- 2008/03/08 08:0372歳のページ 小川
- ある村(今は町)には四本の小川が流れている。 その一つの小川で子供の頃 よく遊んだ。 せせらぎに入りタマで岸辺の草間をそーっと掬う。 ガブンコ、メダカ、カワエビなども入って「エビだ!」とはしゃいだものだ。 想い出にふけっていると急にそこへ行きたくなってきた。 思いたったが吉日だ!直ぐ実行。 腰が痛くなった時の用心に枕や布団も車に積み込む。 おにぎりや釣り道具・・・ ... [続きを読む]
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- 2008/03/01 20:5072歳のページ 鼻薬
- 近くまで来たからと知人のTさんが寄ってくれた。 八十二才になったと言う。「お達者でいいですね」との問いに「わしゃのー先頃から股間のところが痒ゆうて痒ゆうてのー、これは きっと“インキン タムシわしゃ食わん”と言うやっちゃなーと思ってのー」 インキン タムシは解るが、「わしゃ食わん」とは「私は嫌い」の意味なのだろうか。どーってことない、追究しなくてもいい。 このお方 Tさんは・・・ ... [続きを読む]
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- 2008/02/28 08:3472歳のページ 春を頂く
- 「蕗のとうが出た」と テレビで言っていた・・と、 言う話しを又聞きして・・。 どの辺に出たのか〜?と 田舎へ走る。 車の通行量の少ない道路を蕗の葉があれば「とう」も 有るはずとのろのろと・・・脇見運転。 途中2回 プープー早く走れ〜!と後車から注意を受ける。 車を道端に止めて置いて有りそうな所を探す。 蕗の古い葉をかき分ける・・あった!チッチャイのが。 ・・・ ... [続きを読む]
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- 2008/02/24 12:0272歳のページ 後悔 12
- 佐藤さんとの約束の時間に遅れないように用意をしていると・・電話が鳴った。佐藤さんから「妻と喧嘩になって殴ってしまった!大石さまへお参りして気持ちを静めてきます。ヤツは来ません・・。僕も今日は失礼いたします」と、何があったのかしらないが 投げやりな声だった。今日は折角夫婦の仲を円満にして上げたいな〜と、思っていたのに。昼前になってタクシーが家の前で止まった。マフラーを被った婦人が降りてき・・・ ... [続きを読む]
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- 2008/02/21 08:0872歳のページ 後悔 11
- 大石さまへのお参りのあと、佐藤さんは「今日はおまじないをお願いします」・・と、私の前に背を向けて座る。出産へ出くわしたことで薬が切れたことをすっかり忘れていた。病院のK先生は「この場合 忘れるって事は良い証拠。で・・眠れましたか?」「うとうとしましたが・・怖い夢をみました」佐藤さんは妻の首を絞める夢を見た。前日 妻が化粧品を売りに来た女性の前で「お父ちゃんにも毛生え薬持ってきてやってよ・・・ ... [続きを読む]
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- 2008/02/12 10:3972歳のページ 後悔 10
- 夜になって「病院へ行ってきて良かった、薬も3日分くれた。妻に見付からないように免許書の中へ挟んだ。明日詳しく報告にいきます」・・と電話があった。翌日、佐藤さんが現れるのを待った。夜になってやって来た。「薬は効きました。夢も見ず・・目が覚めると10時でした」・・と瞼がウダ腫れている。彼の話によると インスタントラーメンをすすって、お石さまへも報告。帰りに昨日 鞄を持ってあげた妊婦さんが道脇で蹲っ・・... [続きを読む]
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- 2008/02/11 16:5772歳のページ 後悔 9
- 翌日も佐藤さんは「大石さまにお参りをして来ました」・・とやってきた。今日は妊婦さんもお祈りに来ていた。坂道がしんどそうだったから鞄を持ってあげたと話す。鞄を持ってあげる・・・そこへ気がまわるとは!お石さまのお陰だろうか。私が昨日行ってきた病院での経緯を説明する・・。信頼できる優しい先生だった。「本当に家内に気づかれずに出来るでしょうか」・・彼は事実が妻の耳に入るのが一番怖い。「・・・ ... [続きを読む]
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- 2008/02/09 10:2672歳のページ 後悔 8
- 何年か前にT病院のK先生は見立てが正確で親切だと聞いていた。都合良くK先生に会うことが出来た。「ご家族ですか」と穏やかな表情である。自分は「おまじない」を少ししている者なんです・・と経緯を話す。先生は頷きながら静かに聴いて下さる。本人でない者が正確には伝えられない。だが知る限りのことを伝えなきゃ・・と先生にお解り頂くように真剣に説明する。一時は死に場所を求めてさ迷った。・・・ ... [続きを読む]
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- 2008/02/03 08:2172歳のページ 後悔 7
