倭 さん

倭さん: 倭の小説blog  SPIRITUAL〜東日流神国物語
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プロフィール

ハンドル名倭 さん
ブログタイトル倭の小説blog SPIRITUAL〜東日流神国物語
サイト紹介文日本の古代史・古代神話をベースにした長編伝奇小説です。
参加カテゴリー
更新頻度情報提供35回 / 64日(平均3.8回/週) - 参加 2008/03/29 02:34

倭 さんのブログ記事

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  • 2008/05/15 03:26SPIRITUAL〜東日流神国物語 35
  •  歩み寄り、片膝をついて身を控えた阿泡比古は静かに進言する。「神威、少しお休みください。昨夜もお休みにならなかったのではないですか」  それにやや驚いたような一瞥をくれて、神結霊はぶっきらぼうに答える。「いつものことだ」 阿泡比古の察しの通り、神結霊は昨夜も一睡もしていない。 あの後、ここ数日の疲れが出た小竹女は眠ってしまったが、神結霊の心は静まらなかった。伊十勢にも阿泡比古と同じように休眠を勧め [続きを読む]
  • 2008/05/13 18:21お詫び
  • №34、今朝更新したのですが、ちょっとした手違いで削除してしまいました。読んでくださっていた方、大変失礼致しました。只今、一部加筆して再更新致しました。どうぞ、本編をご覧ください。   倭 [続きを読む]
  • 2008/05/13 18:19SPIRITUAL〜東日流神国物語 34
  •  奥州出羽。 古来より、この地には多くの神々が坐し人々の信仰を集めてきた。 霊峯とされる山々も多く、その殆どがこの地を縦断する太い気脈を持つ長大な山脈に属する。世に名を知らしむ奥羽山脈である。 東北の地を東西に分断し、厳冬期には何人の侵入を許さず、盛夏期に於いてもその道程の厳しさから多くの往来を拒む。それ故に未開・未踏の地が多く存在し、不思議な伝承や物語など正史にない歴史が数多混在する。 この羽後 [続きを読む]
  • 2008/05/13 07:31SPIRITUAL〜東日流神国物語 34
  •  奥州出羽。 古来より、この地には多くの神々が坐し人々の信仰を集めてきた。 霊峯とされる山々も多く、その殆どがこの地を縦断する太い気脈を持つ長大な山脈に属する。世に名を知らしむ奥羽山脈である。 東北の地を東西に分断し、厳冬期には何人の侵入を許さず、盛夏期に於いてもその道程の厳しさから多くの往来を拒む。それ故に未開・未踏の地が多く存在し、不思議な伝承や物語など正史にない歴史が数多混在する。 この羽後 [続きを読む]
  • 2008/05/10 04:18SPIRITUAL〜東日流神国物語 33
  •      三 神結霊(カムス)が禁門に姿を現した時、和邇(わに)の刀自胡(とじこ)は既に不機嫌だった。 昨晩は結局宮殿(みやどの)へは戻らず、離れ屋から直接禁門へ馬を駆って来たのだが、神栄の地から禁門へ跳ぶ通門を使用するのとは違って時間がかかる。移動時間を要するというのは当然のことなのだが、門を使って空間を移動することに慣れている東日流の民にとっては非常にもどかしく感じるのだ。 その例に漏れず、集合の時間 [続きを読む]
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  • 宮殿
  • 2008/05/05 04:29SPIRITUAL~東日流神国物語 32
  • 「たわけ、儂はこの程度の酒では酔わぬぞ」 常のように穏やかな笑顔を見せながら冗談めかして言う。 小竹女はそれに笑みを返しながら、彼の片手に握られている木椀に手を差し出して甘酒を勧めた。「もう少し如何です。外はまだ雨ですし、今お帰りになってはまた濡れてしまいます」 「そうだな…」 そう短く答えて木椀を渡す。 その背後で、衣を片づけて戻ってきた伊十勢が慌てたように小竹女を止めようとした。 「ささ、それは [続きを読む]
