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- 2008/10/01 03:44情念による反戦 ~読売新聞大阪社会部『終戦前後』~
- ? ミニ感想 最初、題名を『終戦前夜』と勘違いしていた。 しかし期待が外されたわけではなく、新聞記者らしい分かりやすい文章で綴られた作品で、内容も興味深かった。 まず、終戦直後の飢えの酷さは、思っていた以上だった。 具体的な数字で表わされると、そのことが如実に物語られる。 成人1人1日あたりの摂取熱量(配給+ヤミ)・S17年9月……1875cal、・S19年7月……1792cal、・S20年7月……1824cal。(配給のみ)・S17年…… [続きを読む]
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- 2008/09/05 02:58《特別編》彷徨する精神 【映画】~ヴィム・ヴェンダース『パリ、テキサス』~
- まったくもって、人間とは不可思議なる生き物だ。 1人の男と1人の女がいて、その間に子供を1人もうけた。 如何なる事由によるかは別にして、男と女は別れてしまった。 だが、その後においても2人は、互いに相手を想う気持を失ったわけではなかった。 その2人がついに再会した。 普通ならここでハッピー・エンド、といきそうだが、そうはならなかった。 トラヴィスは再び『テキサスのパリ』目指して旅立つ。 芸術、特に文学におい [続きを読む]
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- 2008/08/28 11:42★080912更新★無疵な魂がどこにあろう―― ~中上健次『十八歳、海へ』~
- *この項は以下の2稿から成る。?読書感想文?箴言集?む:無疵な魂がどこにあろう――(「俺という人間を知るのに少しは役立つかもしれない諸雑感・あ~ん+25」より)?読書感想文“海”という言葉に触れると、いつも深い感傷に包まれてしまう。“海”は雄大な自然の象徴であり、人の心に安らぎを与える。 だから人はその優しさに“母”を喚起し、“海”という呼び名にそれを込めたのだろう。 この短編集は、作者が表題に表してい [続きを読む]
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- 2008/08/23 23:29永遠を獲得するための愛 ~ヘッセ『青春彷徨』~
- 詩趣である。 あまりにも雄大な、壮大な、いやこういう類の形容をいくら並べても言い表しようのないような世界が、そこにはあった。「詩中画有り」と言われたのは唐の王維だが、それに勝るとも劣らない自然描写に、まず圧倒されざるを得なかった。「雲はあらゆる流浪と、あらゆる探求と希求と郷愁との永遠の象徴だ。そして、雲が天地のあいだに、ためらいがちに、あこがれながら、強情にかかっているように、人間の魂も、現在と永 [続きを読む]
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- 2008/08/10 23:30★080930更新【完結】★だから原発はやめてほしい ~高榎堯『地球の未来はショッキング!』~
- *この項は以下の5項からなる。?ミニ感想?読書録(新聞に掲載)?反響文(3つ)?月間賞選考文関連部分?箴言集?ミニ感想 題名ほどにはショッキングな内容ではなく、この手の本にはよくあることが書かれていた程度だったが、それにしてもこの本では、数値がふんだんに掲載されていたので、これまで大まかにしか捉えていなかった「危機」というものが、かなり具体的に、形を帯びてきた。 文体も「です・ます」調の丁寧な語り口で [続きを読む]
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- 2008/07/27 11:28人生は1度きり ~立花隆『青春漂流』~
- *この項は以下の3稿から成る。?自転車日本一周出発直前、友達O君に宛てた書簡?マスコミ就職講座で課された課題論文?日本一周日記裏表紙に本書から引用書写したもの ?自転車日本一周出発直前、友達O君に宛てた書簡 今の今まで立花隆の『青春漂流』を読んでいて、豁然と目の前が開けた思いがする。 そう、私は(出発)宣言とは裏腹にぐずぐずとまだ博多にいる。 私の精神的回復ぶりがいかほどか、これだけをもっ [続きを読む]
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- 2008/07/21 03:15共産主義とマルクス主義 ~マルクス、エンゲルス『共産党宣言』~
