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- 2008/10/24 07:06第63話 身近にいた敵
- 太陽はまだ上がっていなかった。私とお兄ちゃんは碧い早朝の冷たい空気を吸い込みながら、マンションの非常階段を駆け下りていた。駐車場をきょろきょろ見渡して人影が無いのを確認して、私とお兄ちゃんは駐車場を駆け抜けて車に向かった。お兄ちゃんの黒いフェアレディZのボディが朝露に濡れて光ってた。「詳しい事は電車に乗ってから話す。今は逃げる事だけ考えろ」お兄ちゃんはそれだけ言って私の手を引いた。見つかったら、お [続きを読む]
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- 2008/10/23 07:10第62話 一緒に逃げよう!
- まだ暗い部屋の中でお兄ちゃんの荒い息が聞こえてた。私はパニクった兄ちゃんを見つめていることしか出来なかった。女将さんが殺された? なんで? どうして?いきなりそんな事を聞かされても、私にはワケが分かんなかった。でもお兄ちゃんは予想してたらしくて、明かりも点けずに、ボストンバックを引っ張り出して、その中に洋服を次々とブチ込んで、猛スピードで荷造りを始めた。胸の奥がざわざわした。もしかしたら、お兄ちゃ [続きを読む]
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- 2008/10/22 07:25第61話 秘かな快楽が生んだ記憶
- 「んもう〜 タカさんったら、エッチなんだから!」会計を済ませて店を出たとたんに、カオリさんがちょっと頬を膨らませて肘で突いた。まだ頬を赤く染めたままのカオリさんが可愛らしかった。「でもね、いろいろ思い出しちゃった!」「えっ? 今度は何?」 僕はその度にビクリとする。「あのね、私、穂高ってトコに住んでたの。それでね、そこから離れた小さな工場みたいな所で働いてた。」「へえ、なんでまたそんな細かいところ [続きを読む]
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- 2008/10/21 07:29第60話 暴走する淫欲
- 街の木々の色が本格的な心地よい秋の到来を予感させるのとは逆に、僕の心は沸々と熱く変化していった。カオリさんの記憶など取り戻したくない、と欲望を抑えてきたが、カオリさんとのセックスを知ってしまった後は、毎日のようにカオリさんの体を求めずにはいられなくなっていた。仕事をしていても、ふとした合間にカオリさんの肌の感触を思い出し、柔らかな乳房の弾力を想像しては、薄桃色の乳首を口に含みたくなり、そして濡れた [続きを読む]
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- 2008/10/20 07:22第59話 別れのセックス
- 苦しみながらひとつになれた私とお兄ちゃん。お兄ちゃんがゆっくりと頭を上げて私を見つめる。私もお兄ちゃんの哀しげな瞳を見つめてた。「このまま二人で死にてえ・・・」「うん、お兄ちゃんとなら、それでもいいよ。」「そう言うと思った。」お兄ちゃんは静かにキスをして私を抱き起こし、そしてため息を吐きながら視線を落とした。「今日はな、俺の荷物を取りに来たんだ。明日の朝早く、俺は女将さんと姿をくらます予定だ。だか [続きを読む]
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- 2008/10/19 07:40第58話 やっと、ひとつになれた
- 「うおおおおおーーーーーっ!!!」お兄ちゃんが叫びながら私の中へ入ってきた。「そうでもしないと、できなかったんだ」ってお兄ちゃんが後で教えてくれた。小さい頃に受けたお兄ちゃんのショックは、私が考えていたよりもずっと強かったんだってこの瞬間に分かった。私を抱こうとすると怖くなるって言ってたのは、この事だったんだって・・・普通の兄妹になりたくて、私の幸せを考えてずっと我慢してきたセックスは、お兄ちゃん [続きを読む]
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- 2008/10/18 07:16第57話 愛と怒りで越えた一線
