さとみ さん

さとみさん: 桜咲く頃
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プロフィール

ハンドル名さとみ さん
ブログタイトル桜咲く頃
サイト紹介文「嫁UG」第2弾 美しき桜子の華麗で悲しき生涯。あたなもご一緒に辿ってみませんか?
自由文今度は事実を元に、大正・昭和を生きた祖母、桜子の生涯を昼ドラ風小説もどきで読みやすく書いてみました。
お昼のドラマにはまっているそこの奥様。
ぜひ一度、ご覧になってくださいませ。
参加カテゴリー
更新頻度情報提供128回 / 187日(平均4.8回/週) - 参加 2007/11/21 19:51

さとみ さんのブログ記事

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  • 2008/05/14 12:28167.人の心を持たざる者(7)
  • それはあっという間の出来事だった。本当にあっという間に大半の村人が田辺の小銃によって絶命してしまっていた。それでもかろうじて田辺の凶弾から逃れ生き残った村人たちが数人だけ存在した。いや。命が助かったというだけで皆そこかしらから血を流して傷みに呻いていた。そんな彼らに戦意はもう残されていない。彼らを襲うは死への恐怖のみ。そこに居るのは傷を負い、逃げることさえもできなくなった弱き人々。だが無情な殺戮者 [続きを読む]
  • 2008/05/13 12:30166.人の心を持たざる者(6)
  • 「いけません!! それはいけません!!」今から田辺がしようとしている事。それをいち早く察知した日本兵の一人がこれ以上の凶行を止めようと田辺を背後から羽交い絞めにした。が、次の瞬間、どすんと鈍い音がすると同時に日本兵は己の腹を抱えて倒れこんだではないか。田辺によって小銃で腹を殴られたのだ。耐え難い苦痛で大地をのた打ち回る日本兵。そこでようやく他の日本兵たちが我に帰ったかのように倒れた日本兵に駆け寄る [続きを読む]
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  • 日本
  • 2008/05/12 12:49165.人の心を持たざる者(5)
  • 危ない!!声にならない悲鳴が上がった。だがそれはパーンっと鳴ったもう一発の銃声でかき消されてしまった。その瞬間少年に突き飛ばされ尻餅をついたままの日本兵の顔にべちゃっと生暖かい何かが飛んできた。そっと指でぬぐう。「あ?・・・・あぁ!?」それが少年の血だと気づくのに時間は掛からなかった。今まさに目の前では少年が頭から血を噴出しながら女の身体に重なるように倒れこもうとしていた。日本兵は立ち上がること... [続きを読む]
  •   関連キーワード
  • 日本
  • 2008/05/09 14:11164.人の心を持たざる者(4)
  • 今にも泣き出しそうな空だった。世界は黒い雲に覆われて昼間だというのに薄暗い。この地にも梅雨という季節があるのだろうか。異常な湿気によって止め処と無く流れる汗は汚れた服を身体中に張り付かせる。それは息苦しいほどに日本兵たちを不快にさせていた。この日田辺と田辺が率いる日本兵たちはとある村を襲っていた。いつもであれば手に武器を持って突然現れた日本兵に村人たちは怯え抵抗することなく食物を差し出すはずだっ... [続きを読む]
  • 2008/05/08 12:07163.人の心を持たざる者(3)
  • 田辺たちが駐屯するこの地でも日本軍の戦況はますます悪化していった。本国での軍の中枢がどうなっているのか遠く離れたこの地で・・・そして、すでに田辺によって軍隊としての機能を果たさなくなっていたこの地ではそれさえも知ることもできない。知ることが出来るのはただ一つ。わが大日本帝国が大勝利する日は近い。その情報のみ。日本兵たちはその情報を信じて毎日毎日戦うしかない日々を送っていた。だが・・・。本国から送... [続きを読む]
