令和6年4月23日(火) 【旧 三月一五日 大安】・穀雨 葭始生(あしはじめてしょうず)八月以外の十一か月の広島にしずかな声の雨は降りくる ~谷村はるか(1971-) 『ドームの骨の隙間の空に』Photo:多くの外国人観光客も祈りを捧げる原爆の子の像 2024年4月16日 呉の大
#4217 八月以外の十一か月の広島にしずかな声の雨は降りくる
令和6年4月23日(火) 【旧 三月一五日 大安】・穀雨 葭始生(あしはじめてしょうず)八月以外の十一か月の広島にしずかな声の雨は降りくる ~谷村はるか(1971-) 『ドームの骨の隙間の空に』Photo:多くの外国人観光客も祈りを捧げる原爆の子の像 2024年4月16日 呉の大
#4216 かつてわが戦艦大和の兵見しを夫にも子にも語りしことなし
令和6年4月22日(月) 【旧 三月一四日 仏滅】・穀雨 葭始生(あしはじめてしょうず)春がすみいよよ濃くなる真昼間のなにも見えねば大和と思え ~前川佐美雄(1993-1990)Photo:戦艦「大和」の1/10スケールの模型 (大和ミュージアム・呉海事歴史科学館)2024年4月15
#4215 ヒマラヤに足跡を追い迫るとき未知の雪男よどこまでも逃げよ
令和6年4月21日(日) 【旧 三月一三日 先負】・穀雨 葭始生(あしはじめてしょうず)ネッシーに逢へる期待や霧に立ち ~泉田秋硯《いずみたしゅうけん》(1926-2014)Photo:Wikipedia 1934年4月21日、英国で最も古いタブロイド紙『デイリー・メール』にこの写真が掲載さ
#4214 家思ふと寐を寝ず居れば鶴が鳴く葦辺も見えず春の霞に
令和6年4月20日(土) 【旧 三月一二日 友引】・穀雨 葭始生(あしはじめてしょうず)家思ふと寐《い》を寝ず居れば鶴《たづ》が鳴く葦辺も見えず春の霞に ~作者未詳 『万葉集』 巻20-4400故郷の家を思って寝られずに居ると鶴が鳴いている葦辺もみえない。春の霞のために。
#4213 雨にぬるる広葉細葉の若葉森あが言ふこゑのやさしくきこゆ
令和6年4月19日(金) 【旧 三月一一日 先勝】・穀雨 葭始生(あしはじめてしょうず)雨にぬるる広葉細葉の若葉森あが言ふこゑのやさしくきこゆ ~斎藤茂吉(1882-1953)『赤光』Photo:かがみよかがみ 二十四節気の6番目は「穀雨」。穀物の成長を助ける春の雨が降る頃。『
#4212 かぜ立ちてまだ春わかきわが庭もいちごは白き花もちてゐる
令和6年4月18日(木) 【旧 三月一〇日 赤口】・清明 虹始見(にじはじめてあらわる)かぜ立ちてまだ春わかきわが庭もいちごは白き花もちてゐる ~片山広子(1878-1957)『野に住みて』Photo:苺の花 ~ガーデンストーリー いちごはバラ科イチゴ属の多年草。春になると葉
令和6年4月17日(水) 【旧 三月九日 大安】・清明 虹始見(にじはじめてあらわる)楽浪《さざなみ》の志賀の辛崎幸くあれど大宮人の舟待ちかねつ ~柿本人麻呂 『万葉集』 巻1-0030 雑歌さざ波寄せる志賀の唐崎は昔と変わらないけれど、大宮人が乗る船はいくら待ってもも
#4210 年とるはおのが喜劇を見守れる一観客になりゆくことか
令和6年4月16日(火) 【旧 三月八日 仏滅】・清明 虹始見(にじはじめてあらわる)草萌えてチャップリンめく古靴よ ~細川加賀(1924-1989)『傷痕』Photo:@DIME チャールズ・チャップリンがロンドン郊外のウォルワースで生まれたのは1889年4月16日。135年前の今日です
#4209 白きリラ咲きの乱れに降る雨に今日冷え冷えと春は移る日
令和6年4月15日(月) 【旧 三月七日 先負】・清明 虹始見(にじはじめてあらわる)白きリラ咲きの乱れに降る雨に今日冷え冷えと春は移る日 ~近藤芳美(1913-2006)『遠く夏めぐりて』Photo:ライラック ~ガーデニングの図鑑 フランス語ではリラ、英語ではライラックと
#4208 わが恋は虹にもまして美しきいなづまとこそ似むと願ひぬ
令和6年4月14日(日) 【旧 三月六日 友引】・清明 虹始見(にじはじめてあらわる)わが恋は虹にもまして美しきいなづまとこそ似むと願ひぬ ~与謝野晶子(1878-1942)『恋衣』Photo:七十二候だより 今日は七十二候の第15候「虹始見(にじはじめてあらわる)」。二十四節
#4207 あをによし奈良の家には万代にわれも通はむ忘ると思ふな
令和6年4月13日(土) 【旧 三月五日 先勝】・清明 鴻雁北(こうがんかえる)藤原京より寧楽《なら》宮に遷れる時の歌あをによし奈良の家には万代《よろづよ》にわれも通はむ忘ると思ふな ~作者未詳 『万葉集』 巻1-0080 雑歌奈良の家には永遠に私も通いましょう。忘れるな
#4206 日あたりの若葉ほぐるる楢山にあな珍しやちごちごの花
令和6年4月12日(金) 【旧 三月四日 赤口】・清明 鴻雁北(こうがんかえる)日あたりの若葉ほぐるる楢山にあな珍しやちごちごの花 ~窪田空穂(1877-1967)Photo:オキナグサ ~光と風と薔薇と 今日4月12日は窪田空穂のご命日。この歌は神奈川県秦野市の震生湖《しんせい
#4205 誕生日のあくる朝に写メールに送られてきしアネモネの花
令和6年4月11日(木) 【旧 三月三日 大安】・清明 鴻雁北(こうがんかえる)誕生日のあくる朝に写メールに送られてきしアネモネの花 ~花山多佳子(1948-)『鳥影』 歌人花山多佳子さんのお誕生日は3月始め。キンポウゲ科の多年草アネモネはその頃に花を咲かせますが、園
#4204 欧州に別れを告げしビッグベン テムズの岸に夕影は落つ
令和6年4月10日(水) 【旧 三月二日 仏滅】・清明 鴻雁北(こうがんかえる)欧州に別れを告げしビッグベン テムズの岸に夕影は落つ ~林龍三 『塔』2016年10月号(改)Photo:テムズ河畔にそびえるビッグベン ~NEWT 1858年4月10日、ロンドンにあるイギリス国会議事堂の
#4203 春まけてかく帰るとも秋風にもみたむ山を越え来ざらめや
令和6年4月9日(火) 【旧 三月一日 先負】・清明 鴻雁北(こうがんかえる)雁かへる夜半の雨音いたるとき ~及川貞(1899-1993) 今日は七十二候の第14候「鴻雁北(こうがんかえる)」。二十四節気「清明」の次候にあたる5日間です。この前が「玄鳥至(つばめきたる)」で
#4202 総身の花をゆるがす春の樹にこころ乱してわれは寄りゆく
令和6年4月8日(月) 【旧 二月三〇日 先勝】・清明 玄鳥至(つばめきたる)総身の花をゆるがす春の樹にこころ乱してわれは寄りゆく ~斎藤史(1909-2002)『ひたくれなゐ』Photo:桜の花びら 空を舞う ~photoAC(GTR719さん) 昨日は万葉集から桜の散る和歌をとりあげ