- 翼さんが玄関から出て行く音がした。「アイツ、裸のまんまで出てったぜ。」ニヤリと笑ったお兄ちゃんの顔が歪んでいた。だけど私の怒りもお兄ちゃんの怒りもまだ収まってはいなかった。「翼さんは・・・ 私とそのままゴールまで行きたいって言ってくれたの。どういう意味か分かる? 私と結婚したいって思ってくれたの。これから女将さんと何処かへ行っちゃうお兄ちゃんに、翼さんを殴って追い出す権利なんてどこにあるのっ?!」 [続きを読む]
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- 2008/10/17 07:14第56話 信じられない身勝手さ
- 私はお兄ちゃんとのセックスをいちいち思い出しながら、心が冷たくなりながら、翼さんとセックスをした。感じたフリなんてすぐバレるんだろうな、早く終わらないかな、って思ってたら翼さんはすぐイッて、私のお腹の上に精液を飛ばした。「ルーちゃんの体って、なんか凄いな・・・アソコも肌も吸い付く感じっていうのかな、俺、そんなに経験豊富じゃないから上手く言えないけど・・・」翼さんがハアハア言いながら精液をティッシュ [続きを読む]
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- 2008/10/16 07:26第55話 DNAが違う人とのセックス
- バイト先を辞めてしまった私は残りの夏休みをのんびり過ごそうと思ってたけど、翼さんが毎日会いたがるから結構忙しかった。翼さんは明るくて柔らかくて優しい人。優しいけれど、乱暴者で気が荒いお兄ちゃんとは正反対の人。私の事をいつも気遣ってくれて、放ったらかしにしない人。だけど、どんな家で育って、どんな子供だったのか、どんな親がいて、どんな生き方をしたのか全然分からない未知の人。私とはずっと友達でいる、って [続きを読む]
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- 2008/10/15 07:06第54話 お願い、友達でいて!
- 良い予感はハズレてばかりだけど、嫌な予感は必ず当たる。バイトの帰り道、未来はずっと不機嫌なままで、ろくに話もしてくれなかった。未来が離れていくんじゃないかと思ったら、私はどうしたらいいか分かんなくなって、涙が出てきて、そしたら未来が驚いて、私にやっと話し掛けてくれた。「どうした、ルー・・・」「だって・・・ 未来・・・ 私、悪いトコあったら直すから・・・未来がして欲しいコトがあったら努力するから・・ [続きを読む]
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- 2008/10/14 07:24第53話 苛立つ未来
- お兄ちゃんは相変わらず家に帰ってこなかった。お兄ちゃんはこのまま、女将さんと何処かへ行ってしまうつもりなんだろうか・・・私は広いマンションの中、ひとりぼっちで毎日泣いていた。「ねえルー、翼さんから告られたんでしょ?まだ付き合うつもりないの? 哲也もヤキモキしてるんだけど。」未来が不機嫌そうに運んできたゴミを収集所へ投げた。「哲也さんが? そうなんだ、だからここんトコ毎日来るのかな?でもよかったじゃ [続きを読む]
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- 2008/10/13 07:06第52話 アカの他人のキス
- 繁華街の裏手の方へ進むと、街の喧騒が急に小さく聞こえて薄暗くなった。それはまるで、知らない世界へ足を踏み入れたような感じで、私はとても不安になった・・・ 少し怖くもなった・・・でも翼さんは楽しそうにバイト先の変なお客さんの話をしながら、コインパーキングの精算をしてる。カラオケ行ってちょっと遅くまで遊んで、一緒に居た誰かに家まで送ってもらったりして、そして普通にいろんな人と恋をしている人たちの当たり [続きを読む]
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- 2008/10/12 18:54ありがとうございます!
