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- 2008/09/18 00:00faith-2 #12
- ←前話へ 一度外れたタガは戻る術を持たない。 それまで懸命に堪えていた感情は、突出口を見付けたとばかりに涙となって流れ出た。頬を滑り落ちる滴は後から後から。絶え間なく溢れるそれを拭うこともせず、セージは正面からシヴァだけを見つめた。「俺……間違ってないって思ってるのに……シヴァと家族が出来て凄く嬉しいのに……後ろめたいって思っちゃう自分が凄く嫌だ」 恥じることなど何もないと知っているのに。取り繕う [続きを読む]
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- 2008/09/17 00:00faith-2 #11
- ←前話へ 答えの出ない迷路は人生そのもののよう───。 マージャから話を聞いたシヴァは己の迂闊さを呪っていた。 大切な人がいて、その人とと共に作る家族があって、それなのにそれが原因で大切な人を傷付けて、その事実にさえ疎い自分。セージが負った傷はマージャが見聞きした以上のものがあるだろうに、アンバーを迎え入れてから今まで一度も弱音を吐かなかった彼に自分は甘えていた。 本当は、辛かったかも知れないの [続きを読む]
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- 2008/09/16 00:00faith-2 #10
- ←前話へ マージャが水面下で動いている間も、セージとアンバーの距離は一向に縮まる気配を見せないでいた。 明らかに埋まらない溝。その大きさは当人だけではなく、周囲の人間も少しずつ疑問を持ち始めている。こんな時、セージは自分が一国の后であることを痛感せずにはいられなかった。 焦るほど離れ、離れるほど藻掻く悪循環の繰り返し。 それでもセージは息子達を散歩に誘ったり、宮廷の案内をかって出たりと出来るだ [続きを読む]
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- 2008/09/15 21:25message
- backweb拍手のお礼画面をオールリニューアルしました。お久しぶりの生徒会シリーズ第2弾です。その昔「message」としてアップしたセリフSSの再掲ですが、改めて見ると会長のアホさに腰が抜けそうです(;´Д`)バカな子ほど可愛いっていうけどそんな気がする……(いいの!?)下の黄色いヒヨコのアイコンを押すとお礼画面に飛びます。ランダムで5種類表示されますので、よければお付き合いくださいね♪ [続きを読む]
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- 2008/09/15 00:00faith-2 #09
- ←前話へ「シヴァ様とは古い付き合いなんだ───」 ひとしきり笑い合った後。 中庭の噴水に並んで腰掛けたアンバーは、傍らで懐かしく目を細める男の話に耳を傾けていた。「俺が隊商に入ったのが12の時だったからなぁ……。もう、14年か」「……意外とオッサンだね」「なんだとコラ」 思い掛けない切り返しにマージャが吹き出す。歯に衣着せぬ物言いといい、不遜な態度といい、本当に血が繋がってないのが不思議なほど王子は父 [続きを読む]
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- 2008/09/14 00:00faith-2 #08
- ←前話へ それは偶然か、それとも用意されていた必然か。 落ち着かない気分を紛らわそうと中庭に続く回廊を歩いていたアンバーは、そこで思い掛けない人物に出会すこととなった。夕方自分を興味津々の体で見ていた隊商である。見付からないうちに踵を返した方がいいだろうと回れ右をしたものの、剣の使い手は既に気配で何事かを察しているらしく、あっさり捕獲されるに至る。「これはこれは王子殿。月光浴にお散歩でも?」「 [続きを読む]
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- 2008/09/13 13:46message
- backお久しぶりです〜〜〜。出張から無事生還しました。先月末にようやく引っ越しが終わり、家中がカオスにも関わらず今度は丸1週間出張先で英語だけの生活を送っておりました……。ネイティブのテンションの高さに合わせるのは結構大変。その上舌に口内炎が出来たもんだから何喋っても痛い痛い。朝は8時から夜は22時までこんな調子で、我に返るのは更新を書く時間だけというある意味サバイバル生活でしたが今となってはい [続きを読む]
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- 2008/09/13 00:00faith-2 #07
- ←前話へ「あっはっは! さすがはシヴァ様だ」 タイル張りの床にマージャの声が響き渡る。息子達を引き合わせるや否や、隊商はここが謁見の間ということも忘れて吹き出した。「どんなの連れて来るかと思ったら、よりにもよってこんなデカイ双子とは!」 男同士の結婚というだけでもビッグニュースだっただろうに、更には子供達に会わせると言われ、連れてきたのが思春期の少年ともなれば驚きを越えて笑ってしまうのも頷ける ... [続きを読む]
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- 2008/09/12 00:00faith-2 #06
