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- 2008/07/10 01:26デイジー
- 「らんらららんらら・らららん・らららら」 迷路のように入り組んだ蒼い生垣の向こうから調子っぱずれなカノンが聞こえる。今にも浮き上がりそうな軽い足取りで飛び跳ねているせいで、カナリヤ色をした頭が時折ぴょこぴょこと顔を出している。それゆえに、地面にしゃがみ... [続きを読む]
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- 2008/05/02 00:00猿も道連れ
- 犬を仲間に加えての、旅路にて、今度は猿と出会う。柿の枝にぶら下がり、物欲しそうな顔でこちらを見ていたところを、よせばいいのに桃太郎が声をかけたのだ。 桃太郎は「自分は桃から生まれたので桃太郎と名付けられたのです」と言うのだが、まさかそんなことはある... [続きを読む]
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- 2008/05/01 00:00犬も道連れ
- 桃太郎と旅を始めて2日目。犬に出逢った。 犬がぎび団子が欲しいと強請ったので、鬼の征伐についてくるなら…と桃太郎が言うと、犬は快諾して、もらったぎび団子を頬張った。犬がどこまで役に立つかはわからないが、まあ私よりは役に立つのかもしれないと思う。 ... [続きを読む]
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- 2008/04/30 00:00旅は道連れ
- 今日は素晴らしく良い天気だったので、大きなおむすびをひとつ作ってカチカチ山にハイキングに出掛けた。 しかし、日頃の運動不足がたたって、途中でへばってしまう。おまけに、唯一の食料であるおむすびも地面にぽかりと空いていた穴に落としてしまい、私はすっかり... [続きを読む]
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- 2008/04/29 00:00あかずきんが行方不明に
- おばあさんの家におつかいに行ったあかずきんという女のコが、行方不明になったらしい。病気でふせっていたはずのおばあさんも突然姿を消してしまい、連日、ニュースで取り上げられている。 この前も、ヤギの子どもたちが6匹もオオカミに攫われるという事件があった... [続きを読む]
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- 2008/04/28 00:00カエルの運命の人
- 庭に、一匹のカエルが訪ねてきたので、植木鉢の受け皿にたまっていた檸檬水よりももう少し、酸味のきいた雨水でもてなした。「彼女がちっとも降り向いてくれない」と弱音を吐くので、この際、金の鞠はあきらめて別の誰かにしてはどうかと、茨で囲まれた城にもう百年も... [続きを読む]
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- 2008/04/27 00:00ピノッキオのあやつり人形劇
- 今日は特に予定もなかったので、一日中、自宅でだらだらとテレビをみて過ごした。MBTV(モクバテレビジョン)で放送していた、ピノッキオのあやつり人形劇が面白かったので、DVDの購入を積極的に考えたい。 [続きを読む]
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- 2008/04/26 00:00鶴の手芸屋オープン
- 友人の鶴が手芸屋を始めたので、お祝いに行った。フェルトのマスコットや、大きなビーズをつなげた飾りが吊るされる店内は、真新しい綿や真鍮釦の匂いで満ちている。 週末にはワンコイン手芸講座も開くのだと張り切っていた。昔は恥かしがって、自分が作業する様子を... [続きを読む]
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- 2008/04/25 00:00ウサギとカメのレースを見学
- ウサギとカメが、長距離マラソン勝負をするというので応援に行った。 たくさんの人や動物たち、その他の集まりの中に“ウサギとカメトト”と書かれたのぼりが立っていたので、買ってみることにする。 「どちらが勝ちますかねえ」と、近くにいたネズミに尋ねると「そ... [続きを読む]
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- 2008/04/24 00:00浦島太郎さんの家に遊びにいく
- 最近、めっきり老け込んでしまった浦島太郎さん(彼はそれを不思議な箱のせいだと主張している)の家に、おまんじゅうを持って遊びに行った。 お年寄りの一人暮らしは何かと心配であるから、時間をみつけては、そうして様子を見に行くことにしている。 浦島太郎さん... [続きを読む]
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- 2008/04/24 00:00浦島太郎さんの家に遊びにいく
- 最近、めっきり老け込んでしまった(彼はそれを不思議な箱のせいだと主張している)浦島太郎さんの家に、おまんじゅうを持って遊びに行った。 お年寄りの一人暮らしは何かと心配であるから、時間をみつけては、そうして様子を見に行くことにしている。 浦島太郎さん... [続きを読む]
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- 2008/04/23 21:33シンデレラに誘われ食事にゆく
- シンデレラに誘われて、二人で食事にでかけた。 ウエイターの持ってきた、かぼちゃのスープを口に運びながら、お城での新しい生活はどうだと尋ねてみたのだが、何かと家族の世話をやいていたこれまでとは違い、掃除や食事の支度などをしなくてもよい生活というのも、... [続きを読む]