  • 2008/05/07 12:19162.人の心を持たざる者(2)
  • それは戦時中の事。兵士としてかの地へ送られた田辺。それ以前の田辺の経歴を知るものは誰一人として居なかったがすでにその時、彼はリーダーとして小隊を率いていた。小隊といってもたかだ数人。それも兵士として訓練した者たちは一人も存在せずそこら辺にごろごろと居る荒くれ者の寄せ集めのような・・・・。だが愛国心だけは人一倍強い連中がその隊に所属していた。ある日深夜の奇襲攻撃の先発隊として田辺の小隊が敵陣地へと... [続きを読む]
  • 2008/05/06 14:23161.人の心を持たざる者(1)
  • 社長室を出た田辺の顔からは笑顔が一瞬にして消えていた。「おい。」少し離れた所で上司が出てきたことも気づかず窓の外をぼーっと眺めていた秘書代わりの若い衆を呼んだ。「は、はい!」プロレスラーのように屈強な筋肉に包まれた大きな身体を突然呼ばれたことでビクッとはじかれたように震わせた若い衆。次の瞬間一目散に小走りで田辺の元へと駆け寄ってきた。田辺は呆けていた若い衆を別段咎めるわけでもなくちらっと一瞥する... [続きを読む]
  • 2008/05/03 11:11160.孤独な闘い(15)
  • なぜか田辺はなす術もなく呆然と座り込む克彦をちらっと一瞥した。だがすぐに均へと視線を戻すと言葉を続けた。「余計なことかもしれませんがね、 一つ忠告させていただきたいのですが。」「・・・・なんでしょう。」「坊ちゃん。確かに今回は僕の完敗です。 だが、いくらあなたが優秀だと言っても 僕から見ればまだまだ世間知らずのひよっこにすぎない。 あなたが思っているほど世の中いい人間ばかりではない事をお忘れなき... [続きを読む]
  • 2008/05/02 11:53159.孤独な闘い(14)
  • 「なんでしょう?」田辺はいぶかしげに首をかしげた。「僕たちは・・・・。 そう、僕たち家族はあなたのおかげで こうして何不自由のない・・・・ いえ、それどころか贅沢な生活を送らせてもらいました。 それにいつも僕たちに敬意を払ってくださいました。 そんなあなたに今僕がしていることは恩を仇で返すようなこと。 あなたにすれば、さぞお腹立ちかと思います。 ですが・・・・・・・。」もういい、そう言うように田... [続きを読む]
  • 2008/05/01 12:26158.孤独な闘い(13)
  • それは小さな声ではあったが均の耳には、はっきりと聞こえた。「・・・・・・・やむを得ないでしょう。」肯定とも否定とも取れる言葉を田辺は呟いた。思わず身を乗り出し真意を問わずにはいられなかった。「それは 松波座から手を引いて下さるという事ですよね? 僕の提案を受け入れて下さったと取っていいんですよね?」ふっ、と笑った田辺。こう答えた。「ええ。坊ちゃんには負けましたよ。 あなたを信用しましょう。」「・... [続きを読む]
  • 2008/04/30 11:11157.孤独な闘い(12)
  • 「取引? 坊ちゃんと・・・・ですか?」「ええ。取引と言うのは大げさですが 一つ、僕からあなたに提案させていただきたいのです。」「まあ、いいでしょう。 お聞きしましょう。」田辺がまたもやタバコに火をつけた。このわずかな時間に一体何本吸えば気が済むのか。机に置かれた大きな伊万里焼の灰皿には今にもこぼれんばかりに吸殻が溜まっていた。部屋の空気さえも田辺と克彦によって絶え間なく吸い続けられるタバコの煙で... [続きを読む]
  • 2008/04/28 11:55156.孤独な闘い(11)
  • あの、田辺の顔色を変えてしまったもの。それは会計士小早川が知り合いの探偵に調べさせた田辺の身辺調査だった。だが均自身まさかこれが必要になるとは思っても見なかった。いくら頭の切れる田辺とて所詮、薄汚れた裏の人間。そんな人間がどうして好き好んで裁判で闘おうとなどと言うものか。この件が表沙汰になること。そして裁判になることを、誰よりも恐れているはずだ。そう、均はたかを括っていた。だがやはり田辺。一筋縄... [続きを読む]
