|
- 2007/10/14 13:00甘えられるしあわせ『おとうと』
- ついに、やっと、借りることができました。市川崑監督の『おとうと』。名作の誉れ高い作品です。これまでの私の中での『おとうと』といえば木村拓哉×斉藤由貴の『おとうと』。多分、スペシャル2時間ドラマだったんじゃないでしょうか。そのドラマ版もかなりの名作で、断片的ですがずっと心に残っているわけです。きっと原作がすばらしいのね。ひとことでいうならば、「弟が結核にかかってしまう」というだけの、いうなればありふ... [続きを読む]
|
- 2007/10/08 12:25恋は電車に乗って 『乱れる』
- 基本的に乗り物が好きです。飛行機も、電車も、自転車も。だから、というわけではありませんが、成瀬巳喜男監督の『乱れる』は傑作中の傑作です。戦後間もない鎌倉(多分)で、小さな食料品店を切り盛りする長男の嫁・高峰秀子。夫は戦死し、子供はない。末っ子の加山雄三は大学をでて就職した会社をすぐに辞めてしまい、店の手伝いをしながらぶらぶらしている現代っ子。この加山雄三は兄嫁の高峰秀子のことを好きなんですね。商店... [続きを読む]
|
- 2007/10/01 01:08介抱してあげたいひと 『昭和残侠伝』
- 高倉健主演の人気シリーズ第一弾、なのかな。借りてきといてあやふやなのはなぜかと申しますと、なぜこれを借りたか自分でもいまいち不明だからです。多分、「鶴田浩二」で検索してきっとこのシリーズのどれかに出ているのがヒットして、「シリーズごと借りる」をクリックした、と思われます。って他人事みたいですが、理由はこう。私はレンタルにはTSUTAYAのディスカスを使っているのですけれど、便利なようで使いづらいところも... [続きを読む]
|
- 2007/09/09 20:20兄弟ジャンル 『狼と豚と人間』
- 深作欣二監督のモノクロの名作『狼と豚と人間』です。なぜモノクロとあえて書いたかといいますと、DVDの画面が美しくて、これは特筆しなくては!と思ったからです。普通、古い映画って傷がついてたり、カラーだと色が変わっていたりするじゃないですか。画面がゆれたりね。でもこの作品は保存状態の格別にいい、美しいフィルムから起こしたのでしょう。文字通り傷ひとつついてない。深作作品とはいえ、そんなに有名じゃない(『仁... [続きを読む]
|
- 2007/08/28 00:28今はもうなくなってしまったものたち 『あの試走車を狙え』『牝犬』
- 今日は日本映画の中の素敵な殿方を紹介するわけではありません。本日の主役はモノ、無生物です。先日『牝犬』を観ていて、映画のスジとは全く関係ないと言ってもいいのですが、石部金吉の志村喬が日帰り出張から帰ってきた駅のシーンで「山一證券」という看板が写りこんだのです。今はもうなくなってしまった会社。日経のスクープで世に出た劇的な倒産劇をあの社長の涙のお辞儀とともに思い出すかたもいらっしゃるでしょう。かつて... [続きを読む]
|
|
|
- 2007/08/26 00:06三船に眼鏡 キター!!! 『悪い奴ほどよく眠る』
- ハンサムに眼鏡、眼福です。おまけに七三、ご馳走様です。この眼鏡は演出上必要だったのだろうか。とっても萌えました。そこが同じ政治とカネを扱った『金環触』とは違います。どちらも濃い男たちをたっぷり堪能出来る傑作ですが、さすが画家を志望していただけある黒澤明。目でも楽しませることを知っています。お姫様だっこもキター!!!三船の義父役で出ている森雅之が、老けメイクすぎてわからなかったけど、悪い男も素敵ね。あ [続きを読む]
|
- 2007/08/23 00:08その寝顔、ノーガード戦法? 『あの手 この手』
