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- 2008/11/09 15:35名前 20(R18にご注意下さい)
- 生殖器にあたえられるこのなにものにもかえがたい痛苦にも酷似した空恐ろしい感覚というものを、もちろん省吾もよく知っている。100ある視界のうちのたったひとつだけしかおぼつかなくなり、あらがうことなどおよびもつかぬ、いま自分をつよくとらえているこの力の導くところに諾々としたがう、ただもうそのひとつことだけしか考えられなくなってしまう。それを手にいれるためだったらどんな狂態も痴態も恥ずべきこととは毛筋... [続きを読む]
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- 2008/11/09 02:28名前 19(R18にご注意下さい)
- はためにはけしてつよい繋がりで結ばれた恋人同士とはかれらはうつらないだろう。この家にいるかぎりではいつでもぶっきらぼうに、ややもすると不機嫌ささえにじませ簡潔でみじかい会話に終始し、おだやかに笑顔を交わしあうなどほとんどなかった。省吾の怪我の顛末を機にその性質が微妙にシフトしつつあるらしいと気づいている。以前にはそのつきあいかたにゲーム的色彩が濃厚に感じられたがあの「扉」をあけはなってからという... [続きを読む]
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- 2008/11/06 23:34名前 18
- 任意のちからというものをふわふわとまるでとらえどころもなく預けられた状態だったから、二度目の息を共有するころにはもう、優太は省吾より大柄だというのに堅めのスプリングのうえにぎしりとその身を沈みこませるかたちになってしまっていた。なぜこんなにもよく見知ったきれいなこの頬が息を呑むほど間近にあるだろうと混乱のなかで疑問をおうころには、すでに三度目のしつこくつきまとう口づけがはじまっていた。上唇をつい... [続きを読む]
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- 2008/11/05 03:41名前 17
- 優太、と青年の抵抗などものともせず、おそろしく優美でぞっとするほど凄艶な笑みをその痩せたおもてにはりつけた男は心地よいテノールでちいさくくりかえした。「優太。好き」ほっそりとのびる繊細で器用そうな指先にいかにもたよりなく預けられたままのよく陽に灼けた青年の手の甲にくちびるをよせ、しずかにふれて放し、またぎゅっときつく吸いついた。開かれていた掌はこまかくふるえる拳に変わり、甘い吐息の紗からのがれよ... [続きを読む]
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- 2008/11/04 22:41名前 16
- 「優太、おいで」つないだ手にほとんどちからをこめずにいっそ明るく省吾はささやいた。ちらとも優太は動こうとしない。ああと男はかるく目を見はるといった。「もしここが真ちゃんの寝室だっていうことを気づかってるなら無用だよ。かれは今夜もあの自室で2時間かそこら仮眠するだけでこっちにはまったくもどってこない。真ちゃんがあの論文にとりかかってからというもの、ほんとにみごとなくらいこの寝室がぼくの自室と化しつ... [続きを読む]
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- 2008/11/03 16:24名前 15
- 「寝たとかいうな!」目をつりあげてどなりちらす優太に、省吾は手にしていた専門書を寝台のわきによせあいた左手をのばして青年の腕をかるくつかんだ。「だまって。ほら、きみはまた忘れてる。怒っていいのはきみじゃなくてぼくのほうなんだってば。優太、それじゃいったいなんていってほしいんだ? 真ちゃんときみはセックスしたって? したことはそれ以外のなにものでもないんだけどつまりもっとことばをかざってくれってい... [続きを読む]
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- 2008/11/02 21:32名前 14
- 「真一と寝た」こうもあからさまに口にされるにおよんで、眼前の男にたいしてふくれあがった理不尽な怒りがこれまでかかえていた羞恥をたちまちのうちに凌駕してしまった。たしかに経験のまるですくないかれなど、あの行為はそのわずかのひとことで片付けられてしまうていどのものなのかもしれなかったが、わざわざ優太をつかまえていいたてる省吾のその意地の悪い露悪趣味がむしょうに腹立たしかった。あれを、自分のなかでは重要 [続きを読む]
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- 2008/11/01 17:40名前 13
- 「い、つ……か……ら」語尾がふるえ情けなく瞳がゆれた。だめだ!こんな顔をしていては、こんなふらふらしたたよりない声でこたえていては、この眼前の男になにもかもすべて見透かされ手もなくつかまってしまうにちがいないとぎゅっときつく目をつぶる。かくしごとが下手なのはみずからよく承知していたからこそ、これまでは喧嘩すれすれのこんな小面憎い応酬にすらおおいに助けられちいさな逃げ場を確... [続きを読む]
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- 2008/11/01 04:33名前 12