- ←前話へ 夕闇に浮かび上がる水路。 四方から中庭へと集まるそれを目で追いながら、同じ顔をしたふたりもまた難しい問題に直面していた。「おまえがあんなにムキになってるの、初めて見た……」 静かな声に逆に掻き乱されるようにアンバーはなお声を荒げる。「だって気持ち悪いだろ? 男同士なんだぜ!?」「どうして同性を好きになっちゃいけないの?」「人は子孫を残すために在る。非生産的な関係は神への冒涜だ」 およ [続きを読む]
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- 2008/09/11 00:00faith-2 #05
- ←前話へ 寝所に戻るまでの道すがら、ふたりは一言も言葉を交わさなかった。 見上げれば満点の星も、風が運ぶ花の香りも、深い痛みを癒してはくれない。力を込めたら折れてしまいそうで、彼の心まで潰してしまいそうで、シヴァは強く抱き締めることも出来ないままただ黙って先を歩いた。 この感情に名前を付けるとしたらきっと怒りなのだろう。ただしその矛先がアンバーに向くのか、はたまたこの選択をした自分なのか、今の [続きを読む]
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- 2008/09/10 00:00faith-2 #04
- ←前話へ 到着の声に胸を高鳴らせ、駆け付けたホール。そこにいたのは線の細い双子の男子だった。 黙っていても人目を引く存在感は歴史ある王家の血筋のゆえか。雰囲気はまったく違うが、シヴァと同じく国を統べる者特有の空気を纏っている。 幾分薄めの肌、真直ぐに伸びた黒髪。 兄と紹介された少年は肩で髪を切り揃え、おっとりした見目からも彼の穏やかな性格を窺わせる。一方、気が強そうな印象の弟は襟足を残した短髪 [続きを読む]
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- 2008/09/08 00:00faith-2 #03
- ←前話へ 翌朝。 マージャが驚きのあまり吹き出した酒を掃除するのがどれだけ大変だったか、ふたりを起こすなり老従者は久しぶりのお説教を並べ始めた。セージと出会う前には日常茶飯事だったそれも、国王となってからは懐かしささえ感じるらしくシヴァは嬉しそうに聞き流している。まるで逆効果である。「国王となられてから随分公務に励んでいただいている中、たまにハメを外したくなるお気持ちも充分承知してはおりますが [続きを読む]
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- 2008/09/07 00:00faith-2 #02
- ←前話へ 隊商達を迎えるための宴は日の入りと共に始まり、篝火が焚かれる中盛大に催された。 数人の男達はいずれもよく日に焼けた褐色の肌に黒い髭を蓄え、逞しい肉体が数々の修羅場を潜って来たことを物語る。並々と葡萄酒が注がれた金の杯を煽りながら豪快に笑う様は、これまで宮中を訪れたどの謁見者とも一線を画していた。 隙はないのに変に構えたところがない。恐らくそこがシヴァの気に入りなのだろう、先程から同じ ... [続きを読む]
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- 2008/09/06 00:00faith-2 #01
- 愛なきところに勇気なく 勇気なきところに信念なし 信念なきところに光なく 光なきところに未来なし この命ある限り君を守り この命ある限り君を愛す グラナダの丘に朝日が映える。 岩肌を染め上げるように色付く太陽は、まだ中天も遠いというのに既にうだるような暑さを地上に投げ掛けていた。 避暑地として名高いこの場所とて乾季の影響は例外ではない。乾いた熱風は水分を奪い、冷静ささえも取り上げてし ... [続きを読む]
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- 2008/09/05 00:00faith-2 あらすじ
- about story: 『faith』続編、3年後設定。 ラーマ王となったシヴァと、その后セージ。 ガネーシャの祖国より王族末裔の双子を養子に 迎えたことで、ふたりの日常は大きく変わった。 秘めた力を持つがゆえに人に心を開けないアニスと 同性愛に罪を感じるほどセージを許せないアンバー。 交錯する想いの果てに辿り着く場所は───。about main characters: ■白埜聖司(セージ) Sage Shirono ラーマの国の王妃 [続きを読む]
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- 2008/09/04 22:22message(アンケート結果)
- back先程投票を〆切らせていただきました。次回作品のアンケートを実施するのはこれが3回目ですが、今回はホントに票が入るのが早い&多いでびっくりしました。ご協力くださった方々どうもありがとうございました!!&これからもよろしくです♪結果は、『faith』続編がダントツ。それ以外の結果も見つつ、総合的に判断した結果、明日からの連載は 『faith-2』 にしたいと思います。投票結果と一緒にコメントへのお返事 [続きを読む]
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- 2008/09/04 00:00message(セリフSS:生徒会)
- back連載の谷間にこんにちは、れんです。引越し自体は無事終わりまして、只今山積する段ボールと格闘中。軽く現実逃避いっとくかってことでそれネタのセリフSSをお届けします。よろしければ「続きを読む」からお付き合いくださいませね(^-^) ... [続きを読む]
