- 2008/05/12 01:04その14
- その日、セバスチャンはベットからバーンと飛び起きた。今日は待ちに待った、ジェシカのお誕生日だったからだ。いつもなら起きてからしばらくは頭がボーっとしているのに、この日ばかりは起きた瞬間から目が冴えていて、なんだかやる気に満ち溢れていた。そして、もう一人やる気に満ち溢れてる人がいた。 マリアは普通の休みの日なら少し遅く起きるのに、今日は特別で、セバスチャンが起きてきた頃には朝食の準備を終わらせて ... [続きを読む]
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- 2008/05/08 23:40その13
- 次の日、いつもと変わらず家に遊びに来たジェシカに、セバスチャンはさっそく昨日の事を話した。「ジェシカ。昨日の夜、お母さんにジェシカのお誕生日の事を話したんだ。そしたら、ジェシカのお父さんが忙しいんだったら、僕とお母さんで一緒にお誕生日を祝おうって言われたんだ。だから、僕たちと一緒にお誕生日をしようよ」 それを聞いてジェシカは笑顔を浮かべた。「本当!?でも・・・」「・・・どうしたの?僕たちとお ... [続きを読む]
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- 2008/05/07 21:21その12
- その日はセバスチャンが今までで一番怒った日になった。また、一番嬉しかった日にもなった。 ある日、いつものようにセバスチャンの家に遊びに来たジェシカがこう言った。「もうすぐ、私のお誕生日なの」 セバスチャンは知っていた。お誕生日は一年でお母さんが一番優しくしてくれる日だ。いつもと違って、晩ごはんは自分の大好きなものばっかりだし、ごはんの後に甘くておいしいケーキも食べられる、とっても大切な日だ。 ... [続きを読む]
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- 2008/03/08 13:29その11
- ジェシカは毎日のように、セバスチャンの家に遊びに来ていた。遊びに来る時間はだいたい決まっていて、学校帰りにそのまま来るか、好きなテレビがある時は、それを見た後にやって来た。 ジェシカは色々な事をセバスチャンに話した。学校で起こった事や、自分の好きな食べ物の話、好きなテレビの話、それから、昔住んでいた街の事とお母さんの事も話した。 セバスチャンはかわりに、マイケル先生に教えてもらった事を話した。 ... [続きを読む]
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- 2008/02/25 23:25その10
- ある日、ジェシカは学校帰りに、おぼつかない足取りで家から庭に出てくる少年を見つけた。 その少年の様子が変だったので、しばらく眺めていると、ゆっくりと庭に置いてある椅子に座って、椅子の隣に置いてあるテーブルの上の何かを探しているみたいだった。 ジェシカはあの子は何をしてるんだろうと不思議に思った。もうしばらく見ていようかなと思ったけど、大好きなテレビが始まりそうなので、その少年の事が気になりなが ... [続きを読む]
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- 2008/02/21 01:17その9
- 学校が休みの日、ジェシカはお父さんと一緒にパン屋に行った。 この町では、休日の朝にパンを買いに行く人が多い。それは、毎日忙しく朝ごはんを作っている母親を、この日だけはゆっくりさせてあげる為らしい。でも実はその風習は、ジェシカが今日やって来た「マザーズベーカリー」というパン屋が、お店を繁盛させる為に勝手に考えた事で、その事を知っている人はほとんどいなかった。その風習のせいもあって、マザーズベーカ ... [続きを読む]
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- 2008/02/16 00:31その8
- ジェシカは最近ツイていなかった。最近というのは、この町に引っ越してくるちょっと前からだ。 ジェシカは元々、ここからずっと遠くの都会で生まれ育った。今とは違って、コンクリートでできた家に住んでいて、たまにお母さんと大きなデパートに行くのが楽しみな子供だった。 ジェシカのお父さんは銀行員をしていた。朝早く家を出て、夜遅くに帰ってくる人で、ジェシカが生まれてからも、家にいない事が多かった。ジェシカの ... [続きを読む]
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- 2008/02/13 23:29その7
