- 2008/05/15 23:40霧雨に折りたたみ傘ひろげれば守られながら誰もがひとり
- やっと五月らしい天気が戻ってきた。暖かい電車のなかで気づいたのだが、ツバ付きの帽子をかぶっているおじいさんって好きだ。いかにもお出かけ用スタイルって感じがして、なんだか可愛い。私の祖父も、お出かけのときには必ずツバ付きの帽子をかぶっていく。それをかぶるだけで、ちょっとオシャレで気取ったおじいちゃんになるのだ。それに、帽子をかぶっていると、心なしかいつもより表情が優しげにみえる。帽子は怖い人をより [続きを読む]
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- 2008/05/14 20:42眠れない夜は兎のでる絵本はしゃいだ夜は小熊の絵本
- 雨上がりの日暮れ、会社終わりに区役所へ寄り、婚姻届をもらってきた。別にまだすぐ提出するというわけではないのだけれど、「コンイントドケの用紙ください」と口にだしたら、その硬く現実的な響きに圧されて、にわかに緊張した。 区役所へはもともと別のちょっとした用事で行こうと思っていて、昨晩「用事のついでに婚姻届もらってこようかなぁ」と恋人に冗談半分で言ったら、思いのほか軽やかな口調で「いいよー」と、返され [続きを読む]
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- 2008/05/13 21:10パラシュート着地できない夜ぼくの影があなたに落ちる確率
- 楽しみにしていたことが一気に終わってしまい、ぐったり気が抜けている。仕事の平日はどうしても平坦でつまらないので、週末に楽しみを詰め込んで乗り切るのだが、最近ちょっと詰め込みすぎている気がする。平日のぐったり具合が半端じゃない。 どんなにぐったりしていても仕事は仕事なのだからちゃんとしないといけないのに、ガムを噛んでもコーヒーを飲んでもやる気が起きず、仕事がはかどらなくてだんだんと不機嫌になり、ど [続きを読む]
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- 2008/05/13 00:33会うたびに話し足りなくなるけれど敢えて手紙は書かないでおく
- 好きな人といるときには、時間や言葉や立ち止まれる場所や、いろんなものがあやふやに足りない。好きな人と離れたあとは、時間も言葉も立ち止まれる場所も溢れて、ただ、好きなその人の存在だけが、決定的にくっきりと足りない。これは、難しい問題。できることなら、好きな人といながら、時間も言葉も立ち止まる場所もあふれていてほしいけど、好きな人はいつも、私の時間と言葉と場所を消費する力がすごい。 [続きを読む]
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- 2008/05/11 21:52現実であればあるほど遠いんだあなたがそばにいたということ
- B’zの武道館ライブへ行き、次の日は友達と遊び、雨と一緒に過ぎ去った週末。 空っぽの紙袋みたいな、カラコロした心のなか。一か月も前から、行動予定と楽しみの気持ちを詰め込んで詰め込んでぱんぱんにして、カレンダーを眺めながらずっと抱きしめていた紙袋。週末がきたとたん、口から底からどんどこどんどこ、時間に食べられていって、瞬く間に空っぽになった。すべてを終えた帰り道の横断歩道で、空っぽの紙袋が行き交う [続きを読む]
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- 2008/05/09 23:18質問を使い果たしてしまったら最後は君にお礼を言うよ
- 前々から苦手な取引先の人に、尋ねられたことを必死で説明していたら、「言っちゃ悪いけど、あんた日本語、下手だね」と言われ、久々に涙ぐんだ。ただし今の私はふてぶてしさを身につけているので、涙ぐんだからといって二年前のようにビクビク謝ってしまうようなことはなく、「はーそうですねー」と、人ごとのように交わして、相手に手ごたえを感じさせずに電話を切ることに成功した。そんな自分をほめたい。この人はいつも次か [続きを読む]
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- 2008/05/08 00:26今すぐに会いに行くから手土産はすみれの花とアイスクリーム
