水樹裕 さん

水樹裕さん: DREAM・缶
  水樹裕さん 携帯プロフィール QRコード   

参加トラコミュ

小説同盟自作小説!!イラスト・まんが・挿絵・デザイン
小説同盟自作小説!!イラスト・まんが・挿絵・デザイン
自作オリジナル小説掲載長編小説、ノベルシリーズ創作SF小説・創作ファンタジー小説
自作オリジナル小説掲載長編小説、ノベルシリーズ創作SF小説・創作ファンタジー小説
オリジナル小説発表恋愛小説(オリジナル)
オリジナル小説発表恋愛小説(オリジナル)

プロフィール

ハンドル名水樹裕 さん
ブログタイトルDREAM・缶
サイト紹介文水樹裕のオリジナル小説ブログ・アメブロ出張所です。
参加カテゴリー
更新頻度情報提供26回 / 130日(平均1.4回/週) - 参加 2008/03/03 06:43

水樹裕 さんのブログ記事

記事削除機能過去の記事 … 1 2 次へ
  • 2008/05/01 07:00第3話 旅立ち 05
  • 「あれ? お父さんは? 書斎にいるの?」一階のダイニング・キッチンに足を踏み入れた茜が、驚いて声を上げた。食卓にいると思った父の姿が見えない。父の衛も、今週いっぱいは忌引き休暇で家にいるはずなのだ。今日が木曜だから、あと四日間は休みの予定だった。「ああ、何か大学の方で急用とかで出掛けたよ。少し遅くなるから、夕飯先に食べてろってさ」嫌な予感に、茜は恐る恐る敬悟に質問を投げた。「け、敬にぃは、まさか... [続きを読む]
  • 2008/04/30 15:15第3話 旅立ち 04
  • 夢と言うには、あまりにリアルなあの鬼の息遣い。生臭い匂い。その一つ一つを、まだ鮮明に思い出せる。それに――。茜は、あの母の顔をした『鬼女』を思い出して、ぶるっと身震いをした。身近な人間が、異形のものに変わる恐怖。細胞の一つ一つが粟立つようなあんな感覚は、生まれて初めて体験するものだった。茜にとっては、見るからに『鬼』と言う最初の赤鬼よりも、あの『鬼女』の方がよほど怖かったのだ。「じゃぁ、早く降り... [続きを読む]
  • 2008/04/29 20:27第3話 旅立ち 03
  • 「鬼ぃ!?」茜のセリフに驚いて、敬悟がさらに目を丸くした。ぱちぱちと三回ゆっくり瞬きすると、茜を顔をマジマジと見下ろす。「何だそれ。……夢でも見たのか?」真顔で聞き返されて、茜はますます訳が分からず混乱してしまう。「だって夕べ敬にぃ、私に"風呂入って寝ろよ" って言いに来て、"鬼" 見たでしょ!?」同意を求める茜の顔を、敬悟はただ『きょとん』と見返していた。その表情に嘘は見えない。... [続きを読む]
  •   関連キーワード
  • 風呂
  • 2008/04/28 09:58第3話 旅立ち 02
  • 「お前なぁっ……。だから、注意力散漫だって言うんだ。もう昼過ぎだぞ。いくら忌引き休暇中だからって、いい加減に起きろよ」おでこをさすりながら茜の服装に気付いた敬悟が、眉根をギュっと寄せた。「何だお前、制服のまま寝たのか?」え?敬悟の問いに茜は、頭が混乱する。ぎこちない動作で周りを見渡すと、そこはいつもと変わらない自分の部屋だった。お気に入りのパイン材の机とチェストとベットの三点セットは、去年の誕生... [続きを読む]
  • 2008/04/27 09:16第3話 旅立ち 01
  • 「茜。おい、茜!」誰かが、自分の体を揺さぶっている。もうろうとした意識の下、茜は「この声、だれだっけ?」と、ボンヤリ考えていた。「おい! 茜! いい加減に起きろ!」「あっ!?」この声! 突然、意識がはっきりして、茜は飛び起きた。瞬間、『ごちん』と鈍い音が響いて、『おでこ』に激痛が走り抜ける。目から、火花が散った様な気がした。「痛った〜い!!」思わず声を上げ、両手で額を抑えながら目を開けると、同じ... [続きを読む]
  • 2008/04/26 00:08第2話 青い闇 05
