香月 瞬 さん

香月 瞬さん: 恋路 〜あなたの場合〜
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プロフィール

ハンドル名香月 瞬 さん
ブログタイトル恋路 〜あなたの場合〜
サイト紹介文短編集になればいい。
参加カテゴリー
更新頻度(2年)情報提供170回 / 489日(平均2.4回/週) - 参加 2008/04/18 11:36

香月 瞬 さんのブログ記事

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  • 2008/10/08 09:30* 第二十話 * 〜慶子の場合〜 ?終
  • 「俺…、人殺し…なのか?」翌朝、自分の起こした事故の詳細を知った永治の狼狽ぶりは半端じゃなかった。人を死なせてしまったという事実。目に見えて食欲が落ち、夜は眠れない。クッキリと隈が出来、頬はこけ、口数も少なくなっていた。運転中の携帯電話の使用、信号無視、挙句の人身事故と物損事故…。状況から見て、罪を逃れられるような点は微塵もない。永治は自らの過失を素直に認め、全ての交渉を保険会社等の第三者に任せ、 [続きを読む]
  • 2008/10/07 07:13* 第二十話 * 〜慶子の場合〜 ?
  • 「所謂二人目不妊ってヤツで。俺もせっつかれて、よくウザがったもんだよ…」輝元は、ベッドに横たわっている美園ちゃんの遺体を見つめながら、話していた。「たまに上手く着床しても報われずに、ことごとく流れてさ。詩真は、ぬか喜びってのを散々味わって…」「そう、だったの。私、知らなくて…」慶子の言葉を遮り、輝元は続けた。「そう考えるとさ、お前は、奇跡の子どもだったんだなあ…」美園ちゃんに向かって震える声で投げ [続きを読む]
  • 2008/10/06 11:44* 第二十話 * 〜慶子の場合〜 ?
  • 送っていくという警察官の申し出を慶子は断り、一人で病院の外に出た。警察官も、厄介な事に関わってしまったという態度を隠そうともせず、ホッとした表情で去っていった。門を出ようとした時に、背後から高らかに足音が聞こえて、慶子は振り返った。輝元が駆けて来る。「慶子…、ちょっと、来てくれ」輝元が驚いている慶子の手をとり、また病院へと引き返した。何も言えず、されるがままに連れて行かれた先は、地下の霊安室だった [続きを読む]
  • 2008/10/05 12:58* 第二十話 * 〜慶子の場合〜 ?
  •  ―― そんなんだから、簡単に死んじゃうのよ。慶子は、自分で言おうとしたことに恐れおののいた。 ―― なんてことを…。「ご、ごめんなさい…」慶子が慌てて、詩真の腕から手を離す。詩真は、ずっと黙って泣いていたが、目だけはじっと慶子を睨み続けていた。鎮静剤を持った医師がやってきた。「先生、私、大丈夫です。冷静です…」そういう詩真に、医師が静かに首を振った。「皆さん、ここは病院ですから。ちょっと考えてく [続きを読む]
  • 2008/10/04 15:49* 第二十話 * 〜慶子の場合〜 ?
  • 詩真は目覚めると、凍りつきそうな程に冷たい視線を泣き伏している慶子に送った。輝元が、慶子に近づこうと腰をあげようとした瞬間に、詩真の小さな声が、それでもハッキリと明確に、慶子の耳に届いた。「帰れ」慶子の泣き声が止まる。「慶子先輩…?」詩真が、落ち着いた声で、更に言葉を投げつけた。「返してよ、美園を。…あんたの馬鹿亭主を代わりに殺してよ…」身体を起こして、だんだん尖った感情が増して、エスカレートして [続きを読む]
  • 2008/10/03 09:58* 第二十話 * 〜慶子の場合〜 ?
  • 永治の容態急変などはなさそうだ。慶子は、今すぐにでも被害者のご家族に会いたいと警察官に申し出た。警察官は、もう面会時間も終わっているし、明日でも構わないと思うと答えたが、人一人死んでいるのに遅すぎると抗議した。分かりましたと重い腰をあげた警察官と共に、慶子は別の病院へ向かった。名前は聞けなかった。自分の予想が的中することが怖かった。たとえ僅かでも、思い違いであることを願っていた。道路は空いている。 [続きを読む]
  • 2008/10/02 09:53* 第二十話 * 〜慶子の場合〜 ?