令和6年4月7日(日) 【旧 二月二九六日 赤口】・清明 玄鳥至(つばめきたる)やどにある桜の花は今もかも松風早み地に散るらむ ~厚見王 『万葉集』 巻8-1458 相聞歌あなたの庭の桜の花は今頃、松風が強いので散っているでしょうね。Photo:桜散る ~くまっぷねっと 満開
#4200 ハードルをつぎつぎ越ゆる若き脚のむかうに暗き夏のくさむら
令和6年4月6日(土) 【旧 二月二八日 大安】・清明 玄鳥至(つばめきたる)ハードルをつぎつぎ越ゆる若き脚《あし》のむかうに暗き夏のくさむら ~柏崎驍二(1941-)『四月の鷲』Photo:第1回アテネ大会の100メートル決勝の様子を描いた絵画 ~JIJI.com「勝つことよりも参
#4199 白木蓮の花の木の間に飛ぶ雀遠くは行かね声の寂しさ
令和6年4月5日(金) 【旧 二月二七日 仏滅】・清明 玄鳥至(つばめきたる)ゆふぞらにはなびら反らし紫木蓮 ~日野草城(1901-1956)Photo:紫木蓮の花 ~㈱エー・アール・アイ 3月末から4月にかけて咲くモクレン(木蓮)の原産地は中国。桜と時期は重なりますが、こちら
#4198 朝まだき目醒めて想ふあまつばめ天の高処に一生を過ごす
令和6年4月4日(木) 【旧 二月二六日 先負】・清明 玄鳥至(つばめきたる)清明や街道の松高く立つ ~桂信子(1914-2004)『草樹』Photo:飛び交うツバメ ~photoAC(さんぽの道すがら) 今日は二十四節気5番目の「清明」。春の清らかに澄み渡り明るく生き生きとした様子
#4197 さきほどは不在のdolce再現部に見つけてブラームスと少し会話す
令和6年4月3日(水) 【旧 二月二五日 友引】・春分 雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)さきほどは不在のdolce再現部に見つけてブラームスと少し会話す ~河野美沙子(1956-)『ゼクエンツ』 「dolce 《ドルチェ》」は「柔和に、やわらかく」という意味のイタリア語
#4196 日暮るればさそひしものを赤沼の真菰がくれのひとり寝ぞ憂き
令和6年4月2日(火) 【旧 二月二四日 先勝】・春分 雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)日暮るればさそひしものを赤沼の真菰《まこも》がくれのひとり寝ぞ憂き ~小泉八雲(1850-1904)『怪談』Even though at twilight I called him to me! Oh, the bitter misery o
#4195 八百の嘘を上手にならべても誠一つにかなはざりけり
令和6年4月1日(月) 【旧 二月二三日 赤口】・春分 雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)八百の嘘を上手にならべても誠一つにかなはざりけり ~拙堂和尚(江戸中期)『格言警句集』Photo:映画『嘘八百』(2018年)予告編より 4月1日には罪のない嘘が許されるという
#4194 行間に辞めたる部下の顔浮かべ日記のごとく決算書読む
令和6年3月31日(日) 【旧 二月二二日 大安】・春分 雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)行間に辞めたる部下の顔浮かべ日記のごとく決算書読む ~林龍三 『塔』2016年4月号Photo:三井住友銀行 Busines Navi 国の会計年度では3月を決算月としています。日本の企業の
令和6年3月30日(土) 【旧 二月二一日 仏滅】・春分 雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)「今暫し悪い男で生きてゐよ」春雷の夜に妻が呟く ~西王燦《にしおう さん》(1950-2023)「短歌人」2022年6月号Photo:春雷 ~サッキーのお気楽ブログ 二十四節気「春分」
#4192 毬藻のやうに描くを見れば子らが見てわれには見えぬ雲にあくがる
令和6年3月29日(金) 【旧 二月二〇日 先負】・春分 桜始開(さくらはじめてさく)凉しさの累々としてまり藻あり ~佐藤春夫(1892-1964)『文人俳句歳時記』 小説家・詩人の佐藤春夫が北海道の阿寒湖に旅して詠んだ俳句です。Photo:マリモ展示観察センター(釧路市)の
令和6年3月28日(木) 【旧 二月一九日 友引】・春分 桜始開(さくらはじめてさく)満月に夢の匂いを抱きしめて遥かなる道楼蘭の花 ~飛鳥瑠璃 『永遠に届かぬ愛する人へ』 私が楼蘭《ろうらん》という地名を初めて耳にしたのは1980年に放送されていたNHK特集『シルクロー
#4190 水盤の水にひたれるヒヤシンスほのかに咲きて物思はする
令和6年3月27日(水) 【旧 二月一八日 先勝】・春分 桜始開(さくらはじめてさく)墨の香も孫に磨らせつ風信子 ~瀧井折柴(1894-1984) 書家である妻のアトリエはいつも心地よい墨の香りに満ちています。上質の墨は昔ながらの天然香料、甘松末・白檀・龍脳・梅花・麝香等
#4189 今やかの三つのベースに人満ちてそゞろに胸のうちさわぐかな
令和6年3月26日(火) 【旧 二月一七日 赤口】・春分 桜始開(さくらはじめてさく)虹の環を以て地上のものかこむ ~山口誓子(1901-1994)Photo:山口誓子が晩年の居宅跡煮立てられた句碑(兵庫県西宮市苦楽園)~西宮流 俳人山口誓子が亡くなったのは平成6年3月26日。今
#4188 去年の春逢へりし君に恋ひにてし桜の花は迎へけらしも
令和6年3月25日(月) 【旧 二月一六日 大安】・春分 桜始開(さくらはじめてさく)嬢子《をとめ》らが 挿頭《かざし》のために 遊士《みやびを》が 蘰《かづら》のためと 敷き坐《ま》せる 国のはたてに 咲きにける 桜の花の にほひはもあなに ~若宮年魚麻呂 『万葉集
#4187 春キャベツ手で裂きながら毎日を壊してみたき欲望生まる
令和6年3月24日(日) 【旧 二月一五日 仏滅】・春分 雀始巣(すずめはじめてすくう)春キャベツ手で裂きながら毎日を壊してみたき欲望生まる ~小田鮎子(1978-)『海、または迷路』Photo:春キャベツ ~Wow! magazine 春キャベツは普通のキャベツのように葉が葉がしっか
#4186 天気図の等圧線を見てゐしが不意にわが持つ渦とかさなる
令和6年3月23日(土) 【旧 二月一四日 先負】・春分 雀始巣(すずめはじめてすくう)木の芽雨天気予報の通りに降る ~加倉井秋を(1909-1988)『胡桃』 「木の芽雨」は木の芽の成長を助ける雨のことで春の季語になります。Photo:World Meteorological Day 2024 ~世界気
#4185 池水に影さへ見えて咲きにほふ馬酔木の花を袖に扱入《こき》れな