- *この項は以下の2稿からなる。?『共産党宣言』について(読書交換会の相手への推薦文)?卒論における『共産党宣言』言及部分 ?『共産党宣言』について この読書交換会の意義として、私は次の2つを認める。 思い切り簡潔に言うと、?相対立するお互いの主義主張の矯正(あるいは相互理解)?推薦者は熟読しているとは限らないのだが、2人で共に読んで共通のテーマとして議論するに値する本の読書交換の2つである。 本書を推薦す [続きを読む]
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- 2008/07/16 02:25「もしそれが何かの罪に対する刑罰だとしたら、何の罪だろうか」 ~鎌田慧『自動車絶望工場』~
- *この項は以下の2稿から成る。?『自動車絶望工場』・推薦文(読書交換会の相手にあてたもの)?『自動車絶望工場』・反論文(本書を読んだ読書交換会の相手の書いた感想文に反論したもの)?『自動車絶望工場』・推薦文 所詮原稿用紙1枚だけでは大したことは言えない。 1点だけ言う。 君は恐らく言うだろう。「これは特殊な例だ。労働の全てがこんな苛酷なものであるというわけではない」。「これは昔の話だ。現代の労働は手厚く [続きを読む]
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- 2008/07/06 21:01駁撃の作法・佐高信批判 ~小室直樹『国民のための経済原論』~
- *以下の文章は岩波書店『世界』編集部に送付したものである(原稿用紙36枚)。 岩波書店『世界』編集部の良識に告ぐ。 貴誌('93年)8月号の「佐高信の今月のジャンク・ブック 第20回――小室直樹 国民のための経済原論」に対して、異議を申し上げる。 論理的批判を超えて、感情的にも不愉快である。 佐高の語気は卑しい。 この稿で書かれていることは、全くの誤りであると断じる。 冷静に、客観的に、公平に判断して、間違っ... [続きを読む]
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- 2008/06/27 04:08革命家として生きることの現実 ~立花隆『中核VS革マル』~<br />
- *本項は以下の3稿から成る。?読書録(未完)?革マル派イカサマ論?中核VS革マル戦争における死者(70・8・4~75・9・12)?読書録「原案vol.9」に、革マル派のおかしい点7つを、原稿用紙にして23枚半に及ぶ分量で「革マル派イカサマ論」と題して既に述べたのでこの読書録は省略しようと思っていたのだが、その後「中核VS革マル戦争における死者」を一覧表にまとめた際に触発されたりして、やはりまだ深いものがあると改めて思っ... [続きを読む]
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- 2008/06/20 19:26革命家として生きることの現実 ~立花隆『中核VS革マル』~
- *本稿は以下の3つの部分から成る。?読書録(未完)?革マル派イカサマ論?中核VS革マル戦争における死者?読書録「原案vol.9」に、革マル派のおかしい点7つを、原稿用紙にして23枚半に及ぶ分量で「革マル派イカサマ論」と題して既に述べたのでこの読書録は省略しようと思っていたのだが、その後「中核VS革マル戦争における死者」を一覧表にまとめた際に触発されたりして、やはりまだ深いものがあると改めて思ったので書くことに... [続きを読む]
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- 2008/06/11 01:58『歴史主義の貧困』の貧困 ~カール・ポパー『歴史主義の貧困』~
- 初めに過大評価しておくなら、ポパーは神に似ている。 どっちに転んでも結局のところはその権威が些かも損なわれない、という点において。 信者の必死の祈りが通じたとする。 信者は「ああ、まさしく神の恩寵じゃ。ありがたや」とひれ伏して感謝するに違いない。 信者の必死さにもかかわらず祈りが通じなかったとする。 信者は「おお、我々の信仰が足りなかったので神はお怒りなのじゃ」と懺悔し、信仰を一層深くするに違いない。 [続きを読む]
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- 2008/06/08 03:10消費社会の中の原田宗典 ~原田宗典『吾輩ハ苦手デアル』~
- この本もまた、貸されて仕方なしに読んだ。 はっきり言ってありがた迷惑だった。 自分の本さえろくに読み込めずアップアップしているというのに、とても他人から借りた本など読んでいる暇はなかった。 しかしともかく人の物なので長く私のもとに置いておくわけにはいかない、早く読んで早く返してしまわなければ、という嫌な焦りがあった。 彼女から原田宗典の本を借りるのはこれが2冊目で、1冊目は『むむむの日々』というやつだ... [続きを読む]
