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- 2008/08/08 04:00警視 駿河誠一郎 <静森荘殺人事件> 第58話
- 「おいっ! 南条! 大丈夫か?」 ドアを叩きながら叫んでいると、中から返事らしき声が聞こえ、ドアがゆっくりと開いた。 南条が「何、何、何? だから、まだ眠いって言ったじゃない」と言いながらドアを開けると、人の多さにびっくりして「えっ!? どうしたの?」と目を丸くしながら言った。 北舘が「お前、大丈夫だったか?」と南条に訊いた。「大丈夫って何が?」「誰か部屋に入ってこなかったか?」「いや、誰も? だ [続きを読む]
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- 2008/08/05 04:00警視 駿河誠一郎 <静森荘殺人事件> 第57話
- 午前8時 ドンドンドンドンドン、ドアを強くノックする音が室内に響き渡った。「誠一郎さん。誠一郎さん。すぐ来ていただ……」 カチャ、と誠一郎の部屋のドアが開いた。「どうした?」「下の階の……」「とりあえず、行こう」 2人は急いで階段を駆け下りた。「あの部屋です」 那奈が指差した部屋の前には、すでに何人もの人がドアの周りを囲んでいた。 ドンドンドンドンドン、北舘と西谷はドアを強く叩いていたが、誠一郎 [続きを読む]
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- 2008/08/01 02:00警視 駿河誠一郎 <静森荘殺人事件> 第56話
- 管理人が「おはようございます」と言うと、那奈は「あっ!? おはようございます。すいません、気付かなくて」と恥ずかしそうに言った。「いえ、私のほうこそ、ご挨拶が遅れてしまって……会話に入れなかったものですから」 「はははっ、すいません」 管理人は、玄関のドアに手を向けて「外、ご覧になります?」と訊いた。「あっ、はい」 那奈は、スッと立ち上がって、玄関へ向かって歩いて行った。「この音って、もしかして [続きを読む]
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- 2008/07/30 02:30警視 駿河誠一郎 <静森荘殺人事件> 第55話
- 2日目 午前5時30分 コツコツコツコツ、と開いているドアの外から聞こえてくる足音のほうに、誠一郎は視線を移動させた。 ロビーのドアが開いていて、その奥から鋭い視線を感じながら階段を下りてきた管理人は、少し戸惑っていたが、視線の先の人物がわかったらしく「お早いですね。もう起きてらしたんですか?」と声を掛けた。「えぇ、まぁ」 誠一郎が返事をすると、管理人はロビーに入ってきた。向かいのソファーで横 [続きを読む]
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- 2008/07/28 02:00警視 駿河誠一郎 <静森荘殺人事件> 第54話
- 「ちょっとここ見て」 見取図を描き終えた後、そのまま誠一郎の隣に座っていた那奈のほうに予約者名簿を寄せた。「あっ、はい」 那奈は、指が置いてある所の文字を見た。「ちょっと読みづらいですね。何て書いてあるんですか?」「相当古くなっているから確かに読みづらいけど、カタカナで、タ、キ、ウ、ラ、エ、イ、ジ」「え! 滝浦英次ですか?」 那奈は予約者名簿を手に取り、そこに書いてある文字をじっくり見た。「そう言 [続きを読む]
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- 2008/07/25 02:00警視 駿河誠一郎 <静森荘殺人事件> 第53話
- 静寂に耐えられなかったのか、那奈は「誠一郎さんもずっと起きてるのはつらいでしょうから、交代で見張りませんか?」と提案した。「交代で?」「はい。2時間くらい交代で寝るというのはどうですか?」「うん、いいよ。でも、僕はまだ眠くないから、先に寝ていいよ」「いや、今じゃなくて……私もまだ眠くないので、もう少ししたらということです」「そう……わかった」 再び、長いこと沈黙が続く。 沈黙を破るかのように、誠 [続きを読む]
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- 2008/07/23 02:00警視 駿河誠一郎 <静森荘殺人事件> 第52話
- 誠一郎は、那奈のほうに視線を戻し「那奈ちゃんも休んでいいよ」と言った。「あっ、また私を遠ざけようとして……私が邪魔なんですか?」「邪魔じゃないよ。邪魔じゃないけど、ここにいても仕方ないでしょ?」「邪魔じゃないなら、私も、もうちょっとここにいます。……あの、ちょっと訊いてもいいですか?」「いいよ」「さっき、晋悟さんに『早く起きていただくことがあったら……』って言ってましたけど、皆さんを6時前に起こ [続きを読む]
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- 2008/07/21 03:40警視 駿河誠一郎 <静森荘殺人事件> 第51話
- ロビーに入ると、那奈は「お母様どうでした?」と訊いた。「いや、大丈夫だよ。ちゃんと戸締りするように言っておいた。えっと、それより管理人さんは?」「食堂……じゃなくて、厨房にいると思います」 それを聞いて、誠一郎は受付を覗き込み、厨房にいる管理人さんを呼んだ。「すみませーん。管理人さん」 管理人がその声に反応して、受付のほうを見てから近付いてきて「何でしょうか?」と返事をした。「いつもは何時ごろま [続きを読む]
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- 2008/07/18 02:30警視 駿河誠一郎 <静森荘殺人事件> 第50話