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  • 甘酒
  • 2008/05/02 03:11SPIRITUAL〜東日流神国物語 31
  •  神結霊が厩(うまや)に愛馬を繋ぎ終えて表口へ来ると、誰が伝えたのかそこに伊十勢が控えていた。しかも手際の良いことに、濡れた身体を拭うものと着替えまで用意してある。 予想外の出迎えの良さに、面食らったように立ち尽くす神結霊に伊十勢が急かす。「いつまでそこに居る気ですか」「…何だこれは?」「貴方の着替えですが」「それは見れば解る。いや、そんなことは…」 濡れて滴が落ちる髪を掻き上げながら顔を顰める。意 [続きを読む]
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  • 愛馬
  • 2008/05/01 22:47只今制作中につき…
  •  こんばんは。倭でございます。 ここ数日、小説の更新が滞っておりますが、決してネタ詰まりでは御座いません。はい。 わたくし、今週の水曜から来週の火曜まで連続七日間仕事なのでございます。倭のスケジュールには祝日と連休というものは存在いたしません。唯一あるのは元旦くらいです。 まぁ、好きで選んだ職種ですので倭は構わないのですが、待っていて下さる方々に申し訳なくてこうしてメッセージを書いておる次第です。 [続きを読む]
  • 2008/04/28 12:03SPIRITUAL~東日流神国物語 30
  •  雨だ。 屋根を打つ雨音さえ聞こえない、静かな雨である。 夜は更けて既に物音は聞こえない。無音の闇に細い絹糸のような雨が降る。 濡れそぼつ庭の草木は葉先や枝を地に落としている。 すべてが沈黙する無音の闇。 伊十勢は頼りなげな灯明をひとつ手にして、穏やかな寝息を立てる童たちを見て回る。  離れ屋の童たちの寝所である。 几帳を隔ててすぐ隣には小竹女の褥が延べてあるが、そこに彼女の姿はない。抜け出してず [続きを読む]
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  • 屋根
  • 2008/04/26 03:57SPIRITUAL〜東日流神国物語 29
  •  神結霊はそれに頷きながら言う。「あれは神託ではなく、意図的な交信やもしれぬ」「では、不浄の輩とは?侵入者は来ぬということですか?」 問うのは左近である。「いや、おそらく不浄の輩とは、その意図的な交信者を示すのではないか。東日流外部からの交信だとするなら、それも頷ける」「外部からだとする理由はなんです?」 左近の問いに、神結霊は難しい面持ちで答える。「その者は小竹女の過去の記憶を意図して引き出して [続きを読む]
  • 2008/04/25 03:18SPIRITUAL〜東日流神国物語 28
  •  小竹女の意識下に深く潜行して、埋もれた記憶を探るという荒療治もできなくはないが、本人の意思を無視してそんな独善的な真似はしたくはない。小竹女は未だ不安定で未完成なのだから。「どうする、神威」 傍らに座している寿翁が神結霊を覗き込んでいる。 白髪白髭に埋もれた銀色の双眸が神結霊を捉えている。身体が萎えたとは言っているが、その双眸には若者と見紛うほどの生気が漲っている。「そうだな…」 神結霊は肩にか [続きを読む]
  • 2008/04/21 23:58SPIRITUAL~東日流神国物語 27
  •  兄爾志は不思議そうに小首を傾げて、神結霊側の下座に座る。「皆お揃いか、神威殿」 木戸から声がかかる。神結霊が視線を木戸に戻すと、襤褸を着た白髭の老爺と、それを介添えする勤勉そうな壮年の男が木戸を潜るところだった。「洩矢(もれや)の左近、汝たちで最後のようじゃ」「遅参いたしたか。老いぼれよとわろうてくれ、神威」「何を言う、長老。儂の招集に応じてくれただけでも有難い」 神結霊が親しみを込めて『長老』と [続きを読む]
