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- 2008/07/24 22:42小説「小樽色内いらっしゃいませ」第二章その25
- 家に戻り、自分の趣味の写真詩のブログでもとりあえず更新しようと思ってパソコンを立ち上げた。 何気なくメールも立ち上げた。 びっくりした。…福移さんからメールが来たのだ。私の名刺のアドレスに。件名は「福移です。昨日はお疲れ様」信じられない気分だったけれど、指は勝手にマウスをクリックし、メールを開いていた。舞い上がっていた私には一瞬、把握できなかったけれど、福移さんは、私の仕事にアドバイスをくれたのだ [続きを読む]
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- 2008/07/20 19:47小説「小樽色内いらっしゃいませ」第二章その24
- 夫をたのみにしているばかりではなく、自立の道を歩き始めたつもりでも、実は私の厳しい状況は変わっていない。 家計はまだ落ち着かないし、夫は大変そうだし、 私の結婚そのものに反対だった私の実家が「寄り付かないでくれ」というので、 私は札幌の街には入れない。 和彦さんの好意の「家賃一万円」も、父から聞いた妹が電話口で口走ったのを、私が院のホームページから和彦さんに直接メールして、まとめたくらいなのだ。 [続きを読む]
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- 2008/07/19 22:30小説「小樽色内いらっしゃいませ」第二章その23
- 私の家のあたりから、観光スポットの運河の手前までは、「レトロ」というより「寂しい」の言葉が似合う街並みなのは相変わらずだった。 ただ、晴れていたのが救いのような感じ。 昨夜の、あんなに楽しかったことが夢のような気もしたし、それで、私の寂しい日常が、少しでも堪えられるものになった気もする。 でも、次はいつ会えるのだろう…福移さんに。 メールの様子だと、充さんは、充さんの方が会いたくなれば会いに来て [続きを読む]
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- 2008/07/18 13:32小説「小樽色内いらっしゃいませ」第二章その22
- 次の日は、洋品店と畳屋さんのブログの参考になればと思って、今公開されている、他の方のブログを見ていた。 そろそろお昼にしないと…などと思っていると、携帯にメールが来た。 件名は「充です。昨日はお疲れ様」だった。 マメな方だわ… でも、これが福移さんだったらもっと良かったのに… と少し思いつつ、でも、充さんからのメールは嬉しい。 開いてみると、-昨日はお疲れ様でした。 僕達のとりとめもない話につき [続きを読む]
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- 2008/07/17 20:10いつになく重い?アメブロさん
- <管理人より> 入力の方法をまた変えてみましたところ、 無事、これまでのような表示ができるようになりました。 過去記事もこれから、変更をかけていこうと思っております。 ご不便をおかけしてしまい、申し訳ございませんでした。 ・・・今後ともご愛読のほど、よろしくお願い申し上げます。…でも、アメブロの更新はいつになくちょっと重いかも…しばらくは気をつけて更新してみます。 [続きを読む]
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- 2008/07/17 19:52小説「小樽色内いらっしゃいませ」第二章その21
- 福移さん… 私はなぜ、こんな気持ちになってしまうのだろう。 そして、なぜこの気持ちを消せないのだろう。 もう、胸の奥から、というよりも、体の中心から、この得体の知れない感情が湧き上がってくるように感じ、私は困ってしまう。 遅くなっていたのだけれど、夫は残業がさらに延びてしまって、ずっと遅い時間だった。 作り置きしておいた食事を整え、私も少しお相伴すると、それだけで夫はほっとしているらしく、くつろ [続きを読む]
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- 2008/07/16 12:34ブログの表示につきまして(管理人より)
- いつもこちらのブログをお読みいただきまして、ありがとうございます。 さて、ブログの文章の表示についてなのですが、 ちょっと入力方法を変えたところ、 7/13から思うような表示にならなくなってしまいました。 管理ページのアメブロのアップ完了の表示もちょっと様子がへんなので、 7/29のアメブロのプロフィールリニューアルとも関連があるのかとも思っております。 何にせよ、これから原因を究明し、改善を行って参りた [続きを読む]
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- 2008/07/15 18:40小説「小樽色内いらっしゃいませ」第二章その20
- 「…夫は反対するんですけど、やっぱり自分で何か仕事をして家計を助けたいんですよね…そのうえ、みなさんのお役にも立てるかもしれないなんて、嬉しいし…」 「女の人は本当に強いわ…」 そう言う和彦さんの横顔にも、さすがに疲れが見えていたので、私は送ってもらうのを遠慮して、和彦さんの家の前で別れた。 街灯の下、私は酔いを…福移さん酔いを醒ますべく、ちょっとゆっくりめに家に向かって歩いた… [続きを読む]
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- 2008/07/14 10:27小説「小樽色内いらっしゃいませ」第二章その19