  • 待合室のソファに腰掛ける。警察官は慶子に自分の名刺を差し出し、挨拶をした。「先ほど、ご自宅にお電話差し上げた者です」「はい、お電話では取り乱してしまい、失礼致しました」慶子がそう返すと、警察官は、永治の起こした事故の状況について説明を始めた。「ええとですね、、まず事故が起こったのが、17:40頃です。○○交差点付近ですね」慶子が、頷いた。間違いなく、永治の通勤経路だ。「ご主人は、運転中に携帯電話を使用 [続きを読む]
  • 2008/10/01 09:53* 第二十話 * 〜慶子の場合〜 ?
  • 慶子は、とるものもとりあえず、夫の入院先の病院へ駆けつけた。 ―― そんな馬鹿なことって…。呼吸が荒くなる。さっきから、胸の奥から何かが込み上げてきて、それを必死で飲み込む。 ―― 泣いちゃダメだ。気丈に、気を取り直して、居住まいを正す。病院の受付で名前を言うと、ICUを案内された。すぐさまエレベーターで指定された階へ向かう。エレベーターが開いた先の廊下には、一人の警察官が立っていたが、慶子はそれを [続きを読む]
  • 2008/09/30 11:47* 第二十話 * 〜慶子の場合〜 ?
  • 慶子の背後で炊飯器の音がピーと鳴った。「炊けた、炊けた」蓋を開けて、濡らした杓文字で炊きたてのご飯をかき混ぜる。この秋初の炊き込みご飯である。安物ではあったが、マツタケの良い香りが慶子の鼻腔をくすぐり、思わず大きく深呼吸する。 ―― それにしても、遅いなあ。もう料理も粗方出来上がっている。痺れを切らした慶子は、夫の携帯電話に掛けてみる。自家用車で通勤しているので、普段、あまり運転しているだろう時間 [続きを読む]
  • 2008/09/29 10:37* 第二十話 * 〜慶子の場合〜 ?
  • あれから、輝元からの返信はない。湯呑みの中は、もう空っぽだった。気付けば、付けっぱなしだったテレビは、夕方のニュースも終わり、賑やかなバラエティ番組が始まっていた。 ―― いけない。随分、ボーッとしちゃったわ。慶子は、慌てて台所に入る。冷蔵庫から下拵えしてあった食材を取り出し、調理を始めようとして、手が止まった。 ―― そういえば、珍しく帰り遅いなぁ。いつもなら、七時ジャスト位に帰ってくる夫であ... [続きを読む]
  • 2008/09/28 13:40* 第二十話 * 〜慶子の場合〜 ?
  • 【アルバイト ハジメタヨ  テル】【アス、ニュウセキ シマス  テル】【オンナノコ ウマレタヨ 「ミソノ」 デス  テル】別れてからも、輝元からは、慶子宛に事あるごとにショートメールが入った。おめでたいお坊ちゃんだなと呆れつつも、新しく携帯電話を持つようになり、電話番号を変えるたびに教えてしまう自分がいる。この二人が結婚してどんな生活を送っているのかを知りたかった。幸せな様子が胸をズタズタに切り裂 [続きを読む]
  • 2008/09/27 15:08* 第二十話 * 〜慶子の場合〜 ?
  • 慶子が帰宅後、家の電話が点滅、留守電に輝元から数件のメッセージが残っていた。メッセージを聞かずに消去すると、輝元の携帯電話に掛け直した。「もしもしっ?」必死な声に、少し笑ってしまう。「もういいよ、テル。詩真を幸せにしてあげて」「違うんだ、慶子。俺…」「何を言っても、言い訳でしょ?私、何よりも嘘吐かれていることが嫌いなのよ」輝元が黙ってしまった。「詩真が…、ずっとテルを好きだったのは本当みたいだか... [続きを読む]
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  • 電話
  • 2008/09/26 14:53* 第二十話 * 〜慶子の場合〜 ?