令和6年3月22日(金) 【旧 二月一三日 友引】・春分 雀始巣(すずめはじめてすくう)池水に影さへ見えて咲きにほふ馬酔木の花を袖に扱入《こき》れな ~大伴家持(718-785)『万葉集』 巻20-4512池の水に影を映して美しく咲いている馬酔木の花を袖に入れよう。Photo:アセ
#4184 めざむればいたく搖れゐる電線と雀の聲とわが窓のへに
令和6年3月21日(木) 【旧 二月一二日 先勝】・春分 雀始巣(すずめはじめてすくう)古庭をあるいて孕み雀かな ~村上鬼城(1865-1938)Photo:ORICON NEWS (C)中野さとるさん 二十四節気「春分」の初候5日間(3月20日~24日)は七十二候の第10候「雀始巣(すずめはじめて
#4183 春の野に心展べむと思ふどち来し今日の日は暮れずもあらぬか
令和6年3月20日(水) 【旧 二月一一日 赤口】・春分 雀始巣(すずめはじめてすくう)春の野に心展《の》べむと思ふどち来《こ》し今日の日は暮れずもあらぬか ~作者未詳 『万葉集』 巻10-1882 雑歌春の野に心ゆくまで楽しもうと仲間がやって来た今日一日、このまま暮れな
#4182 鬱金香のにほひのもとにわづかなる眩暈をおぼえ昼もおもひぬ
令和6年3月19日(火) 【旧 二月一〇日 大安】・啓蟄 菜虫化蝶(なむしちょうとなる)鬱金香のにほひのもとにわづかなる眩暈をおぼえ昼もおもひぬ ~北原白秋(1885-1942)Photo:パレスハウステンボス前の庭園(長崎県佐世保市)~るるぶmore 「鬱金香《うこんこう》」は
#4181 鴨山の磐根し枕ける我をかも知らにと妹が待ちつつあるらむ
令和6年3月18日(月) 【旧 二月九日 仏滅】・啓蟄 菜虫化蝶(なむしちょうとなる)鴨山の磐根し枕《ま》ける我をかも知らにと妹が待ちつつあるらむ ~柿本人麻呂 『万葉集』 巻2-0223 挽歌鴨山の岩を枕にして死んでゆく私のことを知らずに、妻は私の帰りをずっと待っている
#4180 あしひきの山に入り日の時しもぞあまたの花は照りまさりける
令和6年3月17日(日) 【旧 二月八日 先負】・啓蟄 菜虫化蝶(なむしちょうとなる)あしひきの山に入り日の時しもぞあまたの花は照りまさりける ~花山院(968-1008)『風雅和歌集』巻2-0202 春歌中山に日が沈む時にこそ、たくさんの花が照り映えるのであるぞ。Photo:道兼
令和6年3月16日(土) 【旧 二月七日 友引】・啓蟄 菜虫化蝶(なむしちょうとなる)桜木の魁《さきがけ》ならむと杏花水面にそよぐ栗林の園 ~林龍三(1952-)Photo:栗林公園のアンズ(香川県高松市) 栗林公園《りつりんこうえん》は香川県高松市にある国の特別名勝です
#4178 尋ね来るはかなき春もにほふらん軒端の梅の花の初蝶
令和6年3月15日(金) 【旧 二月六日 先勝】・啓蟄 菜虫化蝶(なむしちょうとなる)尋ね来るはかなき春もにほふらん軒端の梅の花の初蝶 ~藤原家隆(1158-1237)『壬二集』 下2059 春訪れてくる、儚いとも思える春に美しく咲いた軒端の梅の花に、初めての蝶が。Photo:ふら
#4177 大空のミモザのごとく花火散りわれの歓喜はまた闇に入る
令和6年3月14日(木) 【旧 二月五日 赤口】・啓蟄 桃始笑(ももはじめてさく)大空のミモザのごとく花火散りわれの歓喜はまた闇に入る ~梅内美華子(1970-)『若月祭』Photo:ミモザの花束 ~AETHER(エーテル) ミモザは本来オジギソウなどのマメ科オジギソウ属の植物
令和6年3月13日(水) 【旧 二月四日 大安】・啓蟄 桃始笑(ももはじめてさく)にはたづみ雨水流るる石畳壬生の屯所に誠はためく ~林龍三 『塔』 2020年10月号Photo:旧八木邸(京都市中京区)~京とらん 文久3年(1863)年3月13日、京都・壬生の八木邸に詰めていた「壬生
#4175 あはゆきは二月堂にも降りをらむ足踏みしつつ退りゆく春
令和6年3月12日(火) 【旧 二月三日 仏滅】・啓蟄 桃始笑(ももはじめてさく)あはゆきは二月堂にも降りをらむ足踏みしつつ退《すさ》りゆく春 ~鈴木禮子『雁の書』Photo:雪舞の二月堂(東大寺)~GANREF 春を呼ぶという東大寺二月堂の「修二会《しゅにえ》」の正式名は
#4174 荒礒越す波は畏ししかすがに海の玉藻の憎くはあらずて
令和6年3月11日(月) 【旧 二月二日 先負】・啓蟄 桃始笑(ももはじめてさく)荒礒《ありそ》越す波は畏《かしこ》ししかすがに海の玉藻の憎くはあらずて ~作者未詳 『万葉集』 巻7-1397 譬喩歌荒磯を打ち越して寄せる波は恐ろしものだが、さりとて海に漂うきれいな藻を憎
#4173 桃の花君に似るとはいひかねてただうつくしと愛でてやみしか
令和6年3月10日(日) 【旧 二月一日 友引】・啓蟄 桃始笑(ももはじめてさく)桃の花君に似るとはいひかねてただうつくしと愛でてやみしか ~金子薫園(1876-1951)Photo:桃の花 ~Flover 今日は七十二候の第8候「桃始笑(ももはじめてさく)」。桃の蕾が開いて花が咲き始
#4171 新しき源泉課税の拡がりをおもひ居りつつ廻診すます
令和6年3月8日(金) 【旧 一月二八日 仏滅】・啓蟄 蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)新しき源泉課税の拡がりをおもひ居りつつ廻診すます ~斎藤茂吉(1882-1953)Photo:政府広報オンライン 給与所得に対する源泉徴収制度が始まったのは1940年。歌人斎藤茂吉の本職は都
#4170 おだやかにここにゐますと空に告ぐ 高層ビルの赤い光が
令和6年3月7日(木) 【旧 一月二七日 先負】・啓蟄 蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)おだやかにここにゐますと空に告ぐ 高層ビルの赤い光が ~大西久美子Photo:Lmaga.jp 今からちょうど10年前(2014年2月7日)。日本一高い高層ビルとしてあべのハルカスが開業しまし
#4169 うち靡く春の柳と我がやどの梅の花とをいかにか分かむ
令和6年3月6日(水) 【旧 一月二六日 友引】・啓蟄 蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)うち靡く春の柳と我がやどの梅の花とをいかにか分かむ ~大典史氏大原《ししのおおはら》『万葉集』 巻5-0826 雑歌春になって芽吹いた柳と我が家の梅の花の、どちらが良いかなどどう区
#4168 この虫も永遠とかいふところまで行つちまひたさうに這ひ急ぎをる
