- 2008/05/15 10:30風景をつくる建物17
- 平等院の内にある塔頭です。日本の伝統建築は柱と梁による軸組工法なので、一般的に真壁造りの場合は構造体がそのまま意匠となって現れていると思われがちですが、実はそのような例は意外と少ないのです。 [続きを読む]
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- 2008/05/12 16:59風景をつくる建物16
- 超有名な建築物なので今回もルール違反です。平等院・鳳凰堂、ここもすでに何十回と足を運んだ場所、と言うより、まあ、わたしの庭のようなところです。でも、ここをはじめて訪れた人は、たぶん、「なんだか思っていたのとちょっと違う」と感じるのではないでしょうか。実はこのことが今回のテーマです。極楽浄土の宮殿をモデルにしたと言われる鳳凰堂は、言ってみれば風景建築の代表みたいな建物なのですが、やっかいな代物でもあ [続きを読む]
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- 2008/05/10 09:49風景をつくる建物15
- 俳句は、つくることはもちろん重要ですが、実はそれ以上に、読むことが大切だと言われています。“詠むより読む”というわけです。読むことは詠むことと同じくらい楽しくもあり、難しくもあります。同じ俳句でも人によって読み方は千差万別で、読む中に自ずと自己が現れてしまいます。読むことは限りなくつくることに近いのです。このことは建築についても当てはまるのではないだろうか、というのがこの「風景をつくる建物」シリー [続きを読む]
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- 2008/05/09 10:26風景をつくる建物14
- 美しいなあ・・・と、いつもこの家を見て思う。でも、なぜ美しいのか?考えてみたことはなかった。外から見る限りでのこの家の特徴は、1、表に向かって閉ざされている。だが完全に閉ざされているわけではなく、吊戸2枚を引き込めば大きな開口部が現れる。ガレージとして使用されているのかも知れないし、光庭のようになっていて家の開口部がこの光庭に面して設けられているのかも知れない。2、建物は大きくなく、こじんまりとま [続きを読む]
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- 2008/05/08 17:15風景をつくる建物13
- 特定の季節と関連付けられて印象に残る風景があります。わたしにとって、この風景はなぜか五月と関連付けられています。屋根の連続とリズム→甍→五月。こんな連想によるのかも知れません。もしそうだすれば、甍と五月はちょっと付き過ぎだな。目つむりていても吾(あ)を統(す)ぶ五月の鷹五月の鷹、なんと格調高いイメージなんだろう。寺山修司 15歳のときの句です。それでは吾も、手をひろげて五月の風を受け止めよ [続きを読む]
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- 2008/04/30 11:54風景をつくる建物12
- 成り行きから、ここ西賀茂の正伝寺までやって来ることになりました。30数年前に来ているはずなのにほとんど憶えていません。たぶん当時は建築にのみ興味があって、仏像や庭園にはあまり関心がなかったからでしょう。正伝寺は円通寺と並んで借景式庭園で有名な寺院です。実は、前回“現実の世界でも見受けられる”と書いたもののひとつが「借景」です。「借景」にもいくつかのタイプがありますが、ここ正伝寺の借景庭園では、「枯山 [続きを読む]
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- 2008/04/28 17:35風景をつくる建物11
- 実はわたし、高校のとき少しの間ですが美術部に入っていました。先生は妹尾正雄、あの妹尾河童の「少年B」に出てくる“尾道の叔父さん”です。妹尾先生は、風景画を描くときは、「画面を3分割して、近景、中景、遠景に割り当てなさい」とよく言っていました。もちろん主題は中景部分にあります。ところが、山水画や浮世絵の中には、その中景部分がすっぽりと抜け落ちているものがよくあります。写真は葛飾北斎の富嶽三十六景/甲州 [続きを読む]
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- 2008/04/28 10:39風景をつくる建物10
- エコロジー住宅講座で、「日本的空間はいかに発生するか」をテーマとしてとり上げたことがあります。結論から言いますと、空間は決して3次元ではなく、特に日本においては2次元を重ねることによって空間は発生するというものでした。しかし、もしかしたら、これは日本固有の空間認識に限らないことなのかも知れません。例えば、わたしの個人的な原空間体験は小学生のときの学芸会でした。講堂の舞台の上にしつらえられた、ノコギ [続きを読む]
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- 2008/04/25 10:04風景をつくる建物9