- 午後9時45分 ロビー 2人がロビーに入ると、誠一郎はロビーにいる人たちに対して少し大きめの声で「皆さんご協力ありがとうございました。今日は以上で結構ですので、各自お部屋にお戻りいただいて構いませんが、部屋に入られましたら、ドアはもちろんのこと、窓もちゃんとカギを閉め、何かあってもむやみに開けたりしないでください。それと、朝早くに皆さんを起こしに伺うかもしれませんので、お早めにお休みになってくだ [続きを読む]
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- 2008/07/16 02:30警視 駿河誠一郎 <静森荘殺人事件> 第49話
- ドアが閉まり、晋悟が階段を下り始めただろう頃合いを見計らって那奈は、足を組み左拳を顎に当てドアのほうを見つめながら何やら考えている誠一郎に「あのー……すいません」と言った。 誠一郎はそのままの姿勢で、顔を少し横に向けると「ん?」と言った。「事情聴取なんですけど、メモをとっていませんでしたけど、大丈夫なんですか?」「えっ? どうして?」「あれだけの人数だから全部は覚えられないんじゃないんですか?」 [続きを読む]
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- 2008/07/14 03:30警視 駿河誠一郎 <静森荘殺人事件> 第48話
- 「そうですか。では、5時に戻ってきてからは、何をされていましたか?」「今回は、買い物の量が多かったので、それを厨房に運んで、整理したり、しまったりするのに、いつもより時間が掛かりましたが、それが終わったら6時まで掃除をして、6時からは夕食の準備の手伝いをしました」「掃除はどこを掃除していたんですか?」「ロビーと食堂です」「ところで、今日ここに来た宿泊客の中で、最初に見掛けた方はどなたですか?」「... [続きを読む]
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- 2008/07/11 02:10警視 駿河誠一郎 <静森荘殺人事件> 第47話
- 午後9時20分 206号室 鶴崎晋悟が部屋に入ってきた。「みなさんにお話しを伺っておりますので、一応あなたにもお話を伺おうと思いまして、お呼びいたしました。どうぞ、こちらにお掛けください」 誠一郎がそう促すと、晋悟はイスに腰掛けた。「それでは、まず、氏名と年齢をお聞かせください」「鶴崎晋悟、21歳です」「大学生なんですか?」「はい。大学3年生です」「管理人さんとのご関係は?」「ボクの叔父にあた... [続きを読む]
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- 2008/07/09 02:10警視 駿河誠一郎 <静森荘殺人事件> 第46話
- 誠一郎と那奈が、206号室に先に行っていると、程なくして管理人が戻ってきた。 「お待たせいたしました。持ってまいりました」「こちらは随分とぶ厚いですね」「はい、何しろ20年分ほどございますから」「そんなにあるんですか……蔵内さんが以前泊まったのは、5年前って仰っていましたよね。一応、調べていただけますか?」「はい……ですが……」「どうされました?」「こちらの名簿は予約者名簿でして、予約された方の... [続きを読む]
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- 2008/07/07 02:15警視 駿河誠一郎 <静森荘殺人事件> 第45話
- 「そうですか。南条さんから呼ばれたのは何だったんですか?」「トイレの水が流れっぱなしになってしまったとのことで、私はちょうど手が放せなかったので、晋悟くんに行ってもらいました」「その、トイレの水が流れっぱなしになるのは、よくあることなんですか?」「よくあることではありませんが、たまになってしまうことがあります」「悲鳴が聞こえた時、管理人さんは気になりませんでしたか?」「もちろん気になりましたが、... [続きを読む]
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- 2008/07/04 02:00警視 駿河誠一郎 <静森荘殺人事件> 第44話
- 「では、その時以外にも、出掛けられることはあるんですか?」「はい。晋悟くんがいる間はほとんどありませんが、夏休み以外の期間は、出掛けることがあります」「そうですか。それでは、次に管理人さんの今日の行動をお聞かせ願えますか?」「今日のいつからお話すればよろしいのでしょうか?」「朝、起きてからでお願いします」「朝は、いつも7時に起きて、朝食の時間が8時なので、それまでは準備などをしていました。朝食後... [続きを読む]
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- 2008/07/02 02:001万円が10名に当たる!アルファポリス「ミステリー小説大賞」について
- 主催者の方から「ミステリー小説大賞」エントリーのお誘いを頂きまして、参加してみることにしました。ご投票していただいた方の中から抽選で1万円が10名に当たります。皆様のご投票よろしくお願いします。ブログランキングの投票とは違い、期間中(今月末まで)に1回だけの投票でOKです。★投票方法(※携帯メールでは投票できません)1.まず、【こちら】 をクリックしてください。↓この画面が別ウインドウで開きます。 ... [続きを読む]
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- 2008/07/01 02:00警視 駿河誠一郎 <静森荘殺人事件> 第43話
- 「そのキャンセルした方について、詳しく教えていただけますか?」「ですが、キャンセルされた方のお名前等は消してしまいましたので、わかりかねますが」「その方は男性でしたか、女性でしたか?」「女性の方でした」「その方の声を聞いて、いくつぐらいの印象を受けましたか?」「比較的若かったと思います」「そのキャンセルされた日というのは、正確に覚えていますか?」「はい。8月1日です」「なるほど。ありがとうござい... [続きを読む]