- そんな、なぜ福移さんがご隠居なの? 全然私にはわからない。 和彦さんはちょっと着眼点が違ったようで、 「一年生でもうご隠居かよ。それは勝手だけど、人前で呼ぶことないって。ねえ、福移さん。」 「今夜も泊めてもらうんで、何も言えないです。」 「充さんのお屋敷に?」 私が思わず尋ねてしまうと、はにかんだように笑いながら、うなずいてくれた…その表情が何とも可愛いんですけど… 和彦さんも一瞬言葉に困ったようだ [続きを読む]
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- 2008/07/13 18:44小説「小樽色内いらっしゃいませ」第二章その18
- 私の目がそれを訴えていたのか、充さんははぐらかすように首を横に振った。 「何だよ、充ちゃん…」 和彦さんの突っ込みに、充さんは、 「いや、奈緒子ちゃんも大人になったなあ、と思って。」 ちょっと私はがっかりした。 それは、何もできないはずの私が、何かできるかも、と思い始めていたということかもしれない。 でも、これも私の勝手な、そして古風なとらえ方だったのかもしれない。王子様は何もできないお姫様が好き、 [続きを読む]
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- 2008/07/12 11:07小説「小樽色内いらっしゃいませ」第二章その17
- すると、私にはぴんとこなかったのだが、ミルクも一緒に運ばれてきた。 まあ、最初は茶葉の味を楽しみたいかなあ、という気もして、ミルクは入れずに、私は飲み始めた。 すると、「…ミルクは入れないの?」なぜかそんな細かいことを尋ねてくる福移さん…照れ隠しなのかなあと思ったのはちょっと後のことで、私はアールグレイなんだからいいじゃん、とちょっと本気で怒ってしまった。でも、福移さんは、まだ、「ねえ、それ何の... [続きを読む]
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- 2008/07/11 11:12小説「小樽色内いらっしゃいませ」第二章その16
- 特に夜景が見えるとか、そういうお店ではない。 奥まったテーブル席で、和彦さんは福移さんに奥をすすめ、充さんも私に奥をすすめるので…向かい合うの? 私は当然ドキドキしてしまったが、断るのも変なので、仕方なく座った…ところで、和彦さんがカウンター席に知り合いを見つけたらしい。充さんと共通の知り合いだったらしく、ごめんね、と言いながら二人はそちらに行ってしまい、福移さんと私は向かい合ったまま取り残さ... [続きを読む]
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- 2008/07/10 17:19小説「小樽色内いらっしゃいませ」第二章その15
- 「こっちはこれからが桜だから楽しみですよ。」そう言いながら、福移さんはこちらを振り返ってくれた。 そうだった。 北海道は桜が4月下旬から5月。…今さらながら、福移さんには東京での暮らしがあるのだと思い知らされる。それはもちろん、家庭、ということ… 私のそんな思いに気づいているのかいないのか、充さんは私に、「そうだ、桜が咲いたら、お花見でもしましょうか。」そう言われると、何となく、無条件で、桜の花の... [続きを読む]
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- 2008/07/08 19:42小説「小樽色内いらっしゃいませ」第二章その14
- …ライトアップされた運河の脇を、私達は歩いた。…といっても、福移さんと並んで歩けるはずもなく、福移さんと和彦さんの背中を見ながら、充さんと歩いていたのだけれど。でも、ほうっと光を受けて闇の中に浮かび上がっているレンガや石の倉庫、ガス燈のようなクラシカルな街灯、運河の水面の景色はとてもロマンティックで、福移さんと同じ空気を吸っていることに、私は喜びを感じていた。「こっちはこれからが桜だから、楽しみ... [続きを読む]
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- 2008/07/02 14:26小説「小樽色内いらっしゃいませ」第二章その13
- その後はあっという間にお開きになってしまった。 でも、店を出ると和彦さんがさりげなく、「福移さん、よかったらもう一軒、どう? 」と言うのが聞こえた。「いいですね。」 福移さんはさわやかに笑って答えていたが、高橋さん達他の商店主さんはまったく予定していなかったらしく、とまどっていた。それに、私も含め、充さんと4人、身内だけで和彦さんが飲みたがっているようにもとられたのかもしれない。 そんな雰囲気 [続きを読む]
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- 2008/06/26 22:42小説「小樽色内いらっしゃいませ」第二章その12
- 「まあ、今は何でも移り変わりが速いですから、勝ち組の業種、っていうより、そのお店や企業が元気かどうか、って言うことですよね。」「ウチの店、元気ないんだけど。」畳屋さんがそう言うと、「じゃあ、ブログからでも始められたらどうでしょうか。」「みんなブログブログ言うけどさ、言うほど集客効果ないみたいじゃない。」「そんな、ネットができ始めの頃のCMじゃないんだからさ、バカみたいにお客さんが行列するわけない... [続きを読む]
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- 2008/06/23 10:10小説「小樽色内いらっしゃいませ」第二章その11
- 和彦さんにすすめられるまま、福移さんが腰掛ける姿に、あらためて彼の手足の長さを感じてしまって・・・密かにうっとりとしていた。ので、突然和彦さんに尋ねられて、驚いた。「そっか、福移さんは充ちゃんとは高校時代からの付き合いだもんね…ってことは、奈緒子ちゃんも同窓かい?」本当にびっくりだった。私はこの時まで、そんなことを知らなかったし、考えてもいなかったからだ。 福移さんは出会った頃のように冷たく、つ... [続きを読む]
