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- 2008/11/14 21:36休載のお知らせ
- 諸事情により、小説をしばらくの間休載させていただきます。なるべく早く再開する予定ですので、スカーレットを忘れないでね(^-^)/ [続きを読む]
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- 2008/11/13 21:43不信 vol.19(「かえで」)
- 昼休憩を一時間とるビンちゃんと食堂で別れ、茜は一人病室へ戻った。「恒さん、買ってきたよ」「何を買ってきた?」「余り食べられないと思ったから、野菜スープと肉饅にしたけど」「それで充分だよ」パックの蓋を開けると、あの独特の臭いが部屋中に立ちこめた。「うわっ、大きな肉饅だな・・・ 食べられるかな〜」「食べられるだけ食べて、残せばいいよ」「でも、夜はやっぱり日本食が食べたいな」「そうね。確か赤尾さんからも [続きを読む]
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- 2008/11/12 22:41不信 vol.18(食堂)
- 日本からの小学生の女の子は、三歳位の時に既に一度移植をしていて、今回二度目の手術を受けるために来た。肝臓の大きさが小さすぎるので、成長に合わせてもう少し大きな肝臓を移植するのだという。両親が付き添いで来ている、とビンちゃんが教えてくれた。まだ茜は会っていなかったが、その内どこかで顔を合わせることもあるだろう。「通訳は誰がしてるの?」「なっちゃんという人ね」「あぁ、寺岡さんからその名前聞いたよ。寺岡 [続きを読む]
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- 2008/11/11 23:04不信 vol.17(会話)
- 昨日は一日中ばたばたしていたため、恒とゆっくり話す時間もなかった。やっと二人きりになれた病室で、「手術はいつ頃できるのかな〜」と、恒が窓の方に顔を向けながら呟くように言った。「ドナー次第だよね。でも、それがいつなのかは先生にもわからないし」「そうだな。でもここに来た以上、なるべく早く手術できるといいな」「沈先生は手術の事、何か言ってた?」「いや今朝来た時は、スーツケースの事しか言ってなかったな」「 [続きを読む]
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- 2008/11/10 20:57不信 vol.16(プリペイド)
- 「ビンちゃん、赤尾さんから言われてるんだけど、お昼ご飯代は一日当たり10元でいいのかな?」「はい、それでいいよ」「じゃぁ、10日分ずつ渡すね。 はい100元、確認してね」「ありがとう」「ビンちゃんはどこで食べるの?」「通訳の仲間と一緒に、病院の食堂で食べることが多いね」「他にも、日本からこの病院へ来ている人がいるの?」「いるよ」ビンちゃんから聞いたところによれば、どうやら同じM病院からの患者らしい。しかも [続きを読む]
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- 2008/11/09 19:33不信 vol.15(二日目の始まり)
- ここに来て二日目の一日が始まる。今日はどんな日になるのだろう。茜はもうこれ以上何があっても驚かないほど、一日目から鍛えられていた。朝食を済ますと、ホテルの前で待機しているタクシーに乗り、病院の名前を書いたメモをドライバーに見せて病院へと向かう。初乗り料金で行ける距離だったので、運転手はちょっと嫌そうな表情をした。5元だから・・80円もかからない。日本のタクシー料金とは比較にならないくらい安い。病院で [続きを読む]
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- 2008/11/08 20:39不信 vol.14(朝)
- 茜はベッドで横になりながら、めまぐるしかった今日の出来事を思った。長い一日だった・・・疲れているはずなのに、神経が高ぶっているのか一向に眠くならない。恒は今頃、病院のベッドで何を思っているのだろうか。きっと茜が感じた以上に、不安な想いで夜を過ごしているのだろう。明日はなるべく早く病院へ行こう。茜は明日の段取りを考えている内に、次第に眠りに落ちていった。翌朝目が覚めて、窓のカーテンを開け空を見上げる [続きを読む]
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- 2008/11/07 23:16不信 vol.13(電話)
- 「周さん、このホテルの支払いはどうすればいいですか」「明後日の朝チェックアウト時に私が来て支払います。 宿泊代と朝食代以外については、茜さんがお支払いくださいね」「わかりました。 ところで、両替はここでできますか? 元を全然持っていないんです。明朝タクシーに乗るのに必要ですし」「ええ、レートは余り良くないかもしれませんが、できますよ。今からフロントへ行きましょうか。 他に何もなければ、私はこれ [続きを読む]
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- 2008/11/06 20:00不信 vol.12(ホテル)