- 実家から宅配便で送った絵本が、今日東京の家に届いた。恋人に見せたら、最初は興味なさそうにしていたけれどやがて何冊か手に取り、つっこみを入れながら音読までし始め、最終的に「俺は絵本をつくろうと思う」とまで言いだした。気に入ると、何でも自分で作りたがる。是非挑戦してほしいものだ。 恋人のつっこむところがいちいち面白くて、新たな見方に爆笑しながら、絵本って一冊で何度も楽しめるものだなぁと改めて感心した [続きを読む]
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- 2008/05/06 19:50背後はもう思い出
- 今、東京へ向かう新幹線に乗っている。 昨日家族で出雲を発ち、父の車で岡山へ向かった。行き先は、瀬戸内海の見渡せるペンション。下の妹の受験も終わったことだし、ゴールデンウイークの最後ぐらいどこかへ泊まって観光しようということになったのだ。ここ数年は誰もが何かと忙しかったから、家族旅行なんて久々で、ちょっと恥ずかしいようなくすぐったいような気分になりながら、意気揚々と運転席に座る父の車に、わいわい乗 [続きを読む]
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- 2008/05/05 00:10帰省2
- 友達と遊んだり、絵本の埃を拭いてダンボールにつめたりなどしているうちに、二日間が過ぎる。明日家族で岡山に一泊し、次の日そのまま東京へ帰る予定だ。準備をしなくては。 家族はみんな大好きだけど、甘えが許されるぶん感情のコントロールが難しくて、身近な人間に対してほどワガママで勝手気ままになる私みたいな人間は、やはり高校卒業と同時に実家から出て正解だったなとつくづく思う。 [続きを読む]
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- 2008/05/03 08:31帰省
- 早朝に家をでて、夕方近く出雲に到着。免許を取った上の妹が車を運転して、下の妹とふたりで迎えにきてくれた。少しまえまで考えられなかったことだ。頼もしい妹たち。みんな大人になったのだなぁ。 迎えにきてもらったその足で、祖母の病院へ向かう。孫三人だけでのお見舞いは、初めてだった。生活観のあるものがなにひとつない病室で、機械に寄り添い祖母は眠っていた。もうすっかり痩せて、唇や手がカサカサに渇いていたけれ [続きを読む]
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- 2008/05/01 23:40やぶられた誕生月のカレンダー誰のものでもない凧になれ
- 今日から五月。いち早く気づいて会社の壁掛けカレンダーをやぶっている営業さんの姿を見て、カレンダーをやぶるしぐさを、好きだなぁと思った。四月の出来事と五月の予定に、多かれ少なかれ思いをはせながらやぶっているのだろうなぁと思うと、その作業と作用の人間らしさに、なぜだか胸がきゅんとする。ビリビリビリと、おおらかで力強い音がして、ぱっと壁全体の気配を変える、真新しい五月のイラスト。そのイラストを清々しく [続きを読む]
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- 2008/04/30 21:37あてもなく忘れられないひまわりの庭を追いかけ翳りゆく夏
- 私が生まれて初めて自分で買ったCDは、小学五年生ぐらいのころに買った中島みゆき「旅人のうた」なのだが、カセットの時代までさかのぼると、幼稚園のころに「魔女の宅急便」の曲目的でユーミンのシングル集みたいなカセットを買ってもらったのが、自分の意志で手に入れた人生初の音楽になる。 そのカセットに入っていた曲のなかで、幼稚園児の私が最も心惹かれてすぐ覚え口ずさむようになったのが、「翳りゆく部屋」という曲。 [続きを読む]
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- 2008/04/29 22:23お母さん夢をデパート屋上の遊戯施設に置いてきちゃった
- 晴れた祝日。母の日のプレゼントを求めて、池袋へ。池袋はうちから行きやすいし、あらゆるお店がざっくばらんに並んでいて何度歩いても飽きないので、事あるごとに出向いている。 去年は買うものが決まらず歩きまわってクタクタになったのだが、今年は最初からお風呂用品にすると決めており、池袋にLushという石鹸の専門店があると恋人に聞いて場所を調べておいたので、とてもスムーズに目的地を目指せた。それに、歩いてい [続きを読む]
