|
- 2008/09/01 01:37ピースブレイカー 第二章 第八話 『包む光』
- 「よか…った…。」バタリと倒れるサラ。「サラさん!?」『心配する事はありません。疲れて気を失っただけです。』サラの剣‘シャイニング・ブレード’の声が初めてサラ以外の者に届けられる。「誰…?まさか、その剣が喋ってるの…?」リノが驚きの声を上げる。声にこそ出さなかったがアルも驚愕の色を隠せない。「シャイニング・ブレード。さすが伝説の剣ですね。」どこをどう納得したのか知らないがレクトだけは得心がいってい... [続きを読む]
|
- 2008/07/31 12:30ピースブレイカー 番外編 『月の光・後編』
- 「お待たせしました。」 戻ってきたサラは確かに用意を済ませてきたようだ。 先程までの清楚な神官服姿ではなくなっている。 「サラさん?その格好はいったい…。」 一行が驚くのも無理はない。 ただ返事を書いて持ってくると思っていたのである。 しかし彼らが目にしたのは白銀の甲冑に身を包み、すっかり旅仕度を整えたサラの姿だったのだ。 「あなた、聖戦士だったの?」 ‐聖戦士‐ 特にルミスの神官戦士を指す呼称である。 ち... [続きを読む]
|
- 2008/07/29 12:34ピースブレイカー 番外編 『月の光・前編』
- 「さすがに世界一と称されるだけの事はあるわね。」 目的地イーフォに到着したアルたち一行。 ルミスの神殿としては世界一の規模を誇るという神殿を前に感嘆の声を上げるリーファ。 「アタシたちって月見たかなぁ?ほら、イーフォには月を見てからって言うじゃない?」 リノは真剣に悩んでいるようだ。 『えと、昨日は曇ってたでしょ〜…』などとブツブツ言っている。 「あれは気構えの問題なんだよ。実際に月を見ないと来ちゃいけ... [続きを読む]
|
- 2008/07/26 18:24ピースブレイカー 第二章 第七話 『貫く光』
- アルがまた回復呪文を唱える。 巨人は足が膝下まではまり込んで足が抜けずにもがいている。 だが足を動かす度に地面が揺れている所を見るとそう長くはもちそうにない。 サラは巨人の足元を注意深く見つめ続けている。 神経を集中し次の動きに備える。 気が遠くなりそうになるのを懸命に堪えながら。 「ぅ…ん…。」 微かに声が聞こえた。 巨人を注視しながら聞き耳を立てる。 「何がどうなって…。あ!サイクロプスは!?」 レクト... [続きを読む]
|
- 2008/07/24 12:34ピースブレイカー 第二章 第六話 『崩れ去る過去』
- サラのランスが発する光りがどんどん強くなっていく。 『ピシ…。』 音を立ててランスに亀裂が走った。 その亀裂からさらに強い光りが溢れ出してくる。 『ピシ…ピシピシ…。』 亀裂が縦横に走り、強い光りがその隙間から何本も放射状に伸びて行く。 やがて…。 茫然としているサラの目の前で。 ガラガラと音を立ててランスが崩れ去ってしまった。 「一体…何が…?」 まばゆい光がほとばしる。 光の奔流がおさまった時、サラが手... [続きを読む]
|
|
|
- 2008/07/22 12:56ピースブレイカー 第二章 第五話 『内なる声』
- 『電撃よ。かの者をかの地へ運びたまえ…。なんて言っても伝わりませんよね?;; あの短剣を巨人の目ん玉にぶつけちゃってください。え?自分はそもそも攻撃魔法だ?大丈夫です。僕の魔力じゃ物を壊すほどの威力はありませんから。そんな問題じゃない?いいから行ってください!』 ‘エネルギー・ボルト’という呪文がある。 電撃を敵にぶつける魔法である。 レクトの魔力では何ほども威力がないところが哀しいこの魔法。 だが破... [続きを読む]
|