- もう、かれこれ37〜8年前のこと、わたしは東京の大学に籍を置いたまま、関西一円の古建築を見て歩くために、京都に学生アパートを借りた。場所は北区の上賀茂神社の近くで、そこを拠点にあちこち歩きまわっていたのだが、その当時からこの工場は在った。京都の北の方に住んでいると、伏見というところが京都の一部であるとはとても思えなかったし、まして中書島なんて地の果てのように感じた。しかもその名前もヘンだった。なぜ島 [続きを読む]
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- 2008/04/24 15:21風景をつくる建物8
- 建築を、建築家の「作品」という観点から見ることに常々抵抗があって、何かそれに代わる見方はないものだろうかと考えていたとき、「風景」という言葉に行き当たったのですが、全て分かって書いている訳ではありません。そんな中で、風景に関する本を漁っていて、あっ!これだ!と感じた一文に出会いましたのでご紹介します。・・・大乗の思想によると、「いっさいの存在は空である」という。「空」というのは、無意味な虚無とい [続きを読む]
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- 2008/04/21 12:50風景をつくる建物7
- 建物全体を洋館にすることがままならない場合、憧れの洋館の一部でもとの思いからなのだろうか。和と洋の取り合わせには違和感も嫌味もない。この建物の新築の頃にはどれほど花やいで見えたことだろう。 [続きを読む]
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- 2008/04/17 10:11風景をつくる建物6
- 京都の町中を歩いているとよく洋館を見かけます。和風の構えの内に、たいていは和室棟とは別棟の、どこまでも本格的な洋風建築が塀越しに見えます。和室棟に対する自負と洋館への強い憧れ。見どころは、その「取り合わせ」の妙にあります。 [続きを読む]
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- 2008/04/12 16:41風景をつくる建物5
- 風景をつくるということは、見方を換えれば、環境の中からその対象を切り取ることでもあります。写真は白川に架かる橋ですが、俳句流に言えば「一物仕立て」です。そのものの内に分節が無いか、あってもたいへん弱く、そのことによって周りに豊かな空白(間)を生み出しています。 [続きを読む]
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- 2008/04/10 09:32花の終わりに
- さまざまの事思ひ出す桜かな今、この芭蕉の句がテレビでCMに使われている。この切れ味のさほどよくない句のどこがそんなにいいんだろう?と思うのだが、芭蕉の一生の終わり頃、貞享(じょうきょう)五年、亡き主君の蝉吟(せんぎん)公の庭で詠んだ句であると知るとすこし納得。さまざまの事思ひ出す/桜かなと間を置けばいいんだなと思う。わたしはちょっと色っぽく花街の花の終わりはいつも雨 [続きを読む]
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- 2008/04/08 17:40風景をつくる建物4
- この建物は無名とは言えないので、採り上げるのはこのシリーズの趣旨に反するのだが、どうしても諦めきれない。わたしは常々、この建物の間積もりのみごとさはアルハンブラ宮殿のそれに匹敵すると思っている。ただしアルハンブラ宮殿の特徴がその内部空間にあるとすれば、この建物、伏見の月桂冠大倉酒造は外部空間に特徴がある。メディチ家のお屋敷ですと言われたら納得してしまいそうだ。とにかくリズムを楽しんでください [続きを読む]
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- 2008/04/05 17:05風景をつくる建物3
- わたしはある意味ではたいへん贅沢で恵まれた生活を送っているとも言える。なにせこのような建物を毎日見ながら通勤しているのだから。祇園・白川沿いの風景で、写真は料理旅館です。朝8時頃、外車でやってくる女将とよく出くわします。この建物と出会ってからわたしのつくる住宅は変わりました。夕方、帰宅時はこんな感じになります。このあたりは純粋に和風です。京風と言ってもいいのかも知れません。何もかもがやわらかい。 [続きを読む]
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- 2008/04/05 10:35風景をつくる建物2
- この建物とのつき合いはもう30年近くなるだろうか。つき合いといってもただ通勤の途中にちらっと見るだけなのだが、いつ無くなるかと心配しつづけて来て、今まだある。伏見・観月橋の宇治川端にある船宿(名も月見館)で、いつも大勢のお客でにぎわっているといった感じではない。修学旅行生が泊まっているのを一度見てちょっと不思議な感じがしたのを憶えている。木造3階建で雪舟の墨絵にある建物によく似ている。自然の中に置か [続きを読む]