  • 自分の恋人と可愛がっていた後輩との間に新たな命が芽生えたと告げられたあの夜から、もう七年が過ぎる。慶子が生きてきた人生の中で、あれほど驚愕し、激怒し、絶望し、慟哭した夜はない。それでもあの時、なんとか落ち着きを取り戻し、最後に詩真に聞いた。「テルに…、無理矢理に、そういう関係を迫られたワケではないのね?」「違います…。私、輝元先輩を愛してます」その言葉を聞いた慶子は、これまでの詩真との付き合いを... [続きを読む]
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  • 人生
  • 2008/09/25 13:49* 第二十話 * 〜慶子の場合〜 ?
  • 「そっか…、詩真、おめでとう」ひとまず落ち着かせようと思ったら、そんな台詞が慶子の口をついた。電話口の詩真は泣きじゃくっている。「一人じゃ不安だよね。今から、そっち行くから。待ってて」慶子はそう伝えて電話を切ると、真夜中にタクシーで詩真の家へと向かった。一人暮らしの部屋に着くと、泣き疲れた顔の詩真が出迎えてくれた。「そこ…座ってください」そう言って、慶子にクッションを勧める。「うん、で、体調は大丈 [続きを読む]
  • 2008/09/24 11:06* 第二十話 * 〜慶子の場合〜 ?
  • 「娘が死んだって…、美園ちゃんのこと、だよね…」 ―― ざ・ま・あ・み・ろ。慶子の心の奥の方から聞こえた声に愕然とする。そんなことを考えた自分を打ち消そうと慌ててメールを返信する。【何があったの?奥さんは?大丈夫なの?】送信すると、そのままギュっと携帯電話を握り締め、目を瞑った。鈴木輝元は、かつて慶子が初めて結婚を意識した元カレである。大学4年の頃から、六年付き合った。それから、輝元と慶子を慕って [続きを読む]
  • 2008/09/23 13:01* 第二十話 * 〜慶子の場合〜 ?
  • 首相が二度も続いて任期途中で職を辞し、去年に引き続き、自民党の総裁選が行われた九月。豪雨被害、不良債権、食品に有害物質混入、…暗いニュースばかりが続く。福岡、千葉と続いて子どもが死ぬという惨劇。慶子は、テレビの中のニュースキャスターに向かって、思わず呟く。「…なんで、そんな家に生まれちゃったんだろうねぇ」声に出てしまったことにハッとして、慶子は慌ててダイニングチェアから立ちあがった。お茶でも淹れ... [続きを読む]
  • 2008/09/22 15:16雑記
  • あとがきをアメンバー限定解除していきます。まだ半分以上限定記事ですが、おいおい変更していきますので、ここにお知らせしておきます。次は、区切りのいい第20話目になりますが、まだ内容思いついてません。男が続いたので、女の子にしようかな〜と漠然と考えてはいますが…。さて、今日は香月 瞬について書きます。えと…、まず名前。実はアメブロに登録した際の最大のミスはIDでした。これが、まんまドメインになると思ってな [続きを読む]
  • 2008/09/21 13:31あとがき解説 その7
  • 第十八話 「佑介の場合」 森中佑介(27)男女の友情は、どちらかの一生の片想いだってのは香月の持論です。一応、私自身にも大事な男友達がいます、いました???親友だと思っていたけど、それは嘘だったなーって今は思います。ひとりは、私が片想いをしていました。告白もしました。でも、彼は私に恋愛感情を持つことはありませんでした。だけど、ずっと一緒にいたかった私は気持ちを押し殺して友達という関係を続けていました [続きを読む]
  • 2008/09/20 09:58* 第十九話 * 〜達矢の場合〜 ?終
  • 服を着た達矢が、橙子の向かいに座った。「何、泣いてんの?」橙子は無言で首を横に振ると、指で溢れる涙を拭った。「…立て直そう…、私たちの劇団」そう言った橙子をじっと見つめて、達矢は思った。 ―― 私たちの…劇団。「辞めていった皆にも声掛けたの。もう一度、皆でやり直そうよ」達矢は、ずっと自分のことしか考えていなかった。桜子を愛した自分が満足出来る舞台しか。旗揚げの時から一緒である同志の橙子や、賛同し... [続きを読む]
  • 2008/09/19 09:21* 第十九話 * 〜達矢の場合〜 ?
