- 2008/05/13 09:005章(13)春雷と愛の闘い
- (13)春雷と愛の闘いその音は凄まじくピカ〜ッ!と、光ると同時に地の果てをも揺さ振り動かすかのような轟きである。耳の鼓膜が破れそう・・誰もが怯えた。だが、ジョイだけは闘志が内側から湧き出してきていたのである。『荘厳なコンサートだ!僕を応援している!』ジョイは冬の日の稲妻を(第4章参照)思い出していた。ナンシーのお蔭で、恐怖を克服して天然の打楽器コンサートを鑑賞するまでになった午後を思い浮かべた。徐 [続きを読む]
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- 2008/05/12 09:005章(12)守る・・愛のための決闘
- (12)守る・・愛の為の決闘ジョイは、恐怖に震えるラブの息遣いを感じた途端、後ずさりするばかりであった四肢に力が籠もった。塀の上に足場を固めて引き下がるのを止めた。『ここで、たとえ・・・命を落としても、僕はラブを守るんだ!』その命を懸けた決意は、ジョイの全身の筋肉に電流のような速さで力を漲らせたのである。ジョイの二倍はあるだろうと思える野良猫のボスは不適な笑いを浮かべながら嘲る。「おお〜坊や、俺と [続きを読む]
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- 2008/05/10 09:005章(11)愛に目覚めた闇の道
- (10)愛に目覚めた闇の道集まりが解散した。ジョイは集まりの前から気になっていた老猫マリアの欠席について、彼女の孫であるラブに尋ねる事にした。すぐにラブに近づいた。「マリアは元気ですか?なぜ、今日は来なかったのだろう?」。ラブは可愛い丸顔をジョイに向けたが眩しそうにして眼差しを外した。暗闇の中でも二匹には互いが輝いて見えて眩しかったのであった。「あ、ジョイ!ありがとう。お婆様は別に病気ではないの... [続きを読む]
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- 2008/05/09 09:005章(10)自由意志のある人生
- (9)自由意志のある人生数日後の晴れた夕暮れ、今年初の猫グループの集まりが開催される。ジョイにとっては最後の記念すべき集まりとなるのである。当日、夫サムの帰宅が遅いと知って、趣味の執筆に溺れている女主人ナンシー。暖かな春になっても執筆となると・・何故かクリーム色のショールを肩から外さないナンシーである。ジョイはその背中を眺めてから無駄と知りながらも「ニャー!」と一鳴きし外出の意向を知らせた。ジョ... [続きを読む]
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- 2008/05/08 09:005章(9)不吉と不安と不可能の中で
- (9)不吉と不安と不可能の中でアニーの様子に気付いたラファは慌ててジョイへと視線を向けるが、ジョイは冷静であった。そして「続けるんだ・・ラファ」と催促した。ジョイはラファの話しによって去勢手術とは何かを知った。それにピエロと呼ばれるバルナバの奥底にあった強さに心が打たれた。しかし、彼とアニーの問題は彼ら二匹が負うべき事だから・・と割り切ってもいた。アニーもいつまでも子供ではいられない・・自ら自分... [続きを読む]
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- 2008/05/07 09:005章(8)絶望から学ぶ無償の愛
- (8)絶望から学ぶ無償の愛かけるべき言葉に詰まっているラファエルにバルナバが穏やかに話しかけた。彼の声は,見るに忍びない姿とは裏腹に威力があった。「ラファ・・・僕は飼い主によって数日前、去勢手術をされたんだ。雄としての象徴を失った訳さ。もう・・雄ではないのさ。でも、ご主人は腕の良い獣医師だから・・実に手際よくやってくれたらしい。思いもよらぬ処遇に・・はじめの内は生きる希望を失っていたよ。なにしろ、... [続きを読む]
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- 2008/05/02 09:005章(7)慶びの春・・その陰で
- (7)慶びの春・・その陰で春の長閑な柔らかい空気を破り、朝から騒々しい屋敷の朝である。これ程多くの人の出入りを経験した事のないジョイの心が浮き立っていた。今日は、リズとロバートの挙式の為に親族が集って来ていた。あの懐かしい田舎町の白亜の館から娘リズの結婚式の為、ローズとセバスチャンも来ていた。ローズは終始花嫁の母らしく細やかな気遣いを遂げようと駆け回っていた。時折、ジョイの姿を見ると頑丈な腕にヒ... [続きを読む]
