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- 2008/06/27 23:09小説「アンとハリーと公園で」(中)*再掲載
- ふたりの公園での空想ゲームは、5月から始まってその後4カ月以上にも及んだ。晴れ間の多い6月と7月と8月の蒸し暑い季節があっという間に過ぎ去った。そのあと9月の第一週が終わってから、どうしたことかアンがぱったり来なくなった。そして見かけなくなって1ヶ月かそこらが経ち、早くも10月の秋の香りが立ち込めていた日の夕方だった。ハリーが、来なくなったアンを待っていた公園に、あのアンの母親である日傘の婦人が現... [続きを読む]
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- 2008/06/27 23:00小説「アンとハリーと公園で」(上)*再掲載
- ハリーはもう3日間誰とも口をきいていなかった。そんな彼が、失業の憂さ晴らしも兼ねてクスノキの茂るその公園に出かけてみることにしたのは、一昨年の5月のことだった。まだ日の高いお昼の3時過ぎに、駅前にある自分のアパートからとろとろと坂道を歩いて15分で、ジョーファンズ山の登山口のふもとにある小さな公園に到着した。彼は着古しの青いボロボロのジーンズに薄くて白っぽい長袖のシャツを着て、足もとはカーキ色のデ... [続きを読む]
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- 2008/06/22 16:52もう一度礼文島に行きたい。
- 昨日の夜から“礼文島巡り”をしている。といっても、YouTubeで画像を見て、礼文のブログを見ているだけだが。礼文島は北海道の最北端、稚内の左に位置する離島。私は1983年と85年の二回訪れた。まだ大学生だった。北海道に旅行するというのは、当時の学生にとってなかば定番と化していた。沖縄に出かける者もいたが、人数からすると圧倒的に北海道が多かったと思う。履歴書の趣味の欄に「旅行」と書いたことがなく、旅に特... [続きを読む]
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- 2008/06/21 12:42小説「号泣」
- 「ア〜ッハハハハハ!」ある日曜日の昼下がり。マリは女友達といつものようにいつもの喫茶店で大声で話していた。「そいつったら可笑しいのよ。 『僕はマリさんとお見合いして、初めて女性を好きになりました』だっ て。あんな年になるまで恋のひとつもしたことないのかしら?」くるくるとクリームソ−ダをストローでかき回しながら、マリは友人たちの顔を見回した。「いくつなの?」「さんじゅうろく」「36歳? で、マリが... [続きを読む]
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- 2008/06/16 21:42雪とパイナップル
- 1991年1月。ぼくは初めてソ連に入った。チェルノブイリへ行くため。ソ連邦の時代だった。なぜソ連なんてひどい国を助けにいくのかと聞かれたことがあった。子どもは国を選んで生まれてこないと答えた。誰もやらないからこそ、放射能汚染地へ行って子どもを助けたいと思った。難治性の白血病の子どもたちを救うため、骨髄移植の初歩の治療を現地のドクターに教えた。11人の子どもに骨髄移植をした。10人は白血病が完治した... [続きを読む]
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- 2008/06/15 17:16小説「ジャズ―それは眠れない朝の音楽」
- ある朝のことだった・・・。前の晩に早く寝ついたせいか夜中に眼が覚めた。枕元に置いてある目覚まし時計を手探りでたぐり寄せ、針の指す文字盤を眺めた。4時50分だ。まだ起きるには早すぎる。目覚ましを適当に転がして再び布団にもぐりこむ。眼をつぶる――。が、ダメだ。眠れない。何度眼を閉じても眠りにつくことができない。私はとうとうあきらめて布団から這い出すことにした。パジャマ姿のまま部屋の中央に座った。しかし... [続きを読む]
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- 2008/06/14 16:54小説「ようこそ地球へ」(再掲載)
- 2850年のその日、地球代表を含む初めての「惑星会議」が開かれた。各星からの代表が一人ずつ当番星の地球に集まり、自己紹介から始まって自分の星の日常や人々の暮らしを紹介した。集まった星の代表者は口々に「私の星では……」とその星の自慢話を聞かせた。酸素がないのに生きていることや食事がいらない、勉強も不要で進学も就職もなく、ただ悠久なる宇宙に漂う星での生活を殊更不思議なことでもないように語り合っていた。... [続きを読む]
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- 2008/06/13 22:48小説「最後のピアノ」(再掲載)
- 僕は毎年会社で新卒者の採用を担当する。今年も大量に大卒を確保するよう本社から指示が出ていた。学生を前にして会社説明会をするのが僕の仕事だ。持ち時間は一時間半。喋るという作業はとても体力を使う仕事で、あれだけ長時間喋るとぐったりすることがある。その日ももう採用活動が終盤に近づいていた時期で、僕の声も少ししゃがれ気味だったように思う。「人事部のカタオカです」その日いつものように学生さんを会場に案内した... [続きを読む]
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- 2008/06/12 20:54小説「ひつじバーで会おう♪」(下)
