- 2008/04/27 23:59さよなら僕の夏
- レイ・ブラッドベリの不朽の名作、『たんぽぽのお酒』の続編だ! 思わず赤ででっかくしてしまうくらい、本屋でみつけた時に興奮した。まさか半年も前に続編が出ていたとは〜。ひと夏に起こったさまざまな出来事を描いた前作と違って、こちらはダグラスと、教育委員会の重鎮クォータメインさんの全面対決というストーリー。『たんぽぽのお酒』の中で、ミス・ファーンとミス・ロバータというおばあさん2人が乗り回していた電気自... [続きを読む]
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- 2008/04/27 23:57偽装狂時代 爆笑問題の日本原論5
- 扱っているのは、2003年末から2005年末まで。吉野家の牛丼販売休止とか、スマトラ沖地震、ライブドア、耐震強度偽装あたりの年代だ。懐かしいような、つい昨日のことのような。ホントに毎年毎年、次々同じようなドタバタが起こっているんだなぁとも思う。情報過多の社会では、次々に起こる出来事を消化するためには、気持ちの中の柔らかい部分を麻痺させるか、なかったコトにでもしないと厭世的になりがちだ。物事が持つ重さや意... [続きを読む]
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- 2008/04/27 23:56ゆめつげ
- 明治維新直前の江戸を舞台にした、神官兄弟のお話。怪異はちょっぴり、ほのぼのとドキドキはたっぷり、ミステリーもどっさりで、なかなかバランスがよくて面白かった。『しゃばけ』シリーズ以外はどうも相性が悪くて悲しかったんだけど、これはアタリ。役に立つような、まるでダメなような夢告の才能を持ったノンビリ屋の長男と、しっかり者でがっちり兄をサポートする次男のキャラクターがお互いを補完しあって楽しい。タヌキ親... [続きを読む]
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- 2008/04/27 23:54くさいものにフタをしない
- 小泉武夫といえば、わたしにとって「くさいものフェチのキュートなセンセイ」。造り酒屋に生まれ育った発酵と醸造の教授というサラブレッドでありながら、わかりやすい文章でくさいものの素晴らしさを啓蒙してくれる。なんせ、匂いを数値で測って比較するときには、クサヤや納豆に加えて、自分の靴下の匂いの数値まで添えてあったりする。ちょっとクスッとさせて興味をかきたてるやり口に乗せられ、「闇雲にくさいものが好き!!... [続きを読む]
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- 2008/04/18 03:58海を失った男
- ちょっぴりだけど猫の出てくる短編集。ホントにちょっぴりだけで、しかもそんなにいい役じゃないけど、スタージョンが猫を描いてくれただけでうれしい。スタージョンは、クールでもどかしくて、切ない。思い切りセンチメンタルな内容なのに、ばっさりと美しい切り口でテーマを引き裂く。レイ・ブラッドベリの短編が好きなひとだったらきっと気に入ると思う。あと、グレッグ・イーガンの短編、中でも存在・生死・人間とはというテ... [続きを読む]
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- 2008/04/18 03:57とっても不幸な幸運
- 一癖ある常連が夜な夜な集まるストイックな酒場。ワケアリのマスターに、その娘、そして少年期の記憶がないアルバイトの青年が織り成す、少し不思議で温かいお話。『しゃばけ』シリーズが好きで、シリーズ外のお話だけどつい買ってしまった短編集。現代モノはちょっと好みに合わないかな。ストーリーは面白いんだけど、なぜか登場人物の顔が浮かんでこなくてあまりドキドキワクワクしなかった。とっても不幸な幸運 (双葉文庫 は 1... [続きを読む]
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- 2008/04/18 03:56桃夭記
- エロスはないけど耽美はたっぷりという、不思議な味わいの中華怪異短編集。赤い灯りが怪しく照らす猥雑な街並み、熱気を孕んだ濃密な空気、腐っているのか芳しいのか判断に迷う香りがひたひたと迫ってくる井上祐美子の描写が好きでたまらない。わたしは都が北になってしまってからの中国にはあまり興味がないので、近代を舞台にした「迷宮譚」はあまり楽しめなかったけど、他はとっても面白かった。表題作の「桃夭記」は、舞台と... [続きを読む]
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- 2008/04/18 03:55クアトロ・ラガッツィ
- 戦国時代に日本からローマへ行った少年達4人の運命を、東西の文献を丹念に読み込んで織り上げたドキュメンタリー。若桑みどりという西洋美術史家の情熱と根性が、上下2巻の分厚い本の中にぎゅーっと詰まりまくっていて熱い! 梅原猛の『隠された十字架』を思い出すパッションだ。あんなに詩的な表現はなくて散文的でデータ重視ではあるけども。 特に面白かったのは、西洋人が見た織田信長。織田信長が宣教師と会うにあたって、... [続きを読む]
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- 2008/04/18 03:54からくりからくさ