- 女子というものは好きな男子の寝顔が見たくて仕方ない生き物と勝手に定義してます。無防備さがいいのでしょうか。だけど悲しいかな、映画のなかって少女漫画ほど男子の寝顔ってないんです。私が選ぶベスト・オブ・寝顔は…『あの手 この手』の森雅之です!!!うたた寝なんですよ。これはポイント高い。作家を目指して原稿をぼちぼち書いているけれど今は大学で助教授をして、生活を支えている男。つい机で寝てしまいます。奥方は立... [続きを読む]
|
- 2007/08/21 22:02鬼畜というジャンルなら 『羅生門』
- 「鬼畜」というジャンルがある、ということを知りました。私はあまり好みません。そのものずばり『鬼畜』というタイトルの日本映画もありますが、ここでいう「鬼畜」が好きな女子の皆さんにはお勧めしません。「萌え」がないからです。野村芳太郎監督、緒形拳主演のヒューマンドラマ。名作ですけどね。泣かずにいられませんけどね。「鬼畜」が好きなあなたへ、私からのオススメは『羅生門』。こんな身も蓋もないジャンルで挙げるの... [続きを読む]
|
- 2007/08/09 23:14小津だって恋をする 『浮草』
- とにかく内外のファンが愛してやまない小津安二郎監督ですが、私が好きな一本はコレ『浮草』。松竹ではなく、大映で撮っているためか、あまり注目されていない映画です。まず驚くのがキスシーンがあること!すべての小津作品を観たわけではないけれど、その魅力は「家族愛」や「慈愛」で、「恋愛」とは縁遠いイメージを持っていました。「枯れている」というんでしょうかね。ところがこの作品には愛らしいセリフや演出がちりばめて... [続きを読む]
|
- 2007/08/04 23:14隊長になる前の川口浩は青くてカワユス『地上』
- 身分違いの恋!『闇を横切れ』も大好きでしたが、こちらも素晴らしいです。老け専の私も「おとうと」系の川口浩だけは別格に愛でています。母一人、子一人の境遇で育ったプロレタリアート少年。旧制中学の学生さん。制服姿も、袴姿も愛らしいです。苦しい家計をなんとかしようと廓に住み込むお針子さんの職を見つけてきた母親に恥ずかしいなんて少し抵抗…、青いじゃありませんか。もちろん母親と話すときは敬語。初恋のひとに書く... [続きを読む]
|
- 2007/08/04 21:16苦労人だけがかもし出せる色気 『金環触』
- 選挙も終わりまして、政治の腐敗を描いた『金環触』を取り上げます。社会派の名匠・山本薩夫監督。秘書官の西尾役に甥っ子の山本学をキャスティングしているところがちょっとヤですけど。戦後派のエリート官房長官・星野に仲代達矢。追い詰める海千山千の金貸しに宇野重吉。戦中戦後と「泥水を飲み」、現在の地位と財産とネットワークを作った男・石原。過去には自らのメモで船舶疑獄事件を世に問うこととなったこともある骨太な山... [続きを読む]
|
- 2007/07/31 23:15オートバイ男とチャリ男子 『白蛇抄』『醜聞』
- 年齢じゃないんだなオートバイが似合う男と、チャリが似合う男子『醜聞』で三船演じる新進画家が乗るのはオートバイ。歌姫役の李香蘭を後ろに乗せて、この上もなく絵になるふたり。カストリ雑誌の編集部に乗り込むときもオートバイ、勇ましい。『白蛇抄』小柳ルミ子が人妻の魅力を振りまくちょっと困った映画です。お相手は半身不随の生臭坊主・若山富三郎と頭の剃り跡も青い杉本哲太。哲太は若いけど、もちろんオートバイ。オスで... [続きを読む]
|
- 2007/07/28 14:05泣いても許される男 志村喬 『醜聞』『牝犬』
