|
- 2008/02/25 20:07アーカイブスの本マニア・29
- ツッコミ小説、続きです。 湧いて出てくる怪物をテトに殴ってもらい、たまにニズとオルトに代わってもらったりしながら、ルルたちは北へと足を進めた。どのくらい歩いているのか分からないが、地形は草原からゴツゴツとした岩肌に変わりつつある。相当な距離を歩いているようにも感じ、それほど歩いていないような気もする。体に疲れがあまりないのだ。 無理は禁物と時折休憩を交えながら進み、幾度目かの休憩をしたときだった。... [続きを読む]
|
- 2008/02/24 10:44アーカイブスの本マニア・28
- 犯人発覚!!(注・これは普通のファンタジーです)続きをどうぞー。 それはもう、キッパリとした確信に満ちた声で探偵は断言した。どこでそう判断したのか、聞いてみたいルルである。自分たちは怪しすぎる。死体のある現場におり、内の一人は凶器を手にしていたところを目撃され、残りの三人は死体と同室にいるというのに、のん気に会話をしていた。 これを怪しまずに何を怪しめと言うのだろう。 しかし、同時に彼女は自分たち... [続きを読む]
|
- 2008/02/23 08:38アーカイブスの本マニア・27
- 推理合戦(あれ、ファンタジーじゃなかったの)続きです。「何を怯えているのですか、オルト。ただの推理ですよ?」「それが怖いって! 真顔で言ってるし!」 少年が叫んだとき、不意に押し殺した笑い声が起こった。「なかなか鋭い意見ですね、君たち。素人とは思えませんよ」 探偵らしき男が、強気な微笑を浮かべて話しかけてきた。こちらを観察するかのような視線だ。感じ取ってルルは苦笑した。 確かに怪しい四人組みだろう... [続きを読む]
|
- 2008/02/22 20:12アーカイブスの本マニア・26
- ここから第三章に入ります。謎の本の内容は一体?では、続きをどうぞー。 三章・貫きぬくのだどこまでも どこからか現れた女性の悲鳴に導かれるようにして、こちらもまたどこから湧いて出たのか、あまり特徴のない男性が四人と、ぱりっとした身なりのキザな印象の男と、いかにも頼りなさそうな少年が部屋の中に入ってきた。「引き分けかもね、テト」「かもな」 テトは来るのが官憲だと言った。ルルは探偵だと言った... [続きを読む]
|
- 2008/02/21 20:23アーカイブスの本マニア・25
- 死体発見!?事件です(え、なんで?)続きをどうぞ。「ねぇ、あれ、本物?」 テトの背に庇われながら、ルルは倒れている人影を指した。長いローブを着た人物は、ピクリともしていない。うつ伏せで倒れているので顔色も判断できないが、見える場所の肌の色から、生きている人間には見えなかった。「死んでるっぽいよね?」「そうだな。結構……時間経ってるようにも見えるけど」「死斑がでていますね。かなり時間が経っていますよ... [続きを読む]
|
|
|
- 2008/02/20 19:32アーカイブスの本マニア・24
- 役立たずパーティー、出発。続きです。 四人に増えた一行は、村の西にあると言う魔法使いの館へ足を進めた。途中、やはり怪物に襲われたが、テトの相手にもならない。おかげで武器に不慣れな魔術師二人が戦うこともなかった。草原を行くと、小さな林が見え、村長から聞いた話ではその中に魔術師の館があると言うことだった。特に迷うこともなんの障害もなく、館にたどりつく。 やたらと大きな館だ。一人で住むには大きすぎるが、... [続きを読む]
|
- 2008/02/19 19:51アーカイブスの本マニア・23
- 魔術が使えない世界で魔術師が二人も仲間になった!!(ぱららぱーん♪)……役にたたねぇえぇえぇえっ!!では、続きをどうぞ。「あの、どこかでお会いしたことがないでしょうか? ルルさんのお名前に聞き覚えがあるような気がするのですが」「え! な、ないと思うけどっ?」 焦りながらもルルはそう返した。彼女とニズに面識はない、はずだ。ニズは少し考え込んでいたが、思い当たらなかったのか、ルルに関する話はそこで終わ... [続きを読む]
|
- 2008/02/18 20:42アーカイブスの本マニア・22
- 勇者になって、それからそれから?続きです。 教えられた家は、見えていたくらい近かったのですぐついた。ドアをノックしようと手を上げたとき、ちょうどドアが開く。「あ」 中から出てきた人物を危うく叩くところだったので、ルルはあわてて手を引いた。「ご、ごめんなさい!」「いえ、大丈夫です……よ!?」 大丈夫と口にした人物は、ルルを見て驚いたようで、硬直している。魔術師風の青年だった。長い黒髪に黒い瞳の落ち着... [続きを読む]
|
- 2008/02/17 11:31アーカイブスの本マニア・21