令和6年3月5日(火) 【旧 一月二五日 先勝】・啓蟄 蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)啓蟄の虻はや花粉まみれかな ~星野立子(1903-1984)Photo:菰が巻かれた松の木 ~晴れと暮らす 今日は二十四節気の第3「啓蟄」。その初候5日間は七十二候の第7候「蟄虫啓戸(すご
#4167 正月や冥途の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし
令和6年3月4日(月) 【旧 一月二四日 赤口】・雨水 草木萠動(そうもくめばえいずる)正月や冥途の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし ~一休宗純(1394-1481)正月は冥土に向かう旅の一里塚のようなものだ。めでたくもあるが、めでたくもない。Photo:東海道笠寺の一
#4166 ひとづてに聞きしことばはかなしくて木馬の耳がとほくひかるよ
令和6年3月3日(日) 【旧 一月二三日 大安】・雨水 草木萠動(そうもくめばえいずる)聞き耳を冷たき耳に立てざらむ ~相生垣瓜人(1898-1985)『明治草』Photo:うさぎとの暮らし大百科 3月3日は桃の節句、ですが他に何かないか探してみるとありました。「耳の日」です。
#4165 ソビエト戦車の軀幹にチェコ人民鍵十字をば書きて罵る
令和6年3月2日(土) 【旧 一月二二日 仏滅】・雨水 草木萠動(そうもくめばえいずる)ソビエト戦車の軀幹にチェコ人民鍵十字をば書きて罵る ~林宏匡『ニムオロのうた』 「プラハの春」を思い起こす歌。チェコという国は周囲の大国に翻弄され続けてきた歴史があります。Ph
#4146 核実験なしたる国へと続きいて魚鱗の雲の白く広がる
令和6年3月1日(金) 【旧 一月二一日 先負】・雨水 草木萠動(そうもくめばえいずる)核実験なしたる国へと続きいて魚鱗の雲の白く広がる ~上牧右田子 『花片の冷え』 ビキニ環礁はかつて日本委任統治下にあった南洋諸島の島でしたが、敗戦後アメリカ合衆国に割譲され、
#4163 春日野の草はみどりになりにけり若菜摘まむとたれかしめけむ
令和6年2月29日(木) 【旧 一月二〇日 友引】・雨水 草木萠動(そうもくめばえいずる)春日野の草はみどりになりにけり若菜摘まむとたれかしめけむ ~壬生忠見 『新古今和歌集』 巻1-0012 春歌上春日野の草はすっかり緑になっている。若菜を摘もうと誰が印をつけたのだろう
#4162 やや冷えしブリ大根を熱き飯に載せてぞ食うぶ春立つあしたを
令和6年2月28日(水) 【旧 一月一九日 先勝】・雨水 霞始靆(かすみはじめてたなびく)やや冷えしブリ大根を熱き飯《いひ》に載せてぞ食《た》うぶ春立つあしたを ~島田修三(1950-)『東洋の秋』Photo:ぶり大根 ~湘南茅ヶ崎港 一俊丸 「春立つ」とあるので2月初旬の歌
令和6年2月27日(火) 【旧 一月一八日 赤口】・雨水 霞始靆(かすみはじめてたなびく)雪を割り雪を纏はず三角草 ~稲畑汀子(1931-2022) 二年前(2022年)の今日、お亡くなりになった俳人、稲畑汀子さんが詠まれたミスミソウの俳句です。Photo:キンポウゲ科の雪割草(ミ
#4160 知るらめや霞の空をながめつつ花もにほはぬ春をなげくと
令和6年2月26日(月) 【旧 一月一七日 大安】・雨水 霞始靆(かすみはじめてたなびく)如月まで梅の花咲き侍らざりける年詠み侍りける知るらめや霞の空をながめつつ花もにほはぬ春をなげくと ~中務(912?-991?) 『新古今和歌集』 巻1-0039 春歌上(梅の花は)知っている
#4159 杉花粉に荒るるのどより朝まだき美しきあかき痰は出づるも
令和6年2月25日(日) 【旧 一月一六日 仏滅】・雨水 霞始靆(かすみはじめてたなびく)ピノキオや杉の花粉がとんでくるぞ ~吉岡光浪Photo:ディズニー映画 Pinocchio (1940) より 朝起きて、霞が立っていたら穏やかな春を感じるのかもしれませんが、花粉予報を気にしなけ
#4158 朝霞春日の暮は木の間より移ろふ月をいつとか待たむ
令和6年2月24日(土) 【旧 一月一五日 先負】・雨水 霞始靆(かすみはじめてたなびく)朝霞春日《はるひ》の暮は木の間より移ろふ月をいつとか待たむ ~作者未詳 『万葉集』 巻10-1876 雑歌朝には霞がたちこめていた春の日暮れには、木々の間をわたる月がいつ出てくるのか待
#4157 世界との往き来難かる世はつづき窓開く日を偏に願ふ
令和6年2月23日(金) 【旧 一月一四日 友引】・雨水 土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)世界との往き来難《がた》かる世はつづき窓開く日を偏《ひとへ》に願ふ ~今上天皇陛下 徳仁 (令和4年歌会始の儀)Photo:ARAB NEWS 令和6年の天皇誕生日です。今年に入ってもロ
#4156 高天原も卑弥呼の国もありつらむ取り巻く山のいづこも青き
令和6年2月22日(木) 【旧 一月一三日 先勝】・雨水 土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)高天原も卑弥呼の国もありつらむ取り巻く山のいづこも青き ~大西民子(1924-1994)『歌集 風の曼陀羅』 佐賀県の吉野ケ里遺跡が発見されたのは今から35年前の1989(平成元)年2
令和6年2月21日(水) 【旧 一月一二日 赤口】・雨水 土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)春雨に萌えし柳か梅の花ともに後れぬ常の物かも ~大伴書持《おほとものふみもち》 『万葉集』 巻17-3903春雨が降って萌えはじめた柳でしょうか、それとも梅の花でしょうか。どちら
#4154 春の土もたげて青むものの芽よをさなき物の育つはたのし
令和6年2月20日(火) 【旧 一月一一日 大安】・雨水 土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)春の土もたげて青むものの芽よをさなき物の育つはたのし ~窪田空穂(1877-1967)『丘陵地』Photo:Pacoma 二十四節気「雨水」の初候5日間は七十二候の第4候「土脉潤起(つちのしょ
令和6年2月19日(月) 【旧 一月一〇日 仏滅】・雨水 土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)薮波の里に宿借り春雨に隠りつつむと妹に告げつや ~大伴家持(718-785)『万葉集』 巻18-4138藪波《やぶなみ》の里で借りた宿に、春雨が降ってきたので籠っているのだと、妻に伝え
#4152 住の江や和泉の街の七まちの鍛冶の音きく菜の花の路
