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- 2008/11/02 11:59<Episode 4> 専業主婦
- この連休、私は3人で山登りをする約束をしていた。ちなみに、料理が好きで得意な私は、自ら3人分のお弁当作り係を買って出ていた。その前前日辺りから風邪を引いていて、微熱が続いている状態だったが、当日にはもう少し良くなるだろうし、汗をかけば風邪なんて吹っ飛んでしまうだろうと高を括っていた。そして当日早朝。仕事柄たいてい昼近くに起きていた私は、まず起きるのに苦労した。早朝のあまりの寒さに驚いて暖房を入れ... [続きを読む]
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- 2008/10/31 14:58<第34回> 鬱病と自殺
- 目が覚めたのは、ODをしてから2日目だった。激しい尿意と、喉の酷い渇き、汗がべたつく体を不快に思ったことが、現実に引き戻すきっかけとなった。親も彼氏も友達もいない私は、誰が心配することもなく、一人で生還していた。それはとても虚しい気分だった。決して助けてくれることを期待していた訳ではない。だけど、自分が死の境目にいることで、誰かが私という小さな灯火に気づいてくれるのではないかと、きっとそう思って... [続きを読む]
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- 2008/10/29 13:41<第33回> 引きこもり
- テストが終わり、いよいよ夏休みに入った8月。私は独り、狭いマンションの部屋の中でほとんど毎日を過ごしていた。外出するのは人目のつかない夜中、コンビニで食料を買って帰る。これだけ。後は、前から持っていたゲームをしたりパソコンをしたり、本を読んだり。それが楽しかったのではない。どうにかして、流れる時間を潰すことでしか、他に生きる理由がなかった。引きこもってから数週間、過食で増え続けた体重は、もう頑張... [続きを読む]
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- 2008/10/24 11:52<Episode 3> 生への執着
- 最近、仕事上、漫画をたくさん読む機会があった。しかも、少年漫画だ。少年漫画には、強い敵が出てきて、それを倒していく、というようなストーリーが多い。私が読んだものもそうだった。これまでも、そのような漫画は読んできたが、現在の私には、新しい感情が沸き起こった。“生への執着”。少年漫画の主人公たちに共通していることは、生への執着だった。一見すると、命を投げ出して悪と戦っているのだが、それこそ生きるため... [続きを読む]
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- 2008/10/19 20:31<第31回> 乗り越えるもの
- 合コンの次の日は土曜日だった。もちろん会社員の彼も仕事が休みだったので、私たちは会う約束をしていた。待ち合わせの夕方、私は現れた彼の服装に愕然とした。中学生のような、上が蛍光色のパーカーで下がジーンズというかなりラフすぎる格好だった。そして、ブランド物が一切ない所持品。20代の男の普段着とはこんなものなのか。金持ち40代男と最近まで付き合っていた私にとって、また、昨日が会社帰りのスーツ姿だっただ... [続きを読む]
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- 2008/10/18 16:14<Episode 2> 思い込み
- 人間の力で素晴らしいと思うもので、“思い込み”がある。この前、母を病院に連れて行くために、久しぶりに車の運転をした。外は雨で、更に夕方だったので既に暗く、視界がとても悪かった。そんな中、一生懸命体を前に出して外を見ようとする私を見て、母が、「見えないの?」と言った。私は驚いて、「見えないよ。」と言った。運転免許証を所持していない母は、運転免許証を持っていて、運転席に座っていれば、当然視界がよくな... [続きを読む]
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- 2008/10/17 14:56<第30回> 心の器
- 私は彼と最後に会う日の夜、親友と合コンに行く約束をしていた。この日はきっと、夜に独りでは耐えられないだろうと判断していたからだ。合コン相手は、親友のバイト先であるレストランの客で、おそらく20代後半の会社員だそうだ。正直、相手にあまり興味はなかった。だけど、とにかく、忘れられる理由が欲しかった。銀行に百万をそっくり預けた後、私は質屋でティファニーの定番リングを売りに行った。人気のリングは人気なだ... [続きを読む]
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- 2008/10/16 17:13<第29回> 代償
- 会うと傷つきあうだけ、これはカップルの末期だ。いつものように気を引きたいがために“別れる”と私が口にした時、初めて彼が、「そうしよう。もう、手に負えない。」と言った。そしてそのまま、私の家の合鍵を置いて、出て行った。私の頭の中で、何かがプツンと切れる音がした。本当に、プツンと。私は、大学院に合格したことをまだ彼に話していなかった。また会えば、話せば、元に戻れる。そう思って、彼に連絡して、仕事の合... [続きを読む]
