森ヰ音 さん

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恋愛、恋、愛、ラブショートショート自作小説!!
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ロマンスオリジナル小説発表長編小説、ノベルシリーズ
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*** 物語 ****自作オリジナル小説掲載ミステリ・サスペンス・推理小説全般
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短編小説
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プロフィール

ハンドル名森ヰ音 さん
ブログタイトル昼ドラ文庫
サイト紹介文甘く切なく過激なロマンス小説を貴方にお届けします。
参加カテゴリー
更新頻度情報提供65回 / 299日(平均1.5回/週) - 参加 2007/09/17 13:43

森ヰ音 さんのブログ記事

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  • 2007/12/16 15:28【あいたくて、あいたくて】 最終回
  •  ジェットはゆっくりと、女の背中に歩み寄った。 「花火ってさ、悲しみとか不安とか怒りとか、俺たちに代わって空に打ち上げて吹き飛ばしてくれてるのかもな」 自然に言葉が出た。 またひとつ、大輪の花が空に爆ぜる。 女が振り向き、自分の顔を見上げているのがわかった。 息を呑む気配が、伝わってくる。 光の筋を引きながら落下する夜の花から目を反らして、ジェットもまた女を見る。 ――ああ、そうだ。... [続きを読む]
  • 2007/12/13 20:44【あいたくて、あいたくて】 (42)
  •  第4章 照りつける太陽を仰いで、目を細めた。  午後の日差しがじりじりと肌を焼くなか、ジェットはトラックの荷台からダンボール箱を引っ張り出して、伝票に書かれた住所を確認する。 ダンボール箱を右肩に担ぎ、古びたマンションのエントランスを入る。エレベーターは使わずに、外階段でいっきに五階まで駆け上がった。 「宅配便です」 大きな声で扉に叫びながら、額から流れ落ちる汗を左手で拭った。 「... [続きを読む]
  • 2007/12/11 01:49【あいたくて、あいたくて】 (41)
  •  7 オーブンから出した食パンに、マーガリを塗る。その上にキャベツの千切りと目玉焼きをのせて、ウスターソースをたっぷりとかける。香ばしい匂いに食欲を刺激されて、一気にパンをほおばった。 とたんに喉につかえて、オレンジシュースで流し込む。 「華菜子ったら……。そんなに慌てて食べなくてもいいじゃない」 目の前に座る母親が苦笑する。 「だってお腹すいてるんだもん」 華菜子は構わず、パンにか... [続きを読む]
  • 2007/12/07 18:29【あいたくて、あいたくて】 (40)
  •  第一旅客ターミナルの出発ロビーに立って、あたりを見渡した。 ビジネスマンや旅行客、それを見送る人々でロビーはごった返している。 秀一はフライトインフォメーションボードを見上げた。午後7時20分発の日本航空とUSエアウエイズの最終搭乗案内が表示されている。 華菜子は、どちらかの飛行機に乗るのだろうか……。 秀一はロビーを走りながら、客の顔ひとりひとりに視線を走らせる。しかしいくら探して... [続きを読む]
  • 2007/12/05 13:24【あいたくて、あいたくて】 (39)
  •  6 「ここで待っていてくれ! 五分たっても戻らなかったら、警察を呼んでくれ」 ぎょっと驚いた顔で振り返る運転手を残して、秀一はタクシーから飛び降りた。 地下へと続くビルの階段をいっきに駆け下りる。 記憶の底に沈んでいた光景が、蘇る。 二十二才の自分。毎晩この階段を降りていき、『ローザ』の文字が刻まれたプレートを見ながら扉を開けた。しかし今、目の前に当時のプレートはなく、樫の木の扉は... [続きを読む]