令和6年2月18日(日) 【旧 一月九日 先負】・立春 魚氷上(うおこおりをいずる)住の江や和泉の街の七まちの鍛冶の音きく菜の花の路 ~与謝野晶子(1878-1942) 今日の主役は菜の花ではなく「鍛冶の音」。「和泉の町の七まち」とは現在の大阪府堺市堺区の北旅籠町・桜之町・
#4151 ひとかたまり菜の花咲けり春の日のひかり隈なき砂畑の隅に
令和6年2月17日(土) 【旧 一月八日 友引】・立春 魚氷上(うおこおりをいずる)ひとかたまり菜の花咲けり春の日のひかり隈なき砂畑の隅に ~若山牧水(1885-1928)Photo:あわじ花さじきの菜の花畑(兵庫県淡路市楠本) ~sogoods.net 菜の花の季節を迎えました。今月12日
令和6年2月16日(金) 【旧 一月七日 先勝】・立春 魚氷上(うおこおりをいずる)春一番の思いよ届け青空はあなたに続く色の階段 ~俵万智(1962-)Photo:髪が乱れる埴輪くん ~photoAC(桃色小粒さん) 昨日2月15日には気象庁から関東・北陸・四国地方に春一番が吹いたと
#4149 椿の花落ちゐる庭に埋めやりぬ眼を閉ぢることなきメジロを
令和6年2月15日(木) 【旧 一月六日 赤口】・立春 魚氷上(うおこおりをいずる)椿の花落ちゐる庭に埋めやりぬ眼を閉ぢることなきメジロを ~田口朝子 『塔』 2021年9月号Photo:椿の花にとまったメジロ ~GANREF 可哀そうに死んだメジロを庭に埋めてあげたのですね。梅の
#4148 氷魚からさび鮎までの 一代を思ひてゐたり春立つ庭に
令和6年2月14日(水) 【旧 一月五日 大安】・立春 魚氷上(うおこおりをいずる)薄氷音なく破れて魚の影 ~能村登四郎(1911-2001)『羽化』 今日は七十二候の第3候「魚氷上(うおこおりをいずる)」。「立春」の末候にあたる5日間です。先週は関東甲信地方のお天気が荒れて、
#4147 わろてんかおもろいからとしゃべる君しゃあない聞いたろ ギブスのわけを
令和6年2月13日(火) 【旧 一月四日 仏滅】・立春 黄鶯睍睆(うぐいすなく)わろてんかおもろいからとしゃべる君しゃあない聞いたろ ギブスのわけを ~林龍三(1952-)『塔』 2018年1月号Photo:なんばグランド花月と吉本吉兵衛(右下) 今日は吉本興行の創設者である吉本吉
#4146 ぬばたまの今夜の雪にいざ濡れな明けむ朝に消なば惜しけむ
令和6年2月12日(月) 【旧 一月三日 先負】・立春 黄鶯睍睆(うぐいすなく)ぬばたまの今夜《こよひ》の雪にいざ濡れな明けむ朝《あした》に消《け》なば惜しけむ ~小治田東麻呂《おはりだのあづままろ》 『万葉集』 巻8-1646 雑歌今宵降る雪に、さあ濡れましょうよ。明け
#4145 倭は国のまほろばたたなづく青垣山籠れる倭しうるわし
令和6年2月11日(日) 【旧 一月二日 友引】・立春 黄鶯睍睆(うぐいすなく)倭は国のまほろばたたなづく青垣山籠れる倭しうるわし ~倭健命《ヤマトタケルノミコト》(72-114) 『古事記』大和は国の中でもっとも素晴らしいところだ。重なり合った青い垣根のような山に籠もっ
令和6年2月10日(土) 【旧 一月一日 先勝】・立春 黄鶯睍睆(うぐいすなく)人垣に春節の龍起ち上がる ~小路紫峡《しょうじしきょう》(1926-2016)Photo:PNGTREE 今日は旧暦の一月一日、春節です。日本では新暦(グレゴリオ暦)の正月を祝日としていますが、中国や韓国、ベ
令和6年2月9日(金) 【旧 一二月三〇日 大安】・立春 黄鶯睍睆(うぐいすなく)鶯の春になるらし春日山霞たなびく夜目に見れども ~作者未詳 『万葉集』 巻10-1845 雑歌鴬の鳴く春がやってきたようだ。春日山に霞がたなびいている夜に見渡してもわかるように。Photo:ウグイ
#4142 書き終へて手紙となりしいちまいのこころに朝の日は照り翳る
令和6年2月8日(木) 【旧 一二月二九日 仏滅】・立春 東風解凍(はるかぜこおりをとく)春の雨郵便ポストから巴里へ ~浅井愼平(1937-)『二十世紀最終汽笛』 主にカメラマンとして有名な浅井慎平氏は音楽やテレビのコメンテーター、芸大の教授など幅広く活動されています
#4141 玫瑰の花をし見れば帰りゆかむ思ひはつのる国後島遙かに
令和6年2月7日(水) 【旧 一二月二八日 先負】・立春 東風解凍(はるかぜこおりをとく)玫瑰《はまなす》の花をし見れば帰りゆかむ思ひはつのる国後島遙かに ~東海林諦顕(1934-)『さらば国後島-故郷喪失の悲哀』Photo:国後の夜明け ~photoAC(フランクさん) 東海林
#4140 「福寿草まだ出ませんね」「そうですね事情は特に聞いてませんが」
令和6年2月6日(火) 【旧 一二月二七日 友引】・立春 東風解凍(はるかぜこおりをとく)「福寿草まだ出ませんね」「そうですね事情は特に聞いてませんが」 ~大下一真(1948-)『漆桶』Photo:雪の中の福寿草 ~GANREF(H.KIMURA流離写人) キンポウゲ科の多年草、フクジュ
#4139 わが恋をはじめて友にうち明けし夜のことなど思ひ出づる日
令和6年2月5日(月) 【旧 一二月二六日 先勝】・立春 東風解凍(はるかぜこおりをとく)運動会裏拍を踏むマーチかな ~吉原文音(1964-)Photo:ドイツ帝国の軍楽隊とタイケ(右下) 吹奏楽をしている人はだれでもご存知のドイツの作曲家カール・タイケ(1864-1922)。軍楽
#4138 春といへば霞にけりな昨日まで波間に見えし淡路島山
令和6年2月4日(日) 【旧 一二月二五日 赤口】・立春 東風解凍(はるかぜこおりをとく)春といへば霞にけりな昨日まで波間に見えし淡路島山 ~俊恵(1113-1191)『新古今和歌集』 巻1-0006 春歌上そうか春になったから霞んでしまったのだ。昨日まで波間ごしに淡路島の山々が
#4137 わがこもる部屋に來りて穉児《おさなご》は追儺の豆を撒きて行きたり
令和6年2月3日(土) 【旧 一二月二四日 大安】・大寒 鶏始乳 (にわとりはじめてとやにつく)わがこもる部屋に來りて穉児《おさなご》は追儺の豆を撒きて行きたり ~斎藤茂吉(1882-1953)『白桃』Photo:阪卷耕漁「節分-謠曲狂言」~本の万華鏡(国立国会図書館) 「立春」
#4136 鎌倉の山あひ日だまり冬ぬくみ摘むにゆたけき七草なづな
令和6年2月2日(金) 【旧 一二月二三日 仏滅】・大寒 鶏始乳 (にわとりはじめてとやにつく)鎌倉の山あひ日だまり冬ぬくみ摘むにゆたけき七草なづな ~木下利玄(1886-1925)『みかんの木』Photo:ナズナ(ぺんぺん草) ~LOVEGREEN 春の七草の一つ薺《なずな》の名前の由
#4135 雪寒み咲きには咲かぬ梅の花よしこのころはかくてもあるがね