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- 2008/10/15 12:14<第28回> 子供たちの不倫
- 私が奥さんに会いに行ったというのに、彼の私への対応は何も変わらなかった。レストランで彼がいつものように奥さんの悪口を始めたので、私が、奥さんは何か変わったのかと尋ねると、特には、と彼は答えて悪口を再開した。私は耐え切れず、というよりは、また怒りが湧き上がり、彼に奥さんと会ったことを話した。彼は今までに見せたことのない顔をした。人は、あまりにショックなことがあると頭の中が真っ白になってしまうという... [続きを読む]
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- 2008/10/14 14:21<第27回> 人の価値
- 私は、パニックやヒスを起こすことが頻繁になった。一人になると、どうしようもない孤独感が襲い、彼がどうして今他の女の家にいるのか、どうして自分の傍にいないのか、冷静に考えることすら困難になっていた。彼が結婚していて私と不倫をしているから、ではなく、なぜ恋人として不完全なのか、だった。真新しい輝きを放つ左手薬指のリングは、何度も壁に投げつけられた。だけど、捨てることも、長時間外していることも出来なか... [続きを読む]
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- 2008/10/13 12:15<第26回> 花盛り
- 桜が散り始めた4月、私は大学4年生になった。卒業した後の進路は何も決まっていなかったけど、何とかなってくれているだろうという理想と、何もしなければ何も起こらないという現実から、考えることを拒否した。これ以上、自分を辛くしたくなかった。たった1コマ出れば良い大学の授業を3週さぼった後、親友との電話中に、大学院の推薦入試の話が出た。教授に私に話すようにと言われたけど、どうせ受けないと思うから話すのを... [続きを読む]
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- 2008/10/12 13:18<第25回> 元彼
- 関西にある支社の成績が振るわないからと、社長自らが活を入れに赴くことになった。そして気分転換に旅行しようと、私を誘った。久しぶりに目一杯お洒落をして、新品の革のキャリーバッグに荷物を詰めた。午前中に本社に寄っていた彼と東京駅で待ち合わせをしていたので、足早に家を出た。新幹線のグリーン席での快適な移動で、東京駅で買ったお弁当とお茶を広げ、ここでしか食べられないスジャータのアイスも追加した。ガイドブ... [続きを読む]
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- 2008/10/11 13:47<第24回> 正義
- 私たちがテレビアニメのアンパンマンを卒業したのは、いつの頃だったのだろうか。多分、遅くても小学校低学年の時には既に見ることはなくなっていた気がする。低年齢向けだから、小学生の自分は見ないもので、見ていると恥ずかしかいというのが表向きの理由だろう。だけど、見たいと思わなくなったのは、きっと、どんなに窮地に陥っても必ず正義が勝つというあの結末が、現実では必ずしもそうはならないということを、幼いながら... [続きを読む]
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- 2008/10/11 00:10<Episode 1> 恋に恋をする
- どんなに人から羨まれる男を彼氏にしても、自分が好きになれないと、その交際が続くことは決してない。誰にでも1度はある経験だ。では、なぜ私たちは好きでもない男と付き合うのだろうか。その時たまたま相手がいなかったから?付き合っているうちに好きになるという希望を抱くから?それとも、なんとなく?それらの根底には、どんな女の心理があるのだろうか。私が高校生の時最初に付き合ったのは、学校中の憧れの的である生徒... [続きを読む]
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- 2008/10/10 12:49<第23回> 中絶
- 正常に妊娠をしていることがわかった時、子供を望んでいた夫婦にとって、愛し合っている者同士にとって、それは喜ばしいこと。つわりはどんなものなのかとか、仕事はどうしようとか、親に報告しなくてはとか、男の子か女の子か、とか。悩めることが余計に嬉しい。新築の壁は真っ白で明るいのに、私たち2人とってそこはとても暗い部屋だった。彼は私の前で土下座をした。そして、取り乱し、目に涙を浮かべて、「頼む、今回は諦め... [続きを読む]
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- 2008/10/09 13:43<第22回> 確率と運
- 私は、数学の「確率」という単元が大嫌いだった。何回教わっても、何回問題を解いても、わからなかったし納得できなかった。サイコロを1回転がして、1が出る確率は6分の1だそうだ。だけど、2だって3だって、4だって5だって6でさえ、6分の1なのだ。つまり、どの目もたった6回に1回しか出ないということになる。そんなはずはない。すごろくをやった時、連続3回6を出したこともあるし、逆に1ばかりでゲームを投げ出... [続きを読む]
