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- 2008/04/08 19:55小説『ウォーターメロンの彼方に 』 第2話 野球の申し子(7)
- ***********************第2話 野球の申し子(7)***********************神父は元プロ野球選手。ある事件がきっかけでプロ野球選手をクビになった。クビになったと言うより、プロ野球界を永久追放になった。選手を辞めた後、人々のために役に立とうと教会を建てて自ら神父になった。そして教会の傍ら孤児院の施設を作った。今まで野球でお世話になった。せめてもの罪滅ぼしに夢も希望も何もないこの子に野球を教えた。イサムは神... [続きを読む]
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- 2008/04/08 19:52小説『ウォーターメロンの彼方に 』 第2話 野球の申し子(6)
- ************************第2話 野球の申し子(6) ************************イサムの隣で大きな声を出して歌っているのが同じ境遇の一乗寺琴乃。笑うと笑窪ができる可愛らしい女の子だった。歌の次にイサムが好きだったのが野球。神父はイサムとよくキャッチボールをしてくれた。神父は手取り足取り野球を教えてくれた。****************... [続きを読む]
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- 2008/04/08 19:49小説『ウォーターメロンの彼方に 』 第2話 野球の申し子(5)
- ************************第2話 野球の申し子(5)************************イサムは一人取り残されて施設に預けられた。イサムの入った施設はキリスト教会だった。教会の神父や尼僧はイサムの学力の低さに驚いていた。イサムは小学校5年生になるのに勉強がまったくできなかった。それは一度も学校に通わせてもらえなかったからだ。イサムは勉強は嫌いだったが教会の催しものには興味があった。毎週日曜日に行われる教会の説教が... [続きを読む]
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- 2008/04/08 19:33小説『ウォーターメロンの彼方に 』 第2話 野球の申し子(4)
- *************************第2話 野球の申し子(4) *************************榊イサムの初めての他校との試合でもそのパワーを見せつけた。デビュー戦でいきなり軟式ボールをライトスタンドに軽々と叩き込んだ。4打席に立って4つのホームラン。最後の4打席目はライトスタンドを越える場外ホームラン。ピッチングの方も初試合ながら1失点に抑えた。ヒットを打たれるものの得点には結びつかず、1失点も自ら出した押し出しの1... [続きを読む]
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- 2008/04/08 19:30小説『ウォーターメロンの彼方に 』 第2話 野球の申し子(3)
- ************************第2話 野球の申し子(3)************************坊主頭の浅黒い背の高い少年がただものではないことがその一球を受けて高井には分かった。それもそのはず、榊イサムは野球経験者で少年刑務所に入るまでは、高校野球をやっていた。イサムのポジションはピッチャーで打順は4番を打っていた。高井はイサムから投げられた球を受け取るとホームに向かってボールを投げた。投げられたボールはワンバンドして... [続きを読む]
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- 2008/04/08 19:28小説『ウォーターメロンの彼方に 』 第2話 野球の申し子(2)
- ************************第2話 野球の申し子(2) ************************少年刑務所院内では実際に現金のやりとりはできない。そのため、外にいる第三者を通して現金を賭ける博打。少年刑務所を出所した時に勝っていれば金は精算されて現金を手にすることができる。しかし負けていれば容赦なく第三者が負けた金を肩代わりして支払わなければならない。大負けをすれば出所した時に金を払うか、殺されるかしてしまう。少年刑務所... [続きを読む]
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- 2008/04/08 19:21小説『ウォーターメロンの彼方に 』 第2話 野球の申し子(1)
- ************************第2話 野球の申し子(1)************************少年刑務所の塀の上から見える青空を見ていると榊イサムの足元に野球の球が転がって来た。誰かの打った球が飛んで来たのだろう。イサムはそのボールを拾った。「悪いな、そのボールこっちに投げてくれ。」一人の男が近づきイサムにそう言った。イサムと同じ部屋の高井信夫だった。イサムよりは年は3つ上で、賭博好きの男だ。ここのところ野球賭博で負け... [続きを読む]
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- 2008/03/19 20:52小説『ウォーターメロンの彼方に 』 第1話 誕生日(9)
- **********************第1話 誕生日(9) **********************「兄ちゃん、俺が将来有名になって兄ちゃんになんでも買ってやるよ。」「俺が兄ちゃんに楽させてやるよ。」イサムのその目は輝いていた。「バカ、あてにしないで待ってるよ。」そう言って光男はイサムの頭を撫ぜた。光男はイサムの言葉が嬉しかった。夜空に大きな流れ星が流れた。「待ってろよ、絶対やってやるからな!!」イサムは拳を握り流れ星に向かって叫... [続きを読む]
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- 2008/03/19 20:35小説『ウォーターメロンの彼方に 』 第1話 誕生日(8)
- *********************第1話 誕生日(8)*********************夜空の下二人の少年は走っている。「イサム。」急に走るのをやめると兄光男が弟を呼んだ。「なに、兄ちゃん。」驚いたようにイサムは兄の顔を覗く。二人は歩道を並んで歩く。「お誕生日おめでとう。」そう言って光男は弟イサムの頭を撫ぜた。「えっ、そうか今日俺の誕生日だったのか。」イサムは自分の誕生日を忘れていた。「なにも買ってあげられないけど・・・... [続きを読む]
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- 2008/03/19 20:32小説『ウォーターメロンの彼方に 』 第1話 誕生日(7)
- **********************第1話 誕生日(7)**********************光男は教壇の上からイサムを見ると胸を張って言った。「それではもう一度出席をとります。」「榊イサム君。」「はい。」「まだ声が小さい。」「榊イサム君。」「はい。」今度はイサムは大きな声で叫んだ。「よろしい。いい返事だ。その声を忘れないように!!」光男がそう言うと二人は笑った。その時だった。教室の扉が開いた。懐中電灯を持った宿直の先生が入... [続きを読む]
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