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- 2008/04/05 23:09一周年
- 昨日うっかり祝い忘れてたんですが。「幻想目録」開設から一年が経ちました。とりあえず、おめでとうの言葉を。今後とも「幻想目録」本館・別館共によろしくお願いいたします。立花風乃*日夏は色々忘れてそうですけど。*そろそろいろんなことを... [続きを読む]
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- 2008/02/17 00:37立花 16.降雪確率70%
- ゆきふらないかな、とたどたどしい日本語で彼女は呪文のように呟いた。 一瞬、頭の中で漢字変換が出来なくて、何を言ってるのか分からなかった。すぐに、雪降らないのかな、と言っているのだと気付けたけれど。 そういえば、彼女は雪を知らないのだっけ、と気付い... [続きを読む]
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- 2008/02/15 16:02日夏 15.雪兎
- 飽きた。飽きた飽きた飽きた飽きた飽−きーたー。シャープペンシルを放り投げてぐっと椅子の背もたれに寄りかかる。シャープペンシルは部屋の壁に当たって床に転がり、椅子はぎぎぎぎと不吉な音を立てた。「あーもうやってらんねえよ。俺なんで勉強してるんだろう」... [続きを読む]
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- 2008/02/04 23:55立花 15.切ない恋の砂糖漬け
- すっかり忘れていた。記憶の中に埋もれていた、大切な感情を。 小さな瓶が、私の甘くて苦い、あの想いをあっと呼び起こしてしまった。 本当は、忘れたままの方が幸せだったのに。「それ、何?」 後ろから声を掛けられた。不意のことでびっくりして、手にし... [続きを読む]
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- 2008/02/03 00:10日夏 14.ゆめうつつ
- 窓際に座つて雪の降る様をぢいと見詰めてゐた。どの位さうしてゐたか知らないが、木の枝からばさりと雪が落ちる頃に後から声を掛けられた。「積もるだらうか」振り返ると、佐々倉が目許に笑みを浮かべて僕を見てゐた。黒の詰襟姿に、前髪の長い黒髪。酷く懐かしい気が... [続きを読む]
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- 2008/01/29 00:06立花 14.るるりりら
- 君はいつだって歌っていた。 嬉しいときも悲しいときも寂しいときも楽しいときも。いつも歌っていた。 そんな君が本当に本当に大好きだった。 本当に、本当に。「るっるるー、りりーらららー♪」 その歌にメロディーなんてない。いつも適当に音を奏で... [続きを読む]
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- 2008/01/18 03:18日夏 13.電話越しのキス
- エアコンなんて高価なものはないので、この部屋の暖房器具はコタツだけだ。肩まで入って左手で雑誌をめくり、右手は携帯電話を耳元へ固定。『そういえば、レポートは間に合ったの?』くすくすと笑う声が電波に乗って届いた。BGMは、多分映画のサウンドトラック。... [続きを読む]
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- 2007/12/16 05:57立花 13.リップクリーム
- 冬になったら、新しいのを買おうって決めてた。「だから、ほら! 今日買ったの。」 薬局の店名が入ったポリ袋から、今日手に入れたばかりのそれを取り出して見せる。別に自慢するようなものじゃないけど、でも新しいものってウキウキして誰かに見せたくなる... [続きを読む]
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- 2007/11/26 17:28日夏 12.ピアノソナタ第14番
- 喫茶店の硝子の向こうで、枯葉が街路樹からばさばさと落ちていく。今日はひどく寒いから、秋も終わりだと思っているのだろう。私は雑な手つきでチーズケーキの最後の欠片を口に放り込んだ。次いで紅茶も空にする。冷めてしまったせいで渋みだけが目立って美味しくな... [続きを読む]
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- 2007/11/04 01:06立花 12.パーティタイム
- その日、月は現れてはくれなかった。「お嬢さん。」 デ・ジャヴ、だ。そう思った。 正確には、違う。デ・ジャヴではなくて、私はついこの前、同じように同じ声で同じ言葉をかけられただけだ。違うのは、空にあの紅い月は浮かんでないことくらい。 振り向く... [続きを読む]
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- 2007/10/27 22:10日夏 11.ローズナイト
- 薔薇園のあるじは満月の夜を薔薇の夜と決めているらしかった。けれどここは年中、気味が悪いくらい薔薇が咲き誇っているのだから一年365日薔薇の夜じゃないかと思ったが、思っただけで口にはしなかった。言わぬが、花。特製の薔薇の紅茶をカップに注ぐ。そうでな... [続きを読む]
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- 2007/10/05 01:21立花 11.Say no more!
- 「お、あの子可愛い。」 流れるような日常が、突然止まってしまったら。「えー、そうか? 俺は好みじゃねぇな。」 僕らはその先どうすればいいのだろう。「ぜってーお前おかしいよ。可愛いじゃん。超は付かないにしろさー。」 誰にも未来は見えないけれど。... [続きを読む]
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- 2007/09/26 22:00幻想目録 企画募集!