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- 2008/04/28 22:43自転車の鍵にはメッキの剥げた鈴 守りきれない失くしきれない
- あまりにも可愛いものや、あまりにもカッコいいものを目撃すると、涙がでそうになるのはどうしてだろう。本当であってほしいことが、想像以上に本当だと、立ちくらんで息苦しくなるのはどうしてだろう。どうしてだろう。もう二十五年付き合ってきたのに、自分の心と体の連動のしくみが、私には未ださっぱりわからない。 明日は祝日でお休みだから、母の日の贈り物を買いに行こうと思う。母は若いころ保育士をしていた経験を生か [続きを読む]
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- 2008/04/27 23:54妹の楽譜ぱらりと彼女にも共有しない追憶がある
- 今日は一日家にいて、のんびり漫画やら本やら読んで過ごす。恋人がお鍋いっぱいにキャベツのスープを作り、その日曜日っぽい量と味わいに満たされた。 昨日は友達夫婦が夜ごはんに誘ってくれたので、恋人と一緒におよばれした。友達夫婦の家はふかふかで座り心地がよいし、でてくる食器がみんな可愛いし、そんななかでゆったり気張らない会話ができて、いつも楽しい。それに、会うたびどんどん成長していく赤ちゃんに、毎回感動 [続きを読む]
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- 2008/04/25 22:25脱走を試みながら整然とタイムカードは鱗のように
- ゴールデンウィークが近づき、なんとなくみんな、機嫌がよくなってきている。月曜から水曜あたりまでは、私を含め、誰もが気だるそうで、どことなく不機嫌なオーラを放っているのだ。機械じゃないので、いつも健やかな心ではいられないし、平日よりは休日が好き。それはみんな一緒なんだな。 誰にでも不機嫌な日や気持ちの乗らない日があるのだということを、会社は学校以上にくっきり浮かび上がらせる。同じ教室にいながらみ... [続きを読む]
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- 2008/04/23 22:53そそくさと君が視線をそらすほど存在感に拍車がかかる
- 家から最寄の駅までの移動手段に、最近自転車をつかうようになった。寒い時期は風の冷たさにくじけて、二十分ほどかかる道のりを歩いていたのだけど、ようやく暖かくなったから。 家から駅へ、駅から家へ、ぐんぐんびゅんびゅん、自転車をこぐ。こげばこぐほど、するすると景色が流れ、心地よい風が体中をすべり、髪の毛や洋服がはためいて、私は東京の空の下、躍動する生き物になれる。一日のうちで、最も活発な時間。 先日買 [続きを読む]
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- 2008/04/22 21:34帰らせてこんなしらけた心では何処にいたって場違いだから
- 世界を大きく捉えるのと、小さく捉えるのと、どちらが優しい視線を保ちやすいだろう。優しくいられないときは、どんな範囲の視界も、尖ってしまうか。 結局のところ、私は私らしくさえいられれば、たぶんそれで満足なのだろうけど、こんなしらけた心では、何処にいたって何をしたって場違いだ。楽しくなんてなれない。 昨日自分の書いてしまったことが悲しい。悪意と圧力に満ちている、なんて、それは私が一番思いたくないこ... [続きを読む]
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- 2008/04/21 21:20朝焼けに溶ける足取り粘ついて昨日もここで赤だったっけ
- 家の中では、薄暗い臆病な眼で、玄関から一歩外にでたら、落着きのない攻撃的な眼で、外の世界と向き合っている。いくつになっても、外の世界は脅威。外の世界で何より必要とされる能力は、善意と悪意を見分ける力だ。くれぐれも、人の悪意に触れてはいけない。この世に、人の悪意ほど底なしに恐ろしいものは、ないのではないかとさえ思う。悪意が善意へと変化することはまずないが、善意は些細なことで簡単に悪意へと翻るから... [続きを読む]