- 2008/07/19 17:54ピースブレイカー 第二章 第四話 『消せない鏡』
- 目の前、しかし手の届かない所にある鏡を振り払おうともがくサイクロプス。 今が好機だ。 さてどうしたものか、と悩むレクトとリノを尻目にアルが‘正義の誓い’を立てている。 「効果があろうがなかろうが関係無い。これはこれから正義の戦いをするとアロンに誓うものだからな。正義の戦いをする者にアロンの加護は訪れる。」 アロン神を信じてひたすら真っ直ぐに。 アルの信念はちょっとやそっとでは曲がらない。 「そだね。出来... [続きを読む]
|
- 2008/07/18 18:36ピースブレイカー 番外編 『別れの時』
- 「随分賑やかねぇ。」 小さな村トルシュに辿り着いた冒険者一行。 人に溢れ露店が立ち並ぶ姿に驚き長身の女戦士が声を上げる。 最近、その活躍ぶりから‘シルバーウィンド’の通り名で呼ばれるようになってきたリーファである。 「一体、なんの騒ぎです?」 絵に描いたような聖職者の格好をした男が道行く人に尋ねる。 彼の名はアル・フィモ。 ‘太陽と正義の神アロン’に仕える神官だ。 「うんうん。なんかのお祭り?」 質問に追... [続きを読む]
|
- 2008/07/15 12:42ピースブレイカー 第二章 第三話 『一歩前へ』
- 三人が戦闘体制に入る中。 レクトはひとり黙り込んでいる。 「いつまでしょげてるの?やるしかないの。戦闘中にぼけっとしてると…死ぬわよ?」 故郷に残してきた弟にそっくりなレクトが気にかかって仕方ないリノである。 が、それだけではない。 「それに…。クヤシイけどアンタの指示がないと始まらないでしょーが。」 いつの間にやら戦闘前のレクトの指示が慣例化しているのだ。 的確な指示を信頼し始めている一行である。 「し... [続きを読む]
|
- 2008/07/14 12:32ピースブレイカー 第二章 第二話 『新たなる世界にて』
- ビスカの村を出て半日ほど。 空が薄暗いせいで時間の感覚が掴みにくいが、そろそろ昼頃だろう。 「やっと明るくなってきましたね。」 呑気な声を出すレクト。 確かに朝よりは少し明るくなった。 しかし、昼頃であるとするならば暗いと言い切ってもいいくらいだ。 「明るくないでしょ?少しマシになっただけ。」 「う…。」 リノの一蹴に声を詰まらせるレクトである。 「そんな事言ってる場合じゃないだろ?」 アルの声が厳しい。 ... [続きを読む]
|
- 2008/07/13 01:33ピースブレイカー 第二章 第一話 『闇、その時』
- 二年前。 エルストイの街でマクシミリオン家を取り巻く御家騒動があった。 真相は未だ闇の中。 すでに人々の記憶からは忘れ去られようとしている。 それでもなお、真相を追い求める四人の冒険者の姿があった。 白銀の甲冑に身を包んだ聖戦士、サラ・ザ・ホワイトシャイン。 傍らに足先だけが黒毛の白馬。 マクシミリオン家の三女で騒動の中心にいた人物だ。 太陽と正義の神アロンの神官、アル・フィモ。 真面目を絵に描いたような [続きを読む]
|
- 2008/07/12 12:53そして第二章へ
- 番外編はとりあえず2本だけにしておいて(まだあるのですが)次から第二章へ進みます。 第二章は主人公キャラが変わって、また新たな感じになっています。 お楽しみに♪ [続きを読む]
|
- 2008/07/11 12:50ピースブレイカー 番外編 『黄金の剣亭』
- 「ここが‘黄金の剣亭’か。」 蒼の戦士は一人旅が長かったせいか独り言が多い。 暫く前までなら答える者などいなかったが、今は旅伴がいる。 『そうみたいね。剣の形の看板にそう書いてあるもの。』 炎の戦乙女である。 ちなみに名はポルという。 「ポル!暑いから出てくるなと言ってるだろう?」 そう言うグレイスの様子は、しかし満更でもなさそうだったりする。 『いいじゃない。精霊石の中は狭くてヤなんだもの。』 精霊石と [続きを読む]