  • 2007/12/03 12:12【あいたくて、あいたくて】 (38)
  •  「華菜子!」 電話の向こうから、父親のかすれた叫び声が聞こえる。父親もまた、泣いていた。 「諦めるな! 絶対に助けるから! お父さんのこと、信じてくれ」 その声に、華菜子は何度もうなずく。 「だから華菜子、もう一度よく見てくれ。手がかりになるようなものが、どこかにあるはずだから」 「――うん」 深く息を吸いこんで、華菜子は立ち上がった。 とたんに、目眩が襲う。崩れるように、長いテー... [続きを読む]
  • 2007/12/01 13:38【あいたくて、あいたくて】 (37)
  •  華菜子は目を見開き、息を止める。 男が華菜子の口に貼られた粘着テープを、引き剥がした。 華菜子の口から、かすれた悲鳴が漏れる。 「騒ぐな!」 鋭い声を発して、男が手を振り上げた。 華菜子は身をすくめて、上目遣いに男をにらんだ。 天上にぶら下がった白熱灯の弱々しい光が、口元を歪ませるようにして笑う男の顔を、不気味に際立たせていた。 「騒いでも、どうせ誰にも聞こえやしないがな」 華菜子... [続きを読む]
  • 2007/11/29 13:18【あいたくて、あいたくて】 (36)
  •  恐る恐る玄関ドアを開けると、制服姿の少女が立っていた。あどけない表情はまだ中学生のようではあるが、制服の胸の部分に縫いつけられた校章には見覚えがあった。大輝が受験しようとしている私立高校のものだ。 少女は比呂美の顔を見ると、ちょこんとお辞儀した。 「こんばんは。わたし、渡辺といいます。渡辺聡子です」 かすかに聞き覚えのある名前だった。 「ええっと、どちらの渡辺さんでしたっけ」 「以... [続きを読む]
  • 2007/11/28 01:47【あいたくて、あいたくて】 35
  •  渋谷の雑踏の中に、華菜子は立っていた。 虚ろな顔で、周囲を見まわす。 誰も自分を気にする者はいない。 胸の中にひりひりと、焼けるような痛みが走る。 目を閉じて、深呼吸した。空気を吸い込むたびに痛みは広がり、息を吐き出すのと一緒に、体が震えて熱いものが込みあげた。 閉じた目を開けて、滲む景色の中を走り出す。 ――デジャビュ。 ふとそんな言葉が頭に浮かんだ。 ディズニーランドで迷子にな... [続きを読む]
  • 2007/11/24 22:56【あいたくて、あいたくて】 (34)
  •  コンビニの裏口から大通りに出たところで、華菜子は足を止めた。 中年の男がひとり、コンビニの横に立って店内を覗いている。それは、父親の姿だった。よれよれの紺のスラックスに、皺の寄ったチェックのワイシャツを来た父親の横顔は疲れきり、いつもより老けて見える。 視線を感じたのか、父親が振り向いた。目に華菜子をとらえて、照れくさそうに笑った。 「華菜子」 「どうしてここにいるの?」 戸惑いを... [続きを読む]
  • 2007/11/23 14:44【あいたくて、あいたくて】 (33)
  •  3 『ピーッという発信音の後にメッセージを入れてください』 留守番電話サービスのアナウンスを聞きながら、華菜子は小さな吐息を漏らした。 ピーッと発信音が鳴る。 「えっと、華菜子です。昨日も電話したんだけど、メッセージ聞いてくれた? 今日どうしても会いたいんで、電話ください。待ってます。それじゃ」 一気に話して電話を切る。その直後、後ろから怒鳴り声がした。 「オイ、高橋! 仕事中にケ... [続きを読む]
  • 2007/11/22 13:49【あいたくて、あいたくて】 (32)
  •  2 ベッドの上に寝転がっていた高橋秀一の耳に、ノックの音が聞こえた。 億劫そうにベッドから身を起こして、サイドテーブルの時計を見る。 午後四時四十分。 軽く咳払いしてから、扉の前まで足を進ませる。 「はい?」 「課長、わたしです。藤原です」 くぐもった女の声が、扉の向こうから聞こえた。扉を開けると、白いブラウスにタイトスカート姿の沙織が立っていた。両手には膨らんだ買い物袋を提げてい... [続きを読む]