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- 2008/10/08 14:57<第21回> 親友
- 私たちには、親友と呼べる友達がいるだろうか。心の全てを打ち明けられる、誰かが。海外ドラマ、セックスアンドザシティ(SATC)では、友情というテーマが大きく取り上げられている。私を含め多くの女たちが夢中になったのであろうこのドラマの魅力は、そこにあると言っても過言ではない。何でも赤裸々に話し、相談し、支え合う。それは本当に理想の友情の形だ。しかし、私たちはもちろん、彼女たちの会話をよく聞いていると、... [続きを読む]
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- 2008/10/08 00:00<第20回> セックス
- 高校時代、思春期真っ只中の私たちの価値は、勉強が出来ることでもスポーツが出来ることでもなく、セックスを経験したかしないか、ではなかったであろうか。私が初めてセックスをしたのは高校1年のクリスマス、その時付き合っていた彼氏と。彼は1つ年上の先輩で、既に経験済みだった。何もわからなかった私は彼に任せていたが、コンドームを装着しないで挿入しようとしてきた時には、さすがに私も知識を振り絞って彼を制止した... [続きを読む]
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- 2008/10/07 18:42<第19回> 妊娠
- 薬を飲み始めてからも、私の状態はあまり変わらなかった。だけど彼との絆が深まったことで、少しずつ、好転し始めてきた。それまで住んできたマンションは心の環境にも悪いと、彼は引越しをするように進めた。私が勝手に決めても良いと言ったので、私は独りで不動産屋を回った。彼の家からも会社からも交通の便が良い、6畳1Kだけど、新築でバス・トイレ別、最新の電気コンロでキッチンも前より広め、セキュリティはもちろん、... [続きを読む]
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- 2008/10/07 00:00<第18回> ストレスと心療内科
- 毎日彼について考えることしかない私に、疲れてきた。だけど、仕事も勉強も、他のことにでも何にもやる気が起きなかった。まるで、ぬるま湯に浸かっているようだった。一度はまると自力で脱け出すことのできないぬるい湯の、沼。私はイライラすることやヒステリーを起こすことが増えて、何かにつけて彼に当たるようになった。彼はその度に私を落ち着かせようと、大好きなケーキを有名店から買ってきた。仕事でも家庭でもストレス... [続きを読む]
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- 2008/10/06 17:37<第17回> 依存症、だけでなく過食症
- 本音を言える家族も友達も、そして勉強も仕事もない私には、彼しかなかった。朝は彼の通勤時間にメール交換をして、昼は彼が時間を作り私を呼んで毎回違うレストランでランチ、そしてホテルでセックス。彼が仕事に戻り、私は1人でブラブラする。夜は彼の仕事のない時には駅で必ず待ち合わせ。私は彼のために存在して、彼のための存在だ。最初はそれでも充実していた。次のデートでは何を着ていこうかとか、どこに行ってみようか... [続きを読む]
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- 2008/10/06 00:08<第16回> 理性と欲望
- 私たちには、絶えず欲望がある。そのために私たち人間には理性があり、それが常に行き過ぎた欲望を抑制してくれている。だけど、どうして欲望を抑える必要があるのだろう。自分の人生は自分の物だ。ありのまま、自身の望むままに生きることの何が悪いのだろうか。個人ではなく、集団で社会生活を営んでいるからこその義務であり、常識だから?それが正論だ。だからこそ、道徳から外れたことをする者は非難の対象になる。だけど私... [続きを読む]
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- 2008/10/05 16:09<第15回> 過食症から依存症
- 彼と出会ってから、過食症といえる症状が出なくなった。これまで過食をしていた時間は、マナーや料理にお洒落の勉強に、そして彼のことを考えるために使われた。更に、過食どころか食事制限のダイエットを始められた。コンビニに行っても、買うのはサラダとおかずとカップスープだけ。これまで大量に食料を買っていた分、大量にダイエット用品やブランド物を買うようになった。効果のない燃焼サプリ、食べ過ぎる豆乳クッキー、1... [続きを読む]
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- 2008/10/05 01:58<第14回> 転機の恋愛
- 最高のデートの後、目を覚ましても熱の冷めない私は本屋へ出かけた。一流になるには、自分も一流でなくてはならない。高級ホテルやレストランで恥をかかないためにマナーの本、外見をより良くするためにヘアメイク・ファッション雑誌、それから、料理の本。料理を全くしなかった私が、現在のように自分でレシピを考えられるまで得意と言えるようになったのは、これがきっかけだった。恋人に美味しいものを食べさせたい、美味しい... [続きを読む]
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