- 2008/05/06 08:55第9楽章 1小節目
- ハッ。ここはどこだ? 目を覚ましたおれが最初に見たのは、見慣れない天井だったので、ひどく戸惑った。 すると、おれのすぐ横から声が聞えてきた。顔をそちらに向けると、ゲンがいた。「おー!アイ、気がついたか?心配したぜ」「ゲン、ここはどこだ?」「どこって、病院に決まってるじゃないか。おまえ憶えてないのか?」 それで思い出した。ヴァイオリン隊の凶悪な音の攻撃を受けて、指揮台から転落して気を [続きを読む]
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- 2008/05/04 12:54絶対音感 最相葉月著
- こんにちは。長塚茶臼京高校の桜島愛です。 くどいようですが、男です。 このブログの小説の作者の代わりに本を紹介します。 今回は、最相葉月さんの『絶対音感』。 もう読んだ人も多いとは思うけど、けっこう前に出版された本だから、読み逃している人も多いんじゃないかと思う。 最近新たに修正加筆されて、新潮文庫で再文庫化されたんだ。 で、この本を紹介しているおれはというと、ミオが絶対音感を持って [続きを読む]
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- 2008/05/03 09:03第8楽章 5小節目
- それからさらに全員のチューニングが行われ、ようやくそれが終わった。 やれやれ、チューニング一つでこれだけ手間がかかるとは・・・・・。 おれは、心の中で深くため息をついた。 しかし、すぐに気持ちを切り替えようと努力した。 いやいや、むしろこうやって一つ一つ問題を乗り越えていくことによってこそ素晴らしいものができるに違いない。がんばろう! おれは、指揮棒を頭の上で振り回しながら叫んだ。「よ [続きを読む]
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- 2008/05/02 19:04第8楽章 4小節目
- 「おー。おれ、音叉のあり場所知ってるぞ。前にテレビでやってた『西遊記』の沙悟浄が持っていた、あのすきみたいなやつだろ?」 ショウがそう言って戸棚の方へ駆け寄っていった。 音叉も満足に知らねえのか・・・・・。他のものから連想しないと思い出せないなんて、情けないやつだ。 猪八戒の持っていた三股槍みたいなものをイメージしていたおれは、自分のことはおいといてショウを苦々しく思った。「あった!これこ [続きを読む]
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- 2008/04/29 19:28第8楽章 3小節目
- しばらく音楽室内は、沈黙状態が続いた。ミオの言ったことに反応して考え込んだからでは、ない。 何も反応できないからである。 と、とにかくおれは、みんなに理解できる話に持っていかなければ・・・・・。「ミオ、その・・・・・、ゼッタイオンカンって何なんだ?」「うーん、簡単に言うと、どんな音でも音名で言えたり、音名を言ってくれたらその音の高さの声を出せる感覚のことよ。たとえば、音楽室のドアの閉まる [続きを読む]
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- 2008/04/27 09:34第8楽章 2小節目
- 「よーし、みんな準備はいいかー?じゃあオーボエ、アキリン、Aの音出して」「・・・・・・・Aって何?」 アキリンがおれに聞いてきた。こいつ、おれより音楽のこと知らねえんじゃないか?まあ、おれも最近知ったばかりだから、人のことは言えないか・・・・。「ああ、ワリぃワリぃ。Aっていうのは、ラのことだよ。ラの音を出してくれ。で、ここにいるコンマスのゲンがその音に合わせて、そのコンマスの音にみんなが合 ... [続きを読む]
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- 2008/04/26 12:23第8楽章 1小節目
- 「 チェロのユッコ、クニ、マサ、リョウ、もうちょっと舞台側に寄ってくれ。で、その横がヴィオラ隊の4人な。クラリネット、フルート、もう少し中央に行ってくれ。オーボエはその左横。・・・・・・・ティンパニ、カーン!」「な、何だよ・・・・・・?」「おまえは、ホルンの後ろぐらいにいてくれ」「何だよそんなことぐらいで大声出すなよ。びっくりするじゃないか」ここは音楽室。今日の終業式が終わり ... [続きを読む]
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- 2008/04/22 11:25マーラー 交響曲第1番 ニ長調 ≪巨人≫
- こんにちは。長塚茶臼京高校の山田堅です。オーケストラでホルン2を担当しています。今日は、このブログの小説の作者から、ホルンの活躍する曲を紹介して、と頼まれたので紹介します。ところで、ぼくはアイくんにホルンに指名されたとき、それがどんな楽器なのか知りませんでした。初めてその楽器を見たとき、その姿に驚かされました。 大きな朝顔みたいなものがまず目に入ったんですがそれに続く管がだんだん細く [続きを読む]
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- 2008/04/20 08:04第7楽章 3小節目