- もともと志村喬のことは大好き。常に老けてますよね。彼に若いころってあったのだろうか。『醜聞』ではダメな弁護士役。新進画家・青江(三船)と歌姫(李香蘭/山口淑子)がカストリ雑誌(編集長はこのひとしかいません!の小沢栄)に根も葉もないスキャンダルをでっちあげられ、名誉毀損の裁判を起こすにあたり原告側の弁護人になるも、海千山千の小沢に半ば絡めとられてしまうという困ったひと。小沢の金でしこたま飲み、酔っ払... [続きを読む]
|
- 2007/07/08 10:48このひとにかかれば健さんだって少女漫画チック 『四十七人の刺客』
- 映画誕生100年企画で東宝が製作した『四十七人の刺客』。ご存知、忠臣蔵・赤穂浪士の討ち入りの話です。江戸にはあまり興味がないもので、詳細は判らないのですが、この作品の画期的なところは、吉良上野介を悪者にしていないことでしょう。これまでの忠臣蔵の解釈というのは、吉良殿が浅野内匠頭に意地悪をしてその遺恨が極まって松の廊下で刃傷沙汰。内匠頭は即日切腹、赤穂藩はお取潰し。忠臣たちが47人集まって吉良殿に復讐…... [続きを読む]
|
- 2007/07/07 22:47田中邦衛はBL俳優なのか 『仁義なき戦い 代理戦争』
- 世の中的には♪ターリーラリラリララーの「北の国から」のイメージが強い田中邦衛なのでしょうが、私にとっては違います。以前触れた『県警対組織暴力』でも親分が刑務所のなかで契りを交わした、明らかにそっちの役でした。『仁義なき戦い 代理戦争』(シリーズ第三弾)ではそれほどあからさまではないものの、山守組組長の金子信雄!の足に水虫の薬を塗り塗りしたりして。『仁義なき〜』のほうのその心は野心というか保身なので... [続きを読む]
|
- 2007/07/07 18:32正義感の強い男はどうでしょう 『ど根性物語 銭の踊り』
- 主演:勝新太郎 監督:市川崑 カラーでみる現代劇の勝新もいいですね!曲がったことが大嫌いなタクシー運転手町田八百、ひきにげした車を見つけると乗客のことも忘れて追跡し車ごとぶつかるような正義漢。悪を倒す不思議な3人組にスカウトされるという筋書きです。コミカル演技もお手の物。全体的に丸いフォルムとおひげ、リトル寝癖もかわゆい。しかも風呂好きの設定。『DEATH NOTE』で、Lが甘い物好きってのも萌えましたが、... [続きを読む]
|
- 2007/07/07 18:12親密な呼び方で 『あに・いもうと』
- 長男・伊之吉(森雅之)、長女・もん(京マチ子)、次女・さん(久我美子)の三兄弟の話。もんが奉公先から身籠って帰ってきます。可愛がっていた妹がキズモノになったと、兄は面白くありません。やがてもんを妊娠させた学生・小畑(船越英二)が実家を訪ねてやってきます。その帰りを待ち伏せした伊之吉は小畑に対して妹愛を爆発させます。それはまるでセーラさんへの愛を迸らせるシャアさんのごと。愛に歴史が感じられます。また... [続きを読む]
|
- 2007/07/03 22:28整形しなくったって君は素敵さ 『ブラック・レイン』
- 昨日、松田優作のことを少し書きましたので、今日は日本映画じゃないけど『ブラック・レイン』について。改めてみてみると大阪で撮ってるのはほんのごく一部です。ほとんどがセットのようです。マイケル・ダグラスらを大阪に連れてくるより、日本の役者をアメリカへ連れて行って撮ったほうが安上がりということなんですね。映画そのものについては高倉健演じる実直な松本警部補や親分の若山富三郎に言わせるセリフがアメリカご都合... [続きを読む]
|
- 2007/07/03 22:08毛深い男は好きですか 『竜馬暗殺』
- 幕末にはまだ興味を持てない私ですが、うっかり観てしまいました『竜馬暗殺』ちょっとレベルが高すぎたかな人々の関係性が全く判りませんまぁ字幕が出てきたり、モノクロだったりしてちょっと面白いんですが…あ、竜馬が近眼ということは判りましためがねはかけないけど床に落ちたピストルの部品を必死に探すシーンに少し萌え。竜馬を演じているのは原田芳雄だから背伸びしてまで観てしまった訳ですなんつーか毛深いんですよ!もみ... [続きを読む]