- こんにちは!日夏小牧です。4月から始まった「幻想目録」ももうすぐ半年になります。小説数も20を越えました。読んでくださった皆さんありがとうございます!そんな皆さんと一緒に楽しむための企画を募集しています。ぜひアイデアをお聞かせください!... [続きを読む]
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- 2007/09/22 18:32日夏 10.片道だけの切符
- 『幸福 ゆき』そう書かれた切符を見たことがある。知っている人も多いのではないかと思う。北海道にある有名な駅だ。今はもう廃止されてしまったらしいけれど、私の母はその切符を長いこと大事に持っていた。父との思い出の切符であるらしい。二人でおそろいで持... [続きを読む]
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- 2007/09/19 02:25立花 10.サボテン
- その昔 ―と言ってもそんなに古い話ではない― サボテンとあだ名された子がいた。 と言うより、私がその子のことサボテンと呼んでいた。そうしたら、周りのみんなもそうやって呼ぶようになってあだ名がサボテンになってしまった、というのが真実だ。 「サボテン」は... [続きを読む]
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- 2007/09/12 03:26日夏 09.刹那
- 何か言おうとしたのだけど、言葉が出なかったので口を閉じた。年下の女の子は冷めたコーヒーをぐるぐるかき混ぜながらただじっとこちらを見ている。俺は視線を店の外に遣った。ああ、これは。視線から逃げたということか。煙草を銜えて煙で肺を汚す。フィルター越... [続きを読む]
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- 2007/08/30 23:55立花 09.鍵
- ベッドに寝転がると、部屋に入ったときに投げ捨てたバックが足に当たった。邪魔だ。足でそのままベットの下に落としてやろうかと思った。でも、さすがにそれは女性としてどうなのだろうと思い直す。自分でもこのずぼらさにはあきれてしまう。…うん、少し直す努力をしよ... [続きを読む]
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- 2007/08/28 22:26日夏 08.向日葵
- 「おはよう」朝のあいさつ。相手の声はないけれど、別に良かった。「今日も綺麗だね。暑いけど調子はどう?」蛇口をひねると冷たい水がホースから溢れる。ぎゅっと口をつまんで花壇に向けた。光る水しぶき。その光を浴びる金色の向日葵。それは中学校の花壇... [続きを読む]
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- 2007/08/20 17:06立花 08.海から来た
- 拙い声だ。細くて弱い、小さな声で、それなのにどこか凛とした響きがあった。 幼くて拙くて、美しい、声。惑わされそうになる。 何処から来たのか尋ねても、その少女は首を振るだけで何も答えてはくれなかった。その目は固く閉ざされたままで、その瞳の色をはっ... [続きを読む]
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- 2007/08/07 23:55日夏 07.浅葱色
- ふと、違和感を感じてパソコンのキーを叩く指を止める。パソコンの画面に踊る文字。『そして男は笑い、少女が嗤った。』新作の小説の原稿である。何故だかいつもより進みは速かった。「ふぅ…」眼鏡を外して、目頭を押さえる。目薬を点して懲り固まった肩をほぐし... [続きを読む]
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- 2007/08/02 00:43立花 07.蝉
- ミーンミンミンミン…「セミうるせー!」「お前がうるさい。それから窓を開けるな。暑い。お前も暑苦しい。」「え、何それ何その態度。それが親友に対するものですか。」「…それが宿題を手伝うものに対する態度「イヤホントすいません、助けてください。」「大... [続きを読む]
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- 2007/07/31 01:21日夏 06. 手帳
- 手帳を開いて、7月のページ。『夏休み』ってオレンジ色のペンで書いた欄のいくつか隣に、小さい猫の足跡のスタンプが押してある。口元が緩んだ。「うえへへ」変な笑い声を出してしまった。私は開いた手帳で口元を押さえたけれど、浮き足立った気持ちはどうにも落ち... [続きを読む]
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- 2007/07/24 17:35立花 06.対症療法
- 確かに女の子だった。十分に知っていると思っていた。 けれど、それは知っていただけで、一度だって女の子だって意識したことなんかなかっただけの話だったんだ。 あぁ、確かに君は女の子だ。 俺はそれを、今嫌と言うほどに自覚せざるを得ない。 その日は... [続きを読む]
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- 2007/06/17 18:41日夏 05.約束の場所
- 何を期待したかといえば、それはまあ、告白とか告白とか告白とか?だって仕方がないだろう。下駄箱に白い封筒があって、白い便箋が一枚入ってて、綺麗な文字で『お話したいことがあります。放課後に体育館裏に来てください』なんて匿名で書いてあるんだしさ。勘違いする... [続きを読む]
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- 2007/06/05 22:42立花 05.ソルティドッグをふたつ
- それでもまだ信じたいと思う自分は愚かで情けない生き物だ。 カラカラン、と扉に備え付けられたベルが鳴るたびに、私は振り向いた。…また、違う。誰にも気付かれないくらいに小さな溜息をつく。もう、何度目の溜息かは忘れてしまった。 期待、などしてはいけな... [続きを読む]
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