  • 2008/04/18 03:36SPIRITUAL~東日流神国物語 26
  •     二東日流には複数の異能部族が共存する。かっては百を下らなかった部族も、時代の変動と共に只人が流入し、常世と現世の境界を侵すようになった為に結界の規模を縮小するに至った。それは只人との無意味な接触を避けるための苦渋の選択でもあった。その結果、ある部族は只人の市井に紛れ、民間の術者集団として隠棲し、ある部族は東日流を離脱し更に未踏の古き神の地へと下ったのである。最盛期に於いては、広大な深い山... [続きを読む]
  • 2008/04/16 01:58SPIRITUAL〜東日流神国物語 25
  •  風もなく、白木蓮の枝が左右に傾ぐ。 白い花弁がひときわ多く舞い散るその根元に、ふわりと小さき影が降り立った。 年の頃は五つ六つほど。下膨れの白面に、稚児の分け髪も白髪である。亜麻色の衣の裾から覗く細い脚は素足だった。「…やはり童か」 あからさまに憮然として言う。 今し方の寄神の態度から、おそらくそんなところだろうと想像はしていた。だが実際にその姿を目にすると、どこかふてぶてしいその面構えがやや... [続きを読む]
  • 2008/04/15 23:25東日流神国物語承之段扉絵
  • 承之段、開始になってからずいぶん経ちますが、一応扉絵です。ほんとはもっとスケブサイズで、上半身すべて描いてあるのですが…。ケータイはこれが限界のようです。すみません、今度はデジカメで撮るようにします(泣)また、コメント等もどんどん書き込んで下さい。今後の参考にしたいと思います            では、そのまま本編へどうぞ!                        倭 ... [続きを読む]
  • 2008/04/13 02:30SPIRITUAL〜東日流神国物語 24
  •  あの夜の冷気、否、『霊気』に気づいたのは神邑の氷座男だけだと思っていた。 身近に居たはずの宮殿(みやどの)の巫覡(ふげき)(男女のみこ)でさえ気づいていなかったというのに、小竹女はそれに感応した。その意味するところは、小竹女の秘されていた霊力は思いの外感応力が強く、神霊との交流に優れた者であることを意味する。それは神意を人々に伝える際の神霊の媒介者である『御言宣伝者(みこともち)』、すなわち巫女とし... [続きを読む]
  • 2008/04/11 04:11SUPIRITUAL〜東日流神国物語 23
  • 「ふざけるな。用がなくば、早く(と)去(い)ね」 威圧を込めた視線を腕の中の失神した小竹女に向ける。しかし小竹女は…否、彼女に寄り憑いたものは口元を歪めて嗤った。『…ご挨拶だな、せっかく報せに来たというのに』「何?」 怪訝そうに眉を顰める。それをまた嗤って、寄り憑くものは喉元の宝剣の刃を指でなぞりながら言った。『…のう、これを退けてくれ。苦しゅうてかなわぬ』「退けぬ」 判然と言い切って、神結霊は宝剣の [続きを読む]
  • 2008/04/09 03:05素晴らしきかなPC
  • 今晩は。いや、お早うか?毎度深夜活動の倭です。この数日、毎日記事を更新していることにお気づきの方、いらっしゃるかと思います。そうなんです。この程PCを新調いたしまして、ネットも繋ぎましたので、PCより直接投稿できるようになりました。いやあ、感動ものです!なにせ、携帯に打ち込み直す手間がいらない!これはとても楽であります:*:・( ̄∀ ̄)・:*:なぜもっと早く気付かなかったのか…。無知は怖いですな。とまぁ... [続きを読む]
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  • PC
  • 2008/04/09 03:03SPIRITUAL〜東日流神国物語 22