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- 2008/06/22 19:06小説「小樽色内いらっしゃいませ」第二章その10
- 「今は東京の、母方の伯父の会社にいるんですけど…うちの親戚には子供が少なくて、でも、僕は男兄弟の三男坊だから、学生時代から、僕は養子やら後継者やらのスカウトが結構あったんです。」「あ、富岡の伯父さんのとことか? 今住んでる家そうだよね?」和彦さんの言う富岡というのは、教会や洋館のある瀟洒な地区だ。充さんはあいまいにうなずくと、「あれも、結局、僕がいやがったので、誰もいないことになって…家の建物だ... [続きを読む]
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- 2008/06/20 16:34小説「小樽色内いらっしゃいませ」第二章その9
- 小樽には、大正や昭和初期の、和洋取り混ぜ、豪奢な建物が結構ある。能楽堂もそうだ。それも、先を越されてしまったと、充さんのひいお祖父さまはえらくご立腹だったそうだ。「…祖父さんが島で上手くいきかけた時、戦争が始まって…」終戦ですべてを失い、末っ子である小学生だった充さんのお父さんが小樽に戻っても、小樽での財産も失われていたそうで…「それで充ちゃんの親父さんは商売上手なんだよな。ハングリーで。あと、... [続きを読む]
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- 2008/06/15 11:01小説「小樽色内いらっしゃいませ」第二章その8
- 「こういうこと、言っていいのかわかりませんけど…」充さんも言葉を選び、「小さい頃、僕は親父に小樽に連れてこられるのが苦痛でしたね。親父にしてみれば、生まれ故郷なので愛着があるから子供に見せたかっただけでしょうけど…まだ、小樽も今のように観光にシフトしてはいなかったし、運河もこんな風に観光向けに整備はされてなかったし。ただ、地盤沈下していく古い街、みたいな感じで、幼ごころにすごく怖かったんです…」... [続きを読む]
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- 2008/06/14 10:32小説「小樽色内いらっしゃいませ」第二章その7
- そこで充さんはにこっ、と笑い、「こんな風に、地元の現役世代の輪に加えていただけると、『小樽の今』に加われるようで、すごく嬉しいんです。」「あ、それ深いですね。」と、突っ込んだのは、かもめ洋品店の高橋さんだった。「なんか、こう、この界隈なんか特にそうだけど、レトロな街並みってのはいいけど、こう、生活している人間にとっては、自分たちのこの地域だけ時代に取り残されていくような不安感がどこかにあるじゃな... [続きを読む]
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- 2008/06/13 22:09小説「小樽色内いらっしゃいませ」第二章その6
- 当日は、会場の近所の洋風の居酒屋さんに集合だった。早めに出かけたので、着いてみると、10人ばかりの席に、まだ和彦さんと…充さんしかいなかった。「悪いね。いつもお願いしちゃって。」そう言う和彦さんはいつも通りという感じだけれど、充さんの笑顔には、やっぱり何か不自然なものがあるようにも…それは私が後ろめたいせいなのだろうか…メールのお返事も出しそびれていたし…「福移さんは、滑り込みになりそうです。」充... [続きを読む]
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- 2008/06/10 20:10小説「小樽色内いらっしゃいませ」第二章その5
- 和彦さんに出席することを伝えるために電話をしたけれど、「…良かった。みんながいろいろ訊くから、奈緒子ちゃんに嫌われたかと思ったよ。」と言われただけで、具体的な仕事のことは言われなかった。逆に私の勉強不足がありありとわかってしまって、お相手に不安を与えているのかもしれなかった。 その日から、私は、一人でいられる時は、実は密かに舞い上がっていた。 福移さんのことを考えるだけで。 まるで、少女の時に戻... [続きを読む]
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- 2008/06/06 10:06管理人よりおしらせ。
- こんにちは。管理人の月華章視です。いつもこの小説をご愛読いただきまして、ありがとうございます。第二章に入りましてから、更新が遅れまして申し訳ございません。下書きがいまいち気に入らず…書き直しになってしまいました。アップまで、いま少しお待ち下さいませ。また、このブログのデザインですが、目に優しい、黒い背景色で、文字は白系、に変更しようかなと考えています。読者様は性別問わず募集中なので、どなたがご覧... [続きを読む]
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- 2008/06/02 12:26小説「小樽色内いらっしゃいませ」第二章その4
- −急で申し訳がないんだけど、あさって、地元の若手の交流会(飲み会?)があります。うちの奥さんが急に出席できなくなってしまいまして…女性が一人になってしまうので、できれば奈緒子ちゃんに出席していただければ助かるのですが… とあって、「充さんのほか、福移さんも来るかも」と書いてあった。 どうしよう。 でも、もう一度福移さんに会いたい。そんな強い気持ちに駆られるのも事実なのだ。 …携帯は脇に置いて、ま... [続きを読む]
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