- たくさんのメッセージありがとうございます!私は幸せ者でございます!昨日、読者100名到達の記事を更新しましたところ、数々のメッセージをいただきました!感謝感激でございます!(ノ◇≦。)あつこさん、香織さん、コメントありがとうございます!この場をお借りしまして、あらためて感謝いたします!本当にありがとうございます!いつもコメントをくれる読者のみなさま、読者登録していただいた読者のみなさま、チェックリス [続きを読む]
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- 2008/10/12 07:29第51話 お兄ちゃん以外の男の人
- 週末のカラオケボックスは満室で、ハイテンションな人達の歌声があちこちで響いていた。もうすぐ終わる夏休み。ここに居る人たちは皆、残された自由を満喫しようとして躍起になってる気がして、私はすでにウンザリしていた。そんな私だって、お兄ちゃんを忘れようとして躍起になってるのに・・・お兄ちゃんが女将さんの愛人だったことが分かって、その女将さんとよその土地で暮らすって言ったお兄ちゃんが許せなくって、なら私も他 [続きを読む]
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- 2008/10/11 16:26「十六夜の月」第5話が配信されました!&読者100名記念日です♪
- 「十六夜の月」第5話が配信されました!そして読者100名に到達!「十六夜の月」も5話が配信されました!6話も配信予定でございます。これも読者の皆様のおかげでございます!本当にありがとうございます!!(ノ◇≦。)コミックの感想へのたくさんのメッセージありがとうございます。私の気持ちも分かっていただいていると思います。読者の皆様のお言葉がとても嬉しく、本当にありがたく思っております! いつも励まされてお [続きを読む]
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- 2008/10/11 07:51第50話 お兄ちゃんなんか大嫌い!
- ガサッ!ゴトッ!ゴトゴトゴト・・・フルーツが籠ごと落ちて、床に散らばった。床に広がるフルーツが 「逃げろ、逃げろ」 と言ってるようで、私は何も悪いコトなんかしてないのに、事務所から急いで走って逃げた。厨房を駆け抜け、勝手口に向かう辺りで「ルーっ!!!」って叫ぶ、お兄ちゃんの声が聞こえた。心臓を握り潰されたかと思うくらいに胸が痛くなった。来ないで! 来ないで! お兄ちゃんなんか大嫌いっ!!そう心の中 [続きを読む]
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- 2008/10/10 07:15第49話 女将さんのあえぎ声
- お兄ちゃんはお母さんトコにも居なかった。お兄ちゃん、何処に居るの? どうしてるの? でもお母さんの話だと、仕事は頑張ってるみたい。会いたい・・・ お兄ちゃんの顔だけでも見たい・・・私は我慢できなくなって、お兄ちゃんの職場へ行こうと決心した。でも何の用事もないのに行くと、お兄ちゃんにスグ追い返されそうだから、女将さんに浴衣のお礼を持ってくって口実を思いついた!お兄ちゃんに会ったら何て言おう・・・元気 [続きを読む]
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- 2008/10/09 07:06第48話 お母さんとマサさん
- 太陽が照りつける坂道を私は汗だくで上っていた。アスファルトから熱気がむわっと上がって、アブラ蝉がジワジワ鳴いて煩かった。サンダルじゃなくってスニーカー履いてくるんだった・・・ そう後悔しながら汗を拭ってたら、丘の上にある2階建てのペンキの剥げまくった一軒家が見えてきた。あれがマサさん家だ。マサさんの家族はみんな死んだって聞いてる。そのかわりマサさん家には、組の若い男の人たちが何人か住んでいる。マサ [続きを読む]
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- 2008/10/08 07:12第47話 お兄ちゃんが憧れたもの
- お兄ちゃんは家に帰ってこなくなった。生まれてからずっと一緒に暮らしていたお兄ちゃんが私の前から消えた。今日は帰ってくる? 明日には戻ってくる?私は毎日泣きながらお兄ちゃんの帰りを待った。携帯もメールも無反応・・・ もう10日が過ぎた。お兄ちゃんは私に 「まともな当たり前の幸せをつかめ」 って言う。私にその幸せな人生を生きて欲しくて家を出たんだって事は分かってる。私を心から愛してるからこそ、お兄ちゃ [続きを読む]