- 『りかさん』シリーズものの本。こちらの方を先に読むべきだった。この本は、『りかさん』に輪をかけてみんなマジメだ。ちょっとみなさんそんなに一分の隙なくマジメでいるの大変じゃないですかと、心配になるくらい。クライマックス場面のビジュアルは歌舞伎の一場面のように絢爛豪華で切なく悲しい。そして、こういう結末にするにしても他に方法はなかったものかとちょっと思う。登場人物は納得しても、なにか割り切れない気持... [続きを読む]
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- 2008/04/18 03:52りかさん
- リカちゃん人形がほしかったのに、「りかさん」という名前の市松人形をもらってしまった女の子のお話。 須藤真澄の『振袖いちま』シリーズみたいな、ほんわり優しくて和めそうなイメージで読み始めたんだけど、硬質で、まっすぐで、優等生な主人公が、ウルトラ生真面目に暮らすお話だった。そう気付いたとき、なんだか本に謝りたくなったくらいだ。でも、とっても美しいお話で、深く考えさせられるものがあり、凛として気持ちがよ... [続きを読む]
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- 2008/04/10 00:59穴屋佐平治難題始末
- 犬より強いデブ猫といたいけな仔猫の「おちょん」、灰色と紺色が混じったような毛並みの「あお」と、物語の中心に猫がいる話が2編あって、それだけで猫&本好きにはたまらない短編集。『猫に鼻輪をつけてくれ』というタイトルの短編があるけど、猫好きさんがイヤな気持ちになる場面はないので安心して読んで大丈夫。この物語は、誰かに代わって謝ることを生業とする御免屋など、ヘンテコな職業の人ばかりが住む、本所の長屋が舞台 [続きを読む]
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- 2008/04/10 00:58クライマーズ・ハイ
- 文庫になっていたのを見逃していたら、このほど映画化されるというコトで書店に平積み。あれだけ話題になっただけあって、いやぁ、ぐいぐい読まされてしまうパワーはすごい。こう言ってはナンだけど、カッコ悪い人ばっかり出てきて、日航機墜落というテーマはデカいけどすることなすことショボいというか、悲哀バリバリで好きなジャンルの話じゃない。なのに一気に休まず、トイレにまで持ちこんで読み続けた。こんなの久しぶり。... [続きを読む]
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- 2008/04/10 00:57償い
- 重く暗く、そして希望がある物語。脳外科の医師が、子どもと妻を相次いで亡くし、患者を助けられなかったことにも絶望してホームレスになるという状況がもう果てしなく暗い。主人公の心の救いとなるのは、昔、誘拐され瀕死の状態にある子どもを助けたこと。なのにその人生の中で唯一、自分の行ったまったき善である行為までもが疑わしくなっていく。どんより。さらにイヤな感じの事件が続き、ますますどんより。あぁ、こんな暗い... [続きを読む]
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- 2008/04/10 00:55職人ワザ
- 浅草を中心に、職人さんたちから話を聞いたルポルタージュ。いとうせいこうは見仏記でもそうだったけど、「なにかに夢中になっている人」を描写するのがすごくうまい。インタビューする質問内容やフォローも、その合間に状況や動作を伝える言葉がとても的確で過不足がないので気持ちいい。話を聞いているうちに、相手の1ファンになってしまう温度の高さもキュートだ。見仏記なんか、みうらじゅんの「男たらしぶり」も相乗効果に... [続きを読む]
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- 2008/03/24 13:26こいぬとこねこは愉快な仲間
- てっきり『ダーシェンカ』のカレル・チャペックの本だと思って買ったら、お兄さんのヨゼフ・チャペックの本でビックリした。『チャペックの こいぬとこねこは愉快な仲間』っていうタイトルに、帯で『「ダーシェンカ」と並ぶ名作!』ってデカデカとあるのは、絶対ミスリード狙っていると思う。 とはいえ、お話は、しっかりもののこねこと、うっかりしたこいぬの、それはもうかわいくて和むお話なので、いっそ間違いに気付かないで... [続きを読む]
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- 2008/03/24 13:25チャペックの犬と猫のお話
- 犬の『ダーシェンカ』、『ダーシェンカ 子犬の生活』、猫の『プドレンカ』、全部入った超お得な本。猫のプドレンカの写真も載っていてうれしい。新潮文庫の方の『ダーシェンカ』と『ダーシェンカ 子犬の生活』は、写真や半生についてなどが後ろ半分を占めているので、ダーシェンカのお話だけ読みたい人には、こちらの河出文庫の方がオススメ。ちゃんと、あの挿絵も入っているし。しかも、猫好きだったら、こっちには猫のプドレ... [続きを読む]
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- 2008/03/24 13:24重力ピエロ
- 『死神の精度』ですっかりお気に入りの伊坂幸太郎。これも面白かった〜。 遺伝子調査会社の社員である兄と、絵の才能がありグラフティアートを消す仕事をしているイケメンな弟、美しくて少し変わっている母、平凡に暮らしているけれど器の大きい父。呪わしい事件にあいながらも、それぞれが自分なりのやり方で対処し、家族の絆が強まっていく。呪わしい事件は相当にヒドいし、他の作家だったら800ページ上中下巻くらいのぐろんぐ... [続きを読む]