- 前略 カタオカ様いつぞやは渋谷のこのお店に連れてきてもらい、ありがとうございました。お礼も言わずにお別れしてしまい本当にゴメンナサイ! すいませんでした。あの日もう少し時間があれば、いろんなことを話せたのにと、今更ながら残念です。私はもう引っ越すことが決まっていて、同級生で最後に会ったのがカタオカ君でした。私は、いまでも懐かしいあの中学の級友たちの顔を思い出すことがあります。誰かの歌のように「卒業... [続きを読む]
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- 2008/06/12 20:50小説「ひつじバーで会おう♪」(上)
- 「俺たち、ひつじバーで会ったんだ」僕は会社の同僚と営業所近くのレストランでランチを食べながら興奮気味に喋っていた。普段あまり人の来ないその店は、近隣サラリーマンたちの恰好の“おしゃべりサロン”となっていた。僕は同僚を前にして、昨夜のその不思議な出来事を一方的に喋り続けた。――本当に不思議なんだ。いや、ワープするんだ。どこへでもさ。自分で思い浮かべた場所へ勝手にワープしてしまうんだ。いや、本当なんだ... [続きを読む]
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- 2008/06/10 18:34小説「雨よ降れ」(下)
- “雨の哲学者”と出会ってから2ヶ月ほど経っていたと思う。またその日も雨だった。僕は定時で仕事を終え、いつものようにそのイタリアンの店に行った。彼女はまだ来ていなかったので、例のウェイトレスに「とりあえず」と言ってビールを注文した。出されたおしぼりで手を拭いていると、そのウェイトレスが何かいつもとは違う面持ちで近づいてきた。「あの……」と一瞬口ごもり、そして彼女はもごもごと遠慮がちに喋り始めたのだっ [続きを読む]
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- 2008/06/10 18:27小説「雨よ降れ」(上)
- 雨が降り出した……。その日の仕事を終えて、ちょうど会社のエントランスを出たところだった。ぽつぽつと冷たい雨が落ちてきた。僕は仕方なく市役所通りの葉の落ちた銀杏並木を小走りに駆け抜け、商店街の端っこにあるイタリアン・レストランに緊急避難した。傘を持ってなく、雨宿り代わりの晩飯を食べるのにうってつけだと思い、通りのはずれのその店を訪ねたのだった。そこは会社の送別会や新卒採用の打ち上げで時たま使う、美味 [続きを読む]
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- 2008/06/07 22:24音楽鑑賞の時間♪
- ganganさんのところでYouTubeを見て自分も音楽を聴きたくなった。少しずつアップしていくことにする。最初はキング・カーティス。最高にカッコいいイントロが聴ける。ブラック音楽ファン必聴の「メンフィス・ソウル・ステュー」。彼らのライヴ盤は現在でも手に入る。CDの演奏は画像のものよりもっとアップテンポで凄まじい。http://jp.youtube.com/watch?v=0Loy55z4GpAギタ−が好きで探したら、コレが・・・。知らないギタリストだ... [続きを読む]
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- 2008/06/01 14:09小説「星の日の十二歳」
- ぼくのクラスには「星の日」というのがある。自分がお世話になった友だちや頑張っていると思う友だちに星の形の紙をあげるのだ。そこにはお礼のメッセージを書くことになっている。毎月の初めが星の日だった。ぼくはこの小学校に転校してきてもう3年目。6年3組の連中とは5年生のときからいっしょだから2年目のつきあいになる。一学期の広報委員に指名されたのはいいけど、それは悪いクラスメートたちの策略で、そもそもぼくに... [続きを読む]
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- 2008/05/31 12:28小説「青春の嫉妬」
- 「だって私あの子、きらいだもん」ナオミはきっとした表情でユウキに言った。目が笑ってない。ライバルを蹴落とす鷹の目だ。「あの子、気にくわないから」「沙耶ちゃんっていい子だよ。スゲー可愛いし」「可愛くてもダメ。ああいう子は男の子をダメにするの」「なんで?」「外見だけで中身がないし口だけだし」「そんなことないよ。このあいだ電車でお婆さんに席を譲ってたぜ?」「そういうのは誰だってやるのっ!」ナオミは苛立た... [続きを読む]
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- 2008/05/30 18:51小説「天国のエミリーへ」
- 1994年の6月の土曜日だった。恵美子はとうとう涼介との結婚式の日を迎えた。3年越しの困難な恋を実らせてのゴールイン。彼女はいつもより随分と早く起きて、村はずれの式場までクルマを飛ばしていた。普通なら15分走れば着くはずの場所だった。ところが、道に飛び出してきた猫をよけきれずガードレールに激突。クルマは左前方がつぶれ、恵美子は腹部を強打した。重傷だった。しかし、彼女は遠のきそうになる意識を揺り起こ... [続きを読む]
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- 2008/05/29 20:22小説「ようこそ地球へ!」
- 2850年のその日、地球代表を含む初めての「惑星会議」が開かれた。各星からの代表が一人ずつ当番星の地球に集まり、自己紹介から始まって自分の星の日常や人々の暮らしを紹介した。集まった星の代表者は口々に「私の星では……」とその星の自慢話を聞かせた。酸素がないのに生きていることや食事がいらない、勉強も不要で進学も就職もなく、ただ悠久なる宇宙に漂う星での生活を殊更不思議なことでもないように語り合っていた。 [続きを読む]
