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- 2008/07/27 00:00faith #13
- ←前話へ 本当に驚いた時、人は何も言えなくなる。 そんなことを体感するなんて思わなかった。仄かに漂う蓮の香りがゆっくりと昇って行くのを見つめながら、思考さえ停止していることに気付く。何とかしなければと焦るほど言葉を失い、そろそろと息を吐き出したその時、バタバタと駆け込んで来る足音に緊張を削がれた。「セージ」 振り返ると逆光のシルエットが真直ぐにこちらを見ていて。「朝食も摂らずに何処に行ったか [続きを読む]
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- 2008/07/26 14:30message
- backこんにちは、れんです。毎日暑いですね〜。体調崩されてませんか?私は近所のスーパーでさえ男子2人組を見て萌えを補給するという雑草並の自給自足生活を送っております。ハァハァ。それはそうと本日は皆さまにお礼を申し上げたく!『faith』シリーズが始まって以来たくさんのバナークリックありがとうございます!!IN POINT が遂に 2000台に達しまして、驚きのあまり記念に画面ダンプを撮りました(小心者)感謝 [続きを読む]
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- 2008/07/26 00:00faith #12
- ←前話へ「嘘だろ───!???」 目覚めるなりの第一声。 赤褐色の煉瓦は気持ちよく音を届け、慌てた鳥達が羽音囂しく飛び立って行く。絶叫の主はといえば、ベッドの上で口元に手を当て不安を遣り過ごしていた。「朝からうるさいですぞ、セージ殿」 ドアが開き、国王お付きの従者が顔を出す。まるでシヴァを窘めるような表情に何故かホッとして、セージは身を乗り出した。「アルーダさん! 俺なんで今日もこっちにいるの!?」 ... [続きを読む]
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- 2008/07/25 00:00faith #11
- ←前話へ 月が真上に架かる頃。 篝火が焚かれた中庭の向こう、華やかな晩餐会の余興の声が風に乗って遠く響く。虫の音の合間合間に聞こえる賑やかな音楽に耳を傾けながら、早くも意識を手放そうとしている少年がいた。誰あろう、渦中のセージである。 物陰で漏れ聞いたシヴァとアルーダの会話。王子である彼は宴の大切なホストのひとりとして長く場に留まるだろう。つまり、それだけセージひとりの時間が取れるということで [続きを読む]
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- 2008/07/24 00:00faith #10
- ←前話へ「シヴァ様、こちらにおいででしたか……!」 一目で城中探し回ったと分かるほど息を切らせて従者が駆け寄って来る。術士へ短い礼を述べると、王子は足早に部屋を後にした。「今宵は隣国からの使者殿がおいでになるとあれほど……」「あぁ、分かっている」 ラーマの第一王子ともあろうお方がお支度に遅れがあっては、とくどくど説教を始めたアルーダを従え、シヴァは黙々と謁見の間に続く支度室を目指す。「よいですか ... [続きを読む]
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- 2008/07/23 00:00faith #09
- ←前話へ「───というわけで、またこっちに戻って来たみたい」「眠りを介して元の世界と行き来すると?」「……うん。だと、思う……」 朝の喧噪から半日が経過し、日は高く頭上を過ぎる頃。 正殿から帰ったシヴァを掴まえるなり、セージはそれまでの体験から考えられる結論を打ち明けた。「そんなことが有り得るのか?」「俺もよく分かんないけど、でも実際起きてるモンはしょうがないじゃん」「どちらかが夢じゃないのか」 [続きを読む]
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- 2008/07/22 00:00faith #08
- ←前話へ 覚えのある香り。 カサブランカの芳香、そして───胸の奥を熱くとろかす、極上のそれは……。 目を覚まして一番始めに目に入ったのは見覚えのある天蓋だった。 高く張り出した四方の梁から垂れ下がる白いレース。ふんわりと幾重にも影を作る布は繊細な刺繍によって複雑な模様を描き出している。シルクのシーツに零れ落ちた光の粒は、窓からの風によってヒラヒラと踊るように揺らめいていた。 朝か、と目を擦って2 [続きを読む]
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- 2008/07/21 00:00faith #07
- ←前話へ 翌日、目を覚ますとそこはいつも通りの自分の部屋だった。「……ウソ」 まるで長い夢でも見ていたようにすべてが元のまま。咄嗟に枕元の携帯電話を開くと、そこに表示されている日時は1日前を指している───つまり、あの国での出来事がなかったことになっている。「そんなことってある?」 赤い城での出来事すべてが幻だったと言えばそれまでの、けれどたった1日とはいえ濃密な時間。夢と言うにはあまりにリアルで... [続きを読む]
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- 2008/07/20 00:10faith #06
