欲しがって泣いた子供の話?』『そう。』絶対に手に入らないって知ってるから安心して泣けるの。手に入ったら、きっと色褪せちゃうのよ。そう言って加南子さんは、小さく喘いだ... [続きを読む]
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- 2007/05/15 20:07言えない手紙 3
- 他テーブルの女性客が、羨ましそうに視線を送ったり、話しかけたりするのを笑顔でかわしながら、岩城くんは真たちのテーブルに近づく。加南子さんが微笑んだ。こちらに背中を向けている岩城くんの顔は見えない。5番テーブルは、窓際の一番隅なのでカウンター... [続きを読む]
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- 2007/05/14 20:04言えない手紙 2
- チリン、とドアベルが鳴った。「いらっしゃいませ!!」私とマスターと岩城くんの声が重なる。入ってきた人を見て、私と岩城くんは同時に呟いた。「なんだ、真か」「なんだとは何だよ。客だぞ、一応」くっきりとした二重の大きな目を見開いて... [続きを読む]
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- 2007/05/13 22:46言えない手紙 1
- カフェ「アルビレオ」の裏手には、私が通うM大学の桜並木がある。満開の頃は勝手口の辺りが花びらの吹き溜まりになってしまうので、掃除が欠かせない。バイト中、ヒマな時間を見つけて休憩とお花見がてらに、そこを掃くのがこの時期の私のちょっとした楽しみ。... [続きを読む]
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- 2007/05/13 21:24〜Four Seasons〜「登場人物紹介」
- ・・・4人の主人公たち・・・■野坂 麻衣(のさか・まい)♀20歳。M大学2年生。カフェ「アルビレオ」でバイト中。高校時代は陸上部所属。見た目や言動が子供っぽいが、ぽやんと見えて意外と洞察力あり。前向きで素直な性格。雅之に片想い中。■池月 真(... [続きを読む]
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- 2007/05/13 20:32このブログについて。
- お互いが il||li ○| ̄|_ il||liな気分に陥らないため、作品を読まれる前に、このページの一読をお願い致します。■管理人の傾向このブログの小説は、だいぶヨイお年頃の管理人が学生時代に描いたエンピツ漫画が元になっています。ゆえに設定やキャラ描写など... [続きを読む]
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