- おっさん飯食えよな、わざわざもってきてやったんだからよ! と捨て台詞を吐いて足音高く部屋を辞去しかけた青年を背後からやんわりと男が呼びとめた。「ちょっと待てよ。いいたいことだけいってさっさと出ていくってのか? こっちが食べるあいだぐらいそばにいてくれたっていいだろう? それからね、もう100回もいったかと思うんだけど、省吾だよ、ぼくの名前は。たいがいしつこいねきみは」「あんたは!」とやにわにふり... [続きを読む]
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- 2008/11/01 01:15名前 11
- 以前いちど、壁一枚へだてて省吾と真一の性行為の情景を漏れ聞いたことがあった。まだいまほどはかれらのことを知らなかったころで、そのとき受けた衝撃の品目といえば驚愕と疑惑、嫌悪と不信、さらにはまるで納得がいかなかったのだがまぎれもないつよい性的興奮があった。壁をついて高くひくくとどいてくる省吾の甘くかすれた間断ないあえぎ声に目のまえが強烈にスパークし、みずからもどうしようもないほど興奮し、勃起したもの [続きを読む]
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- 2008/10/31 21:32名前 10
- が、一見女性と見紛うほどに典麗でありながら柔弱な女々しさが感じられないのは瞳に強さがあるからだ。めんどうなことはごめんだ、つきつめて考えぬくなんていやだねと周囲を茶にしながらぜったいに譲歩しない我の強さがある。快楽主義者でさほどほめられたものでもない倫理観を伴にしながらも忍び歩きをする猫めいた用心深さを忘れず、執着はいやだ縛られるなどまっぴらごめんだといった看板をはっておきながら、どんなまわりみ... [続きを読む]
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- 2008/10/29 00:53名前 9
- あたたかそうな湯気のたちのぼる碗と、ちいさな小鉢に入っているのはすり下ろした林檎だろうか、おそろしい仏頂面で寝台に腰かけたままの省吾にむかってトレイをぐいと乱暴につきだした。「真一さんが」噛みつきそうな顔で優太はひとつことばをくりかえす。早々に休もうとすでにパジャマに着替えてしまっていた省吾は、そしるように室内に突っ立ちトレイをかかえたまま動こうとしない青年に、笑いをかみ殺しながらようやく口をきっ [続きを読む]
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- 2008/10/27 20:22名前 8
- 奥深くまで抉られ、ひどく撃たれ、じくじくと濡れる内壁を正体をなくすほどめちゃくちゃにかきまわされ、死にも似た絶頂までたかだかと引きずり引き上げられ、せつなく地に落とされたい。血脈を、内臓を、体液を、吐息を引きちぎらればらばらにされて涙で請うことも許されず思うさま揺さぶられ、ぬるぬるするそこをはげしく衝き上げられ、たったひとつのその名をかすれるまで狂おしく、なんどでも呼びつづけたい。答えてくれる。眼 [続きを読む]
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- 2008/10/26 21:11名前 7
- 「まえみたいに一晩のうちに10発も20発もそのほそいからだのなかにぶちこまれてみろ、死ぬのだってそうむずかしいことじゃないだろうよ。もっともそうなりたいってんなら話はべつだが」気味の悪い声音がたんたんと応じる。「どうだろうね」省吾は肩をすくめた。「それほどやわでもないだろう」もちろんもうあんな目にあうことなど省吾はまっぴらごめんだった。あの熱い、暗い、重い、いやな臭いのする、はてのしれぬ高い扉を押 [続きを読む]
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- 2008/10/26 15:57名前 6
- そうだ、と省吾は真一の黒くひかるつよい双眼に見入りながら考える。じつに微妙な位置にあの子どもはいる。ともに曖昧でひどく不安定だった省吾と真一のふたりのあいだにするりとはいってきて、自覚もなく牽引役をはたすことになった。真一が優太と寝たことにどんなわけがあるのかはわからないが、この男は気まぐれだけであの優太のような子どもをかるがるしく抱いたりはしない。そしてまたたとえ子細がなくとも、情欲をふくんで... [続きを読む]
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- 2008/10/25 13:03名前 5
- これを聞くと真一は肺のおくまで吸いこんだ多量の烟を眼前の恋人の顔にむけ、したたか吹きつけてやった。きつい臭いがたちのぼり、紫煙がこれまで以上に部屋の空気をうすぼんやりとにごらせた。目尻に涙をにじませ苦しげに咳き込む省吾を男はしずかに見つめる。あいてがいやがることなど百も千も承知のうえだ。「省吾、おまえ、セックスとかなんとかいってる場合じゃないんだってまだわからないのか? おまえはほんとに莫迦なの... [続きを読む]
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- 2008/10/24 23:06名前 4
- コトコト鳴りつづける鍋の番に余念がない優太の陣取る熱気のこもったあまりひろくはない台所をやおらすりぬけ、ふらふらと省吾は家主である男のいまや巣と呼び慣わすにふさわしい12畳の洋間まで足をはこんだ。もうかれこれ三週間あまりもひとつの論文にかかりきりで、それでも食事だけは優太が厳重に目を光らせていたからなんとかまともなものになってはいたが、なきにひとしい睡眠時間のために眼窩ははなはだしくおちくぼみ、い [続きを読む]