- ←前話へ 涼しい風が首筋を掠めてゆく。 日中の熱さなど忘れたように、赤褐色の王宮は夜の冷気を取り込んでいた。ひんやりとした床の感触は素足に心地よく、身に纏う布地さえサラリとした音を立てる。───今は別の意味で衣擦れを響かせているわけだが。「シヴァ!」 背中から回された腕が巧妙にも胸のボタンを外そうとしていたのを一喝し、慌てて前を掻き合わせる。「……抵抗されると燃えるな」「あからさまに嬉しそうな顔 ... [続きを読む]
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- 2008/07/19 00:00faith #05
- ←前話へ「順序立てて話してもらいますけど」 事の起こりから丸一日。 件の相手に膝詰め談判を申し入れるものの、少し目を離した隙にすぐその辺に寝そべり倒すという緊張感の欠片もない輩を宥め賺し、ついでに脅し、ようやくのことで正面に座らせると少年は抑揚のない声で切り出した。「そもそも、俺はあなたの名前ぐらいしか知らないんだけど」「あぁ、おまえの名を聞いてなかった」 質問に質問で答えるのは王族特権かコ [続きを読む]
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- 2008/07/18 00:00faith #04
- ←前話へ 一瞬の間があったのは承諾ではなく、譲歩でもなく、ましてや喜びのあまり言葉が出ないわけでもない。天啓に打たれたようにその場に硬直していた老従者は我を取り戻すなり、皺の寄った喉に青筋を立てて声を上げた。「なりませぬ なりませぬ な・り・ま・せ・ぬ〜〜〜!」 だが、そんなことなど日常茶飯事とばかり涼しい顔の王子は、頭ごなしの否定に憮然とした表情を作って見せた。「なんでおまえが選んできた女はよ ... [続きを読む]
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- 2008/07/17 00:00faith #03
- ←前話へ ひんやりとした広間の中央。 周囲からの不躾な視線が痛いほど降り注ぐ中、けれどそんなものなど一蹴するほどの強烈な眼差しが少年を微動だにせず縫い付けていた。上段から見下ろすシヴァは威厳すら湛え、腹に力を込めていないと対峙することもままならない。 雰囲気に気圧され口を噤んだのを何と取ったか、相手は謁見の台座を降り、ツカツカと目の前に歩み寄った。「本当に俺を知らないのか?」 それは訝るとい [続きを読む]
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- 2008/07/16 23:28message(イラスト)
- back実はこのたび、ベラさんが管理されているトラコミュ「BL妄想劇場」のバナーイラストを描かせていただくことになりまして、お誘いいただいたのをこれ幸いと自分の画力も省みずにいそいそ作成に励んでみました。……とんでもないものが出来ました(ガーン)明らかに方向性を間違えているとしか思えないアレなので、早々に別の絵に貼り替えられるかも知れませんが、取り敢えず、ベラさんに最大級の感謝を込めて!!それ [続きを読む]
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- 2008/07/16 00:00faith #02
- ←前話へ 部屋を出るなり、アラベスクの優美さに我を忘れた。 見渡す限り広大な赤褐色の殿堂は規則正しいアーチを描き、緩やかなカーブと共に洗練された美しさを湛えている。職人の手による見事な装飾模様が全体を朝の光に複雑に浮き立たせていた。 荒涼とした丘陵の赤土で築かれた城塞。グラナダの赤い城。 行き交う男性は皆褐色の肌を白い布で覆い、対照的に女性は全身を黒で隠している。一目で中東のナショナリズムが色 [続きを読む]
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- 2008/07/15 00:00fate #01
- 孤高のジハードをなさしめたまえ 慟哭を白き布に隠して エルドラドへと導きたまえ 遠き夢の君が元へ─── 乳白色の空。 水面の淵を漂う意識は穏やかな羊水に包まれたまま、ふわふわと夢の中をたゆたっている。どこまでも続く世界は穏やかで優しく、そこにはひとかけらの悲しみも憎しみも存在しない。 楽園───。 そんな言葉で語り尽くしてしまうにはあまりに短絡的な、けれどそれ以外の言葉を持たない、唯一無二 [続きを読む]
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- 2008/07/14 00:00fate あらすじ
- about story: 目を覚ますとそこはアラビアの王宮だった。 100人目の后候補となった聖司(セージ)は 強引で独占欲の強い第一王子シヴァと 温厚で知的な第二王子ガネーシャの間で揺れ動く。 王権争いに見え隠れするのは愛か疑心か───。about main characters: ■白埜聖司(セージ) Sage Shirono 都内在住の高校生。17歳。 突然異世界のラーマに迷い込み、シヴァの后候補に。 だが運命は残酷にも彼を王権 [続きを読む]
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- 2008/07/13 00:00seasons あとがき
- ←前話へgreeting: こんにちは、れんです。 『seasons』シリーズお付き合いいただきありがとうございました。 『ships』『seek』『sign』シリーズに続くファミリー展開(笑)で コウ&渉カップルに背中を押してもらいつつ、 無事ツンデレ×ワンコの新境地を開拓することが出来ました。 口が悪く俺様上等なタイプは受け、というのが信条ですが、 そんな彼が落ちるのは包容力のある大人攻め、と思っていたのです。 ... [続きを読む]