  • 2007/11/19 18:58【あいたくて、あいたくて】 (31)
  •  第3章  1 テレビのなか、マイクを握りしめた女性リポーターが渋谷の街を歩いていた。 彼女はまっすぐとカメラを見つめながら、硬い表情で口を開く。 「十六才の少女が行方不明になって今日で三週間。警察の捜索にも関わらず、依然として少女の行方はわかっておりません。半年前に世田谷区で発生した少女連続殺人事件との関係が指摘される中、少女が最後に目撃されたここ渋谷でも、警察による聞き込みが続け... [続きを読む]
  • 2007/11/16 12:17【あいたくて、あいたくて】 (30)
  •  タクシーで病院に着いたのは、午後五時だった。 一階ロビーを入ったところに、令子は立っていた。顔はやや蒼ざめているが、落ち着いた表情でジェットを迎えた。 「会長は? 大丈夫なの?」 慌てて訊ねるジェットに、令子は一言「大丈夫よ」とこたえて、小さく微笑んだ。 「今は症状が落ち着いているみたい。ごめんなさい、驚かせちゃって。わたしも連絡受けたばかりで混乱していたから……」 「どこが悪かっ... [続きを読む]
  • 2007/11/14 13:31【あいたくて、あいたくて】 (29)
  •  「ジェット!」 マスターが驚きに目を見開いて、大袈裟な声をあげた。「なんだよ。もう二度とこの店に来ることはないなんて言っておきながらよお」 愛想笑いを返しながら、ジェットはカウンター席についた。客はОLが三人ほどだった。 「なんか、雰囲気変わったな」 ジェットをまじまじと見ながら、マスターが言う。 「そうですか?」 「ああ。なんか大人っぽいって言うか。髪が伸びたからそう感じるのか... [続きを読む]
  • 2007/11/12 12:16【あいたくて、あいたくて】 (28)
  •  ◆ 「ねえ、ジェット。招待状はこんなもんでいいかな」 令子が差し出す葉書に目を通して、ジェットは大きくうなずき、微笑んだ。 「それにしても、一体何人に出すつもりだよ」 「一生に一度のことだもの。出来る限りたくさんの人に晴れ姿を見てもらわなくちゃ」 部屋にかかったウエディングドレスの前で、令子が満面の笑みを浮かべた。パリで活躍する日本人デザイナーにデザインしてもらったウエディングドレスだ。 結婚... [続きを読む]
  • 2007/11/10 18:12【あいたくて、あいたくて】 (27)
  •  落ち着かない気持ちのまま夜のバイトを終えたジェットは、渋谷の交差点前に立っていた。 携帯電話を持つ手が震える。 深い呼吸を繰り返しながら、呼び出し音に耳を傾けた。 「はい」令子の声が、電話口から聞こえた。 「あ、俺だけど。今いい?」 「うん。どうしたの? なんか元気がないみたい」 いつもと変わらない明るい声。しかし心は、深く傷ついているはずだった。傷つけたのは、自分だ。そして今、自分はさらに令... [続きを読む]
  • 2007/11/09 14:07【あいたくて、あいたくて】 (26)
  •  「なんで……、令子のこと知ってんだよ」 「今日、ここに来た」ミキがつぶやく。「合鍵持ってるんだね。突然女の人が入ってきたから、ビックリした。でも彼女はもっとビックリしたと思う。なのに、全然落ち着いてた。あたしに、何も訊かなかったんだよ。『ここに来たこと、あの人には言わないでね』って、悲しそうに笑って出て行った……。大人だね、令子さんって。あんなにイイ女がいるのに、あたしみたいなの好きになって恥... [続きを読む]
  • 2007/11/08 14:17【あいたくて、あいたくて】 (25)