- ファンタジーの基本にツッコミ!続きです。 そんな会話を小さく交わしていても、謁見の間の誰もが不審に思っている様子はない。王も平然と声をかけてきた。「よくぞ参った、勇者よ!」「お約束なセリフ出たぞ」「しぃ」「姫が悪しきドラゴンにさらわれて、はや一アーグ(=一週間)! わしと王妃は夜も眠れぬ毎日を過ごしておる。どうか、どうか姫を救い出してもらえぬか! 褒美ならば何でもやろう! 姫と結婚したいと言うのな... [続きを読む]
|
- 2008/02/16 20:51アーカイブスの本マニア・20
- さて、暗い雰囲気の城下町に何があったのでしょう?続きです。 これは何かあるに違いない。文字喰いに関係したことかもしれないので、ルルは露店店主のひとりに声をかけてみた。「すいません、あの、この町で何かあったんですか? みんな元気がないようなんですけど」「ああ、悪いドラゴンがこの国のお姫様をさらってしまったんだ。この国は今、悲しみの最中なのさ」 ルルたちの素性も聞かずに、聞かれたらこう答えると決められ... [続きを読む]
|
- 2008/02/14 20:25アーカイブスの本マニア・19
- なっがいオープニングが終わって、やっとこ本編?続きです。「……なぁ」 煙が引いていくのを眺めていると、テトが声をかけてきた。「これ、こういう内容の本だったりしてな」「え。あぁ、文字喰いって言う怪物を倒すお話ってこと?」「そうそう。だったらさ、ありがちだよな。幻想絵巻でも良くあるだろ、怪物退治の話って」「そうだね。本としては内容浅いね、確かに」 たくさんの本を読んでいるだけに、辛口批評である。読めば... [続きを読む]
|
- 2008/02/13 20:47アーカイブスの本マニア・18
- 本の精霊に頼まれごと。本マニア、断るわけがない(笑)続きです。 この七色の煙に包まれた空間のどこかに文字喰いがいるのだろうか。『はい。文字喰いを倒してください。ヤツはこの本のどこかに潜んでいます。何処にいるかまでは私には感知できません。近付けば喰われてしまうのです。ヤツにとって私は邪魔な存在であり、しかも食事と変わりないのです……』 文字喰いの居場所に関しては、精霊に頼れないらしい。説明を聞いてテ... [続きを読む]
|
- 2008/02/12 20:28アーカイブスの本マニア・17
- ありがちな感じで。続きです。 聞くなり、テトがルルに視線を向けた。受けたルルも同じ心境である。一部聞き取れなかった部分もあったが、そこは問題ではない。 重要なのは、今いる場所だ。光が発した言葉から、想像できた事柄。「「ひょっとしてここ、本の中!?」」 声を揃えて彼女と彼は光に身を乗り出した。『はい、そうです……』 微かに答える声をかき消す勢いで、ルルはテトと手を取り合った。今さっきまでしていた警戒... [続きを読む]
|
- 2008/02/11 13:34アーカイブスの本マニア・16
- ここから第二章です。続きをどうぞ。 第二章・誰もが想像するが実現はしないこと 思わず目をつぶったとき、手の中から本の感触が消えた。直後に、靴越しに伝わっていた床の固い感触も消える。 何が起こったのか。目を開けると、そこは七色の煙が漂う見たこともない空間だった。どう見ても魔術師ギルドの一室ではない。直前まで確かに魔道具で照らされた部屋の中にいたはずなのだ。 ルルはテトを見た。彼もち... [続きを読む]
|
- 2008/02/10 14:59アーカイブスの本マニア・15
- 本の保管場所はわかったけれど……?続きです。 作戦を考えなくてはいけなくなった。ドアに鍵がかかっている可能性もある。鍵を持っているのは当然偉い人だろうし、合鍵がそのあたりの部屋に転がっているとも思えない。 ここまでが順調すぎたのだ。ルルは寄りかかっている壁に手を添えた。この向こう側に本があると言うのに、中に入ることが難しい。壁をさすっているルルを見て、テトも案をひねり出す。「壁壊すか」「どうやって... [続きを読む]
|
- 2008/02/09 11:25アーカイブスの本マニア・14
- みっしょんいんぽっしぶる。続きです。『ココは立ち入り禁止デス』『タダチに退去して下サイ』 近寄るなり、二体のゴーレムは言葉を発した。ルルは思わず目を見張る。このゴーレムはかなりの実力を持った人物が作り出したものだろうと分かったからだ。彼女の知識の中でも、喋ることができるゴーレムというのはマレだ。実力のない人物が作ると、言語能力まで魔力が及ばないことが多い。よって、出来上がるのは、命令を聞きその通り... [続きを読む]
|
- 2008/02/08 20:18アーカイブスの本マニア・13
- 潜入スタート!(おおげさパート2)続きをどうぞー。 ……などと、大仰に表現したものだったが実際に入り込むのは簡単だった。「『古書の家』から買い取りに来ました。あ、こっちの彼は手伝いです。本が多いとのことですので」 ルルが門番に説明しただけで通してくれたのである。彼女は出張買い取りにも来たことがあり、門番も知り合いだったのだ。 それに、魔術師という職についている人間は、宵っ張りまで研究に没頭している... [続きを読む]
