- 2008/05/17 09:00気ままに行こう![1-011]
- 何かいい方法はないものだろうか。頭をひねってみる。 短剣の力で氷柱の魔法を使用し、ここら辺りの海を全部凍らせてしまうのはどうだろう。でもそんなことしたら地元の漁師さんが気の毒だ。 考えてみても名案は浮かんでこない。と、そこに……「逃がさないって言っただろ?」「む!」 空間を割ってハルディクスが現れた。魔族のみが使う『闇』の属性の術だ。いわゆる瞬間移動の魔法。あまりにも唐突な出現にわたしは思わず二 [続きを読む]
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- 2008/05/16 21:00気ままに行こう![1-010]
- 2.フェイドゥ良いとこ、1度はおいで 歩こう、歩こう、どんどん歩こう。邪魔する奴など無視だ。無視。「レーン。レンってばさあ」 何か聞こえるような気がするな。あ、そうか。きっと空耳だ。「レーンちゃん。あんまり無視するとどうなっても知らないよ?」 む、無視できない。「いいかげんにしろって言ってるでしょ?」 この男、わたしがガルディナを発ってから一週間、毎日のように姿を現してはこうやって話しかけてくる。 [続きを読む]
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- 2008/05/16 17:30気ままに行こう![フリートーク 03]
- レン:ところで、主要メンバーはいつ登場するの?こっちではもう紹介しちゃったけど。 ハルディクス:俺とレンちゃんは1章で登場しているね。やっぱりヒーローとヒロインは――レン:あんたがヒーロー?ヒールの間違いじゃない? ゼン:嬢ちゃん、俺の出番はまだなのか? レン:忘れられてるのかも……なんてね。ゼンは2章で登場の予定よ。 マリン:私は3章まで待機なのでございますわね。もう少し休憩しておかれますわ。 レン: [続きを読む]
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- 2008/05/16 09:00気ままに行こう![1-009]
- 「それなら、この手紙は?」「大かたウェルネスに脅されて書かされたものじゃろうて……かわいそうな我が娘、スペイリーよ」 大仰に嘆くガルディナ王。王妃様も先程からずっと袖を濡らしていらっしゃる。心配で仕方がないといった風情だ。「ところで、レン=シュミットよ。その手紙、どこで手に入れたのじゃ?」「当の魔王から使いがあったのよ。ひょっとしたら目をつけられたのかも知れないわ」 薄々だけどわたしはそう感じてい [続きを読む]
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- 2008/05/15 21:00気ままに行こう![1-008]
- 謁見の間へ続く控え室には幾人かの同業者がいた。 部屋の出入り口には兵が二人一組で立っており、不振な行動を取る者がいないか気を配っている。一種特殊な雰囲気の中で、わたしは少し緊張して自分の番が来るのを待っていた。「次の者」 呼ばれて立ち上がる。あからさまに軽視するような視線が注がれるのがわかった。いつものことなので、わたしはその視線を無視して謁見の間へ歩を進めた。 部屋に入り、わたしは指定された場 [続きを読む]
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- 2008/05/15 09:00気ままに行こう![1-007]
- 「あんたこの国の人間じゃないね?」 突然話しかけられたものだから、わたしはちょっと驚いた。「そうだけど……いきなりどうしたの?」 おばちゃんはわたしがよそから来た者だと分かると、警戒を解くように肩の力を抜いた。よく見ると、その顔には徒労が滲み出ている。「もしあの御触れを聞いてこの国に来たのなら悪い事は言わない。すぐこの国を出た方が良い。この国がこうなったのは全部あのお姫様のせいだからね」「どういう [続きを読む]
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- 2008/05/14 21:00気ままに行こう![1-006]
- 本日も晴天である。朝一番は空気がホントにおいしい。澄んだ空気の中を朝日が繊細な音を奏でるようにして街中に降り注いでいる。「あったらしい小手や具足♪」 鼻歌を歌いながら、わたしは部屋の窓から室内に視線を移した。昨日防具を買いそびれてしまったので、部屋にはまだ古い防具が鎮座している。 服を着替え、荷物の整理をしながらわたしはどんな防具を買おうか考えていた。あまり値の張るものは買えないし、かといって造 [続きを読む]
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- 2008/05/14 09:00気ままに行こう![1-005]
- 店の外に出て並んでみると、かなり身長の差があることが分かった。黙っていればなかなか格好良い。「ところで、あんた何者よ」 なるべく人気がないほうに移動しながらわたしが真面目な顔をして聞くと、その表情を見たハルディクスもそれまでのにこやかな笑みを消した。真剣な顔をすると今度は寒気がするほど不敵に見える。わたしは少し迫力に押されて身を引いた。「魔王の……」「魔王ウェルネスの?」 コクリ、と息を飲み込み [続きを読む]
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- 2008/05/13 21:00気ままに行こう![1-004]