  • ――ああ、そうか。お母さん、死んでなんかいなかったんだ。だから、私、泣かなかったんだ。こみ上げる泣きたくなるような、安堵感。「お母さん!」駆け寄ろうとした茜の足が、ピタリと止まった。ニィッ――と、女が笑ったのだ。 上がった口の端から、白い、大き過ぎる犬歯が覗く。禍々しい程の輝きを放つ双眸。それは、母と似ていて否なるモノ。母の皮をかぶった鬼女。あまりの恐怖で、金縛りにあったように動けない茜に、母の... [続きを読む]
  • 2008/04/25 09:01第2話 青い闇 04
  • 茜はホッとした瞬間、自分がモグラよろしく地面にはいつくばっていることを思い出し、慌てて立ち上がった。「あ、あのこれは、暗くてよく見えないのでどうしようかなと思ったら、地面が震動しているのに気がついいて、それを辿ってくれば誰かに会えるんじゃないかなぁ、なんて思ったわけで―」 照れ隠しにまくし立てながら、ホコリで真っ白になっているはずの制服のスカートをぱんぱんと払うと、女の方へと歩き出した。だが、女か... [続きを読む]
  • 2008/04/24 02:07第2話 青い闇 03
  • 地面の震動を手のひらでたぐるように、這い進んで行く。人間、進む方向性が決まると図太くなるらしく、「こんな格好、人には見せられないなぁ」などど、呟く余裕が出てくる。どれくらいそうしていただろうか。音が大きくなるにつれて、周りがほの明るくなって来た。それでも、周りに何かが見える訳ではなかったが――。「いったい、どんだけ広いのよ!?」 奇妙だった。明るさは確実に増して来ているのに、相変わらず、周りがど... [続きを読む]
  • 2008/04/23 08:15第2話 青い闇 02
  • 「神津 敬悟! 返事しろーっ!」張り上げた声が、吸い込まれるように消える。「何で、いないのよぅ……」心細さに、泣きたくなる。幼い頃から一人ぼっちが、大嫌いだった。きかん気が人一倍強い子供だった反面、人一倍寂しがり屋でもあった。一人が怖いと言って泣く夜は、いつも隣に敬悟がいてくれた。『大丈夫だよ、茜ちゃん。僕がいつも一緒にいるからね』そう言って、いつも茜が寝付くまで、手を繋いでいてくれた。いつの頃... [続きを読む]
  • 2008/04/22 13:05第2話 青い闇 01
  • ――あれ? ――ここは、どこだ? 目を覚ました茜は自分のいる場所が何処なのか分からずに、きょろきょろと周りを見渡した。 ゆっくりと起きあがる。 そこは、不思議な場所だった。 暗闇では、なかった。 でも、周りに何があるのか分からない、言うなれば濃密な「青い闇」 両手を前に突き出して、探ってみる。 じりっじりっと、進んでみるが、その手には何も触れなかった。 まるで底なし沼を泳いでいるような、そんな不安感。 見え... [続きを読む]
  • 2008/04/21 09:00第1話 始まりは雨 09
  • 「石ヲ、返セ」 そう言うと鬼は無造作に、茜の胸に手を伸ばした。 目の前に迫る、赤いグロテスクな鬼の腕。 巨大で強靱なかぎ爪。 その爪が目の前に迫ったいた。 い……や。 茜は幼子が「いやいや」をするように、首を振った。 いや、実際は振ったつもりで、体は固まったまま動いてはいなかった。 逃げ出したいのに、一目散に敬悟の元へ走って行きたいのに、体が言うことを聞いてくれないのだ。 まるで、「鬼」の魔に魅入られてし... [続きを読む]
  • 2008/03/27 00:41第1話 始まりは雨 08
  • 二メートルはあろうかという巨体に、赤黒い肌。 盛り上がった山の様な筋肉の頂上に、四角い岩の様な頭が乗っている。 そこあるのは、獲物を捕らえたら決して放さない、肉食獣を彷彿とさせる鋭く尖った犬歯。 いや、正にそれは獲物を狩る『牙』意外のモノには見えない。 まるで血の色を思わせる真っ赤に燃える双が、瞬きもせずに、茜を睨み付けている。 そして――。 その頭上に生えているのは間違いなく『角』だった。 『一本角の... [続きを読む]