|
- 2008/07/11 01:15ピースブレイカー 番外編 『蒼の戦士』
- 「ただの壷、か?」 とある遺跡の最深部。 部屋の真ん中に台座があった。 その上に置かれた壷を見ながら蒼い鎧の男が呟く。 彼の名はグレイス。 ブルーレインという通り名を持つ精霊戦士だ。 「助けてください。ここから出してくだされば、望みが一つ叶うでしょう。」 壷の中から女性の声がする。 「あんたは?」 いたって冷静に、蒼の戦士が尋ねる。 「この建物は以前神殿でした。私はその昔、この神殿に祭られていた者です。」 [続きを読む]
|
- 2008/07/08 18:07第一章を終えて
- あらためまして。 皆さん、こんにちは。 せめて第一章が終了するまでは小説のみをアップしよう、と頑張ってアップしてみましたw といっても、他で公開していたものをコピペで持ってきて多少修正した程度なので作業は大した事ないんですけどね(^^; 苦労したのは新しく設定したサブタイトルくらいのもんです。 さて、物語は第一章を終え、第二章へと移っていきます。 が、その前に少し番外編が入ります。 また、世界観や人物像 [続きを読む]
|
- 2008/07/07 19:55ピースブレイカー 第一章 最終話 『運命』
- 「私たちが…その運命の子とやらなわけ…?」 リーファは戸惑っている。 「そうだよ。」 と、ディプレス。 「世界のカケラってのは知ってるかい?神々の戦争のあまりの激しさに世界が割れてしまった、というアレさ。」 「知ってるわ。」 それはお伽話としてよく語られる話だ。 元々はひとつだった世界が神々の戦争の激しさに耐えきれずいくつかに割れてしまったのだという。 海の向こうに自分たちの世界と同じような世界があるとい [続きを読む]
|
- 2008/07/06 00:33ピースブレイカー 第一章 第十七話 『預言』
- 「なにやってんのよ?あんたは…。」 リーファが拳を握りしめながら呟く。 目線の先には、力尽きたルーツの姿がある。 あまりにも力を入れ過ぎて手の平から血が滴り落ちている。 駆け寄りたい気持ちもあった。 だが、堪えた。 今は敵味方だ。 「せめて弔いを…。」 リーファの意見に異を唱える者などいる筈がなかった。 墓標として剣を刺す。 『戦士の墓はこうでなくちゃな。』 などと。 ルーツは常々言っていた。 「こんなに早く [続きを読む]
|
- 2008/07/05 12:46ピースブレイカー 第一章 第十六話 『決着』
- 「それにしても…。ジジ様ともあろうお方が防戦一方とは。」 狂戦士化したルーツの尋常ならざる剣撃を的確に受け止めながら、更に話をする余裕を見せるディプレス。 「余計なお世話じゃ。厭味を言う為にわざわざ来たのかの?」 どことなく雰囲気の似た二人である。 「とんでもない!あまりにも帰りが遅いのでお迎えにあがったのです。」 信憑性に欠ける、と感じるのはヘラヘラと笑っているからだろう。 「なんであんなに余裕なのよ [続きを読む]
|
- 2008/07/04 12:33ピースブレイカー 第一章 第十五話 『伝説』
- 「なにあれ!」 巨大なミミズから目を背けるように老師とルーツの戦況を見ていたリーファが素っ頓狂な声を出す。 その間もカムリは小さな魔法を出しつつ魔物たちを牽制し続けている。 「誰に言ってるんだよ?この状況で見れるか、って…。なんだ、ありゃ!」 それでも目の端にチラリと見えた‘それ’はかなり異様な光景だった。 「剣が燃えてる?」 ルーツの剣が激しい炎を纏っていたのだ。 「あれ、初めて見るのか?」 カムリが尋... [続きを読む]
