|
- 2008/08/24 12:39風花
- 書評が気になり読んだ川上弘美さんの小説。この人の本、初めて読んだけど、登場人物、とくに女性の微妙な気持ちの表現がうまくて、上品だと思った。夫の不倫から始まる、ボタンのかけ違い、気持ちのずれ、別居、そして離婚に至るまでが描かれている。起きてることは嵐のようなことのはずなのに主人公「のゆり」の気持ちは尋常ではないはずなのに、淡々と静かにことが描かれているのが、かえってぐっとくる。「のゆり」が、夫の不倫... [続きを読む]
|
- 2008/08/16 21:36ガラスの仮面(番外編)
- 読書ではなく舞台の感想。さいたま芸術劇場まで行ってきた。S席なのに、一番後ろの席。まあいいや。やっぱり、「ライブ」は面白い。今回は大和田美帆が力演していた。夏木マリは、やっぱりかっこよく、ほれぼれ。舞台始まる前の様子を見せたりとか、雨を降らせたりとか、蜷川演出のひとつなのかな?今年はライブものを見る機会が多い年。先月の「フラガール」@赤坂ACTも、ダンスシーンに感動しました。秋の民生コンも行けます... [続きを読む]
|
- 2008/08/14 15:30あしたはうんと遠くへいこう
- 主人公泉の高校時代から32才までの、恋愛記録。笑っちゃうほどにこてんぱに「負けて」、でも少しずつ大人になってく姿がおもしろい。帯にもあったけど、どの恋愛も直球勝負。こんな人はいないと思うが、楽しめます。... [続きを読む]
|
- 2008/07/11 08:18眠れるラプンツェル
- 山本文緒さんの作品。読み手を引き込ませる展開はさすが。最近の直木賞作家は受賞に?がつくこともしばしばという中、この筆力には脱帽です。主人公の、専業主婦汐美の生活が、あることをきっかけに、面白いように?崩れていく。それが、あまりにも切なくて苦しくて、いつの間にか主人公を応援しながらページをめくる自分がいました。傷つきながら迷いながらも、ときには理性を失いながらも、自分の気持ちに正直徐々に自己を見つめ... [続きを読む]
|
- 2008/06/29 10:54最初のひとくち
- 益田ミリさんの、食べ物しかもB級的なデザートやら食べ物を、初めて食べたときの思い出を綴ったエッセィ。はじめに、で「子供時代から今に至るまで、はじめて出会った「味」をどういう風に感じたかを書いてみた。」とある。基本は楽しく読めますが、家族や友達への思いやりをさりげなく表現してるところは、さすが益田さん、ホロリとさせられます。カテゴリーごとに分かれていて、おかしの章ではピノを初めて食べたときのセレブな... [続きを読む]
|
|
|
- 2008/06/06 10:04ファーストプライオリティー
- 思うような人生をなかなか歩めないなかで、それでも自分のなかの最優先事項=ファーストプライオリティーを見つけていく様々な人々を描いた作品。山本文緒さんにこの手の話を書かせたら、右に出る人はいないのでは?というくらいの、相変わらずの筆質。主人公が皆31才、今のわたしと同じなので、共感できること、いろいろありました。31って一つの岐路かもしれない。主人公は皆いろいろ悩みをかかえていたり、つまずいたりしている... [続きを読む]
|
- 2008/05/25 16:23Re-born はじまりの一歩
- 何かをはじめようとする人達の初めの一歩を描いた短篇集。新しいことを始めるまでの葛藤やドキドキがうまく描かれてた。おもしろかったのは、ラストに載ってた伊坂幸太郎さんの作品。家族解散までの日を、様々な角度から描いていて、夢中で読んでしまいました。初々しい春も一段落した今だからこそ、心に染みた作品です。... [続きを読む]
|
- 2008/05/11 21:35群青の夜の羽毛布
- これは現実的なホラー小説です。ほんと、ここに描かれてる人間の感情、行動は怖い。特に母親の異常な性格は恐ろしい。そんな恐ろしい話なのに、先が気になって夢中で読んでしまったのは、作者山本文緒さんの力でしょう。途中途中に登場する手紙のような文章が、物語の伏線となっています。このような作りも、さすがだなあと思います。家族って選べないものなのに物凄い強いもので結び付いているのだということ、それでもいつか子供... [続きを読む]