  • 「古代、朝廷はその体制を盤石なものとする為に、霊の元の神々に仕える部族を平定しにかかったことがある。朝廷に従えば良し、拒否すれば夷狄(いてき)として抹殺された。そうしてあらゆる部族の神々をも掌握していった朝廷は、あくまでも従わぬ部族と荒神を東国に追いやり『蝦夷(えみし)』と蔑んだのだ」「…神栄も、その蝦夷のひとつなのですか」「そうじゃ。小竹女は聡いな」 やや表情の強張る小竹女を和ませるように微笑んで... [続きを読む]
  • 2008/04/08 08:34Fw: SPIRITUAL〜東日流神国物語 21
  • >  伊十勢が一気に間合いを詰める。同時に木剣を突き出し、神結霊の喉元を狙う。>>  神結霊は半身でかわし、左手で伊十勢の手首を逆手にとって捻るが、伊十勢は予期していたか、身体を回転させてその手を逃れた。>> 間を置かずに跳躍。>>  再び肉薄する伊十勢の首筋を神結霊の左手刀が襲うが、木剣がそれを遮る。>>  そこへすかさず伊十勢の蹴りが来る。>>  寸でのところで鼻先を掠め、続... [続きを読む]
  • 2008/04/07 01:29SPIRITUAL〜東日流神国物語 20
  • 「ささ、どうした?」顔を隠したまま黙り込んでしまった小竹女を気にして、伊十勢が声をかける。小竹女が最近大人びてきて、精神的に不安定なことが多いことを理解している伊十勢は、その様子が普段とは違うことに気づいていた。兄貴分の亘理にも、近頃様子がおかしいのだと報告も受けている。伊十勢は常に離れ家で寝食を共にしている訳ではなかったから、童たちの様子には常に細心の注意と気配りをしているつもりだ。伊達に数十... [続きを読む]
  • 2008/04/06 00:32SPIRITUAL〜東日流神国物語 19
  • 承之段 一庭に白木蓮が咲いている。その根本に生える雑草のような草木たちも、いじらしく小さな花をつけている。だいぶ日差しも春めいてきたが、時折雲が日差しを遮るとやはり寒い。それでも幼子たちは、有り余る体力を発散させるために庭中を駆け回る。その様子を縁側に座して眺めながら、伊十勢は小振りな矛(ホコ)の手入れをしている。本来は身を護る懐剣だが、神栄の霊力を持つ者にとっては能力を増幅、或いは顕現させる... [続きを読む]
  • 2008/04/04 10:16承之段扉絵線画(途中)
  • お早うございます。皆様ご機嫌いかがですか。春ですねぇ…こっちはようやく桜がほころび始めました。いやぁ、のんびり桜でも愛でていたいですね。…て、そんな暇はない。倭はこれから出勤です。接客業は大変です。すべて来客数に翻弄されますから。しかし今日は平日。おそらく定時で帰れるはず。予定通りなら、今晩から本編を更新できるはず。扉絵はまだ完成しませんが、本編は着々と進んでおります。ではでは、今暫くお待ち下さ... [続きを読む]
  • 2008/04/01 02:23第壱部 起之段 了
  •  今晩は。毎度深夜の更新の倭です。 さすがに今日は、編集中に睡魔に襲われました。なんせ、三日続けて睡眠三時間…。始まったら止まらないのですよ。やっぱ、文字バカでしょうかね…(;^_^A ところで本編ですが、起之段はここまでとなります。物語全体の触りのような段でしたので、物語の舞台となる東日流(ツガル)の説明や、人物像、登場人物の相互関係などに重点を置きましたので、物語の展開はほぼなかったかと思います。  [続きを読む]
  • 2008/04/01 01:32SPIRITUAL〜東日流神国物語 18
  • 近頃大人びたとは言え、未だ幼さの残る十二歳である。あまりに差のある両極端の二つの性が、神結霊の精神の狭間で如何に作用しているかなどということは知る由もない。ただ、少女と大人へと変わる微妙な人格の狭間で揺れる小竹女には、そんな神結霊の心が危うい均衡の上に成り立っていることだけは理解できた。(でも、どうしてあんな夢を…) 汝の仇じゃ… その儚い囁きだけが脳裏を掠める。あの戦火の中から自分は神結霊によっ... [続きを読む]
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