- 「何これ?」「預かり物。ウェルネスからの」 ニコニコと笑いながらあっさりと答える男の言葉に、わたしは一瞬理解が遅れた。「……え?」 ウェルネスって言ったら、伝説に残っている『魔の島フェイドゥ』に住む魔王のことではないか。「その表情もいいな」 眉を寄せるわたしを見つめて目の前の男が言った。こんな奴は放っておくとして、魔王ウェルネスがわたしに手紙とは……どういうことだ? 残りのサラダをあわてて口の中に [続きを読む]
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- 2008/05/13 09:00気ままに行こう![1-003]
- 昼である。あの後「でも、やっぱり」と結局おばちゃんに色々世話を焼かれた。予想外に時間がかかってしまったのは悔やまれるけれど、悪意があるわけじゃないから仕方がない。なんとかおばちゃんと別れ、わたしは街の掲示板を見に行った。どうやら謁見は三時かららしい。 考え事をしていたら、お腹の辺りがクゥっと鳴った。お腹は正直だ。何か食べよ。 わたしは街の中央へと進んでいった。けれど進むにつれてこの街の雰囲気がお [続きを読む]
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- 2008/05/12 21:00気ままに行こう![1-002]
- 1.ガルディナ王国、お国の事情 ニーナの街を出、街道に沿って南下する影が一つ。深い藍色の髪を持ち、鮮やかな群青のマントに身を包んだ、小柄で可愛らしい少女である。少女のハシバミ色の瞳は、遠くに見えるガルディナをとらえ、その花のような唇は不敵な笑みを刻んでいる。全体的に身軽な格好で、動きを重視した皮の胸当てや十分に馴染ませてある小手や具足を身につけており、腰には短剣、クロスボウを佩いている。その隙のな [続きを読む]
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- 2008/05/12 12:00気ままに行こう![フリートーク 02]
- レン:気を取り直して、自己紹介開始![レン] レン=シュミット、16歳。現在は賞金稼ぎを生業にしてるわ。過去に色々あったみたい。当のわたしは何も覚えてないんだけど。[ハルディクス]一応、魔族かな。レンと会えるの、ずっと楽しみにしてきたんだよね。俺について詳しいことはまだ内緒♪[ゼン]炎属性の魔族の長だ。魔王の命で嬢ちゃんと同行するようになった。ハルディクスの正体は俺も知らんな…[マリン]森の魔女でご [続きを読む]
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- 2008/05/12 09:00気ままに行こう![1-001]
- ガルディナ王国危うし!?プロローグ 閃光が走った。それは瞬く間に視界を覆いつくし、絶大なる熱量で大地を焼いた。家や小屋はもちろんのこと、戯れていた子供達や仕事に精を出していた大人達、それらは全て跡形もなくなり、たった今までそこで生活が営まれていたとは思えないほどだった。 イヤアアアアアアアアアアアアッ 閃光の発信源であると思われる場所から、甲高く悲痛な子供の叫び声があがった。まだ十にも満たない少女だ [続きを読む]
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- 2008/05/11 21:00汝、孤りなる者よ[38] (最終話)
- エピローグ オルゴールの音が止まり、老人は白濁した瞳を開けた。 長い夢を見ていた。長い長い夢だった。若いころに切り捨てたはずの感情が今更のように胸に沸き上がってきて、乾き切った瞼を熱く濡らした。 無くしていたものの蓋を開け放ったように、懐かしさと後悔が入り交じった気持ちが胸を満たしている。蜘蛛の巣の張った心が軋み音をあげる。 老人はもう何年も闇に溶け込んで生きてきた。光に憧れ、焦がれながら闇の中に [続きを読む]
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- 2008/05/11 18:37アメブロ外部へのリンク先
- さくさんのブログを見て、なるべく手数がかからない方法を考えてみました。⇒ さくさんの記事(http://ameblo.jp/saku0002/entry-10095700019.html )1ページ余分に表示させることになりますが、読み手にURLの入力はさせなくてすむと思います。? まずプロフィールに飛ばしたいリンク先を追加テスト先⇒ 魔法のiらんど(http://ip.tosp.co.jp/p.asp?I=MAHOBOOK )※ 携帯からだとURLに貼られたリンクが外れます。? 携帯でプロフ... [続きを読む]
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- 2008/05/11 09:00汝、孤りなる者よ[37]
- 「私は解放されたのか……」 脱力した氷翠をセアンは抱き締めた。帰る家を無くしてしまった子犬のように青年は小さく見えた。愛しくて放っておけなかった。「セァン」 セアンの行動に氷翠は驚いたようだった。彼女は少し気恥ずかしくなり、うつむいたまま言を紡いだ。「私は貴方に価値がないと言われたとき、とても悔しかった。貴方を見返したいと思った。貴方は私のことなど気にも留めていないように見えたから」 そのときの感 [続きを読む]
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- 2008/05/10 21:00汝、孤りなる者よ[36]
- 「これは貴方の感情を封じていた小瓶よ」 声は言った。 氷翠の感情は今まで全てこの小瓶が吸い取っていたのだと。管理者として睡月湖亭に縛り付けるために。「貴方はいつも皮肉げに笑うだけだった。心から楽しそうに笑うことはなかった。怒りを剥き出しにすることもなかった。悲しみを訴えることもなかった。喜びを伝えることもなかった。いつもどこか冷めた目で、刻を、闇を見つめていた。ただそれだけを」 きらめき落ちてく... [続きを読む]