  •  夜のバイトを終えてショットバーの地下階段を上っている途中で、携帯電話が鳴った。 ディスプレイには、令子のケータイ番号が表示されていた。 ジェットはほんの一瞬躊躇した後、ケータイを耳に当てた。 「もしもし」 「ジェット?」 令子の弾むような声が聞こえる。 「俺のことまだジェットって呼んでくれるのは、令子だけだよ」 「あたしにとってあなたは、いつまでもジェットのままだよ」 令子の朗らかな笑い声に、... [続きを読む]
  • 2007/11/07 13:47【あいたくて、あいたくて】 (24)
  •  中野のアパートにミキを引き取ってから、二週間が経った。 ジェットは夜のアルバイト以外にも、昼のアルバイトも始めることになった。ミキの治療費をマスターに立て替えてもらっていたので、その借金を返すためには夜の仕事だけでは足りなかったからだ。 昼は工事現場での資材運び。夜は渋谷のショットバーでバーテン見習い。ジェットはふたつのアルバイトを掛け持ちしながら、ミキの看護をすることとなった。 ミキはアパー... [続きを読む]
  • 2007/11/06 13:15【あいたくて、あいたくて】 (23)
  •  「かなり危なかったね」 診察室から出てきた初老の男性医師が、しかめ面を崩さずに告げた。 「おそらく妊娠八週目。経口中絶薬の副作用だ」 「中絶薬?」唖然と、医師の顔を見つめる。 「妊婦の黄体ホルモンを抑制する働きのある薬のことだよ。日本では未承認なんだが、インターネットの個人輸入なんかで結構出回っているらしい。飲むだけで中絶できるってことで、若者の間で流行っているんだが……。最近じゃあ中国あたり... [続きを読む]
  • 2007/11/05 13:20【あいたくて、あいたくて】 (22)
  •  職探しが始まった。 昼は就職情報誌を片手に会社をまわり、夜はアルバイトをして生活費を稼いだ。アルバイト先は、渋谷のショットバーだ。ノボルの紹介だった。バーテン見習いなどやったことのないジェットだったが、なによりも時給が魅力的だった。接客も最初こそぶっきらぼうだったが、逆にその無骨さがクールだと女性客に受けたりもして、マスターに気に入られた。 一週間もすると見よう見まねで簡単なカクテルも作れるよ... [続きを読む]
  • 2007/11/03 11:20【あいたくて、あいたくて】 (21)
  •  ノボルは素早く、ミキと呼ばれた少女の腕をつかんだ。「離せよ!」と抵抗する少女の鞄に手を突っ込み、一冊の預金通帳を取り出して開く。 「おふくろさんから金をとったのは、こいつらじゃありません。百五十万の入金はないっすよ。――でもついさっき、金を引き出してきたみたいすね。三十万の振込みがあります」 「ノボル、てめえ! なに裏切ってんだよ!」 胸倉をつかまれたままのタツヤが吠えた。 ジェットはタツヤを... [続きを読む]
  • 2007/11/02 13:42【あいたくて、あいたくて】 (20)
  •  「ちょっと待ってくれよ。どうしたんだよ」 すがりつく母親を引き離して、ジェットは訊く。 「交通事故に遭ったんでしょう? 怪我はないのね?」 「――どういうことだよ」 ジェットの顔から、血の気が引いた。 「この前、警察から電話があったのよ。あなたが交通事故を起こして、妊娠した女性が巻き込まれて流産したって。それで、示談にしたいからお金を振り込んで欲しいって――」 「いくら振り込んだんだよ!」 ジ... [続きを読む]
  • 2007/11/01 13:32【あいたくて、あいたくて】 (19)
  •  ◆ JR東中野駅から北に十五分ほど歩いたところに、そのボクシングジムはある。 『小林ボクシングジム』 古い雑居ビルに挟まれて建つ小さなプレハブ小屋に、その文字がペンキで殴り書きされている。 夕陽に包まれたジムから漏れ聞えてくるのは、威勢のいいスパーリングの音と男たちの歓声。突き刺すような熱気が、建物全体を揺らしていた。 西日の差したリングに立ち、スパーリング相手をまっすぐ見つめる男がいる。 脂... [続きを読む]
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