|
- 2007/06/17 12:10血が繋がっていないからこそ 『山の音』
- ファザコンのひとには眼福の一本。菊子(原節子)と修一(上原謙)夫婦。夫は外で浮気をしています同居している義理の父母は菊子を不憫に思い、とかく優しくします特に義父山村聰。素敵過ぎる!ある老夫婦が心中したときの遺書が新聞に載っていてそれを無邪気に話題に。菊子は心中するなら何を書き残すかと聞かれ「わかりません。お父様には何か…」といって涙ぐみます。若夫婦の不仲の理由は同居ではないかと指摘された義理の父は... [続きを読む]
|
- 2007/06/11 22:25白衣と二重生活 『太陽を盗んだ男』
- まだ美しかったころのジュリー。思想的に見えて思想的になれない時代の悲しい空気を映した映画。高校教師の城戸(ジュリー)。3年生を受け持ち、専門は化学。白衣のジュリーが拝めます毎日毎晩満員電車に揺られ、生徒たちからは小馬鹿にされる平凡な小市民。だけど裏では水谷豊演じるおまわりさんから拳銃を奪ったり、東海村からプルトニウム泥棒したり。アトムのテーマを口ずさみながら中央線沿線のアパートの自室に作った施設で... [続きを読む]
|
- 2007/06/10 14:26楽器と美しい男 『炎上』
- 先日の『春の雪』に続き、三島原作。『金閣寺』です。岩井俊二が撮った『市川崑物語』で、確か諸問題で映画はタイトルを変えざるを得なかったとされてました。予告やパンフにはかつて三島が市川監督に寄せた賛辞が使われていて「日本映画の一観客として、どの監督の作品をいちばん多くみてゐるか、と訊かれたら、私は躊躇なく市川崑氏の作品と答へる」(「三島由紀夫全集30」新潮社)監督と作家の問題というより、寺への気遣いと... [続きを読む]
|
- 2007/06/07 23:23親に刃向かうほどの絆『仁義なき戦い』
- もはやこの世界の古典と呼んでも差し支えない作品広能(菅原文太)と若杉(梅宮辰夫)刑務所で同室の二人がいきなり剃刀で血を出してお互いすすりあうというプリミティブすぎる契りの儀式から!「わしについてこいや」いきなりプロポーズ!遥か昔に観たのであれからいろんな知識を得て、よりいっそう楽しめました教科書的に言えば、カメラが手持ちとか。東映は富士を使っているから青っぽいとか、そういうこと。萌え的にはまず、文... [続きを読む]
|
- 2007/06/04 22:30こちとら本物の『座頭市』
- テレビで北野武の『座頭市』をオンエアしたようですね私も劇場で観ましたけど、本物の『座頭市』とは別物ですよ。まもなく10回目の命日を迎える勝新太郎。やんちゃ系のキャラがあまり好きではない私でも勝新だけは別格。友人たち(妙齢の女性たち)も「あんな大型犬が欲しい」とイチオシです。昔は男優をかわいいと評価するのが憚られていたのか、雷蔵のようなソフトな二枚目が人気を博してて、勝新は白塗りをやめて悪役・やんちゃ... [続きを読む]
|
- 2007/06/02 00:20学生寮という特別な時間と場所 『ダウンタウン・ヒーローズ』
- 『武士の一分』がDVDになったばかりの山田洋次監督。住んでたところに松竹系の映画館がなかったせいか、あんまり観てないけど親近感。なぜなら高校の先輩にあたるからです。その高校時代(正確には旧制中学時代)の思い出を映画化したのがこの『ダウンタウン・ヒーローズ』戦後まもなく、教育改革が行われる前の一瞬を過ごしたバンカラ学生たちの青春を描きます。旧制松山中学の東寮が舞台。私の愛する母校は途中でちょっと出てき... [続きを読む]
|