令和6年2月1日(木) 【旧 一二月二二日 先負】・大寒 鶏始乳 (にわとりはじめてとやにつく)雪寒み咲きには咲かぬ梅の花よしこのころはかくてもあるがね ~作者未詳 『万葉集』 巻10-2329 雑歌雪が冷たくて咲くに咲けない梅の花よ、まあ今のうちはそうしていたらいいよ。Pho
#4134 八雲立つ出雲八重垣妻籠みに八重垣作るその八重垣を
令和6年1月31日(水) 【旧 一二月二一日 友引】・大寒 鶏始乳 (にわとりはじめてとやにつく)除夜の妻白鳥のごと湯浴みをり ~森澄雄(1919-2010)『雪櫟』Photo:みのり -MINORI- 「除夜」は大晦日ですから、もう1ヶ月前なのになんでこんな句を載せたかというと、今日1月3
#4133 息の緒に我が思ふ君は鶏が鳴く東方の坂を今日か越ゆらむ
令和6年1月30日(火) 【旧 一二月二〇日 先勝】・大寒 鶏始乳 (にわとりはじめてとやにつく)息の緒に我が思ふ君は鶏が鳴く東方《あづま》の坂を今日か越ゆらむ ~作者未詳 『万葉集』 巻12-3194 悲別歌私の命とも思うあなたは鶏が鳴く東国の坂道を今日あたり越えるのでしょ
#4132 フロッピー・ディスクにぼくはたたきこむとてもやわらかな破壊の歌を
令和6年1月29日(月) 【旧 一二月一九日 赤口】・大寒 水沢腹堅(さわみずこおりつめる)カセットテープきやらきやら軋み猫の恋 ~石浜西夏(大阪府堺市) もはや驚きはしませんが、先日テレビを見ていると有名なミュージカル女優(27歳)の方が、カセットデッキをご存じな
#4131 生命おび真闇に浮きて青かりしと地球の姿見し人還る
令和6年1月28日(日) 【旧 一二月一八日 大安】・大寒 水沢腹堅(さわみずこおりつめる)生命《いのち》おび真闇に浮きて青かりしと地球の姿見し人還る ~皇后美智子(当時)「平成9年歌会始」 1986年1月28日、スペースシャトルチャレンジャー号が打ち上げに失敗し7名の宇宙
#4130 竹の葉にあられ降るなりさらさらに独りは寝ぬべき心地こそせね
令和6年1月27日(土) 【旧 一二月一七日 仏滅】・大寒 水沢腹堅(さわみずこおりつめる)手枕の夢にふりこむ霰かな ~二葉亭四迷(1864-1909)Photo:霰が降った時の瓦 ~photoAC(あみん30さん) 二葉亭四迷の本名は長谷川辰之助。国語の授業では言文一致体の小説『浮雲』
令和6年1月26日(金) 【旧 一二月一六日 先負】・大寒 水沢腹堅(さわみずこおりつめる)大空の月の光しきよければ影見し水ぞまづ凍りける ~詠み人しらず 『古今和歌集』 巻6-0316大空の月の光が澄み切っているので月を写した水が真っ先に凍っている。Photo:ウルフムーン
#4128 立ち濡るる山の雫も音絶へて真木の下葉に垂氷しにけり
令和6年1月25日(木) 【旧 一二月一五日 友引】・大寒 水沢腹堅(さわみずこおりつめる)立ち濡るる山の雫も音絶へて真木の下葉に垂氷しにけり ~守覚法親王(1150-1202)『新古今和歌集』 巻6-0630 冬歌立っていると濡れるような山の真木から落ちる雫も落ちる音がしなくなり、
#4127 白雪のところもわかず降りしけば巌にも咲く花とこそ見れ
令和6年1月24日(水) 【旧 一二月一四日 先勝】・大寒 欵冬華(ふきのはなさく)地の果てに海その果てに冬青空 ~高橋悦男(1934-) 俳人高橋悦男氏は元アメリカ文学者、早稲田大学名誉教授。Photo:プユニ岬(北海道斜里郡)の流氷と冬空 ~知床第一ホテル さすがに今週
#4126 思はずにしぐれの雨は降りたれど天雲晴れて月夜さやけし
令和6年1月23日(火) 【旧 一二月一三日 赤口】・大寒 欵冬華(ふきのはなさく)思はずにしぐれの雨は降りたれど天雲晴れて月夜さやけし ~作者未詳 『万葉集』 巻10-2227 雑歌思いもかけず時雨の雨が降ったけれど、雨雲は晴れて清らかな月夜になったよ。Photo:小型月着陸実
#4125 真心のあるかなきかはほふり出す腹の血しおの色にこそ知れ
令和6年1月22日(月) 【旧 一二月一二日 大安】・大寒 欵冬華(ふきのはなさく)真心のあるかなきかはほふり出す腹の血しおの色にこそ知れ ~林忠崇(1848-1941)明治元年に詠んだ辞世真心の有無は切腹の血を見ればわかってもらえるであろう。 林忠崇《はやしただたか》は江
#4124 日あたれば根岸の里の川べりの青蕗のたう揺りたつらむか
令和6年1月21日(日) 【旧 一二月一一日 仏滅】・大寒 欵冬華(ふきのはなさく)日あたれば根岸の里の川べりの青蕗のたう揺りたつらむか ~斎藤茂吉(1882-1953)『赤光』Photo:蕗の薹 ~婦人画報 「大寒」の初候5日間(1月20~24日)は七十二候の第70候「欵冬華(ふきのは
#4123 見わたせば松の葉しろき吉野山いく世つもれる雪にかあるらむ
令和6年1月20日(土) 【旧 一二月一〇日 先負】・大寒 欵冬華(ふきのはなさく)見わたせば松の葉しろき吉野山いく世つもれる雪にかあるらむ ~平兼盛(?-991)見渡すと松の葉さえも白く見える吉野山。どれほどの間積もった雪であろうか。Photo:冬の金峯山寺、吉野町皇居跡
#4122 更級も芳野もよしや月花にこれもはなれぬ雪の夕はへ
令和6年1月19日(金) 【旧 一二月九日 友引】・小寒 雉始雊(きじはじめてなく)薄氷をふみぬく春の日あし哉 ~北村季吟(1625-1705)Photo:北村季吟 江戸時代前期の和学者であり歌人、俳人でもある北村季吟は今からちょうど200年前、1625年1月19日(寛永元年12月11日)、
#4121 寒椿ほとろと散りてなほ紅し記憶のかけらを重ぬるやうに
令和6年1月18日(木) 【旧 一二月八日」先勝】・小寒 雉始雊(きじはじめてなく)寒椿ほとろと散りてなほ紅し記憶のかけらを重ぬるやうに ~今野寿美(1952-)『花絆』Photo:カンツバキ ~Adobe Stock 濃い紅色が鮮やかな八重咲きの寒椿。普通の椿と違って花びらが一枚ず
#4120 援け合うやさしさ説くを少年らこころ開きて聴取りくれし
令和6年1月17日(水) 【旧 一二月七日 赤口】・小寒 雉始雊(きじはじめてなく)援け合うやさしさ説くを少年らこころ開きて聴取りくれし ~千田徹夫(人と防災未来センター・語り部)Photo:阪神淡路大震災で倒壊した阪神高速道路神戸線(1995年1月17日)~神戸新聞NEXT 能
#4119 杉の野にさ躍る雉いちしろく音にしも泣かむ隠妻かも
令和6年1月16日(火) 【旧 一二月六日 大安】・小寒 雉始雊(きじはじめてなく)杉の野にさ躍る雉《きぎし》いちしろく音《ね》にしも泣かむ隠妻《こもりつま》かも ~大伴家持 『万葉集』 巻19-4148杉の野に踊り騒ぐ雉は目立つほどの声をあげて鳴いているね。隠妻とは思えな
#4118 一度だけ本当の恋がありまして南天の実が知っております