- 朝「お早う御座います」・・との佐藤さんの声で目覚める。8時を過ぎるまで寝てしまったようだ。昨日 大石さまへお参りしてきた佐藤さんは「大石さまのお光はこの世のものとは思えない紫色に輝いていた」・・と 興奮している。「紫色に見えましたか.貴方は純粋なんですね〜.それで昨夜は良く眠れましたか」「いいえ、まだ夢で怯えます」・・体重もかなり減少したと言う.「私はね〜昨夜寝床へ入っ・・・ ... [続きを読む]
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- 2008/02/03 07:4972歳のページ 後悔 5
- 朝「お早う御座います」・・との佐藤さんの声で目覚める。8時を過ぎるまで寝てしまったようだ。 昨日 大石さまへお参りしてきた佐藤さんは「大石さまのお光はこの世のものとは思えない紫色に輝いていた」・・と 興奮している。「紫色に見えましたか.貴方は純粋なんですね〜.それで昨夜は良く眠れましたか」「いいえ、まだ夢で怯えます」・・体重もかなり減少したと言う.「私はね〜昨夜寝床へ入・・・ [続きを読む]
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- 2008/01/31 09:4172歳のページ 後悔 6
- その夜、寝床に入り・・大石様から降り注ぐ光の中でうずくまる佐藤さんの姿を想像する。心の反射であろうかピクピクと肩から手先が動く・・。お石さまの神力で佐藤さんに以前の安らぎが戻ってくるだろうか・・何年か前に聞いた・・18歳の青年が盲腸炎に罹った。母親は神の力のみに縋り治そうとした。結果苦しみの末 若者は亡くなった。痛ましい話が思い出される。頼られれば責任が重い。・・・ ... [続きを読む]
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- 2008/01/27 10:3372歳のページ 後悔 5
- 自分の身体の中を駆け巡る火照りの現象は・・何だ!これは。帰り際に大石に付いていた苔を少しだけ頂き、大石の上を流れるせせらぎの水をペットボトルへ汲んできた。皿に苔を載せてせせらぎの水を注ぐ・・恭しく・・床にお祭りしてあるおマジナイの為の小さな鏡のそばへお供えする。佐藤さんがやってきた。「詳しくお聞かせ下さい、僕も大石へ・・・」と 彼は縋りつくような目をする。説明をし終え「私は 今・・・ ... [続きを読む]
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- 2008/01/26 18:0472歳のページ 後悔 4
- 寝床から起き上れない程の倦怠感・・「えい!」・・と自分に号令をかけて跳ね起きる。気合を入れて佐藤さんを助けなければならない。身支度を整えて濃いコーヒーをストレートで流し込み発車する。良い天気だ。山道の木々が寒風に揺れている。大石のある村へ到着すると、車を降りて細い道を降りて行く・・。力が抜けたように足が震える。大石の側に着き大石を仰ぐ・・石の上から神々しい光・・・ ... [続きを読む]
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- 2008/01/16 11:2372歳のページ 後悔 3
- 佐藤さんが帰ったあと夕食もとらずに床に就き、谷底へ落ち込むように眠りに落ちる・・。突然 大きな石が迫ってくる・・大石の付け根のところに小さな石碑が見える。「助けて下さるのよ」・・と 誰かの声が聞こえてくる・・「本当ですか」と 尋ねたい だが声が出ない「ううう」石碑の前で綿入れを着たおばあさんが、ひれ伏して拝んでいる。大石がおばあさんに傾き今にもおばあさん・・・ ... [続きを読む]
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- 2008/01/14 08:2572歳のページ 後悔 2
- 佐藤さんは去年の夏からというもの悔やんで悔やみきれず、悪夢に魘され続けた・・・十一月の始めには 誰かに背中を押されるがごとく汽車に乗り白浜で降りタクシーで三段壁へ着いていた。屏風のように直立する絶壁の上から見おろす・・・女学生等 三人が近くに来て「わ〜〜怖い〜〜」「縁へ行ったら危ないよ〜!落ちたらお陀仏!」・・・キャーキャー屈託ない声を残して去っていった。そ・・・ ... [続きを読む]
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- 2008/01/12 08:1672歳のページ 後悔
- 隣町に住む佐藤さんが青白い顔してやってきた。 佐藤さんとは以前海外旅行で飛行機が一緒で知り合った。 ジョークも言う明るい性格なんだが今日は鬱陶しい顔つきだ。 キッコ 「どーしました?辛そうね」 佐藤 「辛いどころじゃない。もう〜僕はノイローゼ一歩手前なんですよ」 キッコ 「お上がり下さいよ〜寒いから・・」と座敷に上がってもらい、 炬燵に向き合って座る・・・ ... [続きを読む]
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- 2008/01/11 04:2072歳のページ ネコちゃん
- ネコちゃんは 賢い夫に恵まれて東京で幸せに暮らしていた。 子供の頃からかネコのように丸い目をしているから「ネコちゃん」との愛称がついた。 どこか女優の古手川 裕子に似た美人である。 彼女が六十一歳の厄年の時 夫が突然 心筋梗塞で逝ってしまった。 そんな折 近くでアパート住いをしていた長女家族(夫婦と子供二人)が一緒に住んで上げると言ってきた。深く考えず「そうか」と言って承諾し・・・ ... [続きを読む]