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- 2008/05/10 09:00汝、孤りなる者よ[35]
- 「この世界は一人の男の夢なのだ。そのせいか、時折奇妙なものが生まれてくる。『天球の暦』は典型的な例だ。この世界の運命はその男が握っていると言っても過言ではない」 セアンは氷翠の言葉の一言一言が言の葉の樹の一枚の葉になってゆくのを見るとはなしに見ていた。 言葉は煙がくゆるように揺らめき立ちのぼり、枝に触れるや緑に輝く厚手の葉になった。その後、葉の縁は徐々に固まってゆき、最後には翡翠に変化した。「そ... [続きを読む]
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- 2008/05/10 05:00気ままに行こう![総合]
- 01. ガルディナ王国危うし!? [ あらすじ ] ガルディナ王女が魔王にさらわれたらしい。 賞金稼ぎの少女レンはその危険な仕事に手を出してみた。 ところが、変な魔族に目をつけられて…… [ 目 次 ]プロローグ [01] [ フリートーク ] 人物紹介を兼ねた、キャラクターによるフリートークです。フリートーク [01] [ 世 界 ]1. ガルディナ王国11. スーザニア 21. ジグゼー島2. 海炎(かいえん) 12. 自治都市ポ... [続きを読む]
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- 2008/05/09 21:00汝、孤りなる者よ[34]
- 氷翠の部屋は性格に負けず整然としていて、ガランとした空虚なものが満ちていた。形だけの生活臭の全くない部屋。ただ、正面の壁にかけてある等身大の絵画だけは別で、繊細なタッチで描かれた写実画は見る人に何かをささやきかけてくるようだった。所々に荒々しいなぐり描きのような線も交じっていたが、それもまたアクセントとなって程よい変化をつけている。「森の絵?」「ああ。これは言の葉の森だ」 絵の前に立っていた氷... [続きを読む]
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- 2008/05/09 18:43気ままに行こう! [フリートーク 01]
- ???:あー、何か緊張する。紹介しろって言ったって、何が聞きたいのよ。 ???:そんなに硬くならなくていいんじゃない?ほら、もう始まってるみたいだし。 ???:え、嘘っ!勝手に始めないでよ。 ???:嬢ちゃん、そろそろ始まったんじゃないか? ???:そうみたい。マリーン! どこ行ったの? マリン:今参りましたのですわ。レンさん、張り切ってますのですわね。 レン:まあね……って、マリン。 また変な話し方になってるよ?ハ... [続きを読む]
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- 2008/05/09 09:00汝、孤りなる者よ[33]
- 「青い小瓶? どうしてこんなところに……」(あの手が?) 確かに手は存在していたのだ。残された青い小瓶が何よりの証拠だった。「セァン、終わったようだな」 店の奥から氷翠の足音が聞こえてきて、セアンはとっさにその青い小瓶を袖の中に隠した。「貴方にはあの魚の効力は及ばないのね」 セアンは少しだけ安堵した。自分の存在を知っている人が一人でもいる。そう思うだけで、彼女の心は癒されるようだった。「『忘却の魚 [続きを読む]
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- 2008/05/08 21:00汝、孤りなる者よ[32]
- 最愛の父と母。けれど、今や家族の一員として彼等の間に入ることはない。彼等の記憶の中にあったセアンの面影は最早消えてしまったのだから。 魚の存在を知りその効果を氷翠から教えてもらったとき、なんて恐ろしいものだろうとセアンは思った。永久に使うことがなければいい……そう思っていた。「私は貴方達から愛情をもらいました。身に余るほどの愛をもらいました。感謝しています。私は貴方達に育ててもらい、とても幸せで [続きを読む]
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- 2008/05/08 09:00汝、孤りなる者よ[31]
- 目潰しを食らったマナーハ等は、最初のうち訳の分からぬ叫び声を上げていた。しかし、その声は徐々に小さくなり、最終的には明瞭な言葉を話すようになった。 綴じたままで開けられなかった瞼も、何度か瞬きすると正常に戻ったようだった。「ここは何処かね、お嬢さん」 はっきりとした口調でマナーハはセアンに問いかけた。先程までの毒気はその顔からは想像できない。 丁寧な物腰の老商人の声に重なって、「あたし、何やって [続きを読む]
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- 2008/05/07 23:55日本酒って
- 注ぐときの音がたまりません。ちょっと低い音で壜が鳴る。音だけで味を期待してしまう。水よりも軽く喉を落ちていくのに、腹の底までくるとカッと熱を帯びる。その感覚がまたいい。成人した今でも、日本酒だけは特別な気持ちで味わいます。何だか汚れた心を清めてくれるような、そんな気がするのです。 ... [続きを読む]
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