令和6年1月15日(月) 【旧 一二月五日 仏滅】・小寒 水泉動(しみずあたたかをふくむ)一度だけ本当の恋がありまして南天の実が知っております ~山崎方代(1914-1985)『こおろぎ』Photo:ナンテン ~Green Snap ナンテンは中国が原産のメギ科ナンテン属の常緑低木です。
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令和6年4月23日(火) 【旧 三月一五日 大安】・穀雨 葭始生(あしはじめてしょうず)八月以外の十一か月の広島にしずかな声の雨は降りくる ~谷村はるか(1971-) 『ドームの骨の隙間の空に』Photo:多くの外国人観光客も祈りを捧げる原爆の子の像 2024年4月16日 呉の大
令和6年4月22日(月) 【旧 三月一四日 仏滅】・穀雨 葭始生(あしはじめてしょうず)春がすみいよよ濃くなる真昼間のなにも見えねば大和と思え ~前川佐美雄(1993-1990)Photo:戦艦「大和」の1/10スケールの模型 (大和ミュージアム・呉海事歴史科学館)2024年4月15
令和6年4月21日(日) 【旧 三月一三日 先負】・穀雨 葭始生(あしはじめてしょうず)ネッシーに逢へる期待や霧に立ち ~泉田秋硯《いずみたしゅうけん》(1926-2014)Photo:Wikipedia 1934年4月21日、英国で最も古いタブロイド紙『デイリー・メール』にこの写真が掲載さ
令和6年4月20日(土) 【旧 三月一二日 友引】・穀雨 葭始生(あしはじめてしょうず)家思ふと寐《い》を寝ず居れば鶴《たづ》が鳴く葦辺も見えず春の霞に ~作者未詳 『万葉集』 巻20-4400故郷の家を思って寝られずに居ると鶴が鳴いている葦辺もみえない。春の霞のために。
令和6年4月19日(金) 【旧 三月一一日 先勝】・穀雨 葭始生(あしはじめてしょうず)雨にぬるる広葉細葉の若葉森あが言ふこゑのやさしくきこゆ ~斎藤茂吉(1882-1953)『赤光』Photo:かがみよかがみ 二十四節気の6番目は「穀雨」。穀物の成長を助ける春の雨が降る頃。『
令和6年4月18日(木) 【旧 三月一〇日 赤口】・清明 虹始見(にじはじめてあらわる)かぜ立ちてまだ春わかきわが庭もいちごは白き花もちてゐる ~片山広子(1878-1957)『野に住みて』Photo:苺の花 ~ガーデンストーリー いちごはバラ科イチゴ属の多年草。春になると葉
令和6年4月17日(水) 【旧 三月九日 大安】・清明 虹始見(にじはじめてあらわる)楽浪《さざなみ》の志賀の辛崎幸くあれど大宮人の舟待ちかねつ ~柿本人麻呂 『万葉集』 巻1-0030 雑歌さざ波寄せる志賀の唐崎は昔と変わらないけれど、大宮人が乗る船はいくら待ってもも
令和6年4月16日(火) 【旧 三月八日 仏滅】・清明 虹始見(にじはじめてあらわる)草萌えてチャップリンめく古靴よ ~細川加賀(1924-1989)『傷痕』Photo:@DIME チャールズ・チャップリンがロンドン郊外のウォルワースで生まれたのは1889年4月16日。135年前の今日です
令和6年4月15日(月) 【旧 三月七日 先負】・清明 虹始見(にじはじめてあらわる)白きリラ咲きの乱れに降る雨に今日冷え冷えと春は移る日 ~近藤芳美(1913-2006)『遠く夏めぐりて』Photo:ライラック ~ガーデニングの図鑑 フランス語ではリラ、英語ではライラックと
令和6年4月14日(日) 【旧 三月六日 友引】・清明 虹始見(にじはじめてあらわる)わが恋は虹にもまして美しきいなづまとこそ似むと願ひぬ ~与謝野晶子(1878-1942)『恋衣』Photo:七十二候だより 今日は七十二候の第15候「虹始見(にじはじめてあらわる)」。二十四節
令和6年4月13日(土) 【旧 三月五日 先勝】・清明 鴻雁北(こうがんかえる)藤原京より寧楽《なら》宮に遷れる時の歌あをによし奈良の家には万代《よろづよ》にわれも通はむ忘ると思ふな ~作者未詳 『万葉集』 巻1-0080 雑歌奈良の家には永遠に私も通いましょう。忘れるな
令和6年4月12日(金) 【旧 三月四日 赤口】・清明 鴻雁北(こうがんかえる)日あたりの若葉ほぐるる楢山にあな珍しやちごちごの花 ~窪田空穂(1877-1967)Photo:オキナグサ ~光と風と薔薇と 今日4月12日は窪田空穂のご命日。この歌は神奈川県秦野市の震生湖《しんせい
令和6年4月11日(木) 【旧 三月三日 大安】・清明 鴻雁北(こうがんかえる)誕生日のあくる朝に写メールに送られてきしアネモネの花 ~花山多佳子(1948-)『鳥影』 歌人花山多佳子さんのお誕生日は3月始め。キンポウゲ科の多年草アネモネはその頃に花を咲かせますが、園
令和6年4月10日(水) 【旧 三月二日 仏滅】・清明 鴻雁北(こうがんかえる)欧州に別れを告げしビッグベン テムズの岸に夕影は落つ ~林龍三 『塔』2016年10月号(改)Photo:テムズ河畔にそびえるビッグベン ~NEWT 1858年4月10日、ロンドンにあるイギリス国会議事堂の
令和6年4月9日(火) 【旧 三月一日 先負】・清明 鴻雁北(こうがんかえる)雁かへる夜半の雨音いたるとき ~及川貞(1899-1993) 今日は七十二候の第14候「鴻雁北(こうがんかえる)」。二十四節気「清明」の次候にあたる5日間です。この前が「玄鳥至(つばめきたる)」で
令和6年4月8日(月) 【旧 二月三〇日 先勝】・清明 玄鳥至(つばめきたる)総身の花をゆるがす春の樹にこころ乱してわれは寄りゆく ~斎藤史(1909-2002)『ひたくれなゐ』Photo:桜の花びら 空を舞う ~photoAC(GTR719さん) 昨日は万葉集から桜の散る和歌をとりあげ
令和6年4月7日(日) 【旧 二月二九六日 赤口】・清明 玄鳥至(つばめきたる)やどにある桜の花は今もかも松風早み地に散るらむ ~厚見王 『万葉集』 巻8-1458 相聞歌あなたの庭の桜の花は今頃、松風が強いので散っているでしょうね。Photo:桜散る ~くまっぷねっと 満開
令和6年4月6日(土) 【旧 二月二八日 大安】・清明 玄鳥至(つばめきたる)ハードルをつぎつぎ越ゆる若き脚《あし》のむかうに暗き夏のくさむら ~柏崎驍二(1941-)『四月の鷲』Photo:第1回アテネ大会の100メートル決勝の様子を描いた絵画 ~JIJI.com「勝つことよりも参
令和6年4月5日(金) 【旧 二月二七日 仏滅】・清明 玄鳥至(つばめきたる)ゆふぞらにはなびら反らし紫木蓮 ~日野草城(1901-1956)Photo:紫木蓮の花 ~㈱エー・アール・アイ 3月末から4月にかけて咲くモクレン(木蓮)の原産地は中国。桜と時期は重なりますが、こちら
令和6年4月4日(木) 【旧 二月二六日 先負】・清明 玄鳥至(つばめきたる)清明や街道の松高く立つ ~桂信子(1914-2004)『草樹』Photo:飛び交うツバメ ~photoAC(さんぽの道すがら) 今日は二十四節気5番目の「清明」。春の清らかに澄み渡り明るく生き生きとした様子