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- 2008/10/24 05:17名前 3
- 「省吾、おまえそれ優太にセクハラしてるって自認したことにならないか?」「真ちゃんうるさい。さっきからちょこちょこうるさいんだよ真ちゃんは。で、どうする優太。愛情たっぷりの濃厚なふれあいを選ぶか名を呼ぶか、どっちがいい? 選んでみな。選ばせてやるよ。まあ名前を呼ぶほうがぼくにもきみにも実にかんたんにケリがつくと思うんだけど」「い・や・だ」まさに犬歯をむきだして優太は簡潔に意思表示した。ああそう、とか [続きを読む]
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- 2008/10/23 01:08名前 2
- かかえていた食材の入った袋がもちぬしの手から放たれにぶい音をたてて板張りのうえにばらばらところがっていった。背後からまわされた太田省吾のすんなりのびたきれいな指先が優太のからだをはなれる直前、胸の突起のあたりをちょっとつまむようにして閃いていったのを、当事者たるふたりはむろん向かいにいた真一もぬけめなく見てとり、おやと眉をつりあげた。ちらばったじゃがいもに思いをはせる暇もあらばこそ、青年はホールド [続きを読む]
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- 2008/10/22 23:31名前 1
- 「真一さん! はいこれ図書館から借りてきた。これでよかったんでしょ?」 浅野真一が教授として奉職する大学敷地内にある図書館まで使いをたのまれていた風間優太が、右腕いっぱいに近所のスーパーで買い込んだとおぼしき夕飯の食材をかかえ、左掌にはけして薄くはない二冊の上製本をしっかりとつかみしめたまま破顔一笑し男にさしだした。 うち一冊は近世から近代にかけての日本人文学者を異端と称されるある一研究者の手に [続きを読む]
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- 2008/10/22 00:05このカテゴリについて
- 「一緒にいたって いいじゃんか!」(http://blogs.yahoo.co.jp/rhythm2005yuumi/18170571.html)というわたしの大好きな話があります。 作者のりずむさん(http://blogs.yahoo.co.jp/rhythm2005yuumi)のお許しをいただきこの小説の二次創作のためのカテゴリを作りました。書いているわたしだけが楽しいカテゴリかもしれませんがいいのです(開き直り)。現在連載中の「天使」という話ももともとはこの「一緒にいたって…&h [続きを読む]
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- 2008/10/19 19:29天使 20
- 槻田さんと耳底にのこるひくい声で呼ばれわれにかえった。 (今夜会えませんか?) (今夜)と裕資がみじかく低声でくりかえしたのを牽制か抗議と受けとったのか携帯のむこうのそれが微妙にはねあがった。 (だってきょうは水曜日でしょう? もう3日もがまんしたんだよおれは。明けても暮れてもあんたのことばっかり考えてておかしくなりそうだった。授業なんかまるで手につかなかったんだ) そんなにセックスがしたかった [続きを読む]
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- 2008/10/17 23:01天使 19
- 嘉数という男は自分のいったいどこをこうも気に入ったものかといぶかった。 共寝に具合のいいあいてだと? それはそうだろうとみずからにいくばくのけれんもなく淡々と考え至る。 ひとの気持がよくわからず自分のそれすらも掌をさすようなものとはいいがたかったのだから、まがりなりにも共有にちかいなにものかを不自由な片手で掴みしめ、手渡せるのはそのときの尖った生のままの感覚だけしかなかったのだ。 よりそう愛情が [続きを読む]
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- 2008/10/17 02:02天使 18
- かれの願うところを、このたったいちどだけ寝た男は看破したのだろう。 いぜん数ヶ月ほどつきあったことのある、これはまたべつの男から「死にたいのならひとの手を使おうとするな」とにがにがしくのべられたことがあった。 そんなつもりはまるでなかったが裕資のつごうのいいように自分が制御され、振りまわされているとでもかれは感じたのだろう。 裕資には恋愛感情がよくわかっていない。 遠い、まだいまよりは感情がよほ [続きを読む]
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- 2008/10/16 02:49天使 17(R18にご注意下さい)
- 欲しくて欲しくてどうしようもなくて狂おしく身をよじり、入れてくれ、はやく、はやくと情欲にかすれた声でいくども懇願した。 下半身を震わせ、不規則に揺らせ、左手を背後にまわしみずから尻肉をかきわけ菊座をさらけだして男をさそった。 怒張したペニスの先端からぷつぷつととめどもなく先走りの液があふれ出て、くびれのあたりを忙しげにうごめく裕資の指先と敷布とをしとど濡らした。 肉のついていない硬く平らかな尻... [続きを読む]
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