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- 2008/06/27 02:00警視 駿河誠一郎 <静森荘殺人事件> 第42話
- 午後9時 206号室 管理人の鶴崎勝明が部屋に入ってきた。「すみません。一応、管理人さんにもお話をお伺いいたします」「いえ、ここで起こった事件ですから、私にも責任がございます。私にできることでしたら、何でもお手伝い致しますので、何なりとお申し出くださいませ」「すみません。ありがとうございます。それより、こちらに、お掛けください」「それでは、失礼して」 そう言って、管理人はイスに腰掛けた。「それ... [続きを読む]
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- 2008/06/24 02:00警視 駿河誠一郎 <静森荘殺人事件> 第41話
- 「受付の所で管理人としばらく話をして、その終わりに『部屋で休むから夕食の時間になっても起きてこなかったら、起こしてくれ』ってお願いして、部屋に戻ったんだよ。長い時間、山道を運転すると疲れるでしょ?」「まぁ、はい。それはわかります」「あっ、そうだ。起こしてくれって管理人にお願いする前に、お手伝いの子が帰ってきてたなぁ。買い出しに行ってたみたいで、夕食を楽しみにしてたんだよ。今の管理人の作る料理は凄... [続きを読む]
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- 2008/06/20 13:15警視 駿河誠一郎 <静森荘殺人事件> 第40話
- 午後8時50分 206号室 蔵内和雄が部屋に入ってきた。「わざわざお呼び立てすみません。しばらくの間、お時間いただきます。そちらへお掛けください」 蔵内がイスに腰掛けると、誠一郎は質問を始めた。「すいません。まずはじめに、氏名と年齢をお聞かせください」「蔵内和雄、77歳」「えっ!?」 那奈が思わず声をあげた。「あっ、すいません。とても77歳には見えなくて……てっきり60歳前後かと思ってました... [続きを読む]
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- 2008/06/17 02:00警視 駿河誠一郎 <静森荘殺人事件> 第39話
- 「到着してからの行動……?」「まぁ、玄関を開けてから、どうされましたかってことです」「玄関開けて、中に入ったら、受付に誰もいなかったから、北舘がロビーのソファーに座ってた女の子に訊いてましたよ。『ここの人どこにいますか?』ってね。そしたら、その娘(こ)が振り向いたので、顔が見えて、カワイかったから思わず、俺もその娘(こ)に声を掛けちゃったんですよね『お姉さんお綺麗ですね、どちらからいらっしゃったんで... [続きを読む]
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- 2008/06/13 02:00警視 駿河誠一郎 <静森荘殺人事件> 第38話
- 午後8時40分 206号室 南条昌人が部屋に入ってきた。 南条は部屋に入るなり「先程は本当にすいませんでした」と深々と頭を下げた。 誠一郎は「南条さん、頭を上げてください」と言った。「すいません。俺の車がパンクさせられてたってのを聞いて、八つ当たりしてしまって……」 「いや、私は気にしていませんから。それより、どうぞイスに座ってください」 南条がイスに腰掛けると、誠一郎が質問を始めた。「ではま... [続きを読む]
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- 2008/06/10 10:25警視 駿河誠一郎 <静森荘殺人事件> 第37話
- 「西谷さんは、その女性の顔に見覚えはありましたか?」「僕ですか? ありません」「他の女性の方にも見覚えはありませんか?」「はい、ありません」「そうですか。では、この手紙の差出人の滝浦英次氏という方に心当たりはありませんか?」「はい、ありません」「わかりました。それでは、部屋に案内された後の行動をお聞かせください」「部屋に入って、荷物の整理をしてました。その後、5時にみんなで卓球をやるってんで、遊... [続きを読む]
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- 2008/06/06 02:00警視 駿河誠一郎 <静森荘殺人事件> 第36話
- 午後8時30分 206号室 西谷敬太が部屋に入って来た。「まぁどうぞ、そこに掛けてください」 誠一郎に促され、西谷はイスに腰掛けた。「まず、氏名と年齢をお聞かせください」「西谷敬太です。27歳です」「今日、一緒にこちらへ来た4人のご関係は?」「会社での友達です」「いつごろからお友達になられましたか?」「僕は、去年に入社したので、その時からです」「どなたと最初に仲良くなられたんですか?」「東田で... [続きを読む]
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- 2008/06/03 02:35警視 駿河誠一郎 <静森荘殺人事件> 第35話
- 「構いませんよ」「トイレの入口に、サンダルが何足か置いてありますよね。トイレから出てきたら、1番端のサンダル1組だけ子供用のサンダルとペアになってたんです」「子供用のサンダル? それはトイレに入る時には無かったんですか?」「無かったと思いますが……断言はできません」「その子供用のサンダルの片方だけが多かったってことではないんですか?」「いや、壁側に子供用のサンダル片方があって、その横に大人用のサ... [続きを読む]
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