令和5年4月24日(月) 【旧 三月五日 先勝】・穀雨・葭始生(あしはじめてしょうず)マーガレット猫額の庭満たしけり ~中村汀女(1900-1988)Photo:恋占いの白い花「マーガレット」 ~Hana Prime Magazine 我が家の鉢植えでも今たくさんの花を咲かせているマーガレット。
令和5年4月23日(日) 【旧 三月四日 赤口】・穀雨・葭始生(あしはじめてしょうず)若子《みどりご》の這ひたもとほり朝夕に哭《ね》のみそわが泣く君無しにして ~余明軍《よのみょうぐん》『万葉集』 巻3-0458 挽歌幼子が這い回るように私は朝夕声を上げて泣いているばかり
令和5年4月22日(土) 【旧 三月三日 大安】・穀雨・葭始生(あしはじめてしょうず)日なた雨すぎゆく堤おほばこの葉は土よりも早くぬれをり ~高野公彦(1941-)『淡青』Photo:花をつけたオオバコ ~Amebaブログ バイサン60のページ オオバコは道端や空き地などでよく見
令和5年4月21日(金) 【旧 三月二日 仏滅】・穀雨・葭始生(あしはじめてしょうず)芦むらにうすれかかりぬ虹の端 ~石原舟月(1892-1984)Photo:水辺のアシの群生 ~tenki.jp 二十四節気の「穀雨」は昨日一日だけではなく、次の「立夏」の前日までの半月間をいいます。そ
令和5年4月20日(木) 【旧 三月一日 先負】・穀雨・葭始生(あしはじめてしょうず)まっさらなランドセルの子ら駆けてゆくふいの穀雨に声あげながら ~喜夛隆子Photo:堀江鞄製造 今日は二十四節気の第6「穀雨」。『暦便覧』には「春雨降りて百穀を生化すればなり」と記され
令和5年4月19日(水) 【旧 閏二月二九日 赤口】・清明・虹始見(にじはじめてあらわる)春愁のかぎりを躑躅燃えにけり ~水原秋桜子(1892-1981)Photo:ツツジ ~くるまのニュース 葉桜の下にもう赤紫の躑躅《ツツジ》が咲いていました。ツツジという呼称は、よく似た皐月
令和5年4月18日(火) 【旧 閏二月二八日 仏滅】・清明・虹始見(にじはじめてあらわる)春へ咲く藤の末葉《うらは》の心《うら》安にさ寝《ぬ》る夜ぞなき子ろをし思《も》へば ~作者未詳(東歌)『万葉集』巻14-3504 相聞歌春に咲く藤の末葉ではないが、心安らかに眠れる夜
令和5年4月17日(月) 【旧 閏二月二七日 仏滅】・清明・虹始見(にじはじめてあらわる)彼等とのつきあひ方と人のごとく語られてゐる人工知能 ~内田しず江 (平成28年宮内庁歌会始詠進歌)Photo:Artificial Intelligence Investing NEWS 7年前の宮中歌会始のお題は「人」
令和5年4月16日(日) 【旧 閏二月二六日 先負】・清明・虹始見(にじはじめてあらわる)むらさきのいぬのふぐりの花に寄るこころしばらくは保たせたまへ ~谷鼎(1896-1960)Photo:イヌノフグリ ~Adobe Stock イヌノフグリはオオバコ科クワガタソウ属の越年草。朝ドラの
令和5年4月15日(土) 【旧 閏二月二五日 友引】・清明・虹始見(にじはじめてあらわる)日の射してどこかに虹の立ちさうな ~稲畑汀子(1931-2022)Photo:MIKEMAREEN/GETTYIMAGES 今日は七十二候の第15候「虹始見(にじはじめてあらわる)」。二十四節気「清明」の末候に当た
令和5年4月14日(金) 【旧 閏二月二四日 先勝】・清明・鴻雁北(こうがんかえる)御匣殿に初めてつかはしける今日そゑに暮れざらめやはと思へどもたへぬは人の心なりけり ~藤原敦忠(906-943)『後撰和歌集』 巻12-0882 恋歌四あなたと結ばれた今日だからと言って、日が暮れ
令和5年4月13日(木) 【旧 閏二月二三日 赤口】・清明・鴻雁北(こうがんかえる)旅にても喪なく早来と我妹子が結びし紐はなれにけるかも ~作者未詳(遣新羅使)『万葉集』 巻15-3717 旅に出ても、何事もなく早く帰ってねと妻が結んでくれた着物の紐もすっかりしおれてしま
令和5年4月12日(水) 【旧 閏二月二二日 大安】・清明・鴻雁北(こうがんかえる)夜ぐたちに寝覚めて居れば川瀬とめ情《こころ》もしのに鳴く千鳥かも ~大伴家持(718-785)『万葉集』 巻19-4146夜半に寝覚めると、川瀬を探して心も萎れるほどに哀しい千鳥の声が聞こえる。P
令和5年4月11日(火) 【旧 閏二月二一日 仏滅】・清明・鴻雁北(こうがんかえる)夏いよよサンドバッグは歪みけり ~千原ジュニア(1974-)『プレバト!!』 2022年6月23日放送Photo:『プレバト!!』で「ガッツポーズ」の俳句をほめられてガッツポーズをする千原ジュニア。 19
令和5年4月10日(月) 【旧 閏二月二〇日 先負】・清明・鴻雁北(こうがんかえる)言繁き里に住まずは今朝鳴きし雁にたぐひて行かましものを ~但馬皇女(?-708)『万葉集』巻8-1515 雑歌噂話のうるさいこんな里には住んいないで、今朝鳴いていた雁と一緒に去ってしまいたい
令和5年4月9日(日) 【旧 閏二月一九日 友引】・清明・玄鳥至(つばめきたる)花さそふ比良の山風吹きにけり漕ぎ行く舟のあと見ゆるまで ~後鳥羽院宮内卿 『新古今和歌集』 巻2-0128 春歌下桜の花を誘って散らす比良山の山風が吹いたのですね。漕いでゆく船の航跡が見えるほ
令和5年4月8日(土) 【旧 閏二月一八日 先勝】・清明・玄鳥至(つばめきたる)春の山屍を埋めて空しかり ~高浜虚子(1874-1959)Photo:ツバキ ~椿のおもてなし 明治から昭和にかけて活躍した俳人、高浜虚子が人生の幕を閉じたのは1959(昭和34)年4月8日。その虚子が最
令和5年4月7日(金) 【旧 閏二月一七日 赤口】・清明・玄鳥至(つばめきたる)散り散らず聞かまほしきをふるさとの花見て帰る人も逢はなむ ~伊勢(872?-938?)『拾遺和歌集』 巻1-0049 春歌散ったのかまだ散ってないのかお聞きしたいのですが、ふるさとの桜を見て帰ってく
令和5年4月6日(木) 【旧 閏二月一六日 大安】・清明・玄鳥至(つばめきたる)黄金のひかりのなかにクリムトの口吻ふ男ぬばたまの髪 ~山中智恵子(1925-2006)『夢之記』Photo:クリムト『接吻』(1908年) グスタフ・クリムト(1862-1918)はオーストリア帝国のバウムガル
令和5年4月5日(水) 【旧 閏二月一五日 仏滅】・清明・玄鳥至(つばめきたる)清明の天より届く鳥の羽 ~都筑智子(1931-)Photo:アマツバメ ~風の旅行社 今日は二十四節気の第5「清明(せいめい)」。語源は、万物が清らかで生き生きとした様子を表す「清浄明潔」という言