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- 2008/01/09 10:0272歳のページ ・ 一人息子 2
- 翌日レントゲン検査の結果、肋骨にヒビが入っていて、手術はしなくていいが暫く安静にするように医者に指示される。入院させるか、弟の克己夫婦は「どちらが負担が軽いか」と話し合う。入院となれば家から一時間半の距離を車で通うのも大変だ。家に連れて帰る事にすれば妻の喜美の負担が大きい。春江は「家に帰りたい。喜美ちゃん、治ったらお礼をするから頼むよ〜」と懇願する。克己は「姉さ・・・ ... [続きを読む]
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- 2008/01/08 07:23一人息子
- 足が痛くってチッカラコしながら春江は二階から布団を降ろして表に干す。80歳を過ぎてから膝は痛くて歩き難い。正月には息子の聖(きよし)一家4人と息子の嫁、智子の兄夫婦と子供2人が来るからその準備なのだ。布団は昔作ったもので重い。春江には大仕事だ。昨年の正月も暮れの30日からやって来た。智子の兄嫁のアキちゃんが「私 東京生まれの東京育ち田舎が欲しくってたまら・・・ ... [続きを読む]
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- 2008/01/05 11:3272歳のページ 木枯らし
- 朝からどんより曇った日だった。 「ねーさん 居るかの〜」との来客に出てみると大昔隣人だったKさん。 上がり框に腰を掛けて「今年は苦瓜食うたかの」と聞く「はい沢山食べました」 と答える。 単車で家の前を通りながら発泡スチロールの箱でも結構出来るもんじゃな〜と感心して見ていたと言う。 「あれは身体に良いからね」と話を繋ぐと「皆 身体に良いとか何とか言うけどの、食い物と人間の寿命は関・・・ ... [続きを読む]
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- 2008/01/04 16:0472歳のページ 散策
- 腰痛は足腰鍛えにゃ治らん。散策をしましょう。 自分の住む町を知りたいし。 身軽く…テクテク歩きで。 今朝 沸かして冷ましたお茶を小さいボトルに入れる。 財布から2千円取り出して裸でズボンの左ポケットへつっ込む。 右ポケットには携帯電話。 ティシュもズボンの後ボケッとへ入れる。 これでヨッシ!ウオーキングシューズの紐をかたく結ぶ。 腰・・・ ... [続きを読む]
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- 2008/01/03 21:59新芽
- すごい事もあるもんだ。知人のA子さんは毎日 野良仕事して いた。いつの頃からか…目がコロコロと変な感じ。少し痛い ような気もするが痛む程でもない。忙しさにまぎれほってお いた。だが、気になる。変だな〜、目の中に“お出来”でも 出来たのかもしれない。やっとの事、眼科へ行った。下瞼を 見るなり先生は「うわ〜なんじゃこれ!」…そう言われて急 にA子さん・・・ ... [続きを読む]
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- 2008/01/02 01:0572歳のページ 腰掛 5
- 西沢の家の裏手の小高い丘には小さな小屋も建てられて、 寒い日は暖もとれる。朝から定夫は父を裏山へ誘った。 「夫婦になれたよ!」と早く父に報告を したかったからだ。 ここなら誰の耳も気にしなくっていい。 「良かった!」と父は喜んでくれた。だが、「安心してはならん、一度寝たぐらいで。何時取り返しに来るかも知れんぞ」と厳しい表情で言う。 定夫は言った「トト様には 辛い思いをさせた・・・ ... [続きを読む]
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- 2007/12/31 13:5872歳のページ 腰掛 4
- 縁談はトントン拍子に進み松飾の取れた二十日に挙式。 三日前には、箪笥、長持、腰紐だけでも柳行李に一杯と言うお支度で荷入れの大八車が続いた。西沢の家は結構大い方だ。 だが物置きにまで入れ込んだ。家族は夢心地のままことが進んでいく。 端村(戸数六十軒)を取り巻くように峰々が連なり その裾野には なだらかに山林が広がっている。その山林の殆どが武田家が所有している。 端村の多くの人・・・ ... [続きを読む]
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- 2007/12/30 17:2172歳のページ 腰掛 3
- 縁談はトントン拍子に進み松飾の取れた二十日に挙式。 三日前には、箪笥、長持、腰紐だけでも柳行李に一杯と言うお支度で荷入れの大八車が続いた。西沢の家は結構大い方だ。 だが物置きにまで入れ込んだ。家族は夢心地のままことが進んでいく。 端村(戸数六十軒)を取り巻くように峰々が連なり その裾野には なだらかに山林が広がっている。その山林の殆どが武田家が所有している。 端村の多・・・ ... [続きを読む]
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