久史都子 さん

久史都子さん: 夜に紅い血の痕を
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参加トラコミュ

吸血鬼
吸血鬼

プロフィール

ハンドル名久史都子 さん
ブログタイトル夜に紅い血の痕を
サイト紹介文吸血鬼主人公のオリジナル小説
ヴァンパイアによる支配が崩壊して40年後、最後の1人が見た過渡期の世界
自由文全17章。旅は終わり、ひとまず完結しました。
参加カテゴリー
更新頻度(2年)情報提供241回 / 411日(平均4.1回/週) - 参加 2007/08/27 16:09

久史都子 さんのブログ記事

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  • 2008/08/09 01:24『ブラックロッド』古橋秀之 アイシングなき三ツ星ケーキ
  • よしなごとパート12で〜す。って事は、十六章の進行状況ってボロボロ? ヤマを一つ越えたあと、クライマックスに向けて助走を始めるはずが……章のタイトルからして迷走状態です。北京の開会式や『恋空』を見てる場合じゃナイんですが。 『恋空』といえば……『あんどーなつ』のうなぎ職人のジャン(鈴木裕樹=ゲキ... [続きを読む]
  • 2008/08/07 01:3813.武勇歌
  • 「こんな感じでしょうか」  歌い終えた見習い聖女の頬は赤らみ、こげ茶の目はうるんでいる。カン違いしないようにモリスは気を引き締めた。この娘が心動かされているのはオレじゃない。歌に興奮してるだけだ。 「聖堂に響く荘厳な和音になりたいと願ってきたけど……こういう歌もあるんですね。単純なのに力が湧... [続きを読む]
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  • 和音
  • 2008/08/05 22:2812.過去と未来
  •  陽を吸い込んだ半乾きの積み草は柔らかいが不安定だ。パーシーは落ち着かない気分のまま、ティアの話を聞いていた。「子供の頃、親父を喜ばせたくて、上がるなって言われてた2階に行こうとして、ブン殴られた。お手伝いしようとしただけなのに。手加減まったくナシ。ホウキ持ったまま階段を転がり落ちた」... [続きを読む]
  • 2008/08/03 23:3211.再訪
  • 「やっぱり、消えてないねぇ」 アースラは窓辺でため息をついた。まだ若かった頃、夫がシルウィアで買い求めた高価なガラスの手鏡を、のぞき込む。 しのび寄る老いが刻みつけた細い横ジワも哀しいが、頚動脈にそって並んだ2つの赤い痕に気がふさぐ。 教会の地下にいたみんなは滅び、夜明けには灰す... [続きを読む]
  • 2008/08/01 23:0110.夜明けの闇
  • 「明けない、夜はない」 パーシーは黒茶をすすりながら、次第に収まっていく遠い火事の光を見つめた。夜、1人きりの館は広すぎて寂しい。物事を悪い方へと考えてしまう。 炎は何者かがドライアドと事を構えた証。テオを探しにいった者達だろうか。木に取り込まれそうになった若者を奪還するために火を用いた... [続きを読む]
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  • 黒茶
  • 2008/07/30 00:139.総力戦
  •  このままでは……私は滅ぶ。 だが、バックスが背負う数万の命に比べれば、私が支えているのはドルクのみ。弱く小さな者が、強く大きな者の為に犠牲となる。それが世界の決め事なら、結果を静かに受け入れるべきなのだろう。 とおに視界は闇に閉ざされ、痛みもほとんど感じない。殴り刺し続けているバッ... [続きを読む]
  • 2008/07/28 20:308.破邪呪
  •  アレフは8羽の見えざる使い魔への指示を変えた。不完全な実体から虚に状態を移し、壁を透過させて広間の下、一階の階段ホールに集める。夜目の効かない2人につけていた使い魔も引き剥がし、床を抜けさせた。(何すンのよ) 突然、視界を裸眼に限定されたティアが、尖った心話を送ってくる。手足を押さえ込... [続きを読む]
  • 2008/07/26 04:517.赤き偽王