  • 2008/03/18 23:40第1話 始まりは雨 07
  • 母は大好きだった。 確かに、病弱で入院が多かったため、他の家庭のような親子関係ではなかったかもしれない。 でも、幼いころ病室で読み聞かせてくれた童話の本は、今でも本棚に大切にしまってあるし、年頃になってからは、学校のこと部活のこと友達のこと、何でも相談した。 どんな話しでも、母はいつも楽しそうに笑って聞いてくれた。 その母が死んだ。 死んでしまったのに、涙が出て来ない。 悲しいし寂しい。 なのに何故? 答... [続きを読む]
  • 2008/03/15 10:55第1話 始まりは雨 06
  • 「疲れただろう。今日は、早めに休みなさい」 全てが終わり、親戚の人間も帰って夜も八時を回った頃、自宅の居間で、父・衛が穏やかな声で言った。 「あ、うん……」 敬悟と二人、連係プレーで湯飲みや食器類を片付けていた茜は、自分の方がよほど疲れた顔をしている父にそう言われ、ただ、コクンと頷いた。 「敬悟も、休みなさい。食器の片付けは明日で構わないから」 「はい。そうします」 普段は、茜より遙かに片付けに意欲を燃... [続きを読む]
  • 2008/03/13 13:55第1話 始まりは雨 05
  • 茜が着いたとき、火葬炉があるフロアでは、黒いスーツに身を包んだ火葬場の職員が淡々と作業をしていた。 それを見詰める親族の表情は、どれも一様に暗く沈んでいる。 茜は、人波の中心に佇む父の隣に静かに寄り添った。そのすぐ後に敬悟が続く。 最愛の妻に先立たれた、衛。 大好きだった母を無くした、茜。 優しかった叔母が居なくなった、敬悟。 それぞれの胸にそれぞれの思いを抱いて、みなその瞬間を身じろぎもせずに待ってい... [続きを読む]
  • 2008/03/12 11:03第1話 始まりは雨 04
  • ぷんすかと先を歩く茜に『やれやれ』と溜息混じりの視線を向けている喪服に身を包んだ長身の青年――。 神津敬悟(かみつけいご)は、二十一歳の大学四年生。 茜にとっては、四つ年上の父方の従兄―― 父の妹の子供で、幼い頃から一緒に育った兄のような存在だ。 敬悟が五歳の時、ただひとりの家族だった母親が交通事故で他界したため、伯父である茜の父に引き取られたのだ。 当時茜は一歳。文字通り『オムツも取れていない赤ん坊... [続きを読む]
  • 2008/03/11 00:40第1話 始まりは雨 03
  • あと三十センチで着水、と言うところで敬悟がキャッチしてくれたのだ。 「サ、サンキュ。敬にぃ」 茜は『あはは』と引きつり笑いをしながら、なんとか体制を直して立ち上がった。 照れ隠しに、汚れてもいない制服の濃紺のプリーツスカートを、パタパタと払う。 「サンキュ、じゃないだろ。注意力散漫! ドジも大概にしろ。良くそれで弓道大会全国三位になれたな……」 はぁっと溜息混じりの明らかにあきれた様子の敬悟の答えに、... [続きを読む]
  • 2008/03/10 18:03第1話 始まりは雨 02
  • 「もうそろそろ時間だ。中に入りなさい」 玄関から手招きをする父親の衛(まもる)の声には、沈痛な響きがこもっている。 火葬炉の扉が開くのだ。 「あ、うん。今行くよ、お父さん」 茜は軽く右手を挙げて一歩踏み出し、金属製の側溝に足を掛けた。 少し注意力が足りなかったかもしれない。 雨にじっとり濡れた金属製の側溝は、ズルリと茜の靴底を滑らせた。 「うきゃっ!?」 瞬間、ぐるりと回る世界。 ぶるん! ポニーテールの明... [続きを読む]
  • 2008/03/09 00:27第1話 始まりは雨 01