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- 2008/09/03 00:00faith あとがき
- ←前話へgreeting: こんにちは、れんです。 『faith』シリーズお付き合いいただきありがとうございました。 初めての異世界ファンタジーということで そこここに狼狽えた痕跡を残しつつの連載でしたが 皆さんに支えていただきなんとか完結に漕ぎ着けました。 開始当初「ドS」の名を欲しいままにしたシヴァも いつの間にか言葉攻め主流の男前に成長。 一方「動揺」を絵に描いたようだったセージは 次第に図太 [続きを読む]
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- 2008/09/02 00:00message(アンケート)
- backおかげさまで『faith』シリーズが無事完結しまし
たが、ホッと一息吐く間もなく、次回作のアンケー トです。以下の説明をお読みいただき、投票にご協 力くださいませ♪----------------------------------------------- ---------------------------■『faith』続編 シヴァとセー ジの新婚生活に加えて、お世継ぎ登場の予定。 滅 ぼされた国の末裔は見目麗しい双子の男子とかどう でしょう。 モチロン数年は蜜月を楽しんだ ... [続きを読む]
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- 2008/09/02 00:00faith #50(完結)
- ←前話へ シヴァの提案な斬新はセージの想像を遙か上回った。「ガネーシャの母国から養子を迎える」 それはつまり、弟の母親の国からということになる。 古くラーマに占領され、事実上王政は廃止されて久しいが、血族が耐えているわけではないことをシヴァは既に調べていた。ラーマの民との婚約を条件に王族の末裔を養子にし、両国の繋がりを強固にする策。ひいてはシヴァとガネーシャの関係修復をも願うものだった。 話 [続きを読む]
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- 2008/09/01 00:00faith #49
- ←前話へ 王となったシヴァは実によく国を治めた。 面倒ごとは嫌いだと一刀両断していた王子時代とは打って変わり、アルーダさえ舌を巻くほどの采配を振っている。男性を娶ったことは国民にどう映るかと心配したものの、シヴァの寛大なる統治の前にそれさえも杞憂に終わった。 交易を広げ、国を潤し、税を緩和し、貧しい者に土地を与える。 人が人らしく生きるために孤軍奮迅する王の前に跪かぬ者はない。誰もが口々にシヴ ... [続きを読む]
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- 2008/08/31 00:00faith #48
- ←前話へ 多くの国がそうであるように、国の慶事に恩赦は付き物。 ラーマでもそれは例外ではなく、国王の即位と結婚により特別の赦しを得た罪人の中にはかつてその地位を争った弟のガネーシャも含まれていた。 静かに己を見つめ直したその瞳は静けさに満ち、思慮深さを湛えている。オッドアイを隠す意味から伸ばしていた長い髪を切り落とし、王への忠誠としてそれを捧げた。 迷いを払拭したようにスッキリとした表情を見せ ... [続きを読む]
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- 2008/08/30 00:00faith #47
- ←前話へ「……よいのですね」 駆け込んで来たセージを前に、術士はすべてを悟った顔で指輪を受け取った。「初めに申し上げておきましょう。……一度消してしまった記憶は決して元には戻りませぬ。溶けてしまった氷のように、あなた様と関わったすべての者からその記憶が抹消される……つまり、存在自体がなくなるのです」 ゴクリ、喉が引き攣るように痛みを訴える。「あの……最後にもう一度、会えないかな……」「それはやめ... [続きを読む]
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- 2008/08/29 19:12message
- バタバタですみませんが、取り急ぎお知らせ!8/30-31 にかけて引越しします。(ブログじゃなくて、私自身が……^^;)今、文字通り山のような段ボールに囲まれて書いてます。で、お知らせしておかないといけないのはコメントレス。明日、明後日の更新は予約してるので大丈夫ですが、コメントへのお返事は、上記のバタバタにより最悪 9/1 までお待たせしてしまうかも知れません。ホントにごめんなさいです m(_ _)mそれで ... [続きを読む]
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- 2008/08/29 00:00faith #46
- ←前話へ しばらく万感の思いで見つめ合っていたふたりは、やがて口を開いたガネーシャの言葉によってゆっくりと現実に引き戻されていった。「あちらへは、もう戻られないのですか」 それはセージの生まれた国。白埜聖司として存在した場所。 口やかましい両親がいて、仲の良い友達がいて、これまでの自分自身を形作っていたすべて。いつかは決着を付けなければならないと分かっていた。分かっていたけれど、直視するのが恐 [続きを読む]
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