  •  歪んだ赤い唇を包む豊かな白ヒゲと、削いだような頬。森を焼く炎の色に縁取られた偽王。傷だらけの紅玉と金で出来た冠が押しつぶす白髪は薄くまばら。真紅の長衣には金糸の縫い取り……不出来だが竜の刺繍らしい。 バックスは本当に高位の聖職者だったのだろうか。派手で悪趣味な装いからは、元の姿を想像できな... [続きを読む]
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  • 刺繍
  • 2008/07/24 01:076.人身御供
  • 「すまんな、乾燥倉なんぞで夜をすごさせて」 太い樫のかんぬきを下ろし、魔よけを施しながらパーシーは小声で謝った。「皆で決めたオキテじゃないか。仕方ないさ」 扉の向こうで笑うアースラ・タックは快活だ。 湿気を入れぬ厚い壁。一晩中たかれる火。たとえ心を操られても、内側からは扉を開けら... [続きを読む]
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  • 湿気
  • 2008/07/22 01:505.選択
  •  傷ついたテオを癒していたアレフは、意識に上ってきた真逆の光景にしりぞいた。欲望のままに眼前の若者を捕らえ、喉を食い裂き血をむさぼる浅ましい悪鬼。これは、私の思考ではない。冷やかな視線を向けているティアのものか。 急いでテオとの意識の重なりを再確認する。視界の他は、心話に付随する意識的な思念... [続きを読む]
  • 2008/07/20 02:314.怪力と鈍感
  •  髪飾りのように張り付いている、見えない使い魔にティアはそっと触れた。本物のコウモリと違って視覚も鋭いこいつが私の目の代わり。テオのカブトにも張り付いてるけど、気付いてないだろうな。屋内でどう戦えばいいか考えてもいないウッカリさんだから。 あたし達が腹ごしらえしている間に、アレフが飛ばした使... [続きを読む]
  • 2008/07/18 02:563.緒戦と誤算
  •  テオは腰のベルトを締め直した。鎖帷子《くさりかたびら》は肩がこる。けど両手で剣をふるうオレにとってはコレが盾の代わりだ。弁当食うあいだは外していた手甲と足甲をつけ、鉄兜をかぶる。最後に剣をかたげて振り返った。「パーシーさんも言ってたよ。前の時は出会うヴァンパイアを片端から滅ぼしてたから負け... [続きを読む]
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  • 弁当
  • 2008/07/16 01:002.形代《かたしろ》
  • 「さっきさあ、森に立ってたハズなのに、体が浮いたと思ったらココに来ちゃってたよね」 手についたパン粉とシチューをなめとっているティアが、次に放つだろう言葉は予想がつく。アレフは先回りして結論を告げた。「不可能だ」「仕組み、わかんないんだ」「あれは実際に見知っている場所か、血の……... [続きを読む]
  • 2008/07/14 00:021.ウッドランド城
  •  この地から憂いをぬぐえだと? 作られた眷族の分際で不死者を穢《けが》れあつかいか。 尖った黒屋根をいただく円柱の高楼をアレフは見上げた。無数の気配を宿しながら小さな窓には灯ひとつない。丸みを帯びた大小の石が隙間なく積み上がった様はバフルの石組みに似ている。だが、雨が多いのか単に古いのか... [続きを読む]
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  • 屋根
  • 2008/07/12 00:411万ヒット、御礼
  • よしなごとパート11だよ〜。……ってコトはまたか。十五章の進行状況って、どんなもん?恐ろしいことに、ほとんど全く。形になっているのは最後の2〜3話分だけで、書き出しも山場もさっぱり。ヤバイじゃん。メインとなる建物の見取り図を、今頃描いてますからね。もう、ヤバイどころの騒ぎじゃありません。... [続きを読む]
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  • 建物
  • 2008/07/10 04:3611.健児
  •  聞き覚えがない男の声。でも、人間の声だ。助かった。テオは振り返った。そして、ホタルにしては明るい光の粒を掲げてる、金色の髪の女の子と目が合った。 小さな顔は日に焼けてる。化粧っ気はない。着てるドレスは地味で厚くて長い。色気はないけど、生身の女の子だ。 白すぎる肌を薄絹の下にチラつか... [続きを読む]