- セバスチャンはその日、朝から憂鬱だった。 その日は、朝起きるとポトポトとセバスチャンの嫌いな雨が降っていた。雨の音で目を覚ましたセバスチャンは、起き上がってムスっとした。今日は朝の体操が外でできない。だからトムおじさんとも話せない。つまんないなとほっぺを膨らました。 マリアは雨が降る日はセバスチャンの機嫌が悪い事を知っていた。起きてきたセバスチャンにむかって、「今日は雨で残念ね」 と言うと、 ... [続きを読む]
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- 2008/02/04 21:35 その6
- マリアは帰って来ると、おなかを空かせたセバスチャンの為に、急いで夕食を作った。 今日の夕食はセバスチャンの前々からのリクエストでハンバーグだった。テーブルに座っていたセバスチャンはハンバーグの焼けるいい匂いにもう我慢できなくなって「まだー」と連発していたけど、フライパンの中のハンバーグはセバスチャンがいくら急かしてもマイペースにこんがりと焼き目をつけていた。 夕食の時間は、セバスチャンが今日の ... [続きを読む]
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- 2008/02/01 00:29 その5
- マイケル先生の授業は午前の部と午後の部に分かれていて、午前と午後の間に昼食の時間があった。 マイケル先生とセバスチャンの昼食は毎朝マリアが会社に行く前に作ってあげていた。朝は時間が無いので簡単な物が多かったけど、マイケル先生はマリアのこの「手料理」を密かに楽しみにしていた。 そのかわり、マイケル先生はセバスチャンに昼食を食べさせてあげていた。この時のマイケル先生はスーツが汚れるといけないから ... [続きを読む]
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- 2008/01/27 15:43 その4
- セバスチャンは2階建ての古い家に住んでいた。この家はセバスチャンの祖父が建てた家で、父親もこの家で育った。建ってからずいぶんと建っているので、外壁の塗装が所々剥げていたり、薄くなったりしていて、外から見るとずいぶんとみすぼらしかったが、中は結構快適で、今のところこれといった問題もなく、親子2人で暮らすには十分過ぎるほど広かった。 家の中はトイレ以外はドアが無く、セバスチャンが通り抜けしやすいよ ... [続きを読む]
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- 2008/01/24 00:41 その3
- ほとんどの家のお母さんは朝が大忙しだ。新聞配達よりも早く起きて、子供達の為にごはんを作る。誰か手伝ってくれる人がいればいいけど、大抵は1人でこなさないといけない。セバスチャンの家はというと、セバスチャンとマリアの2人暮らしで、マリアを手伝ってくれる人は本当に誰もいなかった。その事をよく知っているから、マリアは逆にがんばれた。 マリアは今日もセバスチャンより早く起きていた。何年も前に買った目覚 ... [続きを読む]
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- 2008/01/22 00:38 その2
- セバスチャンの座っていたテーブルから回れ右をして20歩程歩いたところに、庭に通じる大きな窓がある。その窓を開けて外に出ると草花の香りがする小さな庭があった。 セバスチャンはその庭をとても気に入っていた。その理由のひとつめは家の中とは匂いが違って、やわらかい草花の香りがする事。セバスチャンはこの匂いが好きだった。 そしてふたつめは、庭で朝の体操をしていると、近所のトムおじさんが話しかけてきてく ... [続きを読む]
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- 2008/01/21 22:38 その1
- 小さな田舎町の小さな家に住んでいるセバスチャンは今日も元気いっぱい。朝目覚めると、パジャマの裾をずりずり引きずりながら、いつものようにキッチンにやって来てこう言った。「おはようお母さん。のどが渇いたミルクをちょうだい」 セバスチャンの朝起きてから言うセリフはいつも同じだ。それがたとえどんなに寒い日でも、大雨が降っている日でも関係ない。決まって「ミルクをちょうだい」だ。 お母さんと言われて振り ... [続きを読む]
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