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- 2008/05/01 12:005章(6)息吹く春の日の変調
- (6)息吹く春の日の変調夕食後、サムとナンシーが・・・彼らにしては非常に真剣な面持ちでジョイを囲んだ。先ず重要な話題の口火を切ったのはオマール家の右腕の女・・妻ナンシーであった。「ねえ、ジョイ!通訳花を使わないで話すので、答えは後にリズを通して教えてね」。偽通訳花のことなどに触れていられるほどのテーマなんだ!とジョイはほっとしたのだった。だが・・・ナンシーのは話題は突然角度を変えて来る。それが常... [続きを読む]
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- 2008/04/30 09:105章(5)「右腕の妻」対「左腕の夫」
- (5)「右腕の妻」対「左腕の夫」一方、ナンシーはクレープ夫人の立ち去る態度に一瞬驚いたが「まあ、お忙しいのですね。また、いらして下さいね。ジョイも喜びますから〜お気をつけて」とメルの背中へ無心な声をかけた。こちらは凡庸な感情の軌跡を辿る女性ではないので「良かったわね〜ジョイ猫ちゃん。楽しかったでしょ?私もティータイムを一緒に語り合う時間に出来て楽しかったわ〜!また来てくれると嬉しいわね」と上機嫌... [続きを読む]
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- 2008/04/26 09:105章(4)愛情と評判の狭間で
- (4)愛情と評判の狭間でメル・クレープの腕の中のバルナバは、うっすら翳りだした春の午後の空を眺めながら緊張していた。急ぎ足で歩く女主人の抱き加減には、これまでにない異様さを感じ取っていた。ダークレッドの体毛を優しく撫ぜるように吹き寄せる春の風さえバルナバには不吉であった。飼い主メルが、何故ジョイの屋敷から突然離れたのか。メルとナンシーの会話を聴いていなかった為に、その理由も分らなかった。バルナバ... [続きを読む]
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- 2008/04/25 09:105章(3)立派な婦人の怒り
- (3)立派な婦人の怒り立派な婦人メルはバルナバを抱いて門を入るなり「あら!ステキな庭ですこと。オマール夫人、こんにちは!ちょっと足を伸ばしてみましたのよ。この椅子に掛けていいかしら?」とにこやかに述べてから椅子に腰掛けた。「あら〜!メル・クレープさん。ようこそ、珍しいですね。丁度、今から紅茶の時間にしようかと思っていたところですわ。一緒に召し上がってくださいね。バルナバが来てくれてジョイも大喜び... [続きを読む]
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- 2008/04/24 09:105章「春雷と愛の決闘」(2)結婚式前の日々
- (2)結婚式前の日々ジョイにとって、ナンシー・オマールとの毎日に「退屈」と言う言葉は存在しないようである。ナンシーは、ジョイのちょっと長めの尻尾を早咲きのラベンダーと比べて「ジョイ猫ちゃん、あなたのシルクのような青みがかった尻尾はとてもステキね。でも、振り振りする度にラベンダーのような香りを放っていたなら、あなたは世界を支配できたかもしれないわね」と語る。ジョイには意味不明だが、ナンシーには彼女... [続きを読む]
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- 2008/04/18 14:54「まず健やかに!そして麗しく!」日記
- 拝啓生物は・・・女性であれ男性であれ、動物であれ、花であれ先ずは、まずは・・・体が健康でないといけませんね。生来虚弱な私ですが最近ようやく少しづつ並みの健常人に近づいてきました。それで一年前から使っていたブログ(ココログ)ですが・・・本日から経験やらを「まず健やかに!そして麗しく!」という日記にして徒然に書くことにしました。健全な精神は健全な体に宿る・・・全くその通りですね。何を始めるにも、先ずは [続きを読む]
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- 2008/04/15 18:33「思い込み」がもたらす奇跡の連続?
