かわらないもの・act19
--------------いつも、僕の前にいた。いつも、僕の前にいてくれた。大きな、大きな背中。大きな、大きな掌。…僕は、それが大好きだった。一緒にいられた時間は僅かだったけれど…。それでも。僕は、はっきりと覚えている。あの、確かな温もりを。俺は、はっきりと憶えている。そこに、確かな“絆”があったことを。・・・・・・。…少しだけ。少しだけ、昔を思い返してみた。あの日。色々な事があって。まだガキだった俺には、全てを理解する事はできなかった。和真「簡単に言うとさ。…昔、俺の両親が離婚したんだ。」優しかった両親。あの頃の俺にとって、それが世界の全てだった。繋いだ手。その先には、いつも温もりがあった。和真「……まぁ、大変だったのはその後だったんだけど、な。」――その手を握り返せなくなるなんて、夢にも思わなかった――和...かわらないもの・act19
2008/03/13 11:15