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  • 裁判
  • 2008/04/26 17:42154.孤独な闘い(10)
  • 「どうやら坊ちゃんも 随分と法律を勉強されたらしいですね。 ならば一つ、お尋ねしますが 裁判を起こされるというのなら 僕が不正をしているという確固たる証拠をお持ちなんでしょうね?」 あくまでも自分に勝算があると言いたげに自信満々の田辺だった。だがこれも予想通りの展開。なぜなら”弁護士”の名を出しただけで田辺が大人しく引き下がるような男ではない事くらい均には百も承知だった。そう。ここからが本当の意... [続きを読む]
  • 2008/04/25 11:55153.孤独な闘い(9)
  • 「訴える? ・・・・・・・・僕を?」鳩が豆鉄砲をくらったとでも言おうか。均の言葉に田辺は目を丸くして驚いた。そして一言「ふ〜む・・・・。」と、唸ると顔を覗き込むようにして再び問うた。「坊ちゃん。冗談もほどほどにして下さいよ。 一体何の悪ふざけですか?」「ふざけているように見えますか? 僕は本気ですよ。」即答だった。すでに均の中では結論が出ている。何を言われようがこれ以上答えようがない。しかしそんな [続きを読む]
  • 2008/04/24 12:57153.孤独な闘い(8)
  • 「田辺さん。」「はい。」「父やあなたがなんと言おうが 僕の気持ちは変わしませんよ。」「・・・・そうですか。 坊ちゃんはあくまでも 僕たちをここから追い出したいようですね。 じゃあ言わせてもらいますが もし僕たちが今すぐここから手を引いたら松波座はどうなると思いますか? そこに居る人間、そして役者にいたるまで すべて我々の手配による者が松波座から居なくなるということですよ。 そうなればたちまち松波... [続きを読む]
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  • 役者
  • 2008/04/23 12:44152.孤独な闘い(7)
  • 均を見下ろす田辺。その田辺を見上げる均。無言のまま睨み合いが続いた。その時「おいおい、二人とも。 けんかはよくないぜ〜♪」この緊迫した空気など我関せず。調子はずれな歌に乗せて克彦が間に割り込んできた。二人は視線さえ向けない。だが克彦は気にする様子も無く均の横に座り、馴れ馴れしく自分の腕を息子の肩にまわした。「なあ、均。 俺も田辺さんの言うとおりだと思うぜ。 だってさ、松波座っつうったって所詮水商売 [続きを読む]
  • 2008/04/22 11:53151.孤独な闘い(6)
  • 落ち着け。落ち着くんだ、均。頭の中で自分にそう言い聞かせ均は大きな深呼吸を一つした。吸い込んだ空気が徐々に冷静な状態へと導いていく。よし!もう大丈夫だ!!目を開けた。そしてそのまま田辺に視線を向けると先ほどとは打って変わって冷静な口調でこう言った。「あなたの言う”大人になれ”というのは 僕に”不正に目をつぶれ”と言いたいのですか?田辺さん。」「これはこれは・・・・。 相変わらずストレートな方です... [続きを読む]
  • 2008/04/21 13:27150.孤独な闘い(5)
  • 「・・・・・さて。 そろそろ落ち着かれましたか坊ちゃん。」「・・・・・・・・・・。」均は返事をしなかった。だがその視線は田辺を鋭く見据えたままだった。「まあ、いいでしょう。 でもまあ、これだけの事をよく調べ上げましたね〜。 もしかして坊ちゃんお一人で?」「あなたには関係ないでしょう。」ようやく口を開いた均の言葉は冷たく拒否した。だが気にするような田辺ではない。更にずいっと前に身体を乗り出した。「... [続きを読む]
  • 2008/04/20 13:33149.孤独な闘い(4)