  • 2008/07/08 01:5010.巨木の苑《その》
  • 「遅いお目覚めで」 低いドルクの声には、いら立ちが混ざっていた。ティアはスタッフ片手に扉の前に立ち、居間の騒ぎに耳を澄ませている。夕日がもれるよろい戸から逃げねばならぬ事態かと、アレフは寝台から素早くおりた。 汗臭さと金属臭さ。武装した大勢の人の気配。限界まで張りつめた幾つもの心。今朝お... [続きを読む]
  • 2008/07/06 04:079.後悔
  •  煙花が見せる鮮やかな夢。地面に流れだす血の臭気と熱さ。ティアに殴打されたルスランの頭から流れ出す赤黒い……いや、違う。刺されたのは娘を守っていた父親と母親。ミルペンの指物師の作業場を染める、後悔の色。 これはダイアナの苦い敗北の記憶。犠牲者をオトリにして吸血鬼を誘い出し、倒そうとして失敗し... [続きを読む]
  • 2008/07/04 01:248.差し金
  •  樹脂をぬってツヤツヤに磨き上げた木のカップが3つ並ぶ。注がれた黒いお茶が白い湯気を立てる。「疲れが取れますよ」 お菓子のお皿を置いたあと、頬骨の目立つ指の長いおばさんは笑顔を残して奥の部屋に消えた。敷布を伸ばす甲高い音がかすかに聞こえる。 シブさも甘みも、サウスカナディ城で飲んだお... [続きを読む]
  • 2008/07/02 01:137.村長《むらおさ》
  •  後ろの若い魔法士が気になって、パーシーはいく度か振り返った。占いや治療のワザをタネに、手妻で人を引きつけ口先で揺さぶり日銭を稼ぐ漂泊の民……にしては卑しさがない。むしろおっとりした学者や司祭のようだ。「何やら手帳に書き付けてブツブツ言ってるが……あんなので魔法士が務まるのかね」 村人の... [続きを読む]
  • 2008/06/30 01:186.転移
  •  アレフは治癒呪をかけながら口づけを終えた。アースラ・タックの首筋に小さく残った紅い二つの印。呪縛が伴わないなら数日で消える。「あなたの勝ちだ」 ささやき、ふさいだ口の位置から見当をつけ、頭の奥の血流を止める。 吸血による穏やかな虚血に比べれば、はるかに乱暴な方法。頭を殴るのにも等し... [続きを読む]
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  • 治癒
  • 2008/06/28 00:185.シリル
  •  水をふくんだ綿が頭にのっているような不快感。ハラワタをよじる吐き気や、手足の鈍いしびれ。シリルの門を潜るときに感じた結界の重圧の向こうに、人々の疲れた顔があった。 木の壁や板ぶきの屋根が、果樹や茶樹の間にみえる。泥と石と漆喰《しっくい》が普通だった故郷の常識からすると贅沢な造りだ。干した牛... [続きを読む]
  • 2008/06/26 01:144.命の黒茶
  •  爪を黒ずませて摘んだ若葉は、すぐ蒸して日陰で乾かす。飲む前に石臼にかけ、なめらかな粉末にする。水を少しずつ加えながら混ぜ続け、ユリやカタクリの球根をすり下ろしてしぼり入れる。「貴重な塩をひとつまみ。火は熾《お》き火でトロトロと。泡が出たら火を引き余熱で仕上げる」 威厳と願掛けのために伸... [続きを読む]
  • 2008/06/24 01:403.長弓《ながゆみ》
  •  長い夕暮れの影をぬい、前をゆく小ぶりな箱馬車をドルクは見やった。今、ムチを手に馬を御しているのはティアさんだ。アレフ様は淡い木もれ日を避け車中で休んでおられる。出立時に渡された皮袋の重みを不思議そうに確かめながら。 振り向けば、荷車に積みあげた干し魚の樽や麻袋ごしに、夕日を浴びたラウルスの... [続きを読む]
  • 2008/06/22 00:412.翠緑の子
  •  星が残る空に向かって立ち並ぶ、人の背の5倍はある樹皮がついた丸太。不死者の跳躍力でも超えがたいラウルスの防壁は、シルウィア港より強固に見えた。 門を守る櫓《やぐら》も港より高い。弓を携《たずさ》えた男たちが見下ろしている。いく種かの木の実油を混ぜた臭い。火炎呪の触媒《しょくばい》か。鉄で補... [続きを読む]
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