- 2008/02/12 16:49第8話
- 今度は俺が狼狽する番だった。惚れた弱みとは、こういうことを言うのだろうか。逆に言えば、この時、既に寿美子には弱みに思うことなどなかったのだろう。「なんで、そんなこと言うの?」そう言うのが、俺には精一杯だった。「だって拓磨、しつこいんだもん。」「でも、おかしなこと言ってるのは、寿美子だよ。」「そこまで人のプライバシー覗こうとするなら、もう嫌だよ。別れてもいいよ。」プライバシー ... [続きを読む]
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- 2008/02/04 14:11第7話
- 今年の正月の疑惑・・・結局、前の年は、クリスマスイブの翌日に、寿美子の自宅の近くまで押し掛けて、問い詰めたのが、寿美子に会った最後だった。そのあと寿美子は、予定通りクルーザーに乗ると言って、待ち合わせの新橋まで行ってしまった。俺は新橋駅まで一緒に地下鉄で行き、改札を出て寿美子と分かれ、JRに乗り、帰った。待ち合わせ場所に誰がいるか見て行けばと寿美子に勧められたが、そう言うからには、見られても尻 ... [続きを読む]
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- 2008/01/30 15:22第6話
- 「だから寿美子が本当のこと言ったらね。」喫茶店アマンドの中は少し混み始めた。平日の昼間の喫茶店というのは、どうしてこうもサラリーマン一人という姿が多いのだろうか。全員が仕事をさぼっている営業マンに見える。全員でないにしても、その何割かは本当にさぼっているのだろう。「いないのに、いるって言えないでしょ。」寿美子はそれでも、浮気していないことを主張した。「じゃあ、俺から言うけど、去年の ... [続きを読む]
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- 2008/01/25 16:53第5話
- 『どうしたの?』俺は返信した。『お化粧に時間かかっちゃって。』寿美子から返事が返ってきた。『何時頃になる?』『15分くらい遅れるかな。』いつものことだが寿美子が約束の時間通りに来ることはあまりない。30分などというのはざらで、1時間待たされる時もある。ほとんどは娘のことを理由にする。「みいちゃん」という言葉を免罪符にしているかのようである。俺はテーブルの上の冷めたコーヒ ... [続きを読む]
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- 2008/01/19 17:17第4話
- 泉岳寺のA4出口を出た右に喫茶店ザネッティはある。俺はエスプレッソをたのみ、左奥にある階段5段ほど高くなった、外や店内から死角になっている席に座った。奥まった場所に、ソファータイプの椅子というのが気に入っているので寿美子と泉岳寺周辺で待ち合わせる時は、いつもここを利用する。ちょっと不思議なのは、店内に入った左にエレベーターがあり、4階にある焼肉の牛角の入口にもなっている。今、客は少ない。 ... [続きを読む]
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- 2008/01/12 20:46 第3話
- 俺の自宅の最寄り駅である京葉線の海浜幕張から寿美子の住む都営地下鉄浅草線の泉岳寺までは1時間程度である。自宅を出るころはまだ太陽も出ておらず、朝と言うには暗すぎたが、地下鉄を降りて地上に上がった時は、すっかり明るくなっていた。俺は先ずメールをチェックした。ここに来るまで、駅に止まる度にメール問い合わせをしてきたが、やはり最後まで寿美子からメールが来ることはなかった。留守番電話サービスにも問い合わ... [続きを読む]
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- 2008/01/08 10:14第2話
- 10時、ご馳走もケーキもコーヒーも、すべて片付け終わった頃、俺は再び仕事をすると言って仕事部屋に戻った。携帯を見てもメール着信を示すマークはついていない。無駄とは思いつつメール問い合わせをしてみた。やはり入っていない。俺はもう一度、寿美子の携帯に電話をしてみた。『お掛けになった電話は、電波の届かない場所にあるか、電源が入ってないため掛かりません。』新たな疑いが俺を悩ませることになった。電源 [続きを読む]
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- 2007/12/28 00:04 第1話
- 新橋駅の5番出口を出たところに喫茶店アマンドがある。早番だった寿美子に聞きたいことがあると言ってここに呼び出した。寿美子は職場のあるテレコムセンター駅から、新交通ゆりかもめを使って新橋まで戻ってくる。「ねえ、ほかに男がいるんじゃない?」2階の方の客席は人影もまばらで、それだけに自分の声の大きさが気になる。寿美子は派遣で通信販売会社のコールセンターのオペレーターをしている。窓の外はまだ厳しい ... [続きを読む]
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