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- 2008/01/02 01:0572歳のページ 腰掛 5
- 西沢の家の裏手の小高い丘には小さな小屋も建てられて、 寒い日は暖もとれる。朝から定夫は父を裏山へ誘った。 「夫婦になれたよ!」と早く父に報告を したかったからだ。 ここなら誰の耳も気にしなくっていい。 「良かった!」と父は喜んでくれた。だが、「安心してはならん、一度寝たぐらいで。何時取り返しに来るかも知れんぞ」と厳しい表情で言う。 定夫は言った「トト様には 辛い思いをさせた・・・ ... [続きを読む]
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- 2007/12/31 13:5872歳のページ 腰掛 4
- 縁談はトントン拍子に進み松飾の取れた二十日に挙式。 三日前には、箪笥、長持、腰紐だけでも柳行李に一杯と言うお支度で荷入れの大八車が続いた。西沢の家は結構大い方だ。 だが物置きにまで入れ込んだ。家族は夢心地のままことが進んでいく。 端村(戸数六十軒)を取り巻くように峰々が連なり その裾野には なだらかに山林が広がっている。その山林の殆どが武田家が所有している。 端村の多くの人・・・ ... [続きを読む]
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- 2007/12/30 17:2172歳のページ 腰掛 3
- 縁談はトントン拍子に進み松飾の取れた二十日に挙式。 三日前には、箪笥、長持、腰紐だけでも柳行李に一杯と言うお支度で荷入れの大八車が続いた。西沢の家は結構大い方だ。 だが物置きにまで入れ込んだ。家族は夢心地のままことが進んでいく。 端村(戸数六十軒)を取り巻くように峰々が連なり その裾野には なだらかに山林が広がっている。その山林の殆どが武田家が所有している。 端村の多・・・ ... [続きを読む]
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- 2007/12/04 11:43腰掛 2
- 「色良いお返事を頂けますように」と言いおき村長は帰っていった。 順之助は直ぐに離れに 花、トメ、番頭の吉三も呼びよせた。 「えらいことになった。縁談は綾乃にきたんじゃ」 「吉さん、あんたどう思う?」吉三は「垣ノ内様でしたら お家柄も良く、山林も内よりは上ですな、本人も上の学校も出られて申し分なしです」 う〜むと考え込む順之助。 トメが「この縁談は絶対に逃してはならん・・・ ... [続きを読む]
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- 2007/12/01 15:20腰掛
- 武田順之助と花夫婦には二人の娘と一人の息子が居る。 姉菊乃は二十一歳。妹綾乃は十九歳。息子は十二歳。 姉の菊乃は小学生の頃から勉強が好きで良くできた。 丸顔の可愛い小柄な娘。 妹綾乃の方は母親の花に似てすらっとした色白の美人。 姉の菊乃には 幾つかの縁談が有ったが資産家で満足する所からは未だ来ていない。 シッカリ者の祖母トメは「娘は売りものじゃさかの、着る物を始・・・ ... [続きを読む]
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- 2007/11/30 21:14鼻薬
- 近くまで来たからと知人のTさんが寄ってくれた。 八十二才になったと言う。「お達者でいいですね」との問いに「わしゃのー先頃から股間のところが痒ゆうて痒ゆうてのー、これは きっと“インキン タムシわしゃ食わん”と言うやっちゃなーと思ってのー」 インキン タムシは解るが、「わしゃ食わん」とは「私は嫌い」の意味なのだろうか。どーってことない、追究しなくてもいい。 このお方 Tさんは・・・ ... [続きを読む]
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- 2007/11/28 08:01赤い餅・白い餅
- 「お祭り」と言う回覧板が回ってきていたがコロリと忘れていた。 表が騒々しいので出てみて あぁ そうだ!今日はお祭りだったと気付く。 鉾が街を練り歩き 人々が祭り半纏をはおりゾロゾロと後に付いて歩く。 要所 要所で鉾が止まって餅蒔き(餅ほり)をする。子供達でもビニール袋を提げて沢山拾う。 近所の奥さんが「お宮さんで午後も餅蒔きが有るから行きましょう」と誘って下さった。 ・・・ ... [続きを読む]
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- 2007/11/20 16:32借金
- ある所の ある御仁は 今わの際に片手を広げて振った。 家族は どこかに きっと5万円隠して有るんだと思った。 50万円か? 500万円かも。 家中探し回った。無い。 やがて満中陰の法要が済んだ。 翌日 隣のおばあさんから「5万円貸してある。」と 取りにきた。 もし、もしも 10万円借金が有るならば両手を振れば良い。 15万円なら両手と片足。バ・・・ ... [続きを読む]
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