- 茜は人気(ひとけ)がほとんどなくなった病院の廊下を、周さんの背中を見ながら歩いた。靴音がいやに大きく響いて聞こえ、空気が一層冷たく感じられる。電力事情のせいなのか天井の照明は暗く、ここを一人で歩くのはちょっと嫌だな、と茜は思っていた。エレベーターで一階へ下り玄関ロビーまで来たところで、周さんが「車をここまでまわしますから待っていてください」と言い残して、外へ走って行った。玄関の外では、客待ち顔でタ [続きを読む]
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- 2008/11/05 19:33不信 vol.11(夜)
- 恒のベッドサイドにある時計の針は、このとき既に8時半を指していた。今朝5時前に起きたせいと慣れない地での盗難事件の疲れで、茜の瞼はもう半分閉じたがっていた。「じゃぁ、私はまた明日の朝8時にここへ来るね」「ビンちゃん遅くまでありがとう。 もう遅いからタクシーで帰って」「いいよ、自転車で来てるから」「でも危ないから自転車はここへ置いて、明日の朝もタクシーで来ればいいでしょ」「近いし、慣れてるから本当にい [続きを読む]
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- 2008/11/04 18:04不信 vol.10(買物)
- 「まずはニ階で衣類を見ましょうか」「でも私、まだ元に両替してないんですよ」「大丈夫ですよ。今日は私が立て替えておきますから」「そうですか、じゃあお願いしますね」茜の衣類は全て盗まれてしまったので、今夜着るパジャマや下着類、そして明日から着る物もない。恒の着替えやカーディガンなど病院で必要な物がスポーツバッグに残っていたのが、まだ不幸中の幸いであった。周さんが待っていると思うとゆっくり選んでいる時... [続きを読む]
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- 2008/11/03 19:44不信 vol.9(カルフールへ)
- 茜は恒のことはビンちゃんに任せて、周さんのメルセデスに乗せてもらい、カルフールへと向かった。既に日が落ちて暗くなった街では流石に自転車の数は減ってはいたが、それでも日本とは比較にならない位の人たちが、家へ向かって一生懸命ペダルを踏んでいる。カルフールは病院から北へ10分程走った所にあった。病院の辺りとは違い、周りには銀行や会社のビルが建ち並んでいる。オリンピック景気なのか、建築中のビルではまだ照明を [続きを読む]
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- 2008/11/02 20:19不信 vol.8(主治医)
- 周さんは既にビンちゃんからの電話と、病院関係者から直接説明を聞いているらしく、病室に入って来るなり「大変でしたね」と、茜に流暢な日本語で話しかけた。「もうすぐ、移植外科の受け入れ責任者の沈先生も来るはずですから」「あぁ、赤尾さんから伺っていますよ。日本の移植手術では最先端の、国立大学に留学していた先生ですね」「そうです。 それから大変申し訳ないのですが、今日と明日の二日間は当初宿泊を予定していた... [続きを読む]
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- 2008/11/01 22:40不信 vol.7(公安と警察)
- しかし、あれだけ大きなスーツケース二つを運び出すのには、ナースステーションの前を必ず通るはずだから、誰かが不審に思うのが普通なのだが・・・ビンちゃんが隣の部屋の人から聞いたところによれば、茜たちが部屋に入る少し前に、退院していった韓国人家族が忘れ物をとりにここへ戻ってきた、ということだった。ビンちゃんは、一体どこから情報を仕入れてくるのか、実にいろんな事をよく知っていた。茜は、病院の公安からその家 [続きを読む]
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- 2008/10/31 22:50不信 vol.6(疑惑)
- 貴重品はほとんど茜のバッグに入れていたから、スーツケースの中身といえば・・・恒の方には、CDが10枚程と置時計、そしてランチジャーや米などの食料品、消毒用アルコールや衣類が入っていた。茜のには電子辞書や本、食料品、コートなどの衣類。衣類は買えばいいのだが、食料品が無くなったのはショックだった。というのも、病人の食事は自分達で用意することになっていたし、ちゃんとした日本食の材料はこちらでは手に入りにくい [続きを読む]
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- 2008/10/30 23:57不信 vol.5(盗難)
- 移植手術を受けなければいけないような重病人を、そもそもどうしてこんなに待たせるんだろう。茜は腹が立つというより、信じられなかった。でも、ここは日本ではない。日本を基準に考えていては、この先やっていけないのかもしれない。その国には国のやり方がある。それに慣れなければ。元々気が短い恒が、黙って待っている。きっと怒る元気もないほどの状態なんだろうな。顔色は青黒く、憔悴しきった表情をしている。ビンちゃんが [続きを読む]
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