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- 2008/03/14 03:41はらがへる
- この世には、不可解なことがたくさんあるので困ってしまう。困ってしまうと、なんだかお腹が空いてしまって、切なくって切なくってしょうがない。「カナちゃん、わたし、お腹空いたな」 かってしったるなんとやらで(わたし自身はカナちゃんをそんな風には思いたくな... [続きを読む]
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- 2008/03/14 00:52Bague
- 「空は嫌いだ」 私の膝の上に頭をのせて寝転がった彼が、ふいにそう言った。それきり、彼が口を開くことはなく私も黙って肩までの髪を風に揺らしていた。白い雲がゆっくりと流れてゆく。「寝ちゃったの?」 顔を近付けてなるべく静かに声を出した私の唇に自分のそれ... [続きを読む]
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- 2008/02/26 23:11タマゴホウシ
- その日、タマゴホウシはいつになく上機嫌であった。 射し込む陽の恵みをスポットライトに、床の上でターン、ターンを繰り返していた。気紛れに叩く私の拍手に気を良くし、飛び上がって宙返りまで披露する。その様子は、私が記憶の奥底に沈めていた幼い頃の記憶を呼び... [続きを読む]
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- 2008/02/25 02:34タマゴホウシ
- それは子供の頃、海原の向こうからやってきた友人が秘密基地の中で、そっと私だけに見せてくれたタマゴによく似ていた。 まっ白いシーツで覆った二段ベッドの薄暗がりの中でも、そのタマゴの美しさは少しも曇らなかった。赤や青や緑といった、原色使いで描かれた幾何... [続きを読む]
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- 2008/02/01 06:00林檎ノ色
- 小さな果物ナイフで、彼は器用に林檎の皮を向き始めた。それはつい昨日まで、隣りのベッドに寝ていた人が置いていってくれたものだった。「どうせやから、うさぎにしてな」 そんな私の言葉もすっかり忘れて、丸のままの林檎に刃をたてているのを、白いベッドの上に... [続きを読む]
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- 2008/02/01 05:51ガラスの靴
- 「魔法使いになりたいなぁ」屋上のフェンスを背にして彼女は呟いた。またわけのわからないことを言い出したなぁと思いながら「なんで?」と相槌をうつ。「ほら、こうさ、ぴゅーっと行きたいわけよ」「どこへ」「ぴゅーっとさ」ちっとも答えになってない。でも、こ... [続きを読む]
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- 2008/01/28 04:26kujira
- 圭子の話は、こんな一言から始まった。「ねえ、イルカ漁って知ってる」「イルカを、捕まえるってこと」問い返した私に彼女は首を振り、マグカップになみなみ注がれたジンジャーティーを一口飲んで「そんな単純なことじゃないのよ」と殊更に強い口調で言うので、私は... [続きを読む]
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- 2008/01/14 02:35花煙る
- ようやく辿り着いた山の頂には何もなかった。砂場に作った小山のように、こんもりと盛り上がっているのみ。わたしは少し考えて、胸ポケットにあったボールペンを地面に突き刺すと、その周りを土で固めた。たとえばこれが、宇宙衛星にとらえられ、黒と緑のちらつくス... [続きを読む]
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- 2007/12/21 03:21カルシウム牛乳
- 火曜日の朝。卵の白身が焦げ付いたアルミ鍋をボウル代わりに、僕は溢れるほどのコーンフレークを荒っぽく注ぎ込んで銀色のスプーンをつっこんだ。砕くように抜き差しする度にばらばらと黄金色の破片が落ちてゆくのを、知らない街の天気予報を見るのと同じように眺めた... [続きを読む]
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- 2007/10/29 05:17クリストファーおばけとすがたみ
- ここだけの話。これは内緒のことだけれども。クリストファーはおばけがこわい。鏡を見るとひゃっとする。だって自分のことってよくわからないんだもの。... [続きを読む]
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- 2007/10/29 05:09クリストファーおばけとテレビジョン
- クリストファーはテレビジョンが好き。だって、四角いじゃない。クリストファーは自分が大好き。だけど自分と違うものも愛してる。「私も、あなたを一生愛してる」とは、ノイズまじりのおしゃれなドレスのお嬢さん。「ぼくだって一生さ!」まあ、明日の気持ちの... [続きを読む]
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- 2007/10/29 05:02クリストファーおばけの素晴らしい孤独
- クリストファーには友達がいない。でも敵もいないよ。「ああ、それってなんて素敵だろう!」とげとげした森のとげとげした木に引っ掛かってしまった赤い風船。「ねえ!それってなんて素晴らしいんだろう!」――まあ、すっかり萎びてしまった風船に、話しかけた... [続きを読む]
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