鮭乃オムスビ さん

鮭乃オムスビさん: さっかきどり
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プロフィール

ハンドル名鮭乃オムスビ さん
ブログタイトルさっかきどり
サイト紹介文(注意)表示の都合上、ここに表示されてる最新記事の日付などは実際と異なります
自由文各章完結の長編(連作短編?)「サトリの遺伝子」連載中。更新は不定期です。あなたの暇つぶしにお付き合いさせていただければ嬉しく思います。コメントや相互リンクお気軽に!
参加カテゴリー
更新頻度情報提供15回 / 231日(平均0.5回/週) - 参加 2007/11/25 06:26

鮭乃オムスビ さんのブログ記事

記事削除機能過去の記事 …
  • 2007/12/01 12:01妖怪・覚(1) 〜サトリとイトマ〜
  • 嫌じゃ……嫌じゃ……意識は少しずつ闇に飲み込まれていく。ぶんと振り下ろされた長い腕が次々とみんなを潰す。嫌じゃ……嫌じゃ……体が燃えるように熱くて呻き声を上げる。足元で音を立てる血の水溜りはまるで現実感が無い。嫌じゃ……嫌じゃ……大切な人はみんな自分の前から消えてゆく。孤独に飲まれた心は血を浴びて、どうかなりそうだ。嫌じゃ……嫌じゃ……今は微かな思い出の中の笑顔に縋ることしか出来ない。しばらくは... [続きを読む]
  • 2007/11/30 02:44妖怪・覚(2) 〜1802〜
  •  江戸の城下町の小さな飲み屋で仲の良い商人が、久しぶりの再会を喜んで一杯やっていた。鮭売りの洋太郎とひしお売りの平八だ。二人とも幼い時分を江戸で過ごした幼馴染というやつだったが、越後で取れる美味い魚を江戸で食えるようになれば皆喜ぶだろうと高い志を持っていた洋太郎は、現在江戸を離れて越後のとある藩にある海沿いの小さな町で暮らしている。今日は越後から遥々、将軍様へ献上するための新巻鮭を持って来たのだ... [続きを読む]
  • 2007/11/27 23:59少年(2) 〜1995〜
  •  町の東を掠める様に線路だけが通ってはいたが、紫苑本町(しおんほんまち)には地下鉄の駅が無かった。駅があったら便利になるに違いなかったが、ほぼ一本道の車道が町の中心を走っていたのでバスの使い勝手が良く、町民は快適な生活を送っている。それが昨年、伊都崎大学の加納町(かのうちょう)への移転を受けて、紫苑本町を通って西の加納町に続く分岐線を作ることになった。紫苑本町にも遂に地下鉄の駅ができることが決ま... [続きを読む]
  • 2007/11/26 23:59少年(3) 〜1995〜
  • 「紀香ちゃん、ちょっと待って」「……?」「今から明和公園に行くんだね。兄ちゃんに呼ばれたんだろう。これは言うなって言われてるんだけど……兄ちゃん、ずっと君のこと心配してるんだ」「……」「そりゃあ弟の僕でもちょっと暑苦しい兄ちゃんだし、そんなの余計なお世話だって思うかもしれない。だけどね、僕はそんな兄ちゃんが大好きだよ。こっちが放っといてくれよって言ってもまったく聞かずに、心の中へ優しく手を伸ばし... [続きを読む]
  • 2007/11/26 05:51少年(4) 〜1995〜
  •  明和公園にはベンチがたくさん並んでおり、紀香はそのうちの一つに座って少年を待つことにした。この公園に来るのは初めてだったが、想像以上に広くて少し驚く。父が散歩好きで、休日の朝にはよく手を引かれ、近所の公園に連れて行ってもらったのを思い出しながら、「もっとずっと小さな公園だったよね」と呟く。父との散歩の時は公園にあった自動販売機で、夏はレモンスカッシュ、冬は甘酒を買ってもらって飲むのがお決まりだ... [続きを読む]
  • 2007/11/25 06:27
  • 人間の運命よ。お前はなんと風に似ていることか。                                ゲーテ ... [続きを読む]
  • 2007/11/25 00:00―――――――― 目 次 ――――――――
  • 第一章  水 無 月 の 朧序 / 妖怪・覚 (1) (2) / 少年 (1) (2) (3) (4) 蠢 / 奈緒 (1) (2) / 日下部 (1) (2) 写真 (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10) (11) サイコレクター (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10) 糺 / 零れ落ちた欠陥 (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8)月の裏側 (1)―... [続きを読む]