- 百花繚乱の春!この春が、あなたを感動させ穏やかな平安を与えていますように!「良き思い込み」によって・・・。そう、私達の「思い込み」には案外、想像以上の力がありますね。その破壊力は、時に殺人まで行なわせたり、或いは本人を苦悩のどん底まで突き落として自殺に追い込んだりもします。しかし、逆もまた真なり・・・人を幸福の絶頂にまで持ち上げる建設力もありますね。この「思い込み」の力を悪用するか善用するかは本人 [続きを読む]
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- 2008/04/09 15:34ジョイ猫5章「春雷と愛の決闘」(1)
- 応援ありがとう!ようやく5章が始まるよ。初めの1章から4章まで読んでからだと、もっと面白いよ・・・【登場猫と犬の種類の紹介】御挨拶!(種類によって異なる特徴や性質にも注目!)猫 ジョイと妹アニー::ロシアンブルー ラブとマリアとモーリー::キムリックラファエル::アビシニアン バルナバ::バーミーズローズメイ::アメリカンカールトミー::スコティシュフォールドアーム::シャム etc犬... [続きを読む]
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- 2008/03/06 17:35♪ありがとう♪=人生の力!
- ぽかぽかの春、光溢れる春、爽やかな春の息吹き・・が、あなたへ届いていますでしょうか。この春も、人生が虚しく移ろいやすいものにならないように日々を充実させたいですね。その為に推論したい・・・「もしも!」を、考えませんか。そして《有意義な日々》を過ごす方法を・・。私達の人生を《有意義》にするものは確かに、環境や条件・・満足できる仕事、立場や地位や富や健康、そして温かな人間関係などかも... [続きを読む]
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- 2008/01/22 12:00「馬鹿が治って長寿を記録した男」の話
- 冬の夕暮れ、茜色の陽を浴びて西側の枝だけを輝かせるケヤキの仙人。250年を生きてきたこの樹木から興味深い話を聞いた。なんと、「馬鹿が治って長寿を記録した男」がいたと言う。寒い中で震えながら耳を傾けた。まるで・・自分のことを戒められているようであったが静かに聞き入ってみた。こんな話・・・であった。男は、子供の頃から物事の加減が分らなかった。食べ始めれば止まらなくなり、話し始めれば終わらない。遊び... [続きを読む]
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- 2008/01/19 09:30ジョイ猫物語(15)「自由と平和」の陰に
- 第四話の最終回だよ。読んでくれて、有難うニャ〜♪リズの不思議は日常であるので、アニーについての結婚宣言にジョイは気を留めなかった。リズとアニーは去り、ナンシーと冬の終わりを過ごすことになったジョイである。陽だまりの時間が長くなり庭の芽吹きが始まりつつあった。毎日、庭に出ると大きな奇声を発するナンシー。「わ〜っ!きゃ〜!芽が出てる、出てる!すご〜いわ〜!何という素晴らしい生命の息吹でしょう。何とい... [続きを読む]
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- 2008/01/18 09:30ジョイ猫物語(14)初恋
- リズとアニーは、一週間ほど屋敷に滞在した。その間、リズは婚約者ロバートと結婚式の段取りを進めるために外出が続いた。そして・・今日が最後の日となった。ここ数日前から、ナンシーは、職場へ向かう夫サムを見送ると家事を放り投げて、執筆に打ち込んでいた。ナンシーの場合は才能がない為・・趣味域の執筆であるにも拘らず彼女は文学の世界へ没頭し自己陶酔するのである。家事だけではなくジョイとアニーをも眼中に無いかの... [続きを読む]
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- 2008/01/17 09:30ジョイ猫物語(13)忠実と寛容と・・。