|
- 2008/05/08 13:18ひとり日和
- 青山七恵さんの芥川賞受賞作。上京したわたしと、遠い親戚のおばあさん吟子さんとの、ゆるーい共同生活が描かれてます。特に大きな事件が起きるわけでもなく、たまに吟子さんが発する言葉にドキッとしたりもするが、ごく普通の小説だなあ。もちろんおもしろいんだけど、芥川賞受賞、石原慎太郎絶賛などの事前情報は知らないほうがよかったかも。... [続きを読む]
|
- 2008/05/05 21:18女たちは二度遊ぶ
- またもや吉田修一。短編集なんだけど、どれも何となく陰のある女性が主人公のお話。そしてどれも結論をはっきりさせない終わり方。前に読んだ吉田さんの作品もそうだったけど、終わりかたがはっきりしない分、主人公のその後を自分で勝手に想像したりできて、なかなか楽しい。陰や過去があるからこそ、最後は幸せになってほしいと願うのでした。... [続きを読む]
|
- 2008/04/22 09:51予定日はジミー・ペイジ
- さらりと読めた。おもしろかった〜。最近はおもしろい本によく出会う。特に望んだわけではないのに、妊娠した妊婦の日記。ごく普通の夫婦の日常が、きれいごとなしに、リアルに、楽しく描かれてる。このあたりは、さすが角田さん。母親になることへの不安、嫌いだった父親に対する気持ちが変化していく様子、以前好きだった男性に連絡取って会うくだり、きれいごと並べる母親学級への反発、それでもお腹のなかの赤ちゃんが育ってい... [続きを読む]
|
- 2008/04/20 21:43格差社会の世渡り
- 「これからは、ただがんばってる、っていうだけじゃ生き残れない社会だ」みたいなキャッチコピーに反応して読んでみた。今の日本の社会は、多くの人が頑張っている、「勝ち組」も「負け組」も努力の量が違うわけではない、だから、努力の仕方、処世術によって、生き残れるかどうかが決まる、っていう主張だった(少なくともわたしはそう読みとりました)。でも、肝心の、有効な処世術については明確に書かれてなかったんだよね。結局... [続きを読む]
|
- 2008/04/16 22:35上京十年
- 益田ミリさんのエッセィです。楽しいことや感動したこと、悲しいことを全身で受け止めて、素直に文字にしていて、心が温かくなった。家電量販店での話。作者の、新入社員に向ける温かい気持ちが伝わってきて、涙が出そうになった。その後、「武士道」というエッセィを読んだら、彼女の温かい性格は幼少のころの苦い体験によって生み出されたのかな、と思った。一緒に掲載されてる川柳も絶妙で。「足りないものばかりが見えてしまう... [続きを読む]
|
- 2008/04/14 08:307月24日通り
- 吉田修一さんの作品は小説としては久しぶりに読んだ。作品の人物の描き方が丁寧かつするどくて、登場人物のイメージがリアルに沸いてきた。女性の微妙な心理も繊細に描かれている。主人公の小百合が、自分の住んでいる地方の港町を、憧れの街リスボンに見立てて生活しているのがおもしろい。なんだかそれだけで毎日が楽しくなりそうだし。自分は決して目立つような優等生タイプではないが、地味なりに自分を認めて人生を楽しんでる... [続きを読む]
|
- 2008/03/21 08:41百万回の言い訳
- 唯川恵さんの作品を久々に読破。知らない間に作品に引き込まれていく展開はさすがです。登場人物で特に印象深いのが志木子という女性。不器用で素朴でどこか自信なさげなところに、共感したりいらいらしたり応援したくなったり。彼女が自信をつけ、自立して行く姿が感動的だった。いろいろなことが最後まで「中途半端」に描かれていて、ややもどかしさも感じるけど、解説を読んで、作者はその「中途半端さ」を描きたかったんだと分... [続きを読む]
|
- 2008/03/08 18:14すーちゃん
- 漫画は滅多に読まないのに、これはおもしろかった。すーちゃんの気持ちがリアルに伝わってきて、何度も「この気持ち分かる」と思いました。お友達や、田舎のお母さんもいい味出してます。... [続きを読む]
|
- 2008/03/02 16:29ヒラリーをさがせ!