  • 2007/11/24 23:59奈緒(2)
  •  少々安っぽい表現ではあるが、期待の星とはまさに奈緒のためにあるような言葉だった。もともと絵本が好きな大人しい子供で、母がたまには外で遊ぶように言っても、何かと理由を付けて家の中に閉じこもっていた。その頃のことをよく覚えていない奈緒はその話を聞くと、今じゃ漫画くらいしか読まないから、漫画以外の本も読めって怒られるのになあと可笑しくなる。でも漫画も絵本みたいなものだし、今も昔も変わっていないのかとも [続きを読む]
  • 2007/11/24 23:59奈緒(3)
  •  奈緒は交通事故でケガをした。治るのには少々時間がかかったが、練習すれば取り戻せると信じていた。ところが完治後いざ再開してみても前の様にうまくいかない。高校のスカウトは奈緒から離れていき、宮本さんも五輪という言葉を持ち出すことは無くなった。「ここまでだな」「もったいないことを」「残念だよ」「惜しい選手がケガをしたもんだ」 焦りや戸惑いが確信的な絶望に変わったとき、これさえあればどこまでも飛べると幼 [続きを読む]
  • 2007/11/24 23:59日下部(1)
  •  日下部は初めて人を被写体にした。それまで風景写真ばかりを撮ってきたが、紫苑本町(しおんほんまち)の大きな公園で撮影している時に見かけた女性の姿が画になっており、思わず一枚撮らせてもらったのである。白いワンピースに淡い青のカーディガンを羽織って、彼女はベンチに一人で腰掛けていた。夕日に照らされたその姿は、誰をも寄せ付けない気品と誰もが近づきたくなる艶やかさという矛盾に包まれていてとても美しかった... [続きを読む]
  • 2007/11/24 23:59ところで、同じ頃(2)
  •  約束の日、地下鉄で紫苑本町までやって来て、いざ地上に出てみて驚いた。物凄い雨である。加納を出発したときは空には青も見えていたので、完全に油断していた。小学生の頃は運動が苦手で、それこそ漫画のひ弱な少年がするように、運動会の前日には、てるてる坊主を逆さに吊るして雨が降るのを願ったものだ。しかしなにも今更こんなに降らさなくてよかったのにと、日下部は小さく溜息をついた。 小学校二年生の時、前日の天気... [続きを読む]
  • 2007/11/24 23:59少年(1) 〜1995〜
  •  交差点の角にある小さなカメラ屋から、首に新品のカメラをさげた少年が飛び出してきた。その表情は喜びに満ちていて、足取りは軽く、今にも空へ舞い上がりそうだった。毎日のようにショーケースの中で光っているのを眺めているだけだったそれは今、少年の手の中に収められている。彼の両手は首のストラップを全く信用していないかのように、しっかりカメラに添えられていた。こうして感触を確かめていると、思わず笑みがこぼれ... [続きを読む]
  • 2007/11/24 23:59
  • 死は存在しない。生きる世界が変わるだけだ。                        ドゥワミッシュ族の格言 ... [続きを読む]
  • 2007/11/24 23:59写真(1)
  •  近くに大きな高校があるためか、夕方になるとS町の地下鉄のホームは一日で一番人が多くなる。そんなに面白いことがあるのなら是非ともお裾分け願いたいと思わしめるほど、げらげらと大きな笑い声を響かせる高校生だけでなく、まだまだ残業で気が抜けないと必要以上に顔を強張らせているサラリーマン、右手に買い物袋を提げて左手に幼い子供を連れている母親の姿が見える。奈緒が初めて高校へ通う日、こうした光景を眺めながら、... [続きを読む]
  • 2007/11/23 22:00奈緒(1)
  •  学校の廊下は気象予報士よりも正確に雨を予感する。何をそんなに慌てていたのかは知らないが、湿気にコーティングされた廊下を駆けていた男子が派手に転んでからちょうど一時間後の下校の時間には、朝の青空や鳥の鳴き声が嘘だったかの様に真っ黒な雲が広がり、しとしとと止みそうにない雨が降り始めていた。ただ殆どタイムリーにしか情報を提供できないので「帯に長し」である。その日も「今更教えてもらっても、傘は家に置き... [続きを読む]
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