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- 2008/04/20 21:47有害であってたまるか初めての相合傘に降り注ぐ雨
- 日曜日。具体的なことを何一つとしてする気になれず、youtubeをぼんやりさまよっているうちに、何のきっかけからだったかいつの間にやら、懐かしいアニメのオープニングやエンディングばかり検索して聴いていた。例えば「らんま1/2」、「ドラゴンボール」、「セーラームーン」、「スラムダンク」、「魔法陣グルグル」、「ママレード・ボーイ」、「赤ずきんチャチャ」、どれも子供のころ夢中で見ていたアニメばかり。 アニメ... [続きを読む]
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- 2008/04/19 22:30すみやかに救ってくれる王子様その的確で易しい言葉
- 一ヶ月後に迫るB’zのライブが楽しみすぎて、稲葉さんの絵を描く。今までで、一番好きな感じにかけた気がする!今までのが下手すぎるというのもあるけれど。恥ずかしい過去を踏み台にして、なんでも上達してゆけ私。稲葉さんはどんなに時間をかけて描こうともその不滅素敵フェイスを見飽きるということなど決してないので、とても素晴らしい。ライブが、楽しみだなぁ。 絵を描く以外は、ぼんやり掃除をしたり洗い物をしたり... [続きを読む]
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- 2008/04/17 22:52とっておきばかり身につけ前髪と沈黙ばかり気がかりだった
- 雨が降っている。今朝は天気予報をみたから雨が降るとわかっていて傘を持って出たというのに、それでいて新しい革製の靴をはいてでかけてしまったことを、心底後悔しながら、濡れて水を吸い色を変えていく哀れな革靴を睨んで歩いているうちに、そういえばブーツを買ったばかりのときにも、こんなことがあったなぁと思いだした。それから、そのとき隣にいた人のことも。 高校の頃に好きだった人と、大学生になってから何度か遊ん [続きを読む]
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- 2008/04/16 00:38循環の悪い日
- どんなでもいいから、誰か私に、強い思いをみせてほしい。私のことは私が自分で表現するんだから、なにも、一歩離れたところから私を見てなくていい、冷静にわかってくれなくていい。わかってくれなくていいから、大いなる勘違いのなかでいいから、強い思いをください。そんな安全な位置からばかりのやりとりじゃ、ふやけてしまう。誰かの強い思いが、私に生きるイメージをくれるのに。私は彼らに、強い思いを抱かずに居られない [続きを読む]
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- 2008/04/14 23:00ささやかに生きる私のこだわりを君は見抜ける位置にいなさい
- 人間ごっこに短歌731〜740をアップしました。ほぼ、題詠100首ブログで詠んだ歌。自分の詠みたい歌が、分かってきた気がする。分かってきた気がする、という思いは、何かの拍子にまた何かを見失うという、恐怖の合図でもあるのだけど。*** 5月10日に行くことになっている、B’zの武道館ライブチケットが今日届いた。なんと、アリーナ席なのだ。しかも番号から察するに、どうやらそれなりに近いっぽいのだ。どうしよう... [続きを読む]
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- 2008/04/13 21:26押入れを潜水艦にぼくたちの二段ベッドは海賊船に
- 子供のころ、押入れや二段ベッドを、船や宇宙船にしたごっこ遊びに夢中になった。押入れに懐中電灯と地図を持ち込んだり、二段ベッドに手書きの旗を掲げ、お盆と箒で舵をとったり。楽しくてスリル満点で、頭の中は物語に満ち溢れていて、手に取るものすべてが遊びの世界を広げていき、夢中になりすぎて、自分の本当にいる場所が押入れや二段ベッドだってことを、忘れてしまうほどだった。 あのころ、どうしてあそこまで本気で... [続きを読む]
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