  • 朝から冷たい雨が降っていた。 もう七月だと言うのに、季節が逆行してしまったかのような冷たい雨。 火葬場の煙突から上がる黒い煙は、そのけぶるような雨の中、鉛色の空に溶けるように消えて行く――。 空も、失われた命を悼んでいるかのようだった。 一人、親戚一同が詰めている待合室を離れ、玄関ポーチの外壁にもたれて、落ちてくる雨をぼんやりと眺めていた神津茜(かみつあかね)は、肌寒さに震えが走り、思わず自分をギュっ... [続きを読む]
  • 2008/03/08 09:53プロローグ 06
  • 明日香に優しく手招きをされ、茜はおずおずとベットサイドに歩み寄った。 だが、顔が上げられない。 自分の足下、ピンクの子供用のスリッパのつま先をただじっと見詰める。 「今日はお母さんに、『ただいま』をしてくれないのかな?」 いつもなら茜は病室に飛び込むように入ってきて、すぐに明日香に抱きつき『ただいま』をする。 一緒に暮らせない母娘の唯一のスキンシップの瞬間。 茜にとっても、母の体温を感じられる一日で一番... [続きを読む]
  • 2008/03/07 00:45プロローグ 05
  • 明日香はいつものように、ベットの背にもたれるように座って茜を待っていた。茜はチラリと上目使いにそれを確認すると、すぐに自分のつま先に視線を落とした。一つ大きく息を吐き、そのまま何とか元気な表情を作ろうと口の端を上げてみる。が、どうも上手く行かない。丸い稜線を描く頬のラインが、ヒクヒクと不自然に引きつってしまう。まだ六歳。心と表情切り離すのは、幼い茜には難しい事だった。「どうしたの? 茜」どうしよう... [続きを読む]
  • 2008/03/06 01:06プロローグ 04
  • 茜の母・明日香は体が弱く、特に茜が生まれてからは、病院で過ごすことが多かった。現に今も、入院中である。そのため茜は、幼稚園から母の入院する病院に寄って、夕飯までの時間を過ごすのが日課だった。迎えに来た家政婦の山田さんに手を引かれ、茜はいつものように母の病室に向かっていた。ぺたんぺたんと、スリッパの鳴る音が、静かな入院病棟の廊下に響く。病院独特の消毒薬の匂いが、ほのかに香った。一日一度の大好きな『お... [続きを読む]
  • 2008/03/05 06:39プロローグ 03
  • 涙のような形をした、深い色合いの『青い石』それは、まるで持つ者の心を映すかのように、見るたびに微妙に色が変化した。茜が嬉しいときは、何処までも続く真っ青な夏の空のように。茜が寂しいときは、全てを包み込む母なる海のように。時には強く、時には優しく、青く澄んだ光をはらんで輝いた。茜には、まるで魔法の石のように感じられた不思議なペンダント。今までは、綺麗で温かい感じがするこのペンダントを身につけるのは嫌... [続きを読む]
  • 2008/03/04 07:11プロローグ 02
  • 真希の声には、明らかに非難する響きが含まれている。それを敏感に感じ取った茜は、嫌だと言う気持ちと憤りで頬をふくらませた。まただ。また真希ちゃん!どうしていっつも、私にかまうの!?「だって、お母さんがつけていなさいって、言ったんだもん!」茜も真希に負けじと声を張り上げる。元来気が強い茜は、こういう時には大人しくしているタイプではない。真希に劣らず大きな鳶色の瞳は、その意志の強さを表すように、毅然と真... [続きを読む]
  • 2008/03/03 08:01プロローグ 01
  • 「あー! 茜ちゃん、ペンダントつけてるうっ!」夏の暑い日。むせかえるような湿気を含んだ空気を大きく揺らして、その声は狭いコンクリートの室内に響き渡った。幼稚園のプールの更衣室の中、待ちに待ったイベントの到来に、水着に着替える園児たちの顔はどれも明るく、楽しげな声が方々で上がっていた。そんな中、一際大きなその声が響いたのだ。ビクリ!大きな声に驚いて、神津茜(かみつ あかね)は声のした方、自分の後ろを... [続きを読む]
過去の記事 … 1 2 次へ

にほんブログ村

>

DREAM・缶