|
- 2008/07/03 12:47ピースブレイカー 第一章 第十四話 『傀儡』
- 「老いぼれた、じゃと?」 怒りがおさまってきたのか、或いは頂点を超えたのか。 老師は少し落ち着きを取り戻してきたようだ。 「ふむ。試してみるかの?」 そう言った時にはいつもの調子に近づいていた。 「見て差し上げると言ったでしょう?アレを相手にしてもらいましょうか。」 ゆうらりと、何者かが木陰から歩み出てくる。 「ルーツ…?」 リーファの声に戸惑いが感じられる。 見た目は確かに赤の戦士だった。 しかし、その醸 [続きを読む]
|
- 2008/07/02 12:23ピースブレイカー 第一章 第十三話 『奔流』
- 「ふむ。油断したかの?」 相変わらず慌てず騒がず、老師が言う。 「一体どうなってるの?」 リーファは苛立ちを隠さない。 二人ともカムリの様子を注視したままだ。 「なにやら仕掛けとったようじゃな。」 努めて冷静な口調。 しかし、先刻までの調子とは少し違ってきている事にリーファは気付いていた。 『悔しいけど、私にはどうする事もできない。この老師とやらに頼るしかないけど、どうやら焦っているようね。』 手をこまね [続きを読む]
|
- 2008/07/01 12:29ピースブレイカー 第一章 第十二話 『狂気』
- 「それでおめおめと戻ってきた、と?」 先刻カムリが掴まっていた部屋。 問い詰められているのは赤の戦士だ。 その問いかけには厭味っぽさなどカケラも感じられない。 鋭く、冷たい。 そしてどこか威厳に満ちた声である。 「申し訳ありません。」 いつもの軽さはどこへやら、赤の戦士は怯えた様子で畏まっている。 それほどの威圧感をこの人物は持っているのだ。 ‐マキントス・ド・レミウス3世‐ レミウス侯その人である。 「ま [続きを読む]
|
- 2008/06/30 18:50ピースブレイカー 第一章 第十一話 『解呪』
- 「応急処置にしかならんがの。」 老師の言葉は本気で回復魔法が不得手な事を物語る。 「ありがとうございます。」 カムリが礼を言いつつ起き上がろうとするが力が入らない。 痛みもまだしっかりと残っている。 傍らを見やると黒いフクロウがなんとか立ち上がりヨロヨロと飛び立って行った。 木の上で身を休めるつもりらしい。 「ただ傷口をふさいだだけじゃ。無理せんと寝とくんじゃな。」 リーファはなんとか立ち上がって二人の傍 [続きを読む]
|
- 2008/06/29 10:08ピースブレイカー 第一章 第十話 『脱力』
- 「覚悟しなさい!」 これ以上無い程の怒りの表情でルーツを睨み付けるリーファ。 「お〜。怖い怖い。だが、こっちも仕事なんでね。はい、そうですかって訳にはいかないねぇ。」 「ごめんね…。さっさと終わらせるから。」 リーファがぼそりと呟く。 こんな奴に遠慮して、カムリにケガさせて…。 『なにやってんだろ、私。』 そういえば、昔から心に決めていた事があったっけ。 カムリはよくいじめられてた。 いじめっ子を追い払う... [続きを読む]
|
- 2008/06/28 12:33ピースブレイカー 第一章 第九話 『葛藤』
- 「いくよ?お嬢ちゃん。」 刀身が真っ赤になったヒート・ブレードを振りかざすルーツ。 今度は先にリーファが斬りかかる。 「お嬢ちゃんお嬢ちゃんて…、言うなー!」 心なしか振るう剣に精彩を欠いている。 「なにやってんだ?リーファは…。」 カムリが呟く。 リーファの動きが急に鈍ったのを感じとったのだ。 ちょうどその頃、ショウは街外れにある古びた建物に辿り着いていた。 「ほぉ。こりゃ珍しい黒いフクロウが迷い混んで [続きを読む]
|