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- 2008/06/06 05:32あぶりだされる社会システム自身の病理 ~町澤静夫『佐賀バスジャック事件の警告』~
- 職場の上司に貸されて読んだ。 自発的には読むことがなかっただろう。 2000年5月3日に起きた佐賀バスジャック事件に当事者として関わった町澤氏の手によるもの。 期待としては、一般の報道よりも深層の内幕といったものがあるのではないかというのがあった。 それは思ったより少なかった。 要するにこれというほどの収穫はなかった。 それは思った通りだった。 読む前から、所詮は町澤氏の自己弁護に過ぎないのではと思っていたが... [続きを読む]
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- 2008/06/04 01:57私はショートショートに何を求めているのだろうか ~星新一編『ショートショートの広場4』~
- 『ショートショートの広場』と言えば思い起こすのは『ショートショートの広場1』に収録されていた「海」。 星新一も最優秀作品に選んでいた。 意外さや面白さというのではない。 それは1つの立派な文学作品の与える感銘だった。「読むな」というのも変わっていた。 不思議なことに、ショートショートの本来の魅力たるはずの“意外な結末”が印象に残っているものはない(強いて挙げると“すべてを通り抜ける”薬が開発され、飲むと... [続きを読む]
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- 2008/05/26 19:27私の中で『ショートショートの広場』は終わった ~阿刀田高編『ショートショートの広場11』~
- 相変わらず駄作が続く。『ショートショートの広場4』に比べて駄作の度合いがひどくなった。 編者が阿刀田に変わり、当初は星よりもマシになったと思っていたが、評点を分析してみると、星よりも甘くなっていることが判明した。 そもそも星が9、8.5、8、7.5、7の5段階評価をしているのに対して、阿刀田も5段階評価ではあるものの、9.5、9、8.5、8、7.5と0.5繰り上がっており、最初から甘いのである。 しかも星が『4』で60編中39編... [続きを読む]
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- 2008/05/25 17:24あえて光の当たっていない所に光を当てる“司馬流” ~司馬遼太郎『肥前の諸街道 街道をゆく11』~
- 私の脳ミソの不調を改めて意識させられる1冊となった。 2度読んだ。 2度目は私の使いこなせないボキャブラリーを拾うためで、計208個の語句があったが、2度目だからといってそれほど速くも読めないことがショックだった。 また、読み直さなければならないこと自体が不満だった。 1度だけではまだこの読書記録の“完全性”に自信がもてなかったというのも多少あった。 それはいっぱしの書評としての完全性を得たいという職業文筆家... [続きを読む]
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- 2008/05/15 02:36素人対談の弊害 ~青木雄二・北野誠『独断 これが日本だ。』~
- 対談というからには論争か、共通の敵に対する共鳴であり、より面白いのは論争なのだが、いずれにせよ流れがあり何かを生み出すものであるべきである。 そのためには話題に対する専門性(専門知識)と、それが足りないのであれば最低限の(流れを作ることのできる)論理性が対談者には求められる。 しかるに本書は、2点とも満たしていなかった。 前者では北野誠が?だった。 確かに一応“社会派”タレントではあるが、私はこうした... [続きを読む]
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- 2008/05/08 13:16己を客観視することのできる能力 ~松本人志『松本坊主』~
- 最近最も好きなテレビ番組は『ガキの使いやあらへんで!!』である。 松ちゃんの笑いにハマっていたし、そのルーツを知りたかった。 それで母がコミュニティーセンターで借りていたこの本を読んだ。 松ちゃんの笑いにハマっているといっても、全面的に支持しているといったわけではない。 いわゆる“松本お笑い天才説”には、むしろ本書で松ちゃんが反論している世のバッシングに近い方の感覚をもっていた。 今それがすっかり消え失 [続きを読む]
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