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- 2008/10/07 07:10第46話 快感で蘇った記憶
- カオリさんの腹の上に噴き出される精液。僕はそれを見てはっとした。城島とのセックスの後、カオリさんは精液の匂いが嫌だと絶叫していた。僕は咄嗟にカオリさんの様子を伺ったが、カオリさんはうっとりとした表情で腹の上の僕の精液を指で弄んでいた。僕の頭の中はぐるぐると、様々な考えや憶測が高速で交差し始めた。どうなってる? 何が違う? 反応が出るのはこれからなのか?咄嗟に城島とのセックスと僕のセックスの違いを分 [続きを読む]
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- 2008/10/06 07:25第45話 愛欲と淫欲のままに
- パンティーの真ん中に染み込んだ愛液を啜るように僕は唇を押しつけて舌を伸ばした。「ああ・・・」 カオリさんが悶えて体をくねらせる。餅のような感触のヴァギナが僕の唇と頬に当たった。柔らかいヴァギナの感触と愛液の匂いが僕の淫欲に火を点け、パンティー越しにヴァギナを貪ると、カオリさんが更に悶えて腰を動かし始めた。「はあん・・・ タカさん、お願い・・・ ああ・・・」カオリさんが何をお願いしているのかは、鈍感 [続きを読む]
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- 2008/10/05 08:05第44話 止まらない欲望
- カオリさんの全てが欲しい・・・寝る前のキスは次第に熱を帯び長く激しくなるけれど、僕はカオリさんを抱けずにいた。快感がカオリさんの記憶のカギだと分かっているからだ。欲望を満たしてカオリさんが記憶を取り戻し、そして今の幸せを失うくらいなら、セックスなどいらない。けれどもカオリさんの肌は抑えつけようとする欲望をたぎらせ、僕の心は欲望と愛情の間で激しく揺さぶられていた。そして僕は自分の行動に激しい嫌悪感も [続きを読む]
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- 2008/10/04 07:31第43話 打ち上げ花火と魅惑のキス
- 「いってらっしゃい!」そう言ってカオリさんは僕の手を握って微笑み、僕はふにゃふにゃになりながら仕事へ向かう。カオリさんが不自由しないようにある程度の金を渡すのだけど、カオリさんは僕が帰ると、レシートと一緒に余った金をキチンと返す。そんな事しなくてもいいよ、と僕は言うのだけど、まだ仕事に就けないカオリさんは、そうしないと自分が惨めなんだと言って寂しそうに笑う。きっとカオリさんは金銭的に誰かに甘えてい [続きを読む]
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- 2008/10/03 07:17第42話 動き始めた身元捜索
- 秋の気配を払拭するようにギラギラと照り付けた太陽が空を赤く染めて一日の終わりを告げていた。院内のカフェテリアにもオレンジ色の光が差し込み、人々はその光から逃げるように光の届かぬ場所でくつろいでいた。「どうだ? カオリさんとはうまくいってるか?」城島はため息をつきながらプラカップのコーヒーに口をつけ、静かに僕の瞳の奥を見つめていた。「元気だよ、毎日家中の埃やカビと闘ってる。」僕はいつものように少し間 [続きを読む]
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- 2008/10/02 07:07第41話 新しい生活
- 僕のマンションは、病院から車で15分程の住宅地にある。秋晴れの風の無い穏やかな日に、カオリさんは僕の部屋へやって来た。カオリさんの荷物は城島からプレゼントされた洋服と僕が看護婦に頼んで用意してもらった洗面道具と寝巻きだけ。カオリさんの荷物の少なさは、彼女の心細さを物語っているようで、僕はなんとしてもカオリさんを守ってあげたいと心に誓った。カオリさんが来て僕の部屋は見違えるように綺麗になった。溜め込 [続きを読む]
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