- 「ジョイ猫ちゃん!私の話すことがどれだけあなたに伝わるか・・。でも、知っておくのはこれから成長に役立つかもしれないから話すわね」とナンシーは冷静に続ける。「あなたの亡くなった飼い主のサムエル・ブライアンは若い時から長い間にわたってグリム教会の牧師だったの。でも、あなたは教会を知らないでしょ?彼は、何処の教会の礼拝にも集会にも行っていなかったからね。なぜなら・・あなたがこの屋敷に来た時には既に彼は... [続きを読む]
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- 2008/01/16 09:30ジョイ猫物語(12)愛のエヴァンジェリスト
- ジョイの眠そうなエメラルドグリーンの眼が仕方なく目覚めた。リズが微笑みながら尋ねてきた。「さっき、アニーから私とラブの飼い主との経緯(いきさつ)を聞いたわね。それでね、ロバートが説教壇で話した『愛の定義』をラブが聞いて・・同じだ!と感動したのだけど・・。ラブに訊いたらね、ジョイ!あなたが昨年の夏に猫グループで裁きを受けた時の話だって言ってたの。あなたは愛を説いたのね。だから愛の貴公子ジョイになっ... [続きを読む]
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- 2008/01/15 09:30ジョイ猫物語(11)祝福のスマイル
- 驚きの余り・・・ジョイの頭の中は混乱してしまい整理が付かなくなっていた。視線が定まらない。その時、リズがナンシーと会話しながら、紅茶片手にジョイを眺めてウインクした。『あ!前にもこんな事があったっけ・・全部、見抜かれている』ジョイは一瞬緊張したが観念した。そしてリズのウインクに答えるようにエメラルドグリーンの眼を向けて『おめでとうございます!』と祝福のスマイルを見せた。すると、リズは「ありがとう... [続きを読む]
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- 2008/01/14 09:30ジョイ猫物語(10)重なる「愛の奇遇」
- 兄ジョイの驚く様子が、さぞ気に入ったのだろう。妹アニーが得意そうに続ける。『あのね、リズと婚約者の出会いはね。オホン!ふっふ!リズが猫語理解者である事からだったの。婚約者は、え〜と・・ロバートと言ってこの街の教会の牧師なの。リズがその教会の礼拝に出席している最中に、いつもは出て来ないロバートの飼い猫ラブが現われたんですって。大勢の信者の前でミャーミャー鳴くので、ロバートは説教中だったから大慌てで... [続きを読む]
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- 2008/01/12 09:30ジョイ猫物語(9)「疑問」を捨てるべき時
- 翌日の昼近く、リズがアニーを連れてやって来た。残りの荷物を彼女が車で運んできたのである。ナンシーが愛する姪リズに呼びかけた。「エリザベス・オマール!よく来てくれたわね」と昨日別れたばかりのリズを歓迎した。こうして正式に名前を呼ぶ時は、何かある・・と知っているリズ。「ナンシーおばさま・・どんな頼みごとがあるのかしら?ふっふ」と笑って答える。「もう、お見通しね、リズ。お願い、ジョイ猫ちゃんのことなの... [続きを読む]
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- 2008/01/11 09:30ジョイ猫物語(8)「遊び心」の大切さ
- ナンシーがジョイを促す。「さあ〜!ジョイ猫ちゃん、花に向かって猫語で語ってね」。ジョイは真剣に、匂う真っ赤なゼラニウムの鉢植えに向かって話し出す。『さっきは、ラファとバルナバが僕に会いに来てくれていたんだ。僕は会えて嬉しかったよ。本当はもっと話して居たかったんだけど・・寒かったので、一応切り上げたんだ』。通訳花は、静かに静かに香るだけである。ナンシーが、一段落した様子を見て取り「ゼラちゃん、さあ... [続きを読む]
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