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- 2008/03/24 13:22グラスホッパー
- ハードボイルドかつスラップスティック。自殺専門の殺し屋(二律背反で愉快だ)、薬と臓器売買と殺しを商売にしているトンデモ会社に、押し屋、大掛かりなサクラ専門の劇団といったグループが入り乱れるインモラルな世界。平凡な教師だった主人公が復讐のため、そんな世界に飛び込んで、でもなじめず浮きまくりながらも、しゃにむに進んでいくというお話。設定が設定なので、人死にはバンバンあるし相当ハデ。主人公のキャラクタ... [続きを読む]
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- 2008/03/20 07:36猫語の教科書
- 誰が書いたのかわからない暗号のような原稿の束を、ポール・ギャリコが読み解いてみたら、猫がタイプライターで打った、猫のための教科書だった。このツカミだけで、もうぐっときてしまう。作者である牝猫は、落ち着き払った冷静な口調で、噛んで含めるように『自分の面倒をみさせる人間をいかに躾けるか』の手口を披露していく。これが、「あぁ、確かにそれをやられては、かわいくてたまらない」テクニックだらけ。特に有名な『... [続きを読む]
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- 2008/03/19 02:21ドラゴンがいっぱい!
- 古きよきヴィクトリアンな雰囲気のドラゴンお家騒動。階級差がハッキリしていて、宗教もかなりの力を持ったドラゴン世界で、成り上がりながら立派な老ドラゴンが死に、その子ども達や配偶者などが入り混じって骨肉相食むドラマが繰り広げられる愉快なファンタジー。ハードカバーでは『アゴールニンズ』というタイトルだったみたいなので、ファンタジー好きさんやドラゴン好きさんは重複して買わないように注意してね。なんせホン... [続きを読む]
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- 2008/03/19 02:17死神の精度
- 最初の10行を読んだだけで、世界観がどんと伝わってくる。また、死神のローテンションで、事務的かつ冷静沈着過ぎる言動がたまらない。『陽気なギャングが地球を回す』や『重力ピエロ』、『アヒルと鴨のコインロッカー』と、ちょっと興味はあったんだけど、こういう作風だったのか〜。 これは、事故や殺人など不慮の死を前にした人のところに出向いていって、その死に問題がないかを調査する死神のお話。人間とは違う立場から、韜 [続きを読む]
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- 2008/03/18 03:04オオシマさんちのもうひとつの猫日記
- 1800円は高い!! でも、グーグーシリーズを愛読している人だったら、この本の16ページの最初の写真を見て、感激すると思う。マンガにでてきた「グーグー、あんたってばお腹にテリア犬がいる! なんでいままで気付かなかったのか!」のテリア犬のお顔がバッチリ写っているから。ホントにホントにテリア犬でびっくりした〜。残念ながら、「ヘソ踊りのヘンな顔」の方はハッキリ見える写真がなかったけど。グーグーは今度映画にも... [続きを読む]
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- 2008/03/17 08:36ねこのお医者さん
- 主なねこの病気とその措置や予防法、ねこを飼う上での諸注意が、具体的かつ根拠などからわかりやすく書いてある、ねこ好きな獣医さんが書いた本。「ねこのための家庭の医学」っていう帯のキャッチそのままで、今まで読んだねこ育てのハウツー本の中で、いちばん充実していてわかりやすい。病気の章を読んでいると心配のあまり気が遠くなりそうになるけど、知識がないよりあった方が予防にも役立つと思って頑張って読んだ。雑学系... [続きを読む]
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- 2008/03/17 04:16リピート
- 「あの『イニシエーション・ラブ』より驚けます!」という帯に惹かれて読んだんだけど、なんか違う。あんまりどんでん返しという本じゃなかった。『イニシエーション・ラブ』みたいに淡々と進んで最後の最後で驚かせるというより、物語が二転三転していくジェットコースターストーリーだ。帯を見て、てっきり大ドンデンがあるんだとばかり思っていたから拍子抜けしたけど、お話全体だったら『イニシエーション・ラブ』より面白か... [続きを読む]
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- 2008/03/17 01:52夏の名残りの薔薇
- 表向きをつくろいつつも裏側はどろんどろんのハイソな世界。物語の舞台やキャラクターは、ドラマチックてんこもりだった頃の少女マンガのような絢爛豪華さだ。物語で果たすべき役割や、それぞれの関係性を思い切り描くにあたって、生活感があまりにもジャマ過ぎるから、それをできるだけ削除した結果、浮世離れした設定になっているような気がする。退廃や倦怠の甘さや、感傷的な部分が少ないから余計にそう思う。 次々と語り手が [続きを読む]
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