  • 「ああ・・・・・・。」それ以上言葉にならなかった。知らなかったのは自分、ただ一人。しかも田辺の不正は克彦も承知の上の事だったなんて・・・・。そんな事も知らずにもしかして克彦が味方になってくれるだなんて甘いことを考えていた自分自身が嫌になる。悔しさと情けなさ。その二つが同時に均を打ちのめす。「お父ちゃん・・・・。 お父ちゃんは松波座が暴力団の資金源になっていても平気なのか? お母ちゃんの愛した松波座 [続きを読む]
  • 2008/04/18 12:29148.孤独な闘い(3)
  • これだけのものを見せ付けられたら田辺とてぐうの音も出ないはず。均には自信があった。数分後。資料をすべて読み終えた克彦。おもむろに資料をパサリと机へと放り投げた。そしてその口から出た言葉は・・・・。「・・・・・で?」「”で”・・・・・って、お父ちゃん?」均は言葉に詰まった。それほどまでに克彦の反応が均の予想とはかけ離れていたからだ。もしかして克彦にはこの資料の内容が理解できなかったのか・・・・。「... [続きを読む]
  • 2008/04/17 13:00147.孤独な闘い(2)
  • 均は克彦と田辺から一歩遅れるように松波座の一室に設けられた社長室へと入った。「おい、均。 つっ立ってないで座れよ。」豪華な社長椅子にふんぞり返って机に足を投げ出した克彦が目の前のソファを指し示していた。その横では田辺が手を後ろに組んで立っている。「いや、いい。」ここへ遊びに来たわけではない。冷たくそう答えると均はそのまま机を挟んで克彦の目の前に立った。「ああ。話があるんだったっけ? で? 松波座... [続きを読む]
  • 2008/04/16 12:27146.孤独な闘い(1)
  • ここ数年来。視線さえまともに合わせてくれようとはしなかった息子。克彦だとて父親。それを気にしていたのだろう。そんな息子が自分を探してまで話があると言ってくれたのだ。態度には出さずとも舞い上がるほどに喜んだのは言うまでもない。きっと田辺に聞かれずとも自分からしゃべり出したに違いない。「いや〜田辺さん、聞いてよ〜。 均の奴ね、 なんだか松波座の経営について興味を持ったらしくてね。 その件で俺に相談が... [続きを読む]
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  • 経営
  • 2008/04/15 12:29145.懐古
  • 克彦と田辺は和やかに談笑を続けていた。いつ終わるとも知れない話に均の苛々は限界に近づいていた。こんな事をしている内にいつ克彦の気が変わるとも言えない。だからと言って自分が焦っていることを田辺に気づかれてはいけない。まだ奴に知られたくはない。「お父ちゃん、行こう。」思い切って二人の間に割って入った。そんな均の様子におやっという顔をした田辺。何かを感じたのか。「坊ちゃん、どうしました? 何をそんなに... [続きを読む]
  • 2008/04/14 12:58144.バッドタイミング
  • 往々にして今、会いたくない人間に限って今、会うものである。屋敷まであと少し。均と克彦が松波座をちょうど通りがかった時だった。「おや、克彦さん。 それに坊ちゃん。 お二人ご一緒だなんて珍しい。」どうしてこんな時に限って松波座にこの男が居るんだ?やっぱり遠回りしてでもここを避けて通るべきだった・・・・。均は父との話し合いの事で頭が一杯ですっかり油断していた。最近では松波座を部下に任せてほとんど顔を見か [続きを読む]
  • 2008/04/12 11:32143.父子の距離
  • その同じ頃。均は小早川の事務所を出るとその足で今、父が居るであろう場所へと向かっていた。まだお天道様は自分の頭のてっぺんにある。この時間ならきっとそこに父が居るはず。均は迷うことなくとある賭博場へと向かった。小早川の事務所から走って10分。あっという間にそこへと到着した。本当にここに賭博場などあるのか?肩で息をしながら均は立ち止まっていた。そこは想像したような場所ではなくいたって普通の家屋が一見... [続きを読む]
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桜咲く頃