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- 2008/05/25 00:52ビヴァリーに最後に会った日
- 新幹線に乗りこむ。いざ東京へ!こんな日はぶらりと出かけてみる。といっても、何百キロも離れているのだが。昼飯にする駅弁とお茶のペットボトルを買い込み、入線してきた先頭の突き出た700系に乗り込む。新大阪に着いたとき、ふと途中で寄り道しようと考えた。京都で降り、こだまに乗り換え米原に行く。米原か・・・。何年前だろう、ここに来たのは。もう何年前だか思い出せやしない。それぐらい遠い過去になった。はて、ここ... [続きを読む]
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- 2008/05/23 07:12詩「君と見た映画」(再掲)
- 君と映画を見に行ったのはいまからもう20年も前の話だ僕が会社で営業をやり君が同じ会社の経理部だった恋人のようなものだったな映画に行こうよと君が誘った僕は映画が好きでなくしかたないと思ったけど君が好きだったので行くことにした映画のタイトルは忘れた若い女が恋に敗れその痛手で大事な仕事を放り出し一からやり直すため 故郷に帰る話だったありがちなストーリーだった僕は映画を見終えるとさあ行こうかと 君の顔を見 [続きを読む]
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- 2008/05/20 23:31映画「ショーシャンクの空に」を観る。
- 映画「ショーシャンクの空に」を観た。数ある映画の中で屈指の傑作と謳われる作品。映画のベストテンものだと、だいたい10位までには食い込んでいる。「ショーシャンク」とは刑務所の名称。長年の刑務所生活の中でもおのれを見失わず、ついには脱獄に成功した男の奇妙な逸話の数々と、その親友の囚人をめぐるヒューマン・ドラマ。スティーブン・キングの小説『刑務所のリタ・ヘイワース』を映画化。95年度キネマ旬報外国映画ベ... [続きを読む]
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- 2008/05/20 00:32詩「祈り」
- 私の祈りよ遠く遥かなる異国の地へ届け道なき道の人馬をも寄せつけぬ険しい山々の聖なる麓に起こった果てしなき試練いま民衆に非情なる辛苦に立ち向かう勇気と闇夜から立ち上がる力を与え給えいつの日かその地が清廉な泉の湧き出ずる新たなる永遠の大地となることを信じby RAIN*四川大地震で被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。 [続きを読む]
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- 2008/05/18 13:57小説「タクシードライバー」
- 「どちらまで?」バックミラーで僕を覗き込む女の眼差しが、宝石のように美しい。スペインあたりの女性の目を彷彿とさせる。情熱的でセクシー。あまりこういう人は見かけたことがない。地元では珍しいその女性のタクシードライバーは、横長のミラーで僕の目を時折見ている。僕は彼女の美しい目に吸い込まれるように話をする。「なぜか海に行きたくなって・・・」「海の見える道をしばらく走りましょうか?」とそのドライバー。僕も... [続きを読む]
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- 2008/05/18 08:55小説「エリと拓也」(再掲)
- ●第一話「マクドナルド」「拓也くん、美味しい?」「ああ、こりゃいけるね」「そう……」「ん? どうした?」「あ、あぁ、いえ……、な、なんでもないヨ……」エリはチーズバーガー1つとフライドポテトの(S)をとっくに食べ終え、コーヒーをすすりながら窓の外の道行く人を眺めていた。拓也はまだ一つ目のハンバーガーをほおばりながら、不思議そうにエリを見ていた……。「あー、もーっ、やってらんねーよっ!!」エリは拓也 [続きを読む]
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- 2008/05/17 15:47小説「最後のピアノ」(再掲)
- 僕は毎年会社で新卒者の採用を担当する。今年も大量に大卒を確保するよう本社から指示が出ていた。学生を前にして会社説明会をするのが僕の仕事だ。持ち時間は一時間半。喋るという作業はとても体力を使う仕事で、あれだけ長時間喋るとぐったりすることがある。その日ももう採用活動が終盤に近づいていた時期で、僕の声も少ししゃがれ気味だったように思う。「人事部のカタオカです」その日いつものように学生さんを会場に案内した... [続きを読む]
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- 2008/05/17 05:36詩「宇宙船地球号に乗って」(再掲)
- 星ひとつ夜空にのぼり月の光に包まれて夜空に煌めく瞬く間にほかの星たちも集まり天体は彼らの華麗なステージとなるああ 宇宙船地球号に乗って いつかこの広い宇宙を旅してみたいすると小さくくだらないことがただちに忘れられると思う悠久の天体に惑星たちが遊びいつのまにか僕たちの存在の儚さを知る僕たちはいまいったいどこの誰なんだろう大宇宙四丁目地球星日本国?明日は水・金・火・木までゆらゆらとその次の日は土・天・... [続きを読む]
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