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- 2008/04/04 10:15風景をつくる建物1
- どの町にもひとつやふたつはあるんじゃないだろうか? それは決して有名な建築であったり、またとびきり豪華な建物ではなく、かといってオシャレでセンスがいいというわけでもないんだが、ちょっと、いや、ずっと気にかかっているような、そんな建物が。そして、その建物があるためにその付近の風景が特徴付けられているような建物。そんな建物をこれからシリーズで取り上げてみようと思います。さて、そこからいったい何が見え [続きを読む]
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- 2008/03/27 09:46建築を読む
- 「昭和の風景」は、いい建築だ。なぜならこの住宅を見に来られた多くの人たちが口をそろえて絶賛するんだから間違いない。問題は、それがどのようにいいのか? が、わからないところにある。言い換えれば建築の読み方というものが確立されていないのだ。おそらく、その建築がいいというのは、使いやすくて便利な間取りになっているとか、自然素材が使われているとかということよりも、空間のつながり方、すなわち間がいいという [続きを読む]
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- 2008/03/22 16:33下駄箱
- 和風の玄関にした場合いつも悩まされるのが下駄箱だ。天井までの玄関収納は便利だが洋風になってしまうし、和風でも作り付けにしようと思うと玄関引戸との取り合いが難しい。つい、「骨董家具風の下駄箱を買って置いてください」と、逃げてしまうことになる。今回は、どうせ安物家具を置かれるんだったら、その予算で大工さんにつくってもらえないかと考えた。さて、その値段は、1)箱と中仕切をつくるための赤松集成板 4,200×5 [続きを読む]
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- 2008/03/19 09:24和室
- 家のことを草の戸とか草庵とか言ったりもするが、和室を見てみると、たしかに草で出来ている。この家では和室はこの四畳半一間だけだが、他の部屋にくらべて妙にやわらかい。このやわらかさが今もってなお正統なのかどうか、もはや現代人にはわからない。 [続きを読む]
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- 2008/03/15 18:27竹
- お施主さんご夫妻といっしょに竹を買いに行った。場所は京都市西京区の大原野あたり。長岡京市から竹林の間をぬけてその竹屋まで行くのだが、途中の竹林の中には間伐された竹が無数に放置されている。状況は杉と変わらないんだ。真竹 L=4,000、80φで 1本3,000円。この値段、安いのか高いのか実はよく分からない。竹屋のおかみさんはきれいに洗って、いっしょに現場まで届けてくれた。ついでに家も見学していただきました。そ [続きを読む]
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- 2008/03/15 10:37アイランドキッチン
- これまでに2軒の家でアイランド型キッチンを採用したが、今回は大工工事でアイランドキッチンをつくることにしました。理由はもちろんコスト。下記は背面の壁付き収納ユニットを含んだ金額です。既製品のアイランドキッチン ¥874,000 (定価¥1,458,100)今回のアイランドキッチン(大工工事不含) ¥638,000 (定価¥1,365,800)ちなみに、無垢天板は¥10,000 [続きを読む]
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- 2008/03/14 10:23職人気質
- 伏見の畳屋さんが畳を入れに来たとき、「大工さんの腕がいいね。こんな現場だとわたしらも緊張します」と言っていた。そう言えば以前、日高棟梁も、「基礎がいい。こんな基礎だとヘタな仕事出来ませんわ」 棟梁はプレカットもほめていた。基礎がいいせいもあるのだろうが誤差2ミリで、建ちを直す必要はなかったと言っていた。建具屋はこの36坪の家の木製建具の立て合わせに10日以上もかかっていた。なんてのろまな職人だろうと [続きを読む]
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- 2008/03/13 16:37すだれ
- お施主さんが、2階バルコニーにはすだれを掛けるつもりはないと言うので、「それではまるでパンツ1枚で立たされているようなものです」とメールを送ると、翌日すだれが取り付けられていた。 [続きを読む]
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