  • 「はは…」達矢は乾いた笑いを漏らした。もはや笑うしかなかった。「そんな馬鹿なこと…」達矢は片手をおでこに当てて、くっくっくと笑った。「僕だって、信じられなかった。でも、間違いないと思うんだ」「桜子が、…もう死んでるってことでしょ?じゃあ、俺たちが会って、話して、抱いたあの女は一体何だって言うんです?」「…あんまり口には出したくないね」達矢は軽く膝を叩くと、ベンチから勢い良く立ち上がった。くるりと主 [続きを読む]
  • 2008/09/18 10:10* 第十九話 * 〜達矢の場合〜 ?
  • 「調べた…?」達也は、頭の中がどんどん冷静になっていくのを感じた。 ―― 俺は、ここ数日、一体何をやっていたんだ。あまりの自分の堕ちようを恥じた。「そう。僕、柴田さんに、あの子は芝居がヘタクソで使えないって嘘ついたでしょう?」「ああ、そういえば、そうでしたね」「でも、彼女、巧かったでしょ?下地もちゃんとしてた」達也は、ウンウンと頷いた。「ま、本当のことを白状するなら、あんな美しい人を僕のドタバタコ [続きを読む]
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  • 芝居
  • 2008/09/17 11:08* 第十九話 * 〜達矢の場合〜 ?
  • もう一人の自分を見たら死ぬ。ドッペルゲンガー?達矢は怯え、その場から逃げようとしたが、足がうまく動かない。前からやってきた不気味な男が達矢の姿を捉え、唇の端を歪めた。「あー、驚いた…」男は、そう言って笑いながら、達矢に近づいてきた。「僕を見たのかと思いました。お互い、随分やつれたなあ…」男はそう言って、達矢の肩を二度叩いた。思わず、後ずさる。達也の全身に鳥肌が立った。「ええ〜?やだなあ〜」男はアッ [続きを読む]
  • 2008/09/16 11:14* 第十九話 * 〜達矢の場合〜 ?
  • 桜子は、達矢の前から、消えた。達矢にとっては、突然の出来事で、青天の霹靂であった。携帯電話は解約されている。住まいを訪ねてみたが、彼女はいなかった。住んでいたという形跡すら感じることが出来なかった。達矢は何をする気力も失い、部屋に引きこもっていた。稽古場にも顔を出さない。もちろん、新作なんてもう書けない。 ―― 何を信じればいい?一方、橙子は、様子を見守りつつ、達矢の知らないところで劇団の建て直... [続きを読む]
  • 2008/09/15 14:31* 第十九話 * 〜達矢の場合〜 ?
  • 橙子と達矢は、あの口喧嘩から少しギクシャクしていた。そして、桜子しか見えなくなっていた達矢は、心なしか目の下には濃い影が浮き、顔色も悪く、頬は痩けていた。桜子と他の役者が話している。たったそれだけで、内心気が気ではないのだ。達矢の書いた台本の上で、達矢の書いた台詞で。頭の中に描かれた世界での会話しか認めたくなかった。我ながらオカシイと感じ、自分自身に問うてみるが、答えは出なかった。 ―― なぜ、そ [続きを読む]
  • 2008/09/14 08:26* 第十九話 * 〜達矢の場合〜 ?
  • 目の前が真っ暗になるというのはこういうことか。耳を疑った。「他の女の子たちも薄々勘付いてるわよ。男たちが鈍感過ぎる」達矢は橙子に反発した。「桜子がそんな女なわけないじゃないか!だって…」どれだけ彼女が魅力的な女性かということを滔々と話して聞かせた。橙子は鼻で笑った。「私、衣装探しの時に一緒に電車乗ったけど、あの子、普通に吊革掴まってたわよ?」達矢は、橙子を信じられないという目で見つめた。「なんて、 [続きを読む]
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