- 「おーっ!アイ、出る出る!音がちゃんと出る!」「アイくん、やりますね。何で原因が分かったのですか?」 ダイとケンがそれぞれ驚きと賛嘆の混じった声を発した。 次の日の昼休み、さっそくおれは彼らを音楽室に召集し、昨晩の?研究成果?を実証してみたわけだが、やっぱりおれの推理に狂いはなかったようだ。「バカヤロー!おまえら教則本をもっとちゃんと読め!で、吹ける音域を徐々に拡げていってくれよ。それから、 ... [続きを読む]
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- 2008/04/19 12:13第7楽章 2小節目
- その夜。おれは学校の帰りがけに、この前寄った楽器店で買ってきたホルンの教則本を見て、さっそく研究にとりかかった。 ホルンという楽器は、見た目変わっていると思っていたが、教則本を読んでさらにびっくりした。 なにぃ?・・・・・・・・、あの朝顔の花みたいなところに手を突っ込むぅ!?しかも手を突っ込んで音程や音色を変えるのか!? そんな楽器があるなんて・・・・・・・・。 おれは、自分にはな ... [続きを読む]
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- 2008/04/18 06:40カラー図解 楽器のしくみ
- こんにちは。長塚茶臼京高校オーケストラのダイです。ホルン1を担当してます。今日は、このブログの小説の作者から頼まれたので『カラー図解 楽器のしくみ』という本を紹介するよ。この本をまず適当に開いて見たら、きっとどこを見ても「写真きれい!」と感じてもらえます。それほど鮮明で、まるでこの本の中で生きているんじゃないかと思わせるほどなんだ。それぞれの楽器についてのエピソードもたくさん載って ... [続きを読む]
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- 2008/04/15 21:13第7楽章 1小節目
- 「どうなってんだ〜?この楽器は!?」 ダイが悲鳴まじりの声を上げた。「ん?どうしたんだ?」 昼休みの音楽室。ダイは、昼食もそこそこに熱心に練習をしに来ていた。様子を見に来たおれが、たまたまその声を聞きつけたというわけだ。「おーいアイ、どうしよう。どうやっても思うように音が出てくれないんだ」 ダイが困り果てておれに泣きついてきた。 その楽器は、ホルン。 この間クラスのみんなに楽器が手渡さ ... [続きを読む]
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- 2008/04/12 11:49長塚茶臼京高校オーケストラ編成表
- アイ 「曲と演奏者が確定したから発表するぞっ!」ゲン 「やれやれやっとここまできたか・・・。早くみんなで演奏してえな」アイ 「“おまえ”の練習しだいだな」ゲン 「なんでそこ、おまえらじゃなくておまえなんだよ?」♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪ 長塚茶臼京高校オーケストラ L・V・ベートーヴェン 交響曲第7番 イ長... [続きを読む]
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- 2008/04/11 06:34第6楽章 4小節目
- 「さーて、じゃあ次にパート譜を配るぞー」「パートフって何だー?」 すかさず質問の声が上がった。 そうか、おれと同じでみんなそのレベルから知らないんだった。「パート譜っていうのは、交響曲の場合いくつかの異なった楽器で演奏する から、その自分が受け持つ楽曲の部分の楽譜のことを指すんだ」 おれは、昨日先生に教えてもらったばかりの知識を披露した。「随分手回しがいいなー」 ボスが皮肉っぽく言った。 ... [続きを読む]
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- 2008/04/07 01:17ベートーベン 交響曲第七番 イ長調 作品92
- こんちは。 長塚茶臼京高校の桜島愛です。 念のため言っておきますが、男です。 今日は、ベートーヴェン作曲『交響曲第7番 イ長調 作品92』の、“楽譜”を紹介します。 全楽器パートの楽譜が印刷されているので、スコア(総譜)というそうだ。 え?文字がないのにそんなもの読めるかって? その通りです。楽譜だもん。 だけど、この曲の演奏を聴きながらスコアを眺めていると、不思議とおもしろいんだ。 [続きを読む]
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- 2008/04/06 08:55第6楽章 3小節目
- さて、そうすると次にしなけりゃならないのは、一部演奏者の楽器の変更だ。 昨日、藍子先生にこの曲でいいかどうか相談した時、この曲ではトロンボーンとピッコロは使わないわよ、と言われた。 さらに、この曲は?二管編成?だからフルートが一柳さん一人ではまずい、とも言われた。 二管編成なんて生まれて初めて聞く変な言葉に、おれは頭が混乱してしまったのだが、先生の説明によると?管?つまりトランペットやホルンや ... [続きを読む]
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- 2008/04/05 09:44のだめカンタービレ Selection CDBook vol.2
- こんちわっす。長塚茶臼京高校の八坂元太です。 今日は、前回に続き『のだめカンタービレSelection CDBook』の第2弾を、紹介します。作者に代わって・・・・・。 今回は、パリを舞台にしたストーリーの中で登場した交響曲、三重奏(オーボエ・バソン・ピアノ)、ピアノソロが7曲収録されているよ。 このCDBookのイイのは、何といっても聴いて、見て、読んで感動して、笑えて、怪しめる?(ポエムのこと ... [続きを読む]