- 女性ルポライターが、女性議員への直接取材の記録をまとめた、新書。物語以外の本を読むのは結構久しぶり。普段政治への興味関心は決して強いわけではなく、自分とはどこか別世界の感覚でいた。もちろん、政治家を生業とする女性達にも。この本を読んで、コネや地盤がものを言う、「男社会」「村社会」で、女性が生き残り、自分の意思を実現することが、どれほど大変か、想像を絶するものだということが、よく分かった。つねにマス... [続きを読む]
|
- 2008/02/23 08:38たとえば世界が無数にあるとして
- 高校時代「進路研究クラブ」という名の帰宅部に所属していた4名の、高校時代と今(25才前後)を描いた、短篇連作集。新聞の書評に載ってて、なんとなく拝借。四人は皆、いわゆる正統派のいい子ではなく、コンプレックスを抱えていたり独特な価値観を持っていたりします。高校時代友達が誰もいないとか、名門吹奏楽部についていけずやむなくこのクラブに入ったりとか。でも、みんな自分で考えて自分で判断する力がある。進路研究部に... [続きを読む]
|
- 2008/02/03 17:47TeenAge
- 作家7人による短編集。最近はこういう系統の本を読むことが多い。こういうところで、フィーリングの合う作家さんを見つけて、その人の作品へ移るというローリスクな生活。巻頭は角田光代さんの作品で、さすが角田さん、と思うテンポの良い作品。「馬鹿女を集めた偏差値の著しく低い」女子中学の寮で描かれる日常は、一般社会の縮図のようでおもしろい。初めて読んだ作家の中では藤野千夜さんと川上弘美さんがなかなか良かった。... [続きを読む]
|
- 2008/01/28 17:20武士道シックスティーン
- いろんな媒体で紹介&なかなかの評価を得ていた本。図書館行ったら普通に在庫してた。性格が全く正反対の二人の女子中学生が、剣道を通じてお互いに成長していく、さわやかな青春小説。剣道一筋で「周りは全部敵」と言ってるちょっと時代錯誤な磯山と、イマドキの中学生剣士西荻が 、部活動を通じて、ぶつかったり悩んだりしながら、お互いを理解しあうくくりは、心にしみます。ラスト、ちょっとだけイマドキ?っぽくなった磯山と、... [続きを読む]
|
- 2008/01/20 13:47マドンナ
- 奧田英朗さんの短編集。以前「ガール」というワーキングガール?を応援するような本もおもしろくて、元気になったけど、これも「職場」「働くこと」の日常が描かれていて、おもしろかった。こちらは、どちらかというと働く中年男性陣を応援する内容。「総務は女房」という話がある。営業から事務系に異動した課長が、新たな職場で経験するありがちな事件が、テンポよく描かれていて、おもしろい。正しいか正しくないかだけでは割り... [続きを読む]
|
- 2008/01/12 16:01そして私は一人になった
- またもや山本文緒を読破。読むたびに思うのだが、山本さんはものすごく正直で繊細な方。心のなかで思っていても、公の出版物には書きにくいだろうことを、赤裸々に書く作者に、物書きとしてのプライドが伝わってくる。物も人間関係も「一生もの」と思い込むと、それだけで重くなる。そんな思いをするよりはどんどん新陳代謝をしようと思った、そしたらびっくりするほど気持ちが楽になった、という部分が、妙に心に響いた。楽しいと... [続きを読む]
|
- 2008/01/05 09:04「泣かない女はいない」
- 長嶋有さんという方の本を初めて読みました。文庫には表題のほかに「センスなし」というお話も載ってました。あとで知ったのですが、芥川賞作家だったのね。「泣かない女はいない」に登場する、樋川さん、愚直な働き者。睦美が恋人四郎から樋川さんに心変わりしていく心情がうまく描かれていた。確かに、樋川さんは魅力的だもんなあ。描かれている時代が、自分自身が通ってきた時代と似ていて、共感できる部分も多々あった。(作者... [続きを読む]
|
- 2007/12/30 17:38今年の読書記憶
- そのまんまのタイトルですが、いやあ、今年はいつになく読書にいそしんだ一年だった。って、別に気合をいれて「何冊読むぞ」っていうわけでもなかったんだけど。ちょっとした隙間時間が多くてねえ。思えば、今年の初詣が激混みで、森絵都さんの「永遠の出口」を読んだことから、始まった・・・。自分にいい影響を与えてくれる作家さんとの出会いがありました。瀬尾まいこさんや山本文緒さんは、これからもどんどん読んでいきたいと... [続きを読む]
|
- 2007/12/24 13:45かなえられない恋のために
- 最近はまり気味の山本文緒さんのエッセィ。文章自体は山本さんが初めの結婚をされて、籍をいれたまま別居されていたときのものだから、けっこう昔のものだ。自分の気持ちに正直に生きたい、好きな人にはありのままの自分を受け入れてほしい、という山本さんの思いが随所に感じられた。その後、離婚、一人での生活、直木賞受賞を経て再婚、そしてうつ病との戦いを経て今に至るという彼女の人生を頭に入れて読むと、当時の旦那さんや... [続きを読む]
|