|
- 2008/02/07 20:27アーカイブスの本マニア・12
- 本奪還作戦開始(おおげさ)続きです。「ギルドに真っ正直に訴える方法は駄目か……じゃあ、どうすればいい?」「封印させないためには本が安全だと認めさせないといけないよね」「でも本が手元にないと駄目だろ? 手元に持ってくるにはギルドから持ち出さないとならない……ギルドから持ち出すには向こうが納得しないといけない。でもむこうは本が危険だと思ってる。本を安全だと認めさせるには……って堂々巡りじゃないか」「そ... [続きを読む]
|
- 2008/02/06 20:05アーカイブスの本マニア・11
- 魂を売った(意味違う)テト。対するルルは?続きです。「――で?」 ルルは自分が微笑んでいると自覚している。多分、目は笑っていないだろうことも。「そのお金をもらってきた、と?」 微笑をそのままにテトのフトコロを指す。お財布の入っているであろう、ぽっこりと膨らんでいるその場所を。 いわくつきかもしれない本だ。魔術具と変わらないくらいの価値をギルドはつけたのだろう。となると、金額は相当な額になる。テトな... [続きを読む]
|
- 2008/02/05 20:09アーカイブスの本マニア・10
- 本の行方は?膨らんだテトのフトコロは!?(注目はそこなのか)続きです。 出迎えた人物はエルフ族で、しかもギルドのトップに近い導師だった。彼は名をアルジャード・ゲオと名乗り、テトの申し出は受け入れられないと苦い表情で答えたのだ。 あの本はテトが発見し、所有権はテトにある。自分の所有している品を返してくれないのはおかしい、どういう理由で返してもらえないのか説明してくれと訴えると、アルジャードは苦い表情... [続きを読む]
|
- 2008/02/04 20:29アーカイブスの本マニア・9
- 呪いの本なんてあるのか?続きです。 本が呪われているのならば、持って帰ってきたテトたちが真っ先に餌食になっているのではないだろうか。ルルはそう考えた。しかし、テトもほかの冒険者たちもピンピンしていることを知っている。テト以外の冒険者たちは気味悪がって隣町へと移っていったが、行きつけの古本屋があるテトはこの街を動く気など毛頭ないらしい。おそらくはルルの存在も理由の一つだろう。同じくらいの本好き、本マ... [続きを読む]
|
- 2008/02/03 10:36アーカイブスの本マニア・8
- エロコメが多いので削除しまくってます……(´ヘ`;) では、続きをどうぞ。 事件はその二ミール後(二日後)に起こった。 テトが翻訳を頼んでいたギルドの魔術師が行方不明になったのだ。 しかも、その魔術師が使っていた部屋が凍りついていたとのこと。そして、部屋の中のありとあらゆる物が凍っていたにもかかわらず、例の本だけが凍り付いていなかったと言う。 これは本に何かあるのではないか。大体、古い遺跡の中にあ... [続きを読む]
|
- 2008/02/02 10:08アーカイブスの本マニア・7
- 魔術師のおうち。きっと何でも読む本マニアにはよだれの出そうなおうち。ってなところで続きをどうぞー。「……魔術師の、家?」 ボソリと呟く。テトが頷いた。「そう。魔術師の家。魔術師の家だぞ? 分かるよな」 魔術師。知識を溜め込む人種が多い。それは現代に限らず、古刻時代でも同様だ。そして、知識を溜め込むと言うことは、まずいろんな書物を読む、ということで。「どのくらい!?」 思わず目の色を変えて叫ぶ。主語... [続きを読む]
|
- 2008/02/01 20:28アーカイブスの本マニア・6
- マニアな話、どんどん続く。では、続きをどうぞー。 本を見つめるルルの目は怖いくらいに真剣だ。シミ一つ見逃さないと気迫で語っている。 ページをめくり、汚れ、シミ、破れ、欠落、切り取り、落書きなどをチェックしていく。読み込んで手垢がついている箇所はエプロンのポケットから紙やすりを取り出して少しこすって綺麗にする。持ち主の保存方法によってはいたずら書きだけでなく線引きもしてあったりするので油断はできない... [続きを読む]
|
- 2008/01/31 20:31アーカイブスの本マニア・5
- 2400ヒットありがとうございますー。自分で踏んだんじゃなくて良かった(笑)では、続きをどうぞー。「ルル」 さっきまで本棚の前で難しい顔をしていたテトが本を差し出してきた。けっこう分厚い本で、タイトルは『エンケドラスとエルビナの姫』と書かれている。店に並べる前に目を通していたルルは、幻想小説の一種だと知っていた。「あ、買うの? 大丈夫? 買えるの?」 本を抱えたまま本棚の前で唸っているテトを見てい... [続きを読む]
|