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- 2008/07/12 00:00seasons #56(完結)
- ←前話へ ひとつひとつの小さなこと。 日常に溶け込んでしまうもの。 そんな中にこそ幸せはあるんだと、あなたに出会ってやっと分かった。「巧矢ー、皿出してー」 キッチンからの声に、アルバムを整理していた手を止める。相も変わらずピン、と耳を欹てる様は何度見ても忠犬のよう。安曇の肩越し、コンロに掛かるフライパンの中身をチラリと見るや、大型犬は満面の笑みを見せた。「あー超いい匂い。幸せー!」「おまえ [続きを読む]
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- 2008/07/11 00:00seasons #55
- ←前話へ 災いは、忘れた頃にやって来る───。 地震、雷、火事、ノロケ。なんちゃって。 半分エクトプラズムを放出させつつ宙を見つめている一条の傍ら、事の成り行きを面白そうに見守っている谷野がジョッキの残りを一気に煽った。 居酒屋で向かい合っている時に携帯が鳴るのはいつものパターン。そして電話に出るなりハニワ顔になる相手も勝手知ったる後輩である。「お久しぶりッスー!」 キーン、と耳鳴りするほどの [続きを読む]
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- 2008/07/10 01:36message(『seasons』番外編)
- backネット落ちからようやく這い上がって参りました。更新滞っててすみません……。アップするモノはあるのに繋がらないこのもどかしさったら久しぶりに床を転げ回って悶えましたよハァハァ(半泣)お待たせしたお詫びに『seasons』番外編をひとつ。#54 を受け、一緒に働いてるふたりの設定です。よろしければ「続きを読む」からお付き合いくださいませね(^-^) ... [続きを読む]
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- 2008/07/10 00:43seasons #54
- ←前話へ ひとしきり呑気に笑い合った後、ふと我に返った巧矢はズイ、と身を乗り出した。「いいんスか?」 小首を傾げるワンコの髪を掻き混ぜながら、自分のこととなると途端ワンテンポズレる性格に安曇は笑いを禁じ得ない。敢えて外堀も埋めたくなるというもの。「まぁ言うてもバイトやから、そんな高い給料は出されへんけどな」「お金なんていいですっ 一緒に働けるなんて嬉しいです!」「何言うてんねん。しっかり稼い [続きを読む]
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- 2008/07/08 00:00seasons #53
- ←前話へ 秋の終わりは静かに冬へ、そして新しい春を連れて───。 色鮮やかな日々、目まぐるしい日常。 ふたりが出会ってもうすぐ1年が経とうとしている。惹かれ合う引力が強過ぎて、時に擦れ違ったりもしたけれど、そんなことさえ懐かしいと思えるほどには同じ時間を重ねてきた。胸がギュッと痛くなる恋から心がホッと温かくなる愛へと互いの気持ちを成長させ、新しい季節のの訪れとともにふたりはまた新しい立ち位置に立と... [続きを読む]
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- 2008/07/07 00:00seasons #52
- ←前話へ「よーし、お祝いにパーッといこっかー!」 ガチャ、と鳴り合うジョッキ。揺れる真っ白な泡。コウの音頭と共に宴会の幕が切って落とされたそこは、スタジオから歩いて程近い場所にある創作和食の居酒屋だった。 撮影の後半戦。 照れてどうしようもなくなる安曇を宥め賺しての強行軍を見守っていたコウは、終始ニコニコと笑みを絶やさずひとりハイテンションをキープしていた。よほど嬉しかったのだろう、こっそり恋 [続きを読む]
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- 2008/07/06 00:00seasons #51
- ←前話へ 慣れとは恐ろしいもの───。 そんな言葉を口にしたのが巧矢の方だというのだから、その状況たるや推して知るべし。 広いスタジオ、輝くライト、絶え間なくシャッターを切る音。そんな究極の状態で写真を撮られ続け、緊張感もマックスならキスの余韻で沸点も上昇、どこかでネジが外れたのだとしてもおかしくない。そんなこんなで一気にボーダーラインを越えた安曇は一気に逆ベクトルを目指して突き進んでいた。 カ ... [続きを読む]
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- 2008/07/04 00:15message(『seasons』番外編)
- backmessage ではお久しぶりです、れんです。ここのところやたらバタバタしてますが、一時の「エブリディ12時間勤務」から開放されて少しだけ人間らしい生活になってまいりました……へへ。そんな幸せな気分が連載にもダイレクトに反映されたらしく、ワンコが一気にプロポーズへと突っ走り中。甘々ってやっぱいいですよねー。心理的にもねー(笑)ブログアクセスもいつの間にか 70000hit 越えましたし、(ゲッターさん [続きを読む]
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