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- 2008/04/04 06:32のだめカンタービレ Selection CDBook
- ちわっす。長塚茶臼京高校の八坂元太っす。うちの高校のオケのコンサートマスターやってます。 今日は、このブログの小説の作者に頼まれて、本というかCDというか、まあ両方楽しめる『のだめカンタービレSelection CD Book』というのを紹介するよ。 しかしそれにしても、アイもこぼしてたが、本とかCDの紹介ぐらい自分でやれってんだ。なんで小説のキャラが、作者の面倒を見なきゃならないんだよ [続きを読む]
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- 2008/04/01 19:29第6楽章 2小節目
- 曲が終了した。おれはCDデッキの停止ボタンを押して言った。「とまあ、こんな曲だ。どうだみんな、これでいいかー?」 またしばらくシンとなった。「桜島くん、この曲私たちでも演奏できるの?」 やがて第2ヴァイオリンのエミが質問した。全員の気持ちを代表したいい質問だ。おれは、それを待っていたんだ。おれは、すかさず答えを返した。「もちろんだ。コンクールまで、まだ1年あるんだ。これだけの期間、この曲 ... [続きを読む]
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- 2008/03/29 10:18第6楽章 1小節目
- 「曲は、ベートーヴェン作曲、『交響曲第7番イ長調、作品92、第1楽章』だ」 おれは、みんなを見渡してそう告げた。ここは、火曜日の放課後の音楽室。先週おれが苦労?して決めたこの曲を発表し、その合意を得るためにクラスのやつら全員をここに集合させたわけだ。 で、そのおれの発表に対して、予想通りほとんど反応らしい反応は、なかった。 ま、そうだろうな。こいつらの中にはこの曲を耳にしたことがあるやつもい ... [続きを読む]
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- 2008/03/29 09:30指揮のおけいこ
- こんにちは。長塚茶臼京高校の桜島愛です。 うちの高校のオーケストラの指揮者をやっています。 今日は、またこのブログの小説の作者から頼まれてしまったので、本を紹介します。もう、いいかげんにしろよこの作者は。 この本は、?指揮のおけいこ?の本なのに、難しい音楽理論とか音楽用語があまり出てこない。まず、それがいい。 なぜならば自慢じゃないがおれは、こと音楽知識に関しては小学生並みだが、そんなおれ ... [続きを読む]
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- 2008/03/27 23:05第5楽章 3小節目
- 音が、大きく小さく、高く低く、速く遅く、明るく暗く、優しく激しく、温かくそして熱く少しも止まらず変化して、全体としてはリズミカルに大きなうねりとなって聞えてくる。おれは、この曲の楽譜を見ていないし、どの音が何の楽器のものかとか、演奏上の難しさとか、この曲についての作曲技法とかそんなことまだ全然知らないが、何と言うか その、ベートーヴェンという作曲者の思いが伝わってくる気がした。 うーん ... [続きを読む]
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- 2008/03/26 09:29第5楽章 2小節目
- やっと弟を部屋から追い出すことができたので、おれは一旦指揮の勉強を中断して、おれたちのオケで演奏する曲を何にするか腰をすえて考えることにした。 と、いってもおれはクラシックの曲なんてほとんど知らない。だから、今日学校からの帰りがけに寄った楽器店で曲を選ぼうと思ったんだが、それはあまりにもムリがあることをおれは思い知った。 だって作曲家が多すぎる!曲も、だからその何倍も多い!おれはその楽器店の、 ... [続きを読む]
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- 2008/03/25 06:34ボクの音楽武者修行
- こんにちは。長塚茶臼京高校の桜島愛です。 このブログの小説の作者から頼まれたので、本の紹介をします。 しかし・・・・自分でやれよそんなこと!とも思うんだけど、まあおれも読んでためになった本なので紹介します。 この本のおもしろいのは、何といっても単身貨物船!?に乗り込み、フランスに上陸するやスクーター!?でパリ入りし、いきなり指揮者国際コンクールに優勝!し、以後カラヤン!シャルル・ミュンシ ... [続きを読む]
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- 2008/03/23 08:10第5楽章 1小節目
- 「兄貴ぃ〜。さっきからクネクネクネクネクネ何やってんだ?まるで蛸が踊ってるみたいだぜ。大丈夫か〜?」「うるさいっ!蛸じゃない」 蛸の踊りと言われて、おれはカッとなってどなった。くそう、やっぱそう見えるのかなあ・・・・・・・・。「じゃあさあ兄貴、さっきから何で変な踊りをやってんだよ」 兄貴兄貴と気安く呼ぶこいつは、おれの実の弟だ。10歳。小学校4年生。名前は